過去の議事録

2005年4月25日(月)開催 第31回TBSラジオ&コミュニケーションズ番組審議会より
「所さんのブクブクゴシゴシ!」4月18日(木)録音放送番組

出席者(敬称略)

委員長吉越浩一郎 
委員宮台真司 萩原健太 赤池 学 田中里沙 中村克代

局側出席者

 清水 社長

 大沢 取締役

 入江 編成局長

 水口 担当部長

 千葉 番組審議会事務局長

 鈴木 プロデューサー

番組内容について

40代の男性がおふろでゆったりと聞ける時間、それからそういう空間をつくりたいということで始めた「大人の時間割」ですが、そのなかで月曜日といいますのは、旗手というような形です。
4月から野球放送が始まりましたが、野球放送のない月曜日はこれまでの所さんの番組を多少のリニューアルを含めて継続放送をしています。 所さんは50代になったばかりなんですけれども、世の中の、今もしかしたら多少元気がなくなっているのではないかという世代の聞いている人たちに元気を少しでも持ってもらえればなということでやっております。
テレビの所さんは、進行とかコメンテーターでありますとか、役割がかなり制限されていると私は常々思っておりますので、ラジオの所さんは、人間・所ジョージ、もしかしたら子供がそのまま大人になっちゃったかもしれない無邪気さと、それから比較的、ああいうふうに見えますけれども、とても神経の細かい方で、なおかつ正義感にあふれている。自分で言ったことは必ず実行するという有言実行型の男性でありますので、そういうところをラジオで出していけたらなと思っております。
そもそも20年前に、「バホバホ隊」というTBSラジオの夜の番組を帯で所さんとやっておりまして、実はラジオの制作の中でも、私自身もその番組にディレクターとしてかかわっておったということもございまして、今回20年ぶりに所さんという、ある意味ではとても大きな存在と改めて対峙するというような形になりました。
今後に関しては、もちろん今のラジオでしか聞けない所さんという部分をずっと続けていきたいということと、もう1つの面、お父さんという所さん、家庭人・所ジョージという面を出していけたらと思っています。

議事の概要(主な意見)

◇常識というものに意識的にこだわろうという所さんならではのスタンスがないと、多分喋れないことを感じました。これもやっぱり普通のお笑い芸人にはない、所さんだからこそ出せる味なんだろうなと思いました。

◇初めてこのラジオで所さんの考えとか、スタンスを聞いて、なるほど、やっぱり人気があるだけあって、すごい方だなと感じました。 番組のコンセプトどおりに、肩の力を抜いて元気になれるラジオというイメージが実践されていてすごく面白かったです。ちょっと知らない、ゴルフ場のカートが1台160万円もするんだとか、そういう所さんならではし出てこない情報とかも聞けました。

◇出演者の笑い声が、所さんのマシンガントーク的な発言にかぶっていて、正直耳ざわりでした。

◇14歳のうちの息子が途中まで聞いていたのですが、聞いていなかった一部を「多分あなたたちに対するいいメッセージよ」と話したら、「じゃ、ちょっと来週から聞いてみようかな」と言っていました。年齢層ですか、そういうものは、逆に所さん自身は余り決めていないのかなという感じはしました。

◇非常に元気で、高いテンションで喋りまくる。キャッチフレーズの「60分間しゃべりたおし」、まさにそのとおりだと思いました。聞きにくいというところがあったかもしれないですけれども、何かお酒を飲みながら一緒に話している、そういった雰囲気があるので、だから言葉がかぶっちゃうところも出てくるんじゃないかなという気がしました。

◇僕はこの番組はテレビとは違ったラジオの可能性、ラジオだったらここまで1人の個人に喋らせることができて、それなりのインパクトのある、あるいはデプスのある話ができるという意味で非常に好きです。これは毎週聞いてみようという思いに、非常に強くさせられました。

◇僕は1時間なら1時間、1つの、今週だったら重いテーマみたいなことについて、いろいろな変転がありながら、ずっとそれを引っ張りながらその問題について語っていくというみたいな、所さんの問題意識とかキャラからいくと、そういうことを十分こなせそうな気がします。

◇所さんの大人・子供とか正義感とかお父さんとか家庭人とかというキャラクターを生かすのであれば、もっと社会性のある、時事性のある固いテーマみたいなものを意図的に織り込んだ方が面白いんじゃないかなと思いました。

◇最初から相当テンション高く始まりまして、前半すごく話題がポンポン変わっていくので、9時ぐらいって、まだ自宅に帰って、少し気分が高揚していて、これからゆっくり休みに入っていこうみたいな流れがリスナーの中にもできると思うので、リスナーの気持ちに合わせた形で番組を進行しているのかなと受けとめました。

◇必要以上に何も余計なものが入らずに、所さんの個性が全部、彼の視点が見られる、聞けるということで、すばらしいと思います。

◇所さんの社会実感とか同時代批評みたいなものをちゃんと聞きたいなと感じました。おふろにせっかく入っているわけですから、「そうそう、僕もそう思うよ」というような共感みたいなものを、テーマ設定次第でもっと引き出していけるんじゃないかなと思います。

◇自分が日ごろ思っていることを言葉にしてもらえる面もあるし、そうか、そういうふうに表現すると、日ごろの不満を過激で、しかし、過剰に毒がなく表現できるのかとかいろいろためになる、非常にすばらしい番組で、私としては文句のつけようがなかったです。

◇F1グランプリの情景をジベルノーとロッシの抜きつ抜かれつというのをしゃべりでやってましたね。実際に聞いてみて、テレビで見るよりも面白い。あれは1つのコーナーとして自立させてもいいぐらいすごいですよね。つまり、テレビあるいは映像で普通は見ることができるものを声で、映像以上のリアリティーを持って再現する。あれは所さんの喋りの力が本当に全開でしたよね。あれはみんな驚いたんじゃないでしょうかね。すごいな、こういうのでできるかなって、あれは驚きました。

◇せっかく番組のなかで生回しで所さんの曲が聞けるので、これも番組のテーマの与え方次第で、もっとメッセージ性のある、それでいて非常に娯楽性と共感性のある音楽みたいなことも、番組の中で有機的に位置づけることができるのかなと感じました。

(TBSラジオ番組審議会事務局)