TBS 日曜劇場「JIN -仁-」｜現場レポート

現場レポート

VOL.16 第８話、放送されました！

ある日のスタジオにて。前室で、綾瀬はるかさんと六平直政さんが、お菓子を食べながらお話をしているところに遭遇しました。「はるちゃんのくれたこのおせんべい、ほんとに美味しいねぇ～（六）」「じゃ、もういっこ同じのあげる！！（綾）」･･･。仲のよい2人のやりとりをしばらく眺めていると、なんだか休み時間の女子高生が2人、教室の窓際でキャッキャとじゃれ合っているかのように見えたのですが･･･これ、目の錯覚でしょうか･･･。六平さんのご年齢は55歳。綾瀬さんの親御さんとほぼ同年代だそうなのですが･･･とにかく仲のよさそうなお2人の姿に和みました（笑）。
さて、今週も番組へのご感想や出演者・スタッフへの応援メッセージは、当サイトの『ファンメッセージ』までお待ちしています。どしどしお寄せくださいね。
それでは、第8話の撮影中のお話です。

photo

先日、ＭＩＳＩＡさんからも差し入れを頂きました

『伝説の歌舞伎役者・澤村田之助』
第8話には、吉沢悠さん演じる澤村田之助という歌舞伎役者が登場しましたが、みなさんはこの人物のことをご存知だったでしょうか？原作にも登場するのですが、『三代目澤村田之助』とは幕末に実在した名女形。一世を風靡した「江戸歌舞伎界のスーパースター」だったそうです。15歳のときに三代目澤村田之助を襲名した彼は、翌年16歳にして「立女形」という座長格のポストに出世。スラリと女のような身のこなしで、江戸の人々を熱狂させたといいます。
ところが、脱疽という恐ろしい病気にかかってしまった田之助は、手足を切断せざるをえない状況に陥り、アメリカ人宣教医・ヘボン博士の手によってまずはやむなく右足を切断。その3年後には左足を、さらに右の手首から先、左手の小指を除く四本の指までをも失い、ついには精神を病んで34歳のときに狂死してしまったのだそうです。

photo

今でも多くの錦絵が残存しているという田之助

田之助は、日本で初めて義足をつけた人としても有名で、彼を執刀したヘボンが田之助のためにアメリカから義足を取り寄せてやり、再び舞台に立たせたというエピソードが残っているのだとか…。身体の自由を奪われても役者人生を諦めなかった田之助は、舞台の上に立てずとも「表情」や「佇まい」で人々の心を魅了。最後まで、江戸の人々の心を揺さぶり続けたそうです。
そんな田之助を演じた吉沢さんは、撮影現場で山田先生から彼の苦労や生い立ちなどを聞き、「田之助ってそんなすごい人だったんですね」とポツリ。伝説の人を演じることへのプレッシャーを、大いに感じたようでした。

photo

澤村田之助を全力で演じられた吉沢悠さん

「女形って、のどを鍛えているから声質がやわらかく、なで肩で、歩き方も座り方もふにゃふにゃしているほういいのよ」と山田先生。吉沢さんもそういったところに相当意識を払いながら演じていらっしゃったようで、現場で見ていると、女の私でもドキっとしてしまうほど色っぽかったですよ。
仁や恭太郎が金を貸してくれと頼みに来る場面では、「もっと彼らを馬鹿にしたような態度を強めて」という監督の指示で吉沢さん、口調はやわらかいままながらも仁たちをあざ笑うかのような態度でイヤミっぽくニヤリ。妖艶な雰囲気で、その場を圧倒していました。

photo

ばら撒かれた小判、いい音してました（笑）！

ちなみに、龍馬を演じる内野さんが田之助に「薬におまんの名をつけるかがじゃ。名薬田之助、助かる田之助･･･」と言って持ちかける場面がありましたが、この部分も内野さんがアドリブを加えてふくらませていたところです。
内野さんはこのシーンに限らず、坂本龍馬という人物をよりいっそう魅力的なものにするため、セリフや動きにアドリブを加えながら演じていらっしゃるのですが･･･そういえば、あの1話に登場した「しゅじゅちゅ」のセリフも、実は内野さんのアドリブによるものだったんですよ（笑）。

photo

目尻に紅をさして、色っぽい表情の吉沢さん

また、野風のセリフに「歌舞伎役者の登楼は禁じられているので、田之助は武士に変装していたのではないか」というくだりがありましたが、田之助がなぜ変装して吉原にやってきていたのかや、中条流（「ちゅうじょうりゅう」と読みます）についての詳しい解説につきましては、最新の『お江戸マメ知識』コーナーをクリックしてお読みになってくださいね。

photo

『いいもの見ぃつけた！』
最近、大沢さんが愛用しているものがあります。第8話の撮影中のこと。ある小道具を見つけた大沢さんが「これいいね！」と声を上げました。それは、歌舞伎役者が芝居の途中に腰掛けるために使っていたという、70センチほどの高さの木製椅子。これはもともと美術スタッフが、田之助の楽屋に置くために用意していたものだったんです。「昔の人たちはあまり背が高くなかった」ということは、以前このサイト内でもご紹介させていただいたと思うのですが、役者たちは歌舞伎の演目中にずっと立ったままでは疲れてしまうため、ときおりこの椅子に腰掛け、あたかも立っているかのように見せかけていたのだとか。
何気なく腰掛けたこの椅子が気に入ってしまった大沢さん。どうやら座り心地や高さがジャストフィットだったようで、「これ、現場にいつも置いてあると嬉しいなぁ～！」。
それからというもの、この椅子は大沢さんがスタジオ入りすると常に用意されていて、大沢さんに可愛がられているんですよ（笑）。

photo

先日一緒に食事にも行かれたという、大沢さんと小出さん

『侍の目にも涙･･･』
第8話は、橘恭太郎が大活躍の回でしたよね。恭太郎が見せた男らしい行動に、グッと心を掴まれた方も多かったのではないかと思います。本日更新のインタビューでは、そんな恭太郎を演じていらっしゃる小出恵介さんを取り上げさせていただいたのですが、小出さん自身も恭太郎のやるせない気持ちにはすごく共感できたのだそうです。仁と龍馬の前で自身の感情を吐露するシーンでは気持ちが入りすぎてしまったのか、小出さん、「男子たるもの人前では決して、泣いてはならぬと･･･」のセリフを前に、大粒の涙がボロボロとこぼす一幕も･･･。もちろん撮り直しとなってはしまったのですが、自分の器の小ささを嘆く彼の心中を考えるとどうしても涙を流さずにはいられなかったようです。
しかし、前を向けば『勝海舟』、右を向けば『南方仁』、左を向けば『坂本龍馬』とは恭太郎･･･なんて不利なポジションなんでしょう（笑）。そんな偉大な人物たちに囲まれて過ごしていたら･･･誰だって自分の器の小ささを嘆きたくもなりますよね（苦笑）。しかし、仁と龍馬がきちんと恭太郎のよきところを理解しており彼を褒め称えたシーンには、男同士の熱い絆が感じられ、なんだかもらい泣きしてしまいました･･･。

さて、来週放送の第9話では、江戸で大火事が発生！そして、野風が仁に迫り･･･咲、大ピンチ！？新門辰五郎役の中村敦夫さんも登場しますので、ぜひご期待ください！

photo

TBS 日曜劇場「JIN -仁-」

2009年10月11日スタート 日曜よる9時

現場レポート

VOL.16 第８話、放送されました！

2009年10月11日スタート日曜よる9時