放送内容
古代都市ウシュマルは、マヤ文明が最盛期にあった古典期後期に、絶頂期を迎え、この地方で誕生したプウク様式を駆使した多くの建築物が建てられた。なかでもさまざまなモザイク石彫で描く彫刻・建築はプウク様式を代表する貴重な建物である。マヤ文明の文化的な豊かさ、美術的な美しさ。一体どのような人たちが何を求めて築いたのか?残された美しい建築物、彫刻、そして大地の記憶から読み解いていく。
遺跡を彩る彫刻
ウシュマルの魅力は、その優れた芸術性。建物は、独特の彫刻で彩られている。
彫刻された切り石を組み合わせたもので、モザイク石彫(せきちょう)という。
こうした建築や装飾は、この地方の名をとり、プウク様式と呼ばれている。
芸術の都を支えた交易ネットワーク
繁栄のカギは、古代の交易ネットワークにあった。ウシュマルは、サクベと呼ばれる道を通じて他の地域とも交流。さらに、遠隔地とも交流し、プウク地方の特産物と、メキシコ高地の黒曜石、グアテマラ高地のヒスイなどを交換し、発展した。
文明を支えた土
高度な文明を支えたのは、土だった。ユカタン半島の中でも、ウシュマルの周辺には、肥沃な土が分布している。しかも土壌が深いので、栄養分が長く保たれるという。