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「がっちりマンデー!!」毎週日曜あさ7時30分から

がっちりマンデー!!

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2017年8月6日放送

特集

ガラガラだった「新日本プロレス」がちょっと復活!?どん底で破綻の「スカイマーク」もちょっと復活!?

ゲスト

森永卓郎さん、NON STYLEさん

番組内容

今回のテーマは、今、どん底からちょっとだけ復活してます!の第2弾。
会社の業績がどん底というのはよくニュースになるけれど、その後どうなったのかはあまり話題にならない…。
経営破たんしたスカイマークがちょっと復活していた!
総合格闘技に押されて「プロレスは死んだ」とまでいわれていた新日本プロレスがちょっと復活してた!
決して甘くない儲かりのヒントが隠されていた!

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スカイマークは4つの改革で、どん底からちょっと復活!

最初の会社は、スカイマーク。
今から19年程前に就航し、運賃の安さを武器に、JALやANAに続く航空会社3番手としてぐいぐい伸びていた会社です。

ところが、格安航空会社LCCの新規参入で利用客が激減し、購入するはずだった大型旅客機6機分の支払いができない状況に…。
そして2015年1月、突如経営破たんのどん底に落ちたのです。
ミニスカ制服もセクハラと批判され、ワイドショーでも連日話題になるなど、まさに踏んだり蹴ったり!
この時点で、赤字は実に170億円。

それから2年半、スカイマークがちょっと復活している、という噂を聞きつけ、羽田空港近くにある本社へお邪魔しました。

迎えてくださったのは、新生スカイマークの佐山展生(さやまのぶお)会長。
「インテグラル」という投資会社を運営する、企業再生請負人でもあるのだとか。

スカイマーク、ちょっと復活してるってホントですか?

佐山会長:おかげさまで、計画よりもかなりいい数字が出ています。

そうおっしゃる通り、昨年は15億円の黒字、今年は67億円の黒字と、確かにちょっと復活しています!

わずか2年で、どんな儲かり戦略がなされたのでしょうか?

スカイマークの改革その1!

「コストを削減する!」
まず行ったのが、搭乗率の低かった路線からの撤退です。
神戸から米子、那覇から石垣島、宮古島などから撤退し、採算が取れそうな国内10都市への路線に絞り込みました。
同じく、使用する飛行機も絞り込み、ボーイング737一機種に統一することで、整備費の削減はもちろん、パイロットや客室乗務員の育成にかかる経費などを減らすことができたというわけ。

おかげで羽田〜福岡間の片道普通正規運賃は…

JALやANAが43,600円なのに対して、スカイマークは30,190円と、3割以上も安いんです。

でも、そんなスカイマークより、なぜJALやANAを選ぶ人が多いのでしょう?

佐山会長:大手二社に乗られる方に、「どうしてですか?」と聞くと、「マイレージ」と言われるんです。
なぜかと言うと、お金を払うのは会社、マイルは個人に来るからなんですね。

スカイマークには、マイレージの制度がありません。
だから、出張するビジネスマンはマイルが貯まる大手の航空会社を選びます。
それに気付いた佐山会長は、「だったら乗る人じゃなく、会社を狙おう!」と考えたのです。

スカイマークの改革その2!

「出張族を狙え!」
佐山会長:コスト意識のある会社は、我々と法人契約をしています。
何回でも変更できて、取り消しも無料なんですね。

つまり、個人ではなく、実際にお金を払っている法人の顧客を徹底的に開拓したのです。
法人の取引先は、経営破たんする前より大幅に増え、およそ3000社と法人契約を結んでいるそうです。

スカイマークの改革その3!

「時間通りに出発します!」

佐山会長:スカイマークのイメージは、と聞くと、「遅れる」「欠航する」。そして、「何年前に乗りましたか?」と聞くと、5年前と言われるんです。今はもう全然違いますよ。そのためにはやはり、定時運行率、日本一じゃないといけないんです。トップクラスでは不十分。日本一です。

定時運航率とは、出発予定時刻の15分以内に出発した便数の割合のこと。
11社ある国内航空会社の中で、

昨年度、スカイマークは89.8%で3位を獲得!
何が一番変わったのか、東京支店の行武芙美さんに聞いてみました。

行武さん:飛行機が遅れて到着しますと、そのまま飛行機が遅れて出発することがあります。それを無くすために、新しい、羽田にある飛行機と、遅れのある路線の飛行機とを取り替える、ということもやっておりまして、大きな遅延がなくなってきております。

以前は、「ちょっとくらい遅れても、安いんだから仕方ないでしょ」という感じでしたが、再生後は「スカイマークは遅れない」というのが徐々に定着してきて、遅延がとにかく困るビジネスマンの利用が増えているんだとか。

スカイマークの改革その4!

「サービスちゃんとします!」

2012年、物議を醸したのが、機内に置かれた一枚の紙でした。
そこには、「客室乗務員は収納の援助をいたしません。」
「機内での苦情は一切受け付けません。」などと書かれていました。
これは、運賃の安さと安全を両立させるための苦肉の策で、機内での無料飲み物サービスも、とうの昔に無くなっていました。
当時を知る客室乗務員の白浜広子さんに聞くと…

白浜さん:お手伝いしたい気持ちもすごくあったのですが、会社の方針もありますので迷うことが多かったです。

そんなスカイマークのサービスは、今どうなっているのか?
実際に搭乗してみると…

お客さんの荷物の収納もちゃんと手伝ってくれます!

白浜さん:手荷物を収納するお手伝いをすることで、お客様も早く着席できます。

定時運行の一翼を担っているのですね。
そしてフライト中には…

無料のコーヒーのサービスも!
なにより、笑顔で接客しているのがいいですね。雰囲気がいいから、お客さんのリピーターも増え、破たんする前と比べると、全路線の搭乗率が17%もアップしたのです!

たしかにスカイマークは、どん底からちょっと復活して、がっちり!

ニッチな市場を切り拓いたニッセンの復活の兆しとは?

次の会社は、ニッセンホールディングス。
ニッセンといえば、カタログファッション通販誌の草分けで、かつては、レディス、メンズ、シニア向けと、ジャンルごとに10種類以上のカタログを、年間2億冊も発行して売上げを伸ばしていました。

ところが2000年代に入ると、カタログ冊子の代わりにインターネットを使ったネットアパレル通販が台頭して、ニッセンの営業損益は急降下。
昨年度の決算では150億円の赤字を出し、東証一部上場廃止というどん底を味わいました。

上場廃止からまだ1年も経っていないのに、ちょっと復活したってホント?
京都にある、ニッセン本社を訪ねました。
迎えてくださったのは、昨年9月、社長に就任した脇田珠樹(わきたたまき)さん。

まずは、どうしてカタログ販売がダメになったのか、聞いてみました。

脇田社長:一番の理由が、世の中全般のお客様の消費サイクルがどんどん短サイクル化していく中で、我々のカタログというのは作り上げるまで非常に時間がかかってしまうんです。お客様のニーズとのギャップが発生しやすいんです。

一冊のカタログを作るのにかかる期間はおよそ1年。
1年後の消費者のニーズをつかむのが難しくなったということなんですね。
でも、昨年度150億円の赤字って…

スタッフ:今まさにどん底っていうことですか?
脇田さん:どう立て直すか、というところで、確実に復活の可能性は見えてきています。

現在ニッセンは、カタログ事業を思い切って縮小。
10種類以上あったカタログを3種に減らして、ネット通販に力を入れていくそうです。
今年度の売上げ予想は…

まだ黒字にはならないけど、100億円近く損益が改善する見込みだと言いますから、たしかにちょっと復活の兆しが見えますね。

その兆しのひとつが「スマイルランド」!

脇田社長:レディスアパレルの、ラージサイズの商品カテゴリーになります。

ニッセンのブランド「スマイルランド」は、ぽっちゃりさん向けのラージサイズ専門アパレル。

実はニッセン、ぽっちゃりアパレルを作り続けて既に15年、業界のパイオニアなのです!
この分野の、ネットでの売上げに手応えを感じていたニッセンは、

実際の店舗でも、全国9カ所の拠点でスマイルランドを展開中です。

お店の中に入ってみると、通路は広め。
ぽっちゃりさんも、楽々すれ違える広さになっています。

スタッフ:店員の皆さんも、ぽっちゃりさんってことですか?
店員さん:ぽっちゃりじゃないです、スマイルさんです。太ってる方のことを、私たちはスマイルさんと呼んでおります。

スマイルさん専門ショップには、スマイルさんのニーズに合わせたいろいろな工夫があります。
例えば、膝から下のスペースには商品を置きません!
でも、なぜ?

店員さん:私たちは、しゃがむことがすごく苦手なんです。なので、しゃがまなくても商品を見ていただけるように下には物を置かないようにしています。

さらには、試着室が…

普通の3倍の広さ! これも大事なんですね。
そして、お店でも一番の売れ筋を聞いてみると、

店員さん:またずれ防止パンツになります。

裏地を見せてもらうと、太ももの部分に柔らかいストレッチ素材が縫い込まれています。

店員さん:足にもお肉が付いているので、どうしても股ずれが起こるんですね。それを軽減するために、またパンツを持たすために付けました。

実はこれ、2008年の発売以来、累計20万本を売上げる大ヒット商品なのです。

スマイルさんというニッチな市場を切り開いた、ニッセン、スマイルランドでがっちり!


▼スタジオでお話を伺いました。
井上さん:スマイルさんたちは、ネットで買うとサイズが怖かったりするから、ああいうお店があったら入りやすいですよね。店員さんもぽっちゃりさんだから、気持ちの上でも相談しやすいですし。
加藤さん:お店で一旦サイズ分かると、今度は通販でも買えるしね。
森永さん:ニッセンさんは15年も前からスマイルさんアイテムで商売をしているんです。ノウハウだけじゃなくて、データも持っているから、他所では対抗できないんですね。

新日本プロレスはキャラクタービジネスで絶頂期超えも目前!?

次にやってきたのは、新日本プロレスリング!

アントニオ猪木が設立した新日本プロレスが、売り上げの絶頂期を迎えたのが、今からちょうど20年前の1997年。
長州力や武藤敬司などが活躍していた時代で、年間売上は39億円。

しかし、2000年代に入ると、K1やプライドなど、いわゆる総合格闘技が大ブームに。
そのあおりを受けて、プロレスはあっという間に人気が低迷し、2006年には15億円にまで売上が減少していました。

この頃の試合会場はガラガラ。ファンの間では「プロレスは死んだ」とささやかれていました。
当時のどん底時代を知るのは、新日本プロレスの棚橋弘至選手です。

100年に1人の逸材と自ら宣言する、現役のトップレスラーです!
2000年代初めのどん底時代は、どんな様子だったんですか?

棚橋選手:年々体感できるくらいに、客席が一列減って一列減って…というのを見てきましたので、その頃が一番きつかったですね。観客離れを止められない、というのが辛かったです。

そんなどん底を味わった新日本プロレスが、今ちょっと復活しているというので、試合を見に行ってみると…

客席はほぼ満員!
平日の夜に組まれた試合にも関わらず、盛り上がっています!
しかも女性のお客さんがたくさん!

2000年代に低迷していた売り上げは、2013年に17億を、昨年は30億円を突破しました。
ちょっとどころか、右肩上がりでの復活じゃないですか!

その立役者が、新日本プロレスのオーナー、木谷高明(きだにたかあき)さん。
実は「ブシロード」の社長さんです!
ブシロードは、ちびっこに大人気の「ヴァンガードシリーズ」など、対戦型カードゲームを販売している会社で、昨年の売上げは224億円と、今、ノリにノっている儲かり会社!
そんなブシロードの社長、木谷さんが新日本プロレスのオーナーになってから、売上げがぐぐっと右肩上がりになったのです。

スタッフ:ちょっと復活どころじゃない感じですね?
木谷社長:来期、全盛期の売上げを超えると思います。今期、売上げ37億円くらいで着地しそうなんですけど、来期は45億はいくかなと思います。

新日本プロレスV字復活の裏側には、木谷オーナーがカードゲームビジネスで培ったノウハウがありました。
まず、

木谷社長:役員会でもずっと言ってたんです、プロレスはキャラクターコンテンツだから! と。ブシロードの中でもずっと言ってたんです。

プロレスラーはゲームに出てくるキャラクターと一緒。
ならばそのキャラクターに感情移入してもらおうと、所属するレスラーほぼ全員に始めてもらったのが、ブログやツイッター。
すると、特に若い女性から「いいね!」がたくさんつくようになりました。

いわゆるプ女子の方に聞いてみると、

プ女子:けっこうTwitterとか見ていても、選手の皆さん頻繁に更新していて、選手の人柄が見えて、生観戦した時に入り込めるところもあって、ハマって抜け出せなくなっています。

そしてキャラクターに人気が出てくれば動き出すのが、グッズビジネス!
試合会場のグッズ売り場はいつも大混雑!

3〜4年前と比べると、売上げは3倍、グッズの売り上げだけで年間10億円にもなるのだとか!

もちろん、ブシロード本体もキャラクタービジネスに参入。
売り出されたのが、カードゲーム「キングオブプロレスリング」。
まさに、キャラクターを大活用した戦略で、

310万セットを売り上げる大ヒットを記録しました。

新日本プロレスが見事復活を遂げた今、棚橋選手の深いビジネスメッセージがあります。
それは、長寿企業の秘訣。

棚橋選手:ひとつは企業理念がしっかりしている、企業の技術がしっかりしている、そして3つ目が、時代の変化に柔軟に対応する。新日本プロレスは立ち上げ理念もあって、道場や練習技術、リングはしっかりしているんですけど、3つ目できていなかったんですね。これを、僕がやりました!

さすが! 100年に1人の逸材!

棚橋選手:がっちり! 愛してます!


▼スタジオでお話を伺いました。
森永さん:ブシロードと組み合わさったというのがものすごく大きかったと思うんです。山手線にラッピング広告を出したり、新宿駅の構内をポスターでいっぱいにしたり、そうすると「あ、今、プロレスきてるんだ!」と思うわけです。
加藤さん:トップが変わると会社も変わるんですね。

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