過去の放送内容

「がっちりマンデー!!」毎週日曜あさ7時30分から

がっちりマンデー!!

過去の放送内容

2019年7月21日放送

特集

職人の金メダル!黄綬褒章2019
ガラス職人からみそ職人まで…製缶工ってなに?

ゲスト

森永卓郎さん、梅沢富美男さん

番組内容

今回のテーマは「儲かりの黄色いメダル、黄綬褒章2019!」
褒章とは、毎年春と秋に天皇陛下から頂ける、お褒めのメダル。
内容によって色が違い、みんなの命を救うために頑張った人には、赤いメダル「紅綬褒章」
学問や芸術を頑張った人には、紫のメダル「紫綬褒章」などなど、全部で6色。
そんな中で、がっちりマンデーが注目するのは…
黄色いメダル「黄綬褒章」!
これは、長い間お仕事を頑張って、業界のお手本になっている人に贈られるもの。
つまり、黄綬褒章をもらった人に会えば、がっちりなお仕事の極意がわかってしまう!
と、いうわけで、各業界が誇る日本の職人が続々登場!
自分の仕事を見つめ直したくなる極意いっぱいの30分です。

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群馬のガラス職人の秘技◯◯工法!

儲かりの黄色いメダル、黄綬褒章!
まず最初に向かったのは、群馬県・みなかみ町にある…

上越クリスタルガラスという会社。

お皿やコップなど、様々なガラス製品を作っている会社ですが、一体どんな黄綬褒章受賞者がいるのでしょうか?
工場長の倉田さんに話を伺いました。

倉田工場長:高橋ですかね。今は工場の方で作業をしております。
早速、工場へ

倉田工場長:今あちらで作業している今ハサミで切ったあの人ですね。

現場は作業の真っ最中!

スタッフ:がっちりマンデーです!よろしくお願いします。

こちらが、高橋明さん66歳。
この道49年のガラス職人。

昨年の秋に、見事黄綬褒章を受賞!
この人、一体何がすごいのかというと…

「ガラスの平たいお皿を作る技術」!

スタッフ:見せてもらっていいですか?
高橋さん:どうぞ見てください!

炉で熱したドロドロのガラスを…、ハサミでチョキン!
ハサミとヘラで平らに伸ばしたら…

すっとすくって、落とし型に落として、形を整える。
すると…

見事な平皿が完成…。
これで一枚4,212円。

でも、ガラスの職人さんっていうと、よく見るのは、息を吹き入れる作り方ですが…
高橋さんがやってるのは、ヘラとハサミだけで伸ばしていく、ちょっと特殊なやり方。

その名も「谷川工法」!

でも、ぱっと見、そんなに難しいものに見えない…ということで、試しに、無謀にも素人のスタッフが挑戦してみることにやってみると…

スタッフ:どこ切ればいんですか…。

やっぱり!キレイにハサミで切ることもできない!
伸ばすなんて、到底無理!

高橋さん:うまく伸ばせないと、谷川っていうのはうまくいかない。
それは長年の感覚でやってるから。若い人に教えてるんだけど。

高橋さんが教えているというガラス職人の丸山さんに伺うと…

スタッフ:修行中ってことですか?どこが難しいんですか?
丸山さん:伸ばす時にうまくやらないと形がいびつになってしまったりするので…。

丸山さんは谷川工法を始めてまだ3年。
無理を言ってお願いすると…

スタッフ:あれ?丸山さん?
丸山さん:いやあお恥ずかしい。

3年練習してもそう簡単ではなく…

丸山さん:ハサミの使い方がうまくいかないもんで。

そう!熱いガラスはすぐに固まるので、すべてが一発勝負!
高橋さんの動きをもう一度見てみると…
ムダな動きをひとつもせずに…
熱いガラス玉を、きれいな正方形に伸ばしているのがわかります。

長方形の形をした皿を作るときも一緒。
適量を見極めピタリとその形に!

しかも何枚作っても
どれも重さは規定のプラスマイナス50gで揃ってるから、これまたすごい!

しかし、その見事な技の影には、もう一人のすごい技職人がいるという!

高橋さん:巻き屋のNo.1です。

実はこの方、高橋さんと同期入社の小林さん。
熱したガラスを棒に巻いて取り出す、「巻き屋」という職人さんらしいのですが、なんと毎回、微妙に巻き方を変えているだとか。

小林さん:長方形の時には円盤型にするんですよ。垂らすと長く伸びるんです。
スタッフ:正方形の時は?
小林さん:丸く垂らす…。

正方形の時は真ん丸に長方形の時は円盤型に!
それぞれこの形じゃないと、きれいな形に伸ばせないんだそう。

高橋さん:こうやってくれって言えばやってくれる。何の仕事もそうだけど俺が1人でやるわけじゃないから、チームで一つのモノを作ってるからね。

と、謙虚な高橋さん。
ガラス一筋49年その仕事の極意とは?

高橋さん:やっぱり「お客さん」ですね。お客さんがこれを使ってくれることが嬉しいですね。

お客さんを考えながらチームで作るガラス製品は、なんと年間1万個以上!

上越クリスタルガラスは谷川工法でがっちり!

様々なスキルが必要の工場のエース!「製缶工」

続いてやってきたのは、神奈川県・川崎市にある…

「三進工業」

こちら、工場には欠かせない、煙突や貯水タンクなどの大型の設備を作ってる会社。

一体どんな黄綬褒章受章者がいるんでしょうか?

この方が、今年の春、黄綬褒章を受章した、水信道雄さん。

どのへんが受章のポイントなんでしょうか?

水信さん:偶然!それだけ長くやってるってことですよ。ただそれだけです。
スタッフ:おいくつですか?
水信さん:66ですシニア。シニアスタッフ!

随分若々しいシニア水信さんのお仕事とは…?

工場の壁一面に様々な現場からいただいた感謝状がずらり!

と、そこに…

国家検定技能士資格者の名前も!

水信さん:今年、俺が黄綬褒章を取った。
スタッフ:水信さんがやっているお仕事はこの製缶!?

そう!水信さんのお仕事は、「製缶工」!

この「製缶工」としての技術がすごい、ということで、褒章をもらったらしいのですが、そもそも「製缶」とは…?

スタッフ:製缶ってどんなお仕事ですか?
水信さん:タンクとかを丸めて曲げて作ってる高圧の容器などです。

そう!製缶とは、貯水タンクやダクトなど、工場内の大きな設備の、金属の形、そのものを作るお仕事!

そして、その職人、製缶工は、金属の加工、成形をするのはもちろん!

そのための図面を書いたり、パーツ同士を正確に溶接したり…

クレーンを使いこなしたり!
と、とにかく様々な工程をマルチにこなさなきゃならない。
まさに、職人界のオールマイティープレイヤー!
だから持ってる資格もたくさん!

なんと、水信さんの持ってる作業資格は14種類!!
でも、なぜ1人でそんなに資格を持っていなきゃいけないのでしょうか?

実はそこにも理由が…。
特別な場所で使われる大きな設備は、何か故障が起きた時も、簡単に買い替える事はできません!そこで、製缶工の職人さんが直接現場に赴き、修理したりメンテナンスしたりと対応してあげる!だから1人の職人さんに、様々なスキルが必要になるというわけ!工場の壁にあんなにたくさんの感謝状があったのは、その結果なんですね!

現在は、若手の指導で大忙しの、という水信さん。
製缶工一筋40年、その極意とは?

水信さん:「こだわり」だね。手抜きと改善っていうのは紙一重なんだよ。基本を覚えて正確なものを作るというこだわりがないと。

こだわりの仕事で今後も黄色いメダル増えそうですね!

三進工業は製缶技術でがっちり!

みそ作り業界を一変させる、ある「技術」を編み出した「みそ醸造のプロ」

続いてやってきたのは、宮城県にある…

「川敬醸造」
なんと創業から110年、超老舗のみそ・醤油製造の会社。
一体どんな黄綬褒章受章者がいるんでしょうか?

この方が、昨年秋の黄綬褒章受章者、川名醸治さん、61歳。

川名醸治さんは、その名の通り、みそ醸造のプロ。

実は、みそ作りの業界を一変させる、ある「技術」を編み出したすごい人らしい!

早速、見せていただくことに…

すると、フォークリフトへ

スタッフ:これは?味噌を運ぶんですか?
川名さん:今からやるのは味噌の「天地返し」という作業なんですよ。要するに上下をひっくり返す

天地返しとは、みそを作る過程で、酵母などが偏らないようにひっくり返す作業のこと、らしいのですが…

社長、おもむろにフォークリフトで、桶ごとひっくり返して味噌を移し替えました。

…これは、そんなに画期的なことなんでしょうか?

川名さん:本来はスコップで移していくやり方をやっていたんですよ。みそ屋はかつて3K(キツい、汚い、危険)など、いい表現されてなかったんです。どうしたらいいか?ってことで、こういうやり方が楽だろうと。

昔は「天地返し」といえば、全部スコップでやっていたそうで、これが、かなりの重労働!

全部移し終わるのに、…慣れた人でも一樽で30分。
2つ目3つ目になるとなれば疲れてさらに時間がかかる!

そこで、26年前、川名さんが考えたのが、この「フォークリフトを使った」天地返し!
これなら、1つ返すのに、3分もかからない!

さらに川名社長、みそ樽を運べるようにするための、特別な器具も開発!

おかげで、フォークリフトの免許があれば誰でも効率よく天地返しができるようになったというわけ!

川名さん:味噌作りは伝統産業なんですけど、「その人しかできない」っていうのは大変なんですよね。色んな人が簡単にできた方がいいわけなんですよ。

社長いわく、みそ業界を伸ばすためには、幅広い人が、簡単に作れるための技術も大事!

みそ業界では、まだまだ手作業で天地返しをしている所も多く、どんどんこの効率的なやり方が広まって欲しいという川名社長。

伝統あるみそ作りを進化させる、新たな試みを評価され見事黄綬褒章を受賞!

川名社長のみそ作り43年!仕事の極意とは?

川名さん:自分の思ったみそを作りたい、色々試行錯誤して進めていく。

業界の効率化を考えた社長!
今後も試行錯誤して理想のみそ作りを目指します!

川敬醸造は天地返しでがっちり!

伝統を守り続ける小さな匠「和紙職人」

続いてやってきたのは…

岐阜県・飛騨市。
黄綬褒章の達人がいるのは、こちらの趣のある建物の中。

この中にいたのは、なんともかわいらしい柏木一枝さん82歳!
鎌倉時代から岐阜県飛騨市に伝わるという、山中和紙、という和紙の手すき職人。

昨年の秋に見事黄綬褒章受章!!

一枝さんの和紙作りは他の和紙作りと一味違う!

普通の和紙はパルプが混ぜてあるので、繊維が短く、どうしても破れやすい!

一方、一枝おばあちゃんの山中和紙は繊維が長くて丈夫!
実はこれ、その作り方に秘密があるんです。

なんと一枝おばあちゃんは、昔からの伝統を守り、和紙の原料となる「コウゾ」を自ら栽培。

すべて混じり気なしの天然素材で手作りしてるんです!
そして、コウゾの色を漂白する作業も、普通なら水を使って行うところを、冬の間に、雪の中に埋めて白くする、「雪晒し」という手法で行っています。

時間はかかりますが、雪を使うことで「コウゾ」が長持ちし、雪と日光の反射でより綺麗に白くなる仕上るのだとか!

伝統を守り、時間と手間をかけて作った、おばあちゃんの和紙は、普通のと比べると繊維質がしっかり残る本物の仕上がりに!

色はがき5枚入り420円、障子紙3,000円と厚さや大きさによって様々。

一枝さんの質の良い和紙を求め、全国の書家や画家さんなどからも注文がくるという。

こちらは、おばあちゃんの和紙へ現像した写真!
丈夫な和紙だからこそ、写真にできるんです。

一枝さん:ばあちゃんも和紙づくりでがっちりやってます。おかしいのう…。

と、そこに現れたのが、孫の喜暁君、17歳。

一枝さん:継いでくれるわけ。
スタッフ:おばあちゃんから教えてもらってるんですか?
喜暁君:いや、自分で見てそれを真似しながら。
一枝さん:そう、教えてくれって言わんの。私も昔から習ったのでなしに自分で考えて見て覚える。この子も教えてって言わんの。

小さい頃から、おばあちゃんの和紙作りを手伝っていた喜暁君。

現在も、高校に通いながら、放課後はおばあちゃんの仕事を見て学んでいます。

スタッフ:なんで和紙作りやりたいんですか?
喜暁君:伝統で続いてきているので、それを続けていきたいから。
スタッフ:喜暁くんも黄綬褒章取れるといいね、お孫さんに受け継がせたい仕事の極意とは?

一枝さん:「伝統を守ること」。仕事を受けた以上は絶対守る気持ちで頑張ってきました。

その極意は、きっと喜暁君が受け継いでくれますね!

山中和紙でがっちり!

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