放送内容
ドイツ北部、湖の小島に建つシュヴェリーン城。19世紀、若き大公が威信をかけて築いたこの城は、“湖上の宝石”と称えられる美しさを誇る。世界遺産に登録されているのは城だけでない。街に点在する別邸や菓子工房など、宮廷関連の施設37カ所が「シュヴェリーンの邸宅群」として登録された。それらは現在市民にも受け継がれ「生きる世界遺産」として活用されている。その意外な使われ方を取材した。
若き大公の理想の城
19歳で即位した若き大公は、その威信を懸け“理想の城”の建築に乗り出す。ヨーロッパ各地の建築美を“良いとこどり”し、ゴシックの尖塔やルネサンスのドーム屋根を融合。誰もが見惚れる豪華絢爛な城を築き、君主としての力を世に示したのだ。
受け継がれる宮廷都市
この世界遺産は、街がまるで宮廷都市の一部のように機能していた。城を取り巻くように点在するかつての宮廷邸宅群は、その役目を変えながら現代にも受け継がれている。大臣公邸は音楽学校に、離宮は保育園に―。歴史が息づく建物は今も市民の暮らしと共にある。