過去の放送内容
2019年6月16日放送

特集
高級チョコレートの売り上げ3倍にした男から儲かりを学ぶ
ゲスト
GODIVA ジャパン株式会社 代表取締役社長 ジェローム・シュシャンさん
番組内容
今回のテーマは「GODIVA(ゴディバ)」
ゴディバといえば、高級チョコレートの代名詞。
そのゴディバが、今絶好調!って、知ってました?
日本のゴディバの年間売上げは、最近ぐいぐい上り調子、一昨年には7年前の実に3倍!年商400億円!
高級チョコの会社のはずなのに、ソフトクリームや、シェイク、そしてコンビニでも儲かってるらしい。
キーワードは、『高級さ』と『親しみやすさ』の両立!?
謎の儲かりチョコ会社、ゴディバの急成長の秘密を探る30分です!
売上げ400億円!高級チョコGODIVAの本拠地ベルギーの工場に潜入取材!
ぐんぐん売上げを伸ばしている日本のゴディバ。

その急成長の秘密を、ざっくりいうと…
『高級感』と『親しみやすさ』。
この真逆な2つを、うまく両立させているんです。
一体、どういうことなのでしょうか?
まずは、「高級感」。それを知るため、ゴディバの本拠地、ベルギーへ!
日本から飛行機で11時間かけ、向かったのはベルギーの首都、ブリュッセル。
街を歩いていると…

ビジネス街の中にゴディバ!
駅前ホテルの1階にも、ゴディバ。
そして…

世界遺産に登録されている、歴史的な広場グラン・プラスにも…

ゴディバがあるんです。
実はここ、ゴディバの「本店」で、世界中から集まった観光客で、毎日賑わっています!
駅前店の店長、アンドレさんに聞いてみると…
アンドレ店長:ゴディバのお店はブリュッセルの中心だけで
6店舗あるんだ。
さすがゴディバのお膝元!
ブリュッセルの街に、なんと6店舗も!
そもそもゴディバは、今から93年前…

この街で、チョコレート職人のピエール・ドラップスさんと、ルイーズ夫人が作ったお店が始まり。
実はブリュッセルは昔から多くのチョコレート屋さんがひしめき合うチョコ激戦区で、街を見てみると、ゴディバ以外のチョコレート屋さんもやたらと多い。

なんでも、元々は、金型の職人が大勢いる街だったブリュッセル。
チョコ作りに欠かせない金型がカンタンに作れる、ということで、ヨーロッパ随一のチョコの街になったんです。
そして、そんなゴディバのチョコを作る工場も、ベルギーにありました。

「GODIVA」と大きく書かれたゴディバ・ブリュッセル工場。
早速、受付に行くと…

受付には、無料のゴディバチョコが!
そして、今回案内してくれるのは、工場長のミリアムさん。
ミリアムさん:この工場は100年近い歴史があるの。創業した頃からどんどん広くなっていて、今では2万平方メートルの広さになっているわ。

街の中に2万平方メールある、歴史ある工場ではマシンが…

大量のチョコレートを作っていました!
1日およそ8トン作っているです!
世界100か国以上で展開中のゴディバ。
実は、売られているチョコレートのほとんどがベルギーのこの工場でつくられていて、日本やアメリカなど世界各国に輸出されているんです。
そんなゴディバの高級感に欠かせない「材料」。
チョコレートの原材料『カカオ』は、ガーナ・メキシコなどの最高品質を使用しているんです。

ヘーゼルナッツは、イタリアやトルコで採れたもの使用。
特にトルコのヘーゼルナッツは一級品。
黒海沿岸の温暖な気候で育ったトルコ産ヘーゼルナッツは、さっぱりとした甘味と、独特の風味が特徴なんです。
そしてもうひとつ、ゴディバの高級感に欠かせないものといえば…「味の複雑さ」。

この機械で作っているのは…

中のチョコを周りのチョコでコーティングするタイプ。

よくみると、1種類のチョコをただ流し込んでいるだけのように見えますが…

実は、チョコの注ぎ口が層になっていて、違う種類のチョコを一度に流し込むことができるようになっているんです。

なので、いくつかの種類が入った、複雑な味も表現可能!

そして、ゴディバの高級感を生み出す最大の秘密がこちらの場所に。
何やら、もくもくと作業してますが…
二人の担当は、たくさんある種類の中で…

ゴディバの代表的な商品、シグネチャーという種類の『羽』の模様を作る工程。
どうやって模様を描くかと言うと…

チョコレートをチューブで絞り出し、羽を描いている!
そう、なんと手作業なんです!

さらに、こちらのダーツの矢の先で…

付け根部分を作っていくんです!
一人で1日にこなす量は、2,000個。
この作業を行うのは工場の中でも数人。
チョコレートが固まらないうちにスピーディーかつ丁寧に模様を描いていくのです。
シャンタルさんは、18年間この作業に携わる方。
スタッフ:機械になればもっと楽になるんだろうなと思うのですが…
シャンタルさん:そうかもしれないけど、こういった手作業がゴディバの価値を生み出していると思っているわ。
そう、繊細な作業には人の手が欠かせない。

こちらのチョコの中に入っているヌガティンという、ヘーゼルナッツ入りのキャラメル。

砂糖とヘーゼルナッツだけで作られるため、焦げやすく、固まるのも早い。
機械でやると、ヘーゼルナッツの食感が台無しになってしまう可能性もあるので、微妙な温度変化を感じながら瞬時にパテで混ぜていくんです。

一気にひき伸ばし、専用のカッターでカット!

使いやすいチップ状にするのも、手作業なんです。
そして、ゴディバの新商品づくりに欠かせない方がいるという。
コック帽姿のお二人が…

ジャンシェフ:ゴディバのお店に並ぶチョコレートのすべてを僕たちがこの工房で開発しているんだよ。

そう、ゴディバの新作チョコを生み出すシェフ!
実はゴディバには、6人のシェフがいて、このたった6人で世界中の商品を開発しているんです。
ベテラン、ジャンシェフは、毎年50種類もの新作チョコを生み出だすお方。

例えばこちら、ゴディバ創業90周年を記念した限定チョコ「エジェリノア」はダークチョコレートの中にラズベリーガナッシュが入っていて、ほのかにバラの香りが漂う極上の作品。

「ロンドン」は、ホワイトチョコレートの中にストロベリーのガナッシュとスミレのムースが入っていて、春のロンドンをイメージさせる作品。
ジャンシェフは、チョコレートの特徴とそれにあうヨーロッパの食材の知識が豊富なんです。
ジャンシェフ:1つの新商品を作るにあたって、だいたい10種類以上の候補を考えるんだ。
シェフたちの凄さは、デザイン性豊かなチョコレートを作る技術はもちろん、たった1粒の中に入る、違う種類の味を絶妙にまとめる能力。
最大5種類もの味が入っても、最高のチョコレートに仕上げるのです。
スタッフ:販売の価格は開発において重要ですか?
ジャンシェフ:もちろんだよ。コストは気を付けないといけないポイントだね。でも、お金をかける商品は、とことんかけるんだ。
お客さんを「あっ」と驚かせる高級感には、コストとのバランスも重要なんです。
▼スタジオでお話を伺いました。
加藤さん:日本でチョコレート作った方が安くないですか?
シュシャン社長:ゴディバの手作り感とかレシピとかで味や品質にバラつきをださないため、あえて決まった場所で作っています。
世界一GODIVA好きな日本人に売る秘策とは…?
高級感と、親しみやすさの両立で、年間、400億円を売り上げる日本のゴディバ。
実はこの売り上げ、世界で展開するゴディバの中でナンバーワン!
つまり、日本人が一番ゴディバを食べている、ということなんです!
なんでこんなに売れているのかと言うと、それは、いろんな場所で、いろんなモノを売っているから。
例えばどんな場所で売っているかというと…

かつてはデパートの地下に出店していたのが、最近では大型ショッピングモールにも積極的に出店!
さらに、今やコンビニでもゴディバが手に入る!
ところで、どんな商品が売れているのかと言うと…

ゴディバのチョコをラングドシャ生地でサンドしたクッキー、32枚入り3,240円。

そしてチョコのシェイクの「ショコリキサー」630円から。
と、チョコ以外にいろんな種類があるんです。
お値段はどれもちょっとするのですが、でも…
お客さん:やっぱり食べちゃいますね。
いろんなところでいろんなものを売ることで、お客さんの目に触れる機会を増やす。
ただし、値段はその場所で一番の値付けをする。
こうすることで、身近な親しみやすい存在でありながら、高級感を損なわないですむんです。
これが日本のゴディバが儲かっている理由なんです。
そして、細かいとろにも高級感を醸し出すノウハウがありました。
全国の店舗開発を担当する鈴木さんに伺うと…
鈴木さん:陳列の縦・横を揃える事で高級感が増して、ゴディバらしい商品の見せ方になります。
そう、商品の陳列!どういうことかと言うと…

ゴディバに並ぶ商品は、横から見ると…

先頭がビシッと揃っています!

そして、カテゴリーごとの商品と商品の間は…

5cm離す!

さらに、同じ種類の商品の間隔は1cm!
細かいことですが、「きれいに見やすく」が高級感を生む!
これは、鈴木さんがあみ出した陳列方法なんだそうです。
さらに店員さんの身だしなみも高級感を演出するうえで、欠かせない。
ホテルのコンシェルジュっぽい制服や、きりっとしたメイク!

このメイクのためゴディバでは、定期的に、メイクアップ講座を開催!
全国からお店を代表して、店長さんや店員さんが集まって、プロの先生から身だしなみを学ぶというものです。
ゴディバの高級感はきりっとした眉にあるようです!
そしてメイクバッチリの店員さんは、接客はもちろん、商品を金色の包装紙に包んだり、丁寧にリボンを付けたりと、高級感を演出する様々なお仕事があるようです。
接客のときにも、お客さんに親しみやすさを感じてもらうある重要なお仕事がありました。
それが「試食」。
実はこれ、ベルギーでも同じ。
この試食が超重要。
ソラマチ店の高橋さんによると、
高橋さん:試食をした方の7割くらいのお客さんに購入頂いております。
そう、試食でぐっとゴディバを身近に感じてもらい、売上げに繋げているんです!
さて、日本でバカ売れのゴディバ。
その、大きな鍵を握る人物が東京にいるという…

それがこちらの、ゴディバジャパン、フランス出身、ヤニック・シュヴォローさん。
こちらの方、実は、世界に6人いるゴディバのシェフのひとり。
ヤニックさんは、いまから9年前に日本に赴任。
その時から、日本で売るためのオリジナル商品を、一手に開発しているんです。

この日、工房でシェフが作っていたのは、今後、販売を考えているクッキーの試作品。

ヤニックシェフ:今日は試してみたいフレーバーがあるんだ。イチゴのとちおとめのパウダーだよ。
GODIVAの地域オリジナル商品には、その国々の食材が入る事が多いんです。

アメリカのシェフの場合、チーズケーキを使ったり…

中国の場合は風味付けにライチのフレーバーを入れたり。
今回ヤニックシェフは、生地の酸味を表現する際、日本産のイチゴ、あまおうやとちおとめのパウダーを使うそうです。
食材の組み合わせと、バランスを何度も何度も試します。
日本で売れる商品を作る時、どんな事を考えなければいけないのでしょうか?
ヤニックシェフ:日本の夏は蒸し暑いでしょう?だからどうしてもチョコレートが売れなくなってしまうんだよ。その対策としてクッキーを考案したんだ。
そう、滞在する国の気候や風土で、味の好みが変わるので、それに合わせた商品を開発するのです。
シェフたちは滞在する国の食に対して常にアンテナを張り巡らせているんです。

工房の壁にはアイデアがぎっしり!
そして、実際に商品を作る工場での品質チェックも欠かせない。

この日は、試作品として作ったクッキーが、工場のラインでちゃんと焼きあがっているかのチェック。
焼きがる色も厳しくチェック!
工場の方々も緊張の面持ち。
ヤニックシェフ:色いいですね。
こういうやり取りが何度も行われるんだそうです。
工場の方:ヤニックさんは、優しそうに見えますけど、頑固です。
さて、日本のゴディバの次なる一手とは?
スタジオのシュシャン社長、教えてください!
▼スタジオでお話を伺いました。
加藤さん:6人のシェフがそれぞれの国に行って、限定商品みたいのを作ってるってことですね?
シュシャン社長:商品開発するときは私よりシェフに決定権があります。
加藤さん:日本でこうしたら売れるとかはありますか?
シュシャン社長:季節の限定商品を出すとすごく売れますね。
加藤さん:日本人って「限定」って言葉に弱いですよね?
シュシャン社長:そうですね(笑)