『居酒屋もへじ』

水谷豊&石井ふく子 第6弾!

インタビュー

水谷豊さん×若尾文子さん×石井ふく子さんインタビュー

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石井ふく子:2年前の9月に『居酒屋もへじ』の1作目を放送したのですが、「ぜひ続編を」という声をたくさんいただき、シリーズ2作目を制作することが出来ました。『居酒屋もへじ』は、水谷豊さん演じる平次を中心とした血の繋がらない家族、毎晩のように集まる仲間たちのお話です。庶民の日常を描いていて、大きな事件は起こりません。普通の暮らしの中で、誰しもが突き当たるであろう人間同士の関わり、生きていく上での葛藤を描いています。出演者のみなさんが『居酒屋もへじ』に愛情を持って演じてくださり、ゲストに若尾文子さんをお迎えし、本当に楽しく撮影をすることができました。放送を楽しみにしていてください。

水谷豊:1作目に引き続き、2作目も参加させていただくことになりました。僕は、『居酒屋もへじ』という作品は普通のドラマだと思うんです。普通だからこそ、難しい。しかしまた、普通だからこそ面白い。そういう意味で、石井ふく子ワールドの真骨頂だと思います。それを今、経験できていることをうれしく思います。1作目は平次という人間を探りながら試行錯誤しながら演じましたが、2作目は明確なイメージの中で演じることができました。そして今回のゲストは若尾文子さん。撮影前から共演を楽しみに楽しみにしていました。しかし、2時間ドラマの撮影は早いですね。あっという間にクランクアップしてしまいまして、今は寂しさでいっぱいです。

若尾文子:私はテレビドラマに初めて出演させていただいたのが、石井さんの作品なんです。それから東芝日曜劇場枠などで何度もお仕事させていただきましたが、初ドラマから45年ほどたち、最近はテレビから離れていました。そんな中、『居酒屋もへじ』に声をかけていただきうれしく思っています。自分ではとにかく一生懸命やっているつもりが、とんまなミスをいっぱいやりまして、みなさんにご迷惑をおかけしたんじゃないかと思っています。しかし、『居酒屋もへじ』シリーズの際には、端っこでかまわないので出演したいと思うほど楽しい現場でした。とにかく今は、出来上がりが楽しみです。

―撮影中の印象的なエピソードはありますか?

石井ふく子:エピソードですか…。

水谷豊:毎日エピソードばかりでしたね(笑)

石井ふく子:そうですね(笑)。出演者の方々が個性的な方ばかりですので、非常に明るく楽しい現場でした。みなさんよく喋ってらっしゃいましたし。

水谷豊:文珍さんと六平さんは喋りっぱなしでしたね(笑)

若尾文子:そうですね(笑)。撮影の合間も「居酒屋もへじ」のカウンターに座ってみなさんでお話しされているんですよね。そちらに気を取られると自分のことがお留守になるんです。すごく面白いんですよ。

水谷豊:そうなんです!みなさん、本番直前まで話しているんですよね。僕、途中から話を聞かないようにしていましたよ。一緒になって話していると、笑ってしまって…「本番」って言われても、撮影なのか何なのか分からなくなっちゃうので…・。

若尾文子:そうなんですか?水谷さんも楽しそうにお話しされていたような気が…。水谷さんの話はね、本気か嘘か分からないんです(笑)。

水谷豊:(笑)。全部、本気ですよ。

若尾文子:本気なんですか?

水谷豊:本気ですよ(笑)

―久々にもへじ(平次)を演じて感じたことは?

水谷豊:今回、もへじを演じて感じたことは、“何事にも前向きである”ということ。何が起きても受け止めて、決してネガティブに考えないんです。明るく前に向かうエネルギー強いところがもへじの魅力だと感じました。

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―高田翔さん演じる明との男と男の会話も見どころだと思うのですが…。

水谷豊:そうですね。もへじと明は、血こそ繋がっていませんが共に生活をする家族。お互いを思っているが故のすれ違いもありますし、それをどう解決するのか、というのはテーマのひとつだと思います。今回、印象に残っているシーンがありまして…「一緒に住んでいてももへじと明は血の繋がらねえ他人同士なんだよ」と社長(六平直政)が言うと、「今の世の中、考えられない事件を起こしているのは、血の繋がった親子じゃありませんか」と校長(角野卓造)が言い返すんです。そのセリフを聞いて、なるほどなと思いました。そういう意味で、もへじと明のシーンは、印象深いですね。

石井ふく子:そうですね。現代は何でも機械化されてしまい、“人が手間暇かけること”が少なくなりました。すぐに諦めて、何かに頼ってしまう。それは、モノづくりだけでなく、人間同士でも同じです。そんな中、平次は血の繋がらない子供たちを、全身全霊で受け止め、一生懸命理解しようと努力します。一緒になって自分も悩み、相手に寄り添い、甘えさせるのではなく方向性を見つける手助けをする。水谷さんが色々と提案してくだり、素敵なもへじを作り上げてくださいましたので、私はすごく幸せです。やりたいことをやらせていただきました。ありがとうございます。

水谷豊:いえいえ。こちらこそ、ありがとうございます。僕もですね、物語の最後に、しのさん(若尾さん)からのプレゼントが用意されていて、ドラマの中で幸せになれました。演じていながら幸せになれちゃうなんて、こちらこそ感謝でいっぱいです。

―最後にメッセージをお願いします。

水谷豊:『居酒屋もへじ』は、幅広い世代の方に楽しんでいただけるドラマです。そして、いつまでも心の中に残るような作品になればいいなと思っています。ぜひご覧ください。

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