放送内容
九州の美しい風景の中には、今も密やかな祈りの記憶が息づいています。250年も続いたキリスト教の禁教時代。潜伏キリシタンたちは意外な方法で自らの信仰を隠し、守り続けました。やがて世界でも類を見ない独自の伝統を築いた彼ら。波乱に満ちた歴史の証となる集落や教会が世界遺産になっています。今回は、奇跡と呼ばれた250年の「祈りの物語」を旅していきます。
アワビを崇めた潜伏キリシタン
江戸時代、天草地方の﨑津集落ではキリシタンが信仰を隠しながら暮らしていた。
集落で寿司店を営むお宅で、代々大切なものとして伝えられてきたのがアワビの貝殻。
先祖は貝殻の模様をあるものに見立てて、拝んでいたという。
新天地を求め遥かな島々へ
五島列島の北部、野崎島。神社の氏子を装い、この島に移り住んだ潜伏キリシタンたちは信仰の自由が認められた後、必死の思いで教会を建てた。集落から人々の姿が消えた今、彼らの苦難の歴史を教会が静かに物語る。
奇跡の告白 信徒発見
江戸時代末期に外国人向けに建てられた大浦天主堂。ここである奇跡的なできごとが起きた。厳しい弾圧の果てに、日本にはキリスト教信徒は1人もいないと思われていた。
しかし、教会を訪ねた日本人の一団が、居合わせた神父にある告白をしたのだ。