過去の放送内容
2018年7月8日放送

特集
「ウチのNo.1社員は70歳オーバー」!
74歳で営業成績No.1の広告代理店社員って!?
ゲスト
森永卓郎さん、浅利陽介さん
番組内容
今回のテーマは「ウチのナンバーワン社員は、70歳オーバー!」
今や日本人の27%、4人に1人が65歳以上という超高齢化社会!
このままじゃ働く世代がどんどん減って日本は大変なことになる…と、思っている皆さん、実はそうでもないんです!
おじいちゃん、おばあちゃんになっても第一線で働く人がバンバン増えている!
働くシニアの数は、ここ5年で急増加!
その数、過去最多の770万人!
というわけで今回は、がっちり会社を支える、「70歳以上の」スーパー社員たちを大特集の30分です!
1日電話100件以上!74歳の営業マン!
まずやってきたのは、名古屋にある

株式会社宣通
小さな広告代理店らしいのですが、そこにすごいオーバー70社員さんがいるとのこと。
宣通の津田社長にお伺いしました。
津田社長:それは営業1部の影山ですね。10年間ずっと成績トップです。
一体どんな人なのでしょうか?
早速案内してもらうと…

なにやら全員が電話をしまくってる部屋に。
津田社長:あの方が影山さんです。
奥から現れたのが…

超敏腕営業マン!影山義昭さん、御歳…
影山さん:74歳になります。
髪の毛も黒々!
パッと見、かなり年齢不詳で貫禄たっぷりの影山さん。
それにしても74歳で広告の営業というのは、どんな広告をやっているのでしょうか?
津田社長:名刺広告を売ってます。

名刺広告とは、新聞などでお祝い事や、記念日の時などによく見る、広告のこと。

この1枚1枚の名刺サイズの広告を出してくれる会社を探すのが影山さんたち営業部隊のお仕事。
津田社長:この1枠が5万円以下です。

1枚広告を出すお値段はそんなでもないですが、とにかく数が必要なので、広告を出してくれるクライアントを見つけるのは、なかなか大変!
しかも…
影山さん:我々は面を合わせてやっていないもんですから、全て電話でやっているので。
名刺広告の営業は、すべて「電話」!
「宣通」の電話営業で10年連続トップの成績を誇る影山さん。
その営業ぶりはどんなものなのでしょうか?

まずは、地域ごとにある膨大な企業のリストから、しらみつぶしに電話をかけるローラー作戦!!
しかし…
景山さん:宣通の景山と言いますが、社長さんって今日お見えですか?
電話相手:出かけております。
何社か、かけるも社長不在…
影山さん:ダメ…社長が1日いないんですよね。ほとんど。
1回目で担当者につながる確率10%以下の電話を影山さん、とにかくかけ続けてるんです。
一度終わってもすぐに掛け直す、強靭なスタミナ。
そのすごさを同僚の方に聞くと…
同僚:電話をかける数は断トツじゃないでしょうかね。
同僚:常に積極的ですね。前のめりで。
皆さん尊敬の眼差し!
そんな影山さん、なんとこれまで、10年間でかけた電話は30万回以上なんだとか。
そして、担当者につながったら、すかさず…
影山さん:案内書をFAXで流しますので…

狙った魚は逃さない!
すぐさまFAX攻勢で企画書を送って、お話をどんどん前へ!
影山さん:社長が夕方頃に帰るなら夕方にまた電話するわけです。1日100件は電話してます。FAXは生ものなんですよ。腐っちゃうんですよ。
影山さんの営業メモには。その執念の証が…

メモはビッシリ!
電話のかけた日にち時間も詳細にメモを取る徹底ぶり!

いったんFAXを送ったら、その紙が捨てられないその日のうちに、責任者をつかまえるのが、営業のコツらしい!
さて、そんな影山さんの営業には、もうひとつ、こんな特徴も。
それは…

早すぎず遅すぎず、なんともほどよく聞き取りやすい、その語り口。ベテランならではの落ち着いたトークが、電話のお相手にも安心感を与えます。
実は、この「安心感」
宣通さんにとっても、ねらいのひとつ。
営業部長の山下さんにお話を伺いしました。
山下営業部長:人生経験やいろんな経歴を積んできた方たちが1つの壁を超える上手さ安心感をお客さんにもってもらう能力がすごくあると思っています。
こうしたことから、この会社では20年前から、あえて、60歳以上のシニアを採用。
営業部隊として、フル活用してるんだとか!
宣通はがっちり!!
▼スタジオでお話を伺いました。
森永さん:営業ってコミュニケーションだから、駆け引きのうまい人の方が勝ちなんですよ。そうするとやはり経験を積み重ねてきた高齢層の方がうまいんです。
進藤さん:ちなみに景山さんの若さの秘密は、奥さんが若いんです。23歳年下だそうです。
浅利さん:すごいっすね!
90歳で自転車通勤!社長も社員も大絶賛の神業技術とは?
続いてやってきたのは東京足立区・綾瀬にある

株式会社横引シャッター
横の階段を上り中へ進むと…

なぜか、提灯の飾り。しかもうっすらお祭りのBGMまで。
一体、何の会社なのでしょうか?
とりあえず、会議室に通されたスタッフ。
待つこと数分、出てきたのは市川社長
スタッフ:70才オーバーのナンバーワン社員さんがいらっしゃると聞いたんですが…
市川社長:平久のことですかね!もう少ししたら会社に到着すると思いますよ。
とのことで、外で待っていると…

スタッフ:あの人ですかね?
颯爽と自転車で現れたのは、横引シャッターのナンバーワン社員平久さん。
スタッフ:おいくつですか?
平久さん:90歳

なんと御歳90で自転車通勤!
平久さん:せがれは自転車乗るのやめてくれって言うんだけど、こっちの方が安全。
一体何のナンバーワンなのでしょうか?作業着に着替えた平久さんについて行くと…
そこは工場の片隅にある作業場。平久さん、何を作っているんですか?
平久さん:滑車!

そう、横引シャッターは、車庫や工場などにある、横開きシャッターを作っている会社。

上には滑車がついているのですが、平久さんはこの、「滑車」を作る達人なんです!
作り方は、けっこうシンプル!

軸に車輪を通し、矢印の部分をハンマーで潰して固定するのですが、この作業単純そうに見えて以外と難しいらしい。
市川社長:潰しすぎちゃうと圧がかかって滑車がうまく回らないんですね。均等に叩かないと、がたつきが出ちゃうんです。
そのさじ加減が神業だという平久さん。早速そのお手並みを拝見することに…

ガンガンと…けっこうアバウトに叩いていく。
そんなに神業感はありませんが…。
念のため、若い社員さんにもやっていただき、出来上がりを比べて見せてもらうと…

けっこう違う…。若手社員さんの方は…

はじっこが割れちゃっていますが、平久さんの方は…

かなり綺麗!
しかも、若手の作った滑車はグラグラするのに、平久さんのはビクともしない。
どの辺が違うのでしょうか?
若手社員さん:力では自分の方が強く打てるんですけど、平久さんの場合だと均等に同じ力で叩いていくんです。その辺がすごいなと思います。
そう、平久さんの滑車は、すべての方向から同じ力で叩いてるんです。だから、金属が綺麗にならされて、円形になるんです。
市川社長:平久さんが来る前は随分クレームがあったんですけど、今はもうずっとないですよね。
さらに手作業にも関わらず、何個作っても、仕上がりが一定。
今や横引シャッターの滑車作りを一手に引き受けているんです。
元々は溶接の職人だった平久さん、65歳で引退して以来、13年間仕事はしていなかったのが、なんと78歳の時に再就職を決断!
なぜまた、働こうと思ったのでしょうか?
平久さん:休みだと1日が長くて退屈でしょうがない。社長が「働く気があれば歳は関係ないから」って言われて、じゃあ行ってみようかなと思ってきたんです。
実はこの横引きシャッター、先代の社長の時から、シニアの技術力に注目、どんどん雇ってきたとのこと。
市川社長:定年になって急に能力が落ちるわけでもないし、今までできてた仕事が急にできなくなるわけでもないと。
なので…
横引きシャッターでは、66歳、68歳、70歳と…
何と社員の半分が65歳以上!
しかも、みなさん、バリバリの正社員!
こうしたシニアの雇用を始めてから、どんどん売り上げを伸ばし、5年前から倍増となる年商3億円までに成長した横引シャッター!
ちなみに正社員・平久さんは、今年ちょっとうれしいことが。
市川社長:平久さん、90歳で「昇給」しました。
平久さん:嬉しいですよ。
ただし、最年長社員の平久さんにはこんな特別ルールが。
市川社長:雨の日は自転車だと危ないので、休んでもらってます。でも、小雨だときちゃうんですけどね。「今から帰れよ」とは言えないですから。
そんなやる気に溢れている平久さんにこんな質問をぶつけると…
スタッフ:いつまで働きたいですか?
平久さん:死ぬまで。生き甲斐だから。
これはますます…
横引シャッターは平久さんでがっちり!
▼スタジオでお話を伺いました。
進藤さん:平久さんの大好物はステーキみたいで、昇給の際にお祝いで、脂身たっぷりのステーキ200グラムを召し上がったそうです。
加藤さん:すごいな。俺もう脂、無理よ。
82歳の警備員!そのプロ根性とは?
続いてやってきたのは、東京・立川にある

株式会社日本総合警備
対馬社長にナンバーワン社員についてお伺いしました。
スタッフ:ナンバーワン警備員がいると聞いたのですが…
対馬社長:上野のことですかね。私も一緒にやったことありますけどすごいんです!
他の社員の方に聞いてみると…
社員さん:あの年齢では考えられない
社員さん:ピカイチです!
なにやら、社員のみなさん全員が絶賛するほど、上野さんの警備はすごいらしい。
でも、警備がすごいというのはどういうことなのでしょうか?
社長さん曰く「百聞は一見にしかず」とのことで、上野さんが働く、現場に案内してもらうことに。
すると…

対馬社長:あれが上野です。
働いている上野さんを発見!
本人に直接、話を伺うことに…
スタッフ:おいくつですか?
上野さん:82歳です。誘導一筋20年です。

この方が…ナンバーワン警備員、上野さん!!御歳82!
でも失礼ながら、そのお年だと警備もなかなか大変なのでは?
という気もしますが、一体どの辺がすごいんでしょうか?
対馬社長:紅白旗のキレがすごいんです。
キレ?
ということで、その旗さばきを拝見させて頂きます。

この日の現場は、工事のため片側交互通行の道路。
両方の車線の車を、いかにスムーズに誘導できるかが、腕の見せ所ですが…
バシッと音を立てる、流石のキレ!
これで82歳!
しかも、上野さんの旗さばきには、素人にはわからない細かすぎる技術が隠されていたのです。
対馬社長:旗を相手にしっかり見せられるように振れてるんです。
若手の警備員と比較してみると、よくわかると言うのですが…

対馬社長:若手警備員の方は、紅白旗を両方あげちゃうってよくない、赤なのか白なのかが運転手がわからない。

確かによく見てみると、若手の旗は、赤と白が同じあたりにあって、分かりづらい。
一方上野さんは、白だけを、ハッキリ見やすく上げています。
対馬社長:運転手にいかに気づいてもらえるかが大事で、そのバランスをとるのが技なんですね。
さらに上野さん、旗さばき以外にも…

上野さん:どうぞ!
声を出して、運転手への気配りも欠かさないんです。
止まってもらう時には、お辞儀を必ず2回以上!
これも、上野さんならではのプロ意識なんです。
上野さん:我々は警察官と違って命令はできませんから、「申し訳ありません、止まって頂けますか」と、あくまでもお願いですから。
運転手さん第一。だから上野さん、こんな行動も。

この黄色い車が、反対車線が詰まって進めない…、とみるや、工事の作業をみつつ、赤いコーンをちょっとだけ動かして、誘導。なんとも、臨機応変な対応です!
スタッフ:運転手さん一人一人の気持ちまで考えているんですか?
上野さん:そうですね、そうしないと気持ちよく通過して頂けませんよ。プロ意識がないと警備はやれませんよ。
そんな上野さん、商売道具の旗は、毎日おうちに持ち帰り、きっちり洗濯!お手入れを欠かさないんだとか。
まさに警備員のなかの警備員。
そんな上野さんに、社長の対馬さんも、感心しきり。
対馬社長:働くぞっていう生命力。その熱量というのは若い子とはなかなか違うのかなと。
実はいま、警備業界は、空前の好景気状態。
都内だけでも、東京オリンピックの再開発など、工事だらけ。
上野さんが働く、日本総合警備も、ここ5年で売上げが1.5倍、4億円増えて12億円に!
しかし、その一方で問題となるのが、「人手不足」。
優秀な警備員が数多く必要、とのことで、退職したシニアに目をつけ育成に力を入れているんです。
上野さん自身、働いていた工場を退職してから、この道20年。
後進の良き見本として大活躍中!
上野さん:できたら、旗を振りながらバタッと逝きたいですね。
これはますます…
日本綜合警備は上野さんでがっちり!!
▼スタジオでお話を伺いました。
浅利さん:あんな風にやってくれたら運転してるこっちは気持ちよく通れますよね。
森永さん:東京オリンピックに向けて需要が増えていくんですが、たぶん警備の仕事ってその後も増えるんですよ。高度成長期に道路とかのインフラを作ったんですけど、その耐用年数が約60年くらいなんですね。ということは、どんどん直していかないといけない。だからこの警備の仕事って無くならないんですよ。