三田佳子さんインタビュー

演じられている片桐薫の人物像。

岡本監督が、「 撮れば撮るほど、片桐は哀しい人だと感じます…」 とおっしゃっていたのですが、私は “哀しいだけの人” とは思いません。彼女の一番深いところにある感情は、“子供たちを愛する母のような優しさ”。 彼女が併せ持つ “恐さ” や “哀しさ” は、愛情の裏返しなんです。彼女には明らかにされていない哀しい過去があり、それを糧に生きてきた人ですから、演じて知れば知るほど、味わえば味わうほど奥深く面白い人物だなと感じました。皮をむいてもむいても新しい発見があり、芯に到達しない役柄でしたので、演じる上では大変でしたが張り合いがありました。

近未来の設定はいかがでしたか?

最初は、もっともっと機械的で “感情” の存在しない世界の話だと思っていました。しかし、 “失われつつある情” を追い求め、人生を背負い、もがいて、あがいて、光を求めることがテーマだったので、 “近未来の設定だから” という戸惑いはありませんでした。むしろ、現代でも忘れがちな 「 優しさ 」 や 「 思いやり 」 を再確認できた気がします。

若手の共演者が多かったですが…。

若さのパワーが無条件にあふれていましたね。
共演者の皆さんもスタッフの皆さんも、私のことをとても労わってくださっていたのですが、優しくされていても若さのエネルギーに吹き飛ばされちゃうことがあるでしょ (笑)。けれど、今回は付いていくことができたから、ちょっとくらい褒めてもらいたいなーと思っています (笑)

共演者の皆さんが三田さんとのシーンは、「癒される」 「ホッとする」 とおっしゃっていました。

ほんとに?母たる何かを感じてくださったのかしら?もしかしたら、片桐の中の “優しさ” を感じとってくだったのかもしれませんね。撮影に入る前は、「 若者のエネルギーを盗んじゃおう 」 なんて思っていたのだけれど、私がみんなを癒していたなんて…。そんなこと言っていただいて嬉しいわ。私も皆さんとの共演で若返った気がします (笑)

最後に、視聴者のみなさんにメッセージをお願いします。

パズルのように細かく散らばっていたピースが、最終回に向けて 「 ひとつの絵 」 となります。
悲しみもあれば、希望もある、みごたえのあるラストになっていますので、楽しみにしていてくださいね。