[ロケ地マップ付き]現場レポート

一覧に戻る

Vol.1 日本 栃木県日光市足尾 古河掛水倶楽部

 6月某日、日本とベトナム国交樹立40周年を記念したスペシャルドラマ『The Partner 〜愛しき百年の友へ〜』の撮影がスタートしました。
 こちらのロケ地紹介コーナーでは、今回撮影にご協力いただいたロケ地を、撮影の裏側と一緒にご紹介していきたいと思います。

 第1回目は、栃木県は日光市にある足尾をご紹介します。「足尾銅山」といえば、聞き覚えのある人も多いはず。

(写真)

 慶長15年(1610年)に備前楯山で発見され、江戸幕府直轄の銅山として栄えたのがここ足尾銅山です。こちらで採れた銅は、銅銭「寛永通宝」にも使用されたことでも有名です。江戸時代から昭和48年(1973年)に閉山を迎えるまでの約360年続いた、歴史的価値のある場所でもあるのです。
 そして今回、ロケにご協力頂いた「古河掛水倶楽部」は、明治32年(1899年)に銅山の迎賓館として建設された洋館で、当時は宿泊や会合に利用されていました。平成18年には、国登録有形文化財として登録されています。

(写真)

 ……1899年、約100年前!? そう、浅羽佐喜太郎とファン・ボイ・チャウが生きた時代に生まれたものなのです。「The Partner」は、現代まで語られることのなかった友情の物語。
 日本からは東山紀之さん、ベトナムからはファン・フィン・ドンさんがW主演し、さらに日本人とベトナム人スタッフが協力し合いながら行った撮影風景をレポートしたいと思います。

 と、勢いよく現場レポートをスタートしたものの……。実はこの日の撮影、ラストに近い、ある意味クライマックスシーンなんです。物語の要とも言っていいほどの、とても重要なシーンでした。
 そして、この日クランクインしたのが、ベトナムから来日したファン・ボイ・チャウ役のファン・フィン・ドンさんと、100年前の日本で東山さん演じる佐喜太郎を支える看護師・大岩あかね役の武井咲さんでした。
 ドラマを観て、こちらのシーンをより楽しんで頂きたいので、シーンの内容はあまりお伝え出来ないのが残念ですが、フィン・ドンさん、クランクインしてすぐの撮影が佐喜太郎さんを想って号泣するというものだったんです……。
 佐喜太郎役の東山さんとファン役のフィン・ドンさん、撮影ではまだ一度も会っていません! これまで撮影で苦楽を共にしてきた相手ならまだしも、佐喜太郎さんのイメージも無いまま、監督からは号泣を求められるフィン・ドンさん。
 しかもこの日は雨が降っていたので、急遽、雨のシーンとして撮影を始めたら、急に晴れてしまったではないですか!? ドラマの撮影では、それぞれの顔をアップで撮ったり、役者さんたち全員が写るよう、カメラを引いて撮影したりと、カメラの位置を変えて何度も同じシーンを撮影します。雨が降ったり晴れたり、ひとつのシーンなのに天気が変わってしまって、画が繋がるのかという不安を抱えながらも、そこは役者さんとスタッフさんたちが一丸となって撮影を進めたおかげで無事乗り切ることが出来ました。

(写真)

 そして撮影は、フィン・ドンさんのラストカットに。佐喜太郎さんを想って号泣するシーンでは、フィン・ドンさんの気持ち作りがとても重要視されました。武藤監督は、役作りに悩むフィン・ドンさんに、登場人物のとても繊細な感情の流れを細かく、そして丁寧に説明した上で「もっと激昂して、声を上げていいから、これまでの人生で一番泣いてみてください」と通訳さんを通して演技指導を行いました。
 何度もテイク数を重ね、一旦休憩をはさみ、そして浅羽病院の外観となる古河掛水倶楽部の外観を眺めながら気持ちを作るフィン・ドンさん。スタッフさんたちも、そのシーンでフィン・ドンさんと一緒に共演した武井咲さんも、彼の頑張りに心の中でエールを送っているのが伝わりました。

 監督から「OK」の声がかかった瞬間です。監督から「ありがとう」とフィン・ドンさんに握手を求め、ほっとひと息つくかと思いきや……。なんと、土砂降りの雨です。まるでフィン・ドンさんの撮影が終わるのを待っていてくれたかのような雨、雨、雨。
 これには現場の皆さんもビックリでした。次の撮影準備のため、雨合羽を着た美術スタッフさんたちが大慌てで作りこんだ外観部分を片づけていきます。表舞台だけではなく、裏方さんたちのこうした努力によって、ドラマは出来上がっているのですね。
 浅羽病院の前で、号泣するフィン・ドンさんのシーン、絶対に見逃さないでくださいね!

 お次の撮影は、東山さん演じる佐喜太郎さんの登場です。
 東山紀之さんは、今回の佐喜太郎役では特殊メイクを施しています。丸メガネに坊主姿!!  さらに、東山さんのアイディアで衣装の中に厚みのある素材を着こんで、少し大柄にみせているので、その辺にも注目して観て下さいね。
 この日の撮影は、雨が降ったり止んだりと、天気に振り回されてしまいましたが、東山さんの登場でまたしもてミラクルが起こりました。なんと、それまで土砂降りだったのに、東山さんが現場に入られた瞬間、空が晴れあがったじゃないですか!! これにはスタッフ一同驚きを隠せませんでした。
 さすがは東山さん! そして、このミラクルはこの後の撮影でも続きましたが、それはまた別の機会にぜひレポートさせてください!

 スペシャルドラマ『The Partner 〜愛しき百年の友へ〜』の撮影は、天気との戦いでもありました。武藤監督がこだわりにこだわった日本とベトナムのロケ地と、撮影中手放すことのできなかった雨合羽物語を、現場レポートと一緒に今後もご紹介していきますので、どうぞお楽しみに!