過去の放送内容
2019年8月11日放送
特集
儲かる!甘やかしビジネス!
お客さん・仕事相手・社員をも甘やかす会社が登場!
ゲスト
森永卓郎さん、石原良純さん
番組内容
今回のテーマは「儲かる!甘やかしビジネス!」
儲かる会社といえば、1円単位でコスト管理を細かくしたり、細かいルールできっちり社員を働かせたりと、とにかくいろいろ「厳しくする!」というイメージがありますが…
実は今のご時世、それじゃ全然ダメなんです!
令和の儲かりキーワードは、「甘やかし」!
お客さんを、甘やかす!仕事相手も、甘やかす!
そしてなんと、自社の社員も甘やかす!!
そんなに甘やかして大丈夫?と思いきや、むしろ、がっちり儲かってる会社が日本全国に続々と出現してるらしい!
普段は厳しい方も、ちょっとだけ甘くなっちゃうかもしれない30分です!
中古パソコンを永久に無料で直す保証サービス!
最初にやってきたのは、東京は池袋にある…
「リングロー株式会社」
お出迎え頂いたのは、社長の碇さん。
早速ですが、リングローは、何をやっている会社なんでしょうか?
碇社長:私たちは中古のパソコンを販売してる会社です。
そう、リングローは企業や個人から買い取った中古パソコンを、ネットを中心に販売している会社。
中古パソコン業界ではソフマップやゲオなどに続く4位と、かなり儲かっているんです!
そんなリングローが昨年から始めた、お客さんを甘やかすサービスがとにかくスゴいらしい…
碇社長:中古パソコンに「永久保証」をつけて販売してます。
普通、新品のパソコンを買ったときでも、壊れた時に無料で修理や交換をしてくれる保証期間は、1年程度。
それを、なんとリングローは、パソコン業界で初めて無期限の無料保証がついたパソコンを販売!
しかし社長、無期限保証なんて、本当にどんな故障でもいいのでしょうか??
碇社長:例えばお客様が間違ってパソコンを落として画面が割れてしまったというのも保証します。
スタッフ:ジュースをこぼしても?
碇社長:もちろん、ジュースでもコーヒーでも牛乳でもなんでも。
これは甘い!
なんと、お客さんのミスでパソコンが壊れても、無料で修理や交換をしてくれるという、とんでもなくゆるい条件!
さらに…
基本的な使い方から、トラブルの直し方まで、ちょっと困ったときには、約15名のスタッフが電話でサポートしてくれる。これも、無料なんです!
サポートセンターの岩崎さんに話を伺いました。
岩崎さん:時間の制限は特にないです。お客様が納得して、問題解決するまで対応します。
なんと、回数や時間に制限はないというから、これは相当甘い!
さらにさらに、山形県と千葉県には、リングローの直売所があって、この直売所の町内に住んでるお客さんに対してなら、タダでおうちに使い方を教えに来てくれるんです!
お客さん:普通パソコン教室なんか行ったら大変でしょ、無料で教えていただいてるんで、最高ですよ。
でも、これだけ甘々な保証やサービスをつけちゃったら、さすがに手間やコストがかかりすぎて、会社のほうが赤字になりそう…と思いきや、そこにはちゃんと、社長の考え抜かれた計算が!
碇社長:意外と修理の件数は少なくてですね。実際の販売の0.1%ぐらいですかね。
そう、社長いわく、パソコンはほとんど壊れない!
うまく動かないもののほとんどは、新品の初期不良なので、中古のパソコンを、きっちりチェックして売り出しているリングローの場合は、丸々1台交換する割合は、販売台数の約0.1%とかなり少ない!
だから、「永久保証」といっても結構、大丈夫なんです!
そして、パソコンの場合、壊れてなくても数年で買い換えるお客さんが多いんだとか。
リングローでは、売った中古パソコンをまた下取りして、新しい中古パソコンに買い換えられるサービスもやっていて、こうして引き取ったパソコンは…
高橋さん:状態の良いものは再度販売するため商品化します。状態の悪いものはパーツを取って修理部材にします。
集めた大量のパソコンは、状態の良いものは販売して、悪いものは修理用の部品に使用と、一切のムダはなし!
さて、そんな、リングローの甘やかし保証を使ってパソコンを買うお客さんには、ある儲かる特徴が…
碇社長:8割ぐらいの方が、初心者の方か中級ぐらいの方が多いと思います。
パソコンを触ったことのない高齢者の方や、使い方のわからない初心者にとっては、この「無期限保証」というのが宣伝効果絶大!
お客さん:安心ですよね、特に僕みたいにパソコンわからない人には余計です。
お値段は、同じ状態の機種より1万円ほど高いのですが、昨年の発売以来、甘やかし保証付きのパソコンは、中古としては異例の売れ行き!
なんとここ1年で5,000台の大ヒットなんです!
碇社長:売上げで行くと1億3,000円ですね。
リングローはお客様を甘やかしてがっちり!
▼スタジオでお話を伺いました。
加藤さん:このやり方を他の大手にマネされませんか?
碇社長:パソコンを仕入れる独自のルートと生産方法が特殊なので同じ保証は他社にはマネできないのかなと思います。
森永さん:目のつけどころがいいですよね。
社員を徹底的に甘やかす!会社の中で◯◯してもOK制度!?
続いてやってきたのは…
東京は日本橋にそびえたつビルの27階…
「サイボウズ株式会社」
オフィスでお出迎え頂いたのは、広報担当の山見さん。
サイボウズさんは、何をやってる会社なのでしょうか?
山見さん:サイボウズはグループウェアの開発、販売、運用が主な事業です。
サイボウズは、企業の中で、社員1人1人のスケジュールや仕事の進捗状況などを他の社員もネット上で確認できたりする、グループウェアというシステムを作ってる会社。
現在サイボウズのシステムを導入している企業は、なんと約8万5千社!
と、かなり儲かってる様子…
実はこのサイボウズ、お客さんじゃなくて、社員をかなり甘やかしてるとの噂が!
甘やかし過ぎて、とんでもない制度を作ってしまったらしいのですが…
スタッフ:甘やかしてる制度を使っている方ですか?
毛海さん:そうです、最高です。
思わず笑みがこぼれる、マーケティング本部の毛海さん。
これからその制度を利用するらしいのですが、まだお昼前にも関わらず荷物をまとめて…
オフィスを出ていきます…
電車を乗り継いでやって来たのは、横浜市の鶴ヶ峰駅。
さらに、10分ほど歩き、入っていったのは…
パソコン教室!?
一体どういうことでしょうか?
毛海さん:私が経営させていただいています。
スタッフ:サイボウズはパソコン教室もやってるんですか?
毛海さん:サイボウズとしてではなく、私個人として、副業でやらせてもらってます。
実は毛海さん、週5日のサイボウズの仕事の他に、パソコン教室を経営しているんです。
スタッフ:裏で隠れてやってるわけではないですよね?
毛海さん:やってないです。
スタッフ:サイボウズさんは副業していいんですか?
毛海さん:OKです。
日本の大手企業ではまだまだ7割近くが副業を認めていない中…
サイボウズが作ったのは、社員なら誰でも副業して良いという、とんでもない甘やかし制度!
普段は会社で製品のプロモーションを担当している熱田さんは…
熱田さん:副業でライティングの仕事をやってるんですけど、それの原稿のお戻しがかえってきたのでやっています。サイボウズの仕事を週5でやりながらライターの仕事もしています。
スタッフ:それはOKなんですか?
熱田さん:OKです。
本業の傍ら、ウェブサイトなどに記事を掲載する、ライターとして活動。
しかも、社内で堂々と副業の仕事をやるって、これはかなり甘い!
ちなみに副業でどれぐらい稼いでるんですか?
熱田さん:10万円いかないくらいですかね。会社で昇級するよりは副業で稼いだ方が早いんで…。
社長の青野さん、こんなに甘やかしたら、本業がおろそかになっちゃいませんか?
青野社長:でも、副業をもしダメって言ったら、たぶんその人、辞めちゃうんですよ。今は採用も大変だし定着も大変なので、仕事半分でも良いんで是非残ってくださいというそういう感じです。
実はIT業界では、引き抜きや転職などが日常茶飯事で、とにかく会社を辞める人が多い。
優秀な人材を辞めさせないことが、業界内を生き抜き、儲けるためには必要不可欠!
そこで、2012年から社員に副業をどんどんやってください!
ということで、「副業許可制度」を開始したというわけ。
今でこそ社員を甘やかしまくっているサイボウズですが…
社長いわく、昔は激辛だったそうで…
青野社長:昔は普通のブラック企業の類の会社でした。離職率もひどい時は28%あった。毎週送別会ですよ。辛いですよね。
このままでは会社の存続に関わると、青野社長は、社員を辞めさせないための「甘やかし制度」を続々と設立!
例えば、仕事の目標を事前に申告すれば、出勤する日にちや時間は自由に。
一般的な企業では平均2年の育児休暇は、サイボウズでは最長6年!
もし会社を辞めてしまっても、退職から6年以内なら自由に復職できる、出戻り制度まで…と、かなり甘い!
でも、もし目標が達成できてなかったらどうなるのでしょうか?
青野社長:自分の言った通りにできなければ、ダイレクトに給料に反映されていくんですよ。厳しいですよね。給料が、もう分かりやすく下がります。
この甘やかし制度を始めた2006年から、社員が辞めちゃう離職率はグーンと下がり、昨年にはなんと7分の1の4%にまで減少!
すると、売上げにも大きな影響が。
実はサイボウズが企業に売っているシステムは、毎月利用料金が発生する定額制。
この定額制を続けてもらうのに、結構、大切なのが、同じ担当者が変わらず担当してくれるということ!
青野社長:定額制だと、お客様との長い信頼関係っていうのがまさに売上げにダイレクトに反映されてくるんですね。
実際に離職率の低下に反比例して、売上げはグングンアップ!
昨年はなんと、約113億円を達成というから、これは甘やかした甲斐がありました!
サイボウズは、社員を甘やかしてがっちり!
▼スタジオでお話を伺いました。
加藤さん:社員が辞めない会社は儲かるんですね。
森永さん:実は副業を認めるというのは引き留めるだけでなくて、発想が広がるんです。会社にだけずっといると会社のことだけしかわからない。色んなところに社員がいけば、世の中の変化を見られて、会社としてもこういうビジネスチャンスがあるんだってわかりますよね。
料理人のお仕事探しを隣で応援!甘やかしサポートビジネス!
続いてやってきたのは、東京は新橋にある…
「クックビズ株式会社」
お出迎え頂いたのは、社長の藪ノさん。
クックビズって何をやってる会社なのでしょうか?
藪ノ社長:クックビズは飲食業界に特化した転職支援サービスをしております。
クックビズは、転職をしたい料理人さん達に、従業員を探している飲食店を紹介している会社。
藪ノ社長:飲食業界の1番の特徴は非常に離職率が高くて、この業界では年間に30%の方が入れ替わってしまっている。
そう、飲食業界は、平均の約2倍、離職率約30%と、とにかく入れ替わりが激しく、常に人手不足状態なんです。
このクックビズ、料理人さんたちへの甘やかしサービスがすごいらしい!
一体、何をどう甘やかしているのでしょうか?
その現場がみられるということで、やって来たのは、東京・新宿三丁目。
颯爽と現れたこちらの男性が、これまでに2,000人以上の転職を成功させた。
甘やかしの鬼!吉田岳さん。
吉田さん:これから株式会社ワルツ様という会社にですね、弊社にエントリー頂いた求職者様をお連れして面接を行っていただきます。
そう、クックビズさん、なんと、仕事を探している人にお店を紹介するだけじゃなく、面接にまで一緒に行っちゃうんです!
これはたしかに甘い!
今回、面接に挑むのは、名古屋のトンカツ屋さんで1年半修行を積んだ、30代の大野さん(仮名)。
上京するにあたり、東京のイタリアンレストランへの転職を希望して、クックビズに申し込んだんだそう。
今回の面接先は、13店舗の飲食店を運営する会社が、新宿3丁目で営んでいるワインバー。
いよいよ面接の本番がスタート。
吉田さんはどんな甘やかしテクニックを使うのでしょうか?
吉田さん:今日は愛知から深夜バスで来ました。
面接官:深夜バスで?
吉田さん:御社のために深夜バスで来ました。
まずは、熱意をアピールしつつ、さりげなく場の空気を和ます。
面接官:調理経験っていうのは、なんかあるんですか?
大野さん:今、働いてるトンカツ屋さんのところでトンカツをやっております。
面接官::へー。
吉田さん:あと何でしたっけ?
大野さん:カツ丼とトンテキですね。
職人気質の料理人さんは、腕は確かだけどしゃべるのは苦手って方が結構、多い。
そこで、面接官の質問に一言でしか答えられない。
大野さんに、吉田さんからも質問をして、情報を引き出してあげるんです。
さらに…
吉田さん:ランチは男性のお客様も多いんですか?
面接官:そんなこともないですね。
大野さんの代わりに、お店の客層について質問!
実は面接って、質問に答えるだけではなく、こちらから質問をするということが大切。
すると!
大野さん:えー…ちょっといいですかね。
面接官:いいですよ。
吉田さん:何でも答えてくれますよ。
大野さん:もし採用になった際に初出勤までに覚えてくることってありますか?
吉田さんの後押しで、大野さんも質問!
さらに緊張が解けたのか…
大野さん:昇給の基準とかってあるんですか?シフトの出る時期とかは?まかないって誰が作るか順番があるんですか?
大野さん、気になっていることを次々と質問!
そして吉田さんは、全ての質問が終わる頃合いを見計らって…
吉田さん:積極的な方ですよね。こうしたことは事前にしっかり把握して頂いたほうが、ご自身のためにも企業様のためにもなるので非常に良い質問だったと思います。
話しをまとめながら、さりげなく大野さんの積極性をアピール。
質問をたくさんした結果、15分予定の面接は、倍の30分で終了。
でも藪ノ社長、面接まで同行してかなり手間ひまかかっていますが、なんでこんなに甘やかしてるんですか?
藪ノ社長:我々のビジネスモデルとして、転職が成功した方の年収の約25%〜30%を、紹介手数料として企業さまや店舗さまから頂くっていうのが収益源になっています。
1週間後…
吉田さんに面接の結果を聞いてみると…
吉田さん:企業からも好印象で無事、内定をいただきました。
吉田さんの甘やかしサポートで、見事に内定をゲット!
クックビズを使って、年間3,000人以上の料理人さんたちが転職に成功!
年間売上げは、約30億円!
これは、まだまだ…がっちり!
いきそうですね!
▼スタジオでお話を伺いました。
石原さん:紹介する人間のスキルというのはどうやってチェックするんですか?
中西さん(広報):面接の前に面談を1時間、担当のコンサルタントがしておりまして、これまでの実績などをしっかりヒヤリングしております。