過去の議事録

2007年6月25日(月)開催 第52回TBSラジオ&コミュニケーションズ番組審議会より
「こちら山中デスクです」

出席者(敬称略)

委員長山野 勝 
副委員長田中珍彦 
委員宮台真司 萩原健太 野地秩嘉 田中里沙 榎本敬子

局側出席者

清水 社長

余田 編成制作局長

入江 番組審議会事務局長

河野 経営企画室長

池田 プロデューサー

番組内容について

『こちら山中デスクです』は、4月にスタートした、月曜日の夜8時から10時までの生ワイド番組です。パーソナリティーを務めるのは元フジテレビアナウンサーの山中秀樹さん。(アシスタントは久保田智子アナ)山中さんは25年間にわたって報道からスポーツ、バラエティーまで幅広く活躍した実力派アナ。番組では、検索エンジン『Google』と連動し、「1週間で最も検索されたキーワードベスト20」を紹介していきます。また、番組のもう一つの聴きどころは「放送で話せなかった現場の話」。今だから話せる「ホント」と「ホンネ」に迫る、興味深いコーナーになっています。

委員の主な発言

★ 検索ランキングの紹介というのは、今の時代に合っていると思いました。この番組を週に1回聞けば、世の中の動きとか関心事にキャッチしていけるのかなと思います。
★ 気になったことは、分からないことがあって、それが「宿題になります」ということだったんですけれど、こういう放送でも分からないまま放送することがあるんだなと思ってしまいました。
★ 最近のラジオはインターネットに頼り過ぎ。コミュニケーションツールとして使っている分にはいいんですけれど、検索エンジンにも頼るのかと。自分のところで旬なものを見つけるのではなく、そういうところから持ってこようとしていることに寂しさを感じました。
★ 山中さんは、知っていることは非常に熱心にお話しになるけれど、知らないことに対しては消極的という印象。割と懐疑的に接している感じが伝わってきたんですね。もっと広がらなくちゃいけないはずの、検索エンジンを使ったテーマが、はじかれているように受けとりました。
★ メディアを聞く時には、世の中の情報にサーフする(乗っていく)側面と、もう1つは、ちょっと待てよという風に、一部あらがいつつ、ポジションを取り直すという2つがあると思うんです。その点からいうと、番組全体としてまだ不安定な所がややあるという印象を受けました。
★ 面白いと思ったのは、ロス五輪のことや野球中継のことを含めた、戸谷真人アナウンサーの部分。これは楽屋ネタですよね。「ギビング・インパクト」と言いますけれど、目からうろこ的な部分だったと思います。聞いてきてよかったなという気持ちにさせます。ただ、その場合にでも、単なる楽屋落ちでなく、『メディアには必ず表と裏がある。それは検索エンジンでキーワードが上位に並ぶことも同じ。裏を知ると、また違ったエリアが見えてくるんだ』という面をある種、普遍化していくような語り口も、実はあったと思うんです。
★ 「デスク」ということは、調べてきたり、世の中で起きていることをどう意味づけするとか、分からないことがあったら「もう一回調べてこい」と記者に戻すとか、そういう機能かなと思っていたんですけれど山中さんが「あ、そうなの。ふーん」と言って終わることが多かったので、もう少し深まらないものかなあと思いました。
★ Googleとの協力関係が曖昧で、多分データを出してもらうだけの感じなのかなと思うんですけれども。Googleの中や周辺にリサーチャーみたいな人がいるので、そんな人をスタッフに入れることも考えられるのかなと思いました。
★ 全体的には、(ランキングより)コーナーのほうに面白さと持ち味が出ていて、2人でやっている時は、山中さんがちょっとかぶり過ぎでうるさかったかな。テレビでやっていたから、存在することに慣れている人が、音だけで存在しようとすると、少しトゥーマッチになるのかなと。
★ 話としては「放送で話せなかった現場の話」が面白かったです。でも伝える時、全員アナウンサーで固まっちゃっているので、「聞いていらっしゃる方はこういう風にとられてしまうかもしれないけど」という視点みたいなものがあると、内輪話っぽく聴こえずに済むのかと思います。

(TBSラジオ番組審議会事務局)