TBS 日曜劇場「JIN -仁-」｜インタビュー

インタビュー（スタッフ）

VOL.1 森下佳子さん（脚本）

このドラマの脚本を担当することになり、まず思ったことは？

時代劇は初めてで･･･、大沢たかおさんのファンだったので･･･、石丸さんとは･･･等

実はもう何年か前の話になっちゃうんですけど、石丸Ｐが初めに「スーパージャンプでやってる仁って知ってる？」と聞かれ、当時はまったく知らなかったので、そのまま「知らないよ」と。「俺はすっごく面白いと思うんだけど。うーん、俺だけかなあ」と、素で迷ってるＰを見られて面白かったですよ。で、原作を読ませてもらって、私もすっごく面白いと思いました。「できるの！？金は！？大丈夫！？ってか私で大丈夫！？」とも同時に思いましたけど……。

時代劇は初めてだし、歴史にとりたてて詳しいわけではないので、不安だらけではありましたけど、そこはみんなの胸を借りようと腹をくくりました。この仕事をしていても、時代物に挑戦できる機会はそうそうないでしょうし、ありがたくやらせていただくことに決めました。

いやいやホントにありがたい話です。

この作品の脚本を手掛けるにあたり、こだわっていらっしゃる点を教えてください。

原作の声をとにかく大切にしようと思ってます。
私の仕事は原作の中から出て来る声、場合によっては聞こえにくい声をより聞こえやすくすることだと心しながらやってます。

医療のエピソード自体は原作にしっかりあるので、後はそれぞれのキャラクターが生きているドラマになればいいなと思ってます。この話の主役はもちろん仁先生だけど、それぞれの役にはそれぞれ自分が主役の人生と言うものがあるはずですから。そこはうまくからめて描きたいなあ、と。

『ＪＩＮ-仁-』の脚本を手掛けるにあたり、苦労されていらっしゃることを教えてください。

もーねー。時代。これに尽きます。あると思ってたのにない言葉、ないと思っていたのにあるモノ、そんなことの続出なので。決定稿を入れた後、ある言い回しの存在を知り、「しまったー！」と思うことも多々・・・・・・。慌てて、監修の先生に確認したり。
神経質になりすぎて、ワケがわかんなくなっちゃったことも。石丸Ｐの「ドキュメンタリー作ってんじゃないんだから。ドラマなんだから、伝わることが一番でしょう」という言葉に救われました。

後ね、キャラがみんな愛おしすぎて、ホンがどんどん長くなる……。コイツのここ見せたいんだよなぁ、でもコイツのここも見せたいで、どんどんどんどん長くなる……。
石丸Ｐも今回同じ感じなので、準備稿（決定稿前の原稿）はめっちゃくちゃ長いです。
で、毎回決定稿入れで頭を抱える始末です。

これまで大沢たかおさんに対してお持ちだった印象や、現場でお会いになってみての印象を教えてください。

『オンリーユー』で出会った衝撃は忘れられません。「誰この人！？」って釘付けでした。あの当時は2枚目の俳優さんがああいう役をやるのは少なかった気がするんです。それから、大人計画の番組で、「僕は昔この劇団にいた」というとんでもない大嘘をついて出演されたのを見て（演出でついたウソです。もちろん）、またまた衝撃を受けました。もうね、やられました。やっちゃうそのスタンスがステキです！

映画も色々拝見させていただいてるのですが、個人的には『魚河岸～』の旬ちゃんとか明るくてちょっとヌケてる役を演じてらっしゃるときの大沢さんが好きです。

実際にお会いすると、気さくで、前から知り合いだったかのような気がしてしまうような不思議な魅力を持った方です。で、同時に「えええっ！？あんた芸能人だよね！？」って言いたくなるようなことをやっちゃうこともある方で……。
基本はお仕事に対してめちゃくちゃ真摯なんだけど、地として呑気な部分も持ってらっしゃるというか、そういう風に見えるというか。
実は仁先生とすごく似てらっしゃると私は勝手に思ってるんですけどね。

「神は乗り越えられる試練しか与えない」というセリフも登場しますが、逆境に立たされたときご自身に言い聞かせている言葉などがあれば、教えてください。

おそらく、死ぬことはない。

このドラマの主人公のように、もし江戸時代へタイムスリップしてしまったらやってみたいこと、会ってみたい人物などを教えてください。

当時の歌舞伎の大スターには会ってみたいですね。
お庭番にも会えるなら会いたいです。後、花魁、お稚児さんとか……。
今からでは想像できないような環境の中で生きていた時代のあだ花みたいな人たちに順次会って行ってみたいです。

視聴者のみなさんへメッセージをお願いします。

神の悪戯な手の中で、仁は一体どれだけのことができるのか。
彼を筆頭に、このドラマの登場人物はみんな、それぞれにものすごく「あがいて」います。
そういう姿を温かい目で見守ってくださればと思います。

戻る

TBS 日曜劇場「JIN -仁-」

2009年10月11日スタート 日曜よる9時

インタビュー（スタッフ）

VOL.1 森下佳子さん（脚本）

2009年10月11日スタート日曜よる9時