会場:国立科学博物館[東京・上野]/期間:2012年7月21日(土)〜10月8日(月・祝)
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元素の歴史 〜 原子の構造と周期表
物質を作っている基本要素として、古くは古代ギリシアの時代から 「 元素 」 という考え方が唱えられました。
中世の錬金術の時代にさまざまな物質の実験がされ、間違った考え方も出されましたが、物質について豊富な経験と知識が蓄積され、近代的な元素の考え方が出されるのは、17世紀のイギリスのボイルや18世紀のフランスのラボアジェからです。
そして元素の研究の集大成として19世紀後半から20世紀初頭にかけて周期表が確立されていきます。
このゾーンでは、元素発見史における興味深いエピソードを、パネルや歴史的資料を展示してご紹介します。
特に、約100年前に日本で新元素発見に近づいていたことに驚かれるでしょう。
また、元素の性質と原子の構造は密接な関係があります。
20世紀の初頭、原子は中心に非常に小さな原子核があり、その周りを電子が回っていることがわかりました。
しかも、電子が回る軌道はある決まったもので、電子がどのような軌道を回っているかで、その元素の性質が決まります。それが周期表の原理になるのです。
ここでは、原子の構造の基本を解説するとともに、電子が回る軌道の3次元模型を展示します。
実は、電子の回る軌道は、太陽の周りを回る惑星と同じような軌道ではなく、電子がどの位置にあるかを表す “確率” でしか表せません。
展示する電子軌道模型は、電子がその位置にいる確率を点の密度で表しています。あたかも “雲” のようなので、これを “電子雲” と呼びます。
さまざまな形の “電子雲” を見ることができます。この軌道が、元素の化学的性質を決めているのです。
… など