過去の放送内容
2018年7月29日放送

特集
儲かる「ビル仕事」!
「トイレが空いてない」「エレベーターが来ない」を解決!?
ゲスト
森永卓郎さん、小峠英二さん(バイきんぐ)
番組内容
今回のテーマは「儲かるビル仕事!」
日本全国、小さな雑居ビルから高くそびえる高層ビルまで、とにかくビルだらけ。
そんなビルに欠かせないお仕事なら、きっと儲かってるはず。
というわけでビルに関わるいろんな仕事を徹底調査!
すると、いろいろありました!
エレベーターによくある待ち時間のイライラ!これを解決する、最新エレベーターとは?
トイレが全部使用中!そんな時に役立つ画期的なサービスとは?
日本のビルはスゴい!を実感する30分です!
トイレの空き状況が一目瞭然!スローンサービス!
まず最初にやってきたのは

中央区築地にある築地松竹ビル
案内してくれるのは株式会社バカンの代表取締役河野剛進さん
スタッフ:バカンさん、このビルにオフィスがあるんですか?
河野社長:いやそういうわけじゃなく、このビルで「あるサービス」を提供させていただいてるんです。
なんでも、ビル内で働く人にとって、超うれしいサービスを始めたらしい。
連れていってもらったのが、ビルの5階から8階、4フロアを占有するCCI、サイバーコミュニケーションズという会社の…

トイレ?
早速、中に入ってみるものの、中は…普通のトイレのようですが、超うれしいサービスとは一体、何なのでしょうか?
河野社長:トイレの空き室の状況がわかるサービス、名づけてスローンというものになります。
急に催して、トイレに駆け込んだけど、個室が全部埋まってる…じゃ違うフロアのトイレにダッシュ!…すると、そこも全滅!真っ青に!という経験ありますよね?
そこでスローンを使えば、事前にトイレが空いてるかが、そこに行かなくてもわかるというのです!
仕組みは実に簡単、ドアが閉まってるかどうかを感知するセンサーを

ドアの上の部分に張り付けるだけ。
3室なら3個のセンサーをそれぞれ設置。
ドアが開いた、閉まったという情報が、Wi-Fiで、スマホやパソコンに送られてくるという仕組みなんです。

今現在は、4フロアのうち、5階のトイレが空き2室、6階は3、7階は2、8階が1室空いていますが…

×の表示に!
ということは8階が全部埋まったということ。
これを見てトイレに向かえば、必ず空き室が見つかるのです!
さらには…
河野社長:長時間トイレを使っていると、その状態を検知して、アラートが管理者に飛ぶようになっています。
テレビ局ではよくある、トイレで熟睡しちゃったり、とか、ゲームを始めてぜんぜん出てこない、とか、不届きもの対策にもなるのです。
サイバーコミュニケーションズ総務部の関本さんによると、
関本さん:すべてのフロアを回って、結局空いてなかったってことも、私も多々ありまして、そういったことがオフィスに対する不満として出てきてしまいますので、不満を解消するということでよかったと思います。
確かに、空いているトイレを探して移動している時間は、全くの無駄。それがなくなれば、仕事の効率もアップするということですね。
気になるのが、この空きトイレ検索サービスのお値段ですが…
河野社長:機器の構成、数にもよるんですが、1フロアで月数千円から、安いところだと導入できます。
けっこうリーズナブル!
実は今、トイレの空き室検索は、大手の企業も次々と参入する超有望な新儲かりビジネス。
これからまだまだがっちりいきそうです!
▼スタジオでお話を伺いました。
森永さん:よくそこに気づいたなと思います。いろいろなモノをインターネットにつなぐ「IOT」のひとつの形なんですけどトイレと繋ぐという発想が出てきたところがすごいなと。
エレベーターのイライラを解消?画期的な最新エレベーターとは?
続いてやってきたのは、愛知県稲沢市にある

三菱電機稲沢製作所。
開発部の鈴木さんにお話を伺いしました。
看板にエレベーター、エスカレーターと書いてあるということは…ここで作っているのは…?
鈴木さん:エレベーターを主に製作しております。
三菱電機といえば、

国内シェアナンバーワンを誇るエレベーターのトップメーカー。まず、スタッフが気になったのは…
スタッフ:後ろにある建物、すごいですね…

鈴木さん:こちらはエレベーターの試験棟になっていまして、短い高さだとなかなか試験ができないので、このような高い試験棟を用意しております。
製作所内には…

世界で唯一ここでしか作れない、らせん状に曲がるエスカレーターも展示されています。
その他にも、10円玉を立てても倒れない、揺れないエレベーターなど、次々と最新のエレベーターを開発している三菱電機ですが、数十年も前から、全国の高層ビル共通のある「お悩み」を解決すべく、研究し続けていることがあるのです。
それが、「エレベーター来ない問題」
誰もが一度や二度は経験したことありますよね?
けっこう長く待ってるけど、全然来ない…
大きなビルだと、何台もエレベーターがあるのに…
三菱電機はそんな悩みに着目したのです。
鈴木さん:我々のエレベーターでは、群管理システムという複数台のエレベーターを効率的に動かすようなシステムを用意しております。

複数のエレベーターを効率よく動かして、なるべく待ち時間を減らすべく「群管理」という仕組みを使うらしいのですが、それでも、「来ない問題」はなかなか解決しない難問、とのこと。
そこで三菱電機の研究チームは、エレベーターを待ってる人の「イライラ度」に注目。すると驚きの結果が。
鈴木さん:利用者の方のイライラ度は、乗り場での待ち時間の2乗に比例することがわかっています。

つまり、10秒待っている人のイライラ度は100だけど、30秒待っている人のイライラ度は900と、待ち時間が長くなればなるほど、加速度的にイライラ度が増すことが判明。
そこで、研究チームが注目したのが、群管理システムの中にある、「長待ち率」という指標なのです。
鈴木さん:長待ち率は、すべての利用者の内60秒以上の待ち時間の利用者の率になります。
60秒も待っていたら、イライラ度はもう我慢の限界。フロアの中にそういう人がいたら、優先してエレベーターが迎えに来るようにする。
例えば、6階で下に降りたい人がエレベーターのボタンを押しても、4階ですでに60秒以上待っている人がいたら、A号機は6階を素通りして、4階に向かう。遅れてB号機が6階にやってくるというわけです。
昔はよくあった「今このエレベーターは何階にいます」という表示、最近あまり見かけないのは、素通りや反転を知られないようにするためなんだとか。
三菱電機は、このイライラを改善するために、さらに画期的な発想で、新型のエレベーターを作り出していたのです!
鈴木さん:今度新しく開発したのが、エレ・ナビという製品になっております。ABCD、4台のエレベーターで見せてもらうと、

鈴木さん:こちらがエレ・ナビで行先階を指定する操作盤になっております。
スタッフ:上下じゃないですね。
鈴木さん:上下じゃなくて、利用者の方が行先階を直接入力すると。例えば、7階を押すとですね、B号機が選ばれて配車されるという仕組みです。
行先階を、乗ってからではなく、乗る前に押す。
すると、あなたはどのエレベーターに乗ればいいですよ、と教えてくれるのです。

4階に行きたい人は、Aのエレベーターに、10階に行きたい人は、Cのエレベーターに、とまとめられるから、よくある、乗ったはいいけど、各駅停車でモタモタ、というのもなくなるというわけなんです。
エレ・ナビは…

(ただいま押された階には止まりません)
乗ったら他の階は押せないのでストレスなし。

セキュリティゲートと連動したタイプもあって、入館証にその人が働いているオフィスの階を登録しておけば、ゲートを通るときに乗るべきエレベーターがわかるというもの。
今年4月にエレ・ナビを導入したのが

福岡県にある紙与博多中央ビル
現在12社が入居するビルで、朝のエレベーター前をチェックすると、ホールの入り口で行先階を押したら、指示されたエレベーターに迷わず進む。

混雑する感じ、全くありません。
紙与博多中央ビルで働く方に話を伺うと…
「便利ですね、待ち時間も少ないので助かってます」
「この階で人数の割には、待ち時間は少ないんじゃないかと思います」
と、利用者には大好評!
でも、もっと嬉しいのが、テナントをたくさん呼び込みたいビルの管理会社の方。ビルの管理をしている紙与産業株式会社の吉留さんにお話を伺いました。
吉留さん:九州初です。朝のエレベーターの混雑が予想されたんですけど、これはそれが解消できるというご提案を三菱電機さんにいただきまして、採用することを決めました。大好評です。
エレ・ナビは現在、全国6つのビルで稼働中。
これから増えるの間違いなしということで、がっちり!いきそうです!
▼スタジオでお話を伺いました。
森永さん:あらゆるプログラムの中で、一番難しいのが、エレベーターのコントロールプログラムなんですよ。最終的な答えが出ない難題なんですよね。
コーヒーサーバーのレンタル会社が始めた「意外なお仕事」が急増中!
次にやってきたのは港区浜松町にある

株式会社ダイオーズジャパン
ダイオーズといえば…

このロゴ入りの車、よく見かけますよね。
この会社、オフィスの片隅に置いてある、コーヒーサーバーのレンタル事業を日本で最初に始めた会社で、その得意先は全国20万社以上、年間売上げ300億円と、まさに「ビル仕事」でがっちりな会社なのです。
実はダイオーズには、オフィスコーヒーサービスの他に、もうひとつ、儲かる「ビル仕事」があるらしい。
どんなお仕事なのでしょうか?
マネージャーの黒川さんに話を伺いしました。
黒川さん:ダイオーズカバーオールと申しまして、オフィスの清掃をフランチャイズで事業展開しております。
フランチャイズでお掃除?
早速、現場に行ってみることに…
時刻は朝の4時前。
吉祥寺にある進学塾、早稲田塾のビルの前で…
待っていてくれたのが、塚田富士雄さんと息子の祐樹さん。
スタッフ:こんな時間から?
塚田さん:いつもこの時間からやってます。
これから二人で、早稲田塾のお掃除に入るってことらしい。
預かっている鍵で裏口から入ると…
当然誰もいないから…電気をつけて…
まずは、ビル内のごみを回収。
息子さんは、フロアに掃除機をかける。
次に玄関の前をほうきで掃いて再び館内へ
次はモップがけ。てきぱきと動き回る。
塚田さんのお掃除はかなり細やかで、シャワートイレは、ノズルまで出して洗う。

拭き掃除のクロスの色も決まっていて、机をふくのは黄色、洗面台まわりはピンク、便器は青と、使い分けているんだとか。
塚田さん:その方が衛生的にも仕分けがわかりやすくていいですよね
さらには、使っている薬剤の種類も半端ない!

ダイオーズから支給された10種類以上の洗剤を使い分けて、この日は洗面台を丹念に磨く。
塚田さん:これをしっかり使い分けしないと、素材を痛めるんで場所によって使い分けています。
床用、机用、シンク用、鏡用と洗剤を使い分けるのは当たり前なんです!
ちなみにお掃除する塚田さんとダイオーズの関係、教えてください。
黒川さん:カバーオールという事業がフランチャイズのオーナー制で、ダイオーズの社員ではないんです。カバーオールの研修を受けていただきまして、認定を受けたものが、開業できるというシステムです。
そう、塚田さんはダイオーズと契約したフランチャイズのオーナーさん。10日間の厳しい研修を受けて、今から3年前に清掃のプロになったのです。以前は、普通の会社員だったんだとか。

ダイオーズから、専用の掃除道具や洗剤を受け取って、ダイオーズが営業して取ってきた物件、この日は早稲田塾を清掃。
塚田さんは清掃代金の中から、毎月一定の割合でロイヤリティを払うということらしい。
普通の清掃会社と、ダイオーズカバーオール、一番の違いが…
黒川さん:通常の清掃会社さんですと、パート、アルバイトを雇って、現地に派遣するのが一般的だけど、弊社はフランチャイズ展開をしていますので、社長さん自ら現場に入るので、現場がなくなってしまうと大変なことになるので、清掃への本気度が全然違うと思います。
実は塚田さん、この、朝4時からの早稲田塾のお掃除の前に1件別のオフィスを清掃済み。ここが終わったらあと3件、近場のビルに移動して清掃作業を行うんだとか。フランチャイズのオーナーともなれば、掃除も働き方も「本気」なんです!
ということで、気になるのは、フランチャイズの売上げ。
息子さんに時々手伝ってもらいながら、週6日働いて、
スタッフ:月だいたいどれくらいになるんですか?
塚田さん:月90万〜100万くらい
でもそこから、ダイオーズに支払うロイヤリティがあって…
塚田さん:ロイヤリティが、27.3%。
結構なパーセンテージに思えますが、物件の営業や事務経費を考えたら、そうお高くはないらしい。
塚田さん:本部が儲からないと下には降りてきませんから、気楽にやらせてもらっています。
お掃除が終わると、お客さんとの手書きの交換日記。

6階の電気がつけっぱなしでした。など細かなことまで記載。
お客さんからは、

「とてもきれいにピカピカになっていたので、本当にびっくりしています。校舎一同、喜んでいます」と。
塚田さん:とってもやりがいがでますね。うれしいです。
塚田さんのようなフランチャイズオーナーは、どんどん増えていて、現在250人の個人事業主が、お掃除というとっても大事な「ビル仕事」に携わっているのです。
ダイオーズカバーオールは、フランチャイズのお掃除でがっちり!
▼スタジオでお話を伺いました。
小峠さん:背負ってる感じがあるからやりがいもあるでしょうね。
加藤さん:自分の会社なんだって気持ちでできますからね。
森永さん:ダイオーズがやってるのは大きなビルではなくて少し小さいビルなんです。そうすると人員も個人事業主規模でできるんです。しかもフランチャイズなので、自分が社長ですからやったらやった分だけお金になるんですよね。