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「がっちりマンデー!!」毎週日曜あさ7時30分から

がっちりマンデー!!

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2018年12月9日放送

特集

年間興行収入127億円!歌舞伎ビジネスのウラ側に潜入!
歌舞伎チケットの法人営業って?小道具さんもスゴい!

ゲスト

松竹株式会社代表取締役社長 迫本淳一社長

番組内容

今回のテーマは、あの「儲かり伝統芸能」に注目!
それは…歌舞伎ビジネス。
歌舞伎の年間興行収入は127億円。
今年11月には、京都の南座がリニューアルオープンし大盛況!
開場記念に、京都の大通りで行われた総勢69名の歌舞伎俳優たちの大行列『お練り』にファンが大興奮!

今回は、そんな歌舞伎ビジネスの総本山、松竹株式会社に潜入、儲かる秘密に迫ります!
そしてスタジオには、迫本淳一社長が登場!
松竹の歌舞伎ビジネスが隅から隅まで詰まっている30分です!

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年間興行収入は127億円!歌舞伎の知られざる舞台裏に潜入!

突然ですがみなさん、松竹って、なぜ「松竹」と呼ぶか、知っていますか?

始まりは、明治時代、劇場の売店を経営する家庭に生まれた、白井松次郎、大谷竹次郎の兄弟が、歌舞伎をはじめ、映画や舞台を日本でビッグビジネスにしたい!と志した事から。

そう、「松」次郎と「竹」次郎なので「松竹」なのです。

いまや、松竹が手掛ける歌舞伎の年間観客動員数は、130万人。

松竹は、いかにして歌舞伎でがっちり儲けているのでしょうか?
という事でやってきたのは…

京都の四条通にある「南座」

南座は2年前から改修工事のためクローズしていましたが、11月からリニューアルオープン!

舞台の初日となるこの日は、大勢の歌舞伎ファンが押し寄せています!

ファンを引き付ける歌舞伎の魅力、そしてその儲かりの秘密とは何なのでしょうか?

松竹の儲かる歌舞伎ビジネスその①
『芝居がスゴイ!』

伝統芸能・歌舞伎の人気の秘密といえば、独特な言い回しで、美しくかっこいいお芝居。

一体どうやってあのお芝居が出来上がるのでしょうか?
11月1日の初日の4日前、がっちりマンデースタッフは特別な許可を頂き、南座で行われる歌舞伎のお稽古の撮影に成功しました!

通路を進むと稽古の現場があるそうなんですが、現場はすでにピンと張り詰める空気…

そして、こちらがお稽古場所ということなのですが…

実はここ「南座内のロビー」
そう、南座には、稽古場がないんです。
裏方さんたちが舞台でセットの建て込みを行っているときは…

ロビーの絨毯の上にゴザ敷いてお稽古しているんだそうです。

南座の御稽古のスケジュールについて南座の宣伝担当の小園さんに伺いしました。

小園さん:最初の1日目が「附立(つけたて)」、2日目が「総浚い(そうざらい)」、最後が「舞台稽古」という順番になります。

そう、歌舞伎の稽古はとても短く、なんと3日間で行われるらしいです。

その理由は公演スケジュールにありました。

千穐楽はだいたい、月末の26日。
そして、公演準備や役者さんの移動も考えると稽古は多くても4日間。

でも、なぜわずか3日間の稽古で初日を迎えられるのでしょうか?

素朴な質問を、ある歌舞伎俳優さんに直接伺いました。
それは…

15代目片岡仁左衛門さん。

片岡仁左衛門さん:古典ものに関しては、役者がそれぞれ芝居の内容を知っていなければいけないわけ。「心得」がなければいけない。基本的な動きなどもです。だから御稽古と言うよりも整理なんです。

そう、歌舞伎俳優さんたちは小さい頃から、さまざまな古典の歌舞伎の演目を何度も何度も稽古しています。
そのため、芝居が体に入っているので大丈夫なんです!

さて、取材中の稽古は古典歌舞伎の演目のひとつ、「封印切」というお芝居。

その内容を、ざっくりいうと、恋人の遊女を引き取るために使っちゃいけない幕府のお金に手を出してしまう男の物語。
最大の見せ場は、小判の封印を切るシーン。

お稽古を見ていると…
片岡仁左衛門さんが途中で、他の役者さんの向きを替えたり…

義太夫の方の、語りを変えたり、と、様々な指示を出しています。

そう、歌舞伎の世界では、主演の役者さんは、演じるだけじゃなく「演出」の役割も担っているんです。

片岡仁左衛門さん:役者によって演目の演出が変わるんですよ。「封印切」も坂田藤十郎さん中村鴈治郎さんらがやられる雰囲気とはまた全然違うんですよ。

そう、歌舞伎は主役の俳優さんが違うとお芝居も微妙に違うようで、コアなお客さんにはその違いを楽しむ人もいるんだそうです。

と、ここで片岡仁左衛門さんから、歌舞伎のビジネスがらみの独特なお話が…

片岡仁左衛門さん:面白い事に歌舞伎役者というのは、松竹と契約書もなにも交わしてない。松竹からは「何かあれば対処しますよ」って言われている。

契約書がなくても大丈夫なのでしょうか?
後ほど、スタジオの迫本社長に教えて頂きます。

続いて、

松竹の歌舞伎ビジネスその②
『劇場がスゴい』

松竹が歌舞伎ビジネスを展開できる大きな武器、それは、なんといっても…

自前の劇場。

歌舞伎座も、南座も松竹の持ち物なんです。

花道や場面転換用の装置もあって、ガッツリ公演できるんです。

しかも新しくなった京都南座には…

客席をフラットにし…

大きなステージに変身させる新機能も!

これなら、歌舞伎以外のイベントに使えるから益々儲かりそうです。

さらにさらに、食べ物も充実!
歌舞伎は昼と夜の部がありますが、1日中、観る時は、パワーも必要という事で、お弁当が売れる、売れる!

そして、松竹の歌舞伎ビジネスその③
『裏方さんがスゴイ!』
11月中旬、東京では12月の南座公演に向けて、

衣裳さん達が、急ピッチ!

松竹衣裳では、歌舞伎で使われるほとんどの衣装を作っていて、作業をするのは30人の女性職人。
歌舞伎の衣装の特徴とは?
松竹衣装の蒔田さんに話を伺いしました。

蒔田さん:1人1人の寸法に合わせて仕立てるので、次回の公演で別の役者さんが弁天小僧を演じるときにほどきやすいように針目が大きくなっています。

そう、歌舞伎の衣裳は役ごとに、決まっている。
主役級のものともなれば、かなりの高価なものもあるそうで、それを毎回、演じる役者さんごとに手直しする必要があるんです。

なので、生地を傷めずお直しがしやすいように、『針目』は荒くするのが、歌舞伎流。

そして、京都南座の小道具でもお芝居の役柄によって、微妙に違いがあるという…
藤波小道具の近藤さんに話を伺いました。

近藤さん:今、作業しているのが下駄の裏にフェルトを貼る作業です。フェルトを貼るのは演出上のことだったり、役者さんの好みだったりするんです。

例えば、弁天娘女男白波では…
「ダン!」と、下駄を踏み鳴らすのが見せ場なので…

下駄の歯の部分にフェルトを貼らないのが定番。
一方、男役でも…
スススっと歩く旦那さんの場合は、

フェルトを貼って、音が鳴らないようにします。

また、同じ役の同じ小道具でも使う役者さんによって全然違うことも。

例えば「義経千本桜」という演目で、知盛という役が巨大な碇を持ち上げる、クライマックス。

この碇、小道具さんの倉庫になぜかたくさんある。
実はこれ、役者さん別になっていて、松本白鴎さんや松本幸四郎さんが使う材質は「木」なんですが、片岡仁左衛門さんが使う素材は「発砲スチロール」と「木」を組み合わせたもの。

碇の重みを表現したい松本白鴎さんと松本幸四郎さん、スピード感を出してダイナミックに表現したい、片岡仁左衛門さん、こだわりがあります!

さらに、今回取材した演目、「封印切」で、もっともかかせない小道具が…

「封印された小判」なんですが、これにも細かいこだわりがありました。

近藤さん:封印切りたての小判なので汚いわけにはいかないんです。

そう、封印を切った時に観客から小判がピカピカ光っているように見せるため、一枚一枚ごしごし磨いているんです!
さらに、磨いた小判を包む、という担当も!
小判を包む紙が破れやすいようにある細工をしているという。
担当の堀本さんに話を伺いしました。

堀本さん:1cmくらいの切れ目を入れるんです。

そうちょっとだけ、切れ目を入れることで芝居中、手元で、ぱらっと封印が切れ、ピカピカ光った小判がこぼれ落ちるんです。

堀本さん:役者さんをカッコよく見せるのに僕らは必死なんです。

大勢の人がかかわってる歌舞伎の世界…

片岡仁左衛門さん:合理的に考えれば無駄なものが、非常に我々の世界では大事なんです。その無駄なことを包み込んでくれる会社は「松竹」しかないんです。

松竹の歌舞伎ビジネス、快進撃はまだまだ続きそうです。


▼スタジオでお話を伺いました。
加藤さん:歌舞伎の裏の仕事を機械でとか人数減らしてとかだと違った雰囲気になりますよね?
迫本社長:本当に歌舞伎の好きな方に応えられるように作ってるので、手を抜けないかなと思います。
加藤さん:あと、契約書ないというのは大丈夫ですか?
迫本社長:歌舞伎の俳優さんは松竹所属じゃないんですよ。中には松竹所属の方もいるんですけど、歌舞伎に出られない月も「休み金」というのをお支払いしてたり、会社として支えているという形になってますので、かなり効率化してると思います。

法人向けにチケットを売る秘策は◯◯の本!

歌舞伎ビジネス、最大の収入源。それは、なんといっても、「チケット収入」。

チケットは1枚、6,000円から、いい席になると27,000円!

なので、京都の南座が満席になれば1日なんと4,200万円!
と、すごい!

このチケットをいかに売るか、が、松竹の営業部隊の腕の見せどころ!

松竹の儲かる歌舞伎ビジネスその④
『営業がスゴイ!』

歌舞伎のチケットは、窓口やネットで一般のお客さん向けに販売されていますが、もう一つ、ある「大事なお客さん」に向けて販売されているそうです。

東京、歌舞伎座に、チケットをバリバリ売っている営業担当者さんがいました。
その方は販売課の小倉さん。
どんなチケット担当なんでしょうか?
小倉さんに話を伺いしました。

小倉さん:個人さま向けではなくて企業の方向けの「法人向けの年間シート」があるのでそれを担当しております。

そう、小倉さんがチケットを売っている相手は「法人」つまり、会社。
歌舞伎の席を年間契約で、いわばシーズンシートのように売っているんです。

購入した会社は、社員の福利厚生や、営業先へのサービスなどとして利用するんだとか。

25回〜50回お芝居を観ることができて、50万円から、お高いもので200万円!

このチケットを売らなきゃいけないわけですが、ガンガン売るために、ガンガン飛び込み営業!
…というわけにもいかないらしい。
なぜなら、法人シート担当は…

小倉さん:私1人だけでやっているので、なるべく効率的にピンポイントで売るようにしてます。

そう、小倉さんがスゴイのは、とにかく1人でバンバン売る事!

販売成績はスタート時の5年前はもちろん0円だったのですが、契約数は右肩上がり、今や売上げは1億1,000万円!

実は小倉さんには、法人シートを契約してもらうための秘密兵器があると言います。それが…

小倉さん:この「四季報」を使っています。

そう、会社四季報の優良・中堅企業版、なるもの。

これは、普通の「四季報」とは違い、中身は、ほとんど上場していない企業。
なぜこの「四季報」なのでしょうか?

小倉さん:全国から社長さんが集まるセミナーに歌舞伎座のブースを出した時、オーナー企業の社長さんがすごく伝統芸能に興味関心が高い方が多いんだなと思ったんです。

そう、小倉さんはあえて、中堅規模で経営が安定している会社の社長さんを狙う!
小倉さんの経験上、「優良中堅企業版」に掲載されてる会社は…
なんとなく全国区にあこがれを持っている事が多く、そのせいか、チケットを買ってくるという。

そして、狙った相手には…

『歌舞伎座』と書かれた便せんの直筆お手紙を、送ります。
実はこれ…

小倉さん:正直なこと言いますと、1枚最初に書いて後はコピーなんです。

そう、文面はぜんぶコピー。
手書きなのは、会社名のみ。

1人でやってるので、効率も大事なのです!

でも「歌舞伎座」から手紙が届いたってなると、優良企業の社長さんはうれしいに違いない。

そんな小倉さんが向かったのは藍澤証券さん。
中堅どころの、証券会社。

小倉さんからの営業がきっかけで、2年前から顧客向けにと法人シートを利用中。
今回、更新して頂くためのプレゼンです。

小倉さん、まずは歌舞伎は『初めての方』でも楽しめるという事を改めてアピールし、さらに…

小倉さん:東京五輪期間2020年度のご契約が、もしかするとお申込み、問い合わせが増えるかもしれないんですよね。

海外からのお客さんが多くなるため、これから席が取りにくくなることもさりげなくアピール。すると…

来年度も法人シートを更新して頂く事で成立!

藍澤証券さんによると取引先にこの法人シートが人気なんだとか。

なるほど、歌舞伎が企業とお客さんを繋ぐ役割になってるんですね。

ネットじゃなく四季報で探した営業先のハートをがっちり掴む、歌舞伎のような古典的な営業、おみそれしました!

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