TBS 日曜劇場「JIN -仁-」｜インタビュー

インタビュー

VOL.6 小出恵介さん（橘恭太郎役）

初の時代劇ということですが、撮影には慣れましたか？

気付けばクランクインからもう３ヶ月ほど経ちますし、ずいぶんと慣れてきました。最初は何もかもが初めてで、着物を着て歩くことですら身動きが制限されて息苦しく感じたり、芝居の途中に鬘（かつら）が気になってしまったり･･･。でも、最近では“着物なりの動き方”というのもわかってきて、まわりの人たちからも「動きが不自然ではなくなったね」と言われるようになりました。

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着物姿が凛々しくて大変好評ですが、いかがですか？

正直、「似合う」と言われると嬉しいですね。ただ、最初のころは、着物を着せていただいてもすぐに着崩れてしまって、ちょっと焦りました。どうも姿勢が悪いらしく、帯がどんどんと上に上がってきてしまうんですよ（笑）。

他にも苦労されていらっしゃる点はありますか？

言い回しなども独特なので、現代劇に比べて単純にセリフが覚えにくいですね。あと、やはりその時代を生きていた人たちが何を考えてどう動いていたのかがわからないので、なかなかリアリティを持てないまま、想像をふくらませて演じていたりとか･･･。でも、気持ちの部分では、江戸に住んでいた人たちのことを少しでも理解したいなと思いながら演じています。

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橘恭太郎とは、どんな人物ですか？

根が真面目で、常に前に進みたいと思ってはいるんですけど･･･どうも空回りしてしまう、要領の悪いタイプなんでしょうか（笑）。権力に対する憧れからではなく、純粋な気持ちで「自分もなにかこの時代の力になりたい」と願っている、一生懸命で不器用な男です。ただ、恭太郎の隣にはいつも、『坂本龍馬』という優れた人物がいて･･･。その自由で破天荒で機智に富んだ人柄に、強い劣等感を感じてしまっているんですね。龍馬がどんどんと出世していくのをみて妬んでしまうというか、心中穏やかでないというか･･･。そういった恭太郎のやるせなさみたいなものが、８話でひとつ爆発することになるのですが、そこで開き直ることによって、恭太郎も壁を突破していくんでしょうね。

そのあたりの心境の変化を表現するにあたり、気をつけたことはありますか？

急に人が変わったように爆発するというのでは、やっぱり視聴者の方も違和感を感じてしまうと思ったんです。キャラクターの気持ちの変化を自然に見せていくことが大切だと思ったので、監督やプロデューサーと相談をして、５話ぐらいから徐々に“龍馬に対するよからぬ思い”を表現していったつもりです。恭太郎は、仁先生や龍馬といったまわりのみんなが活躍していく姿に焦りを覚えて「自分の存在価値ってなんなんだろう」とマイナスのほうに意識がいってしまうんですが、あんなすごい人たちに囲まれて過ごしていたら･･･やはり複雑に感じてしまうでしょうね。

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ご自身と恭太郎に“共通している”と感じる部分はありますか？

頭がかたいところかな（笑）。恭太郎に限ったことではないのかもしれませんが、幕末の武士たちというのは刀を抜くこともあまりなく、なにかにつけて討論を繰り広げていたようなんです。日本の国が目まぐるしく変化を遂げようとしていた際にも、「攘夷」なのか「開国」なのか･･･話し合いを続けて結局、時代の波に乗り遅れてしまったようなのですが、僕自身も自分のことを「頭がかたいな～」と思うことがよくあるので、そんなところが似ているのかもしれません。

大沢さんや内野さんといった諸先輩方との共演はいかがでしょうか？

僕自身、年上の先輩の俳優さんとご一緒させていただくのが久しぶりなので、すごく刺激を受けています。現場での芝居の取り組み方を見ているだけでも勉強になりますし、触発されます。つねに緊張感がある現場なのですが、僕はそういう空気が好きなので、すごく気持ちがいいです。でも、普段はお２人ともすごく気さくに話しかけてくださるんですよ。そんな切り替えのうまいところも見習いたいです。

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内野聖陽さんの演じる坂本龍馬を見て、感じることはありますか？

内野さんの演じる龍馬は、すごく自由で豪快で･･･本当にエネルギッシュなんですよ。間近で一緒にお芝居をさせていただいてもひしひしと生命力を感じるので、「実在した龍馬が本当にこういう人物だったなら、きっと時代に先駆けていろいろなアイデアを思いついたり、世の中を動かすような大きなことができたのだろうな」と思いますね。
内野さんの龍馬はすごくパワフルで、説得力を感じます。

撮影中のエピソードをお聞かせ願えますでしょうか？

桐谷君はやっぱりこの現場でもいじられ役で、大沢さんも桐谷くんがくると嬉々としていじってますね（笑）。桐谷くんとは以前にも共演させていただいたことがあり、プライベートでも食事にいったりする仲なので、同じシーンに参加しているときなどは空き時間にずっと喋っています。ベテランの出演者の方が多い中、若手といえば僕と桐谷くんとはるかちゃんの３人ぐらいなのですが、「若手は若手でこのドラマを盛り上げたいね」なんて話すこともあります。

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では、一番印象に残っているシーンは？

第１話の殺陣や手術のシーンもそうですが、初音との出会いもすごく印象的でした。だって、「吉原の女郎にのめり込むなんて」と一番思っていそうなタイプの男がまさか、彼女にあれほどのめり込んでいくなんて･･･。初音との出会いはまさに、意図せぬものでしたよね（笑）。そういう予想外の展開が面白いなと感じましたし、因果なものだなぁと思いました。８話では、そんな冷静さを失っていく恭太郎に、なにかを表現できたならよかったと思っています。

最後に、後半戦のみどころを教えてください。

交錯したそれぞれの想いが相手に届くのかどうかというところも気になりますし、そもそも仁先生が現代に帰ることが出来るのかどうかという問題も残っていますよね。きっと、仁先生が江戸時代で頑張れば頑張るほど、どんどん後戻りできないような展開になっていくんだと思うのですが、ラストは面白い展開になりそうです。
もちろん結末にも注目してほしいのですが、まだまだ今後もさまざまなエピソードが盛り込まれていくようなので、１話１話を見逃さずにじっくりと見ていただけたらと思います。

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TBS 日曜劇場「JIN -仁-」

2009年10月11日スタート 日曜よる9時

インタビュー

VOL.6 小出恵介さん（橘恭太郎 役）

2009年10月11日スタート日曜よる9時

VOL.6 小出恵介さん（橘恭太郎役）