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#24 島根県大田市2008年12月14日放送
(写真) (写真)島根県大田市。中央の山間部には、昨年(2007年7月2日)日本では14番目、鉱山・産業遺跡としては初の世界遺産となった石見銀山遺跡があります。
石見銀山は戦国時代後期から江戸時代前期にかけて最盛期を迎えた、日本最大の銀山でした。山を崩さず、狭い坑道を掘り進んで採掘し、製錬用薪などのために伐採した森林は、植林して補うという「21世紀が必要としている環境への配慮」を、その昔から実行していたことが、世界遺産登録への大きな決め手になったといいます。
銀山そのものは1943年に閉山してしまいましたが、森林資源の適切な管理が行われたことにより、今日でも周辺には豊かな山林を残しています。
しかしその山林が今、大きな問題を抱えていました。
竹林が増えてしまい、地元の人々の生活に深刻な打撃を与えていたのです。竹は旺盛な繁殖力を持ち、たった2〜3ヶ月でタケノコから成竹になってしまうため、あっという間にその土地を覆い尽くしてしまいます。
要するに竹林拡大の直接の原因は、管理が行き届かなくなったことにありました。地主の高齢化に伴い、放置せざるをえない竹林が増えてしまったのです。
実は島根県は日本一、高齢者(65才以上の人口割合)が多い県で、人口の27.1%を占めています(2005年国勢調査)。高齢化・過疎化によって、竹を伐れる人が減ってしまった結果、畑も家も竹に侵食され、お年寄りたちの生活の場が奪われつつあります。
そこで4人の若者が、竹林の間伐に向かいました。誰かが竹を伐らねば、暮らす土地がなくなってしまいます。地元の代表と相談し、竹林被害が特にひどい3か所で伐採作業をすることとなりました。