過去の放送内容

「がっちりマンデー!!」毎週日曜あさ7時30分から

がっちりマンデー!!

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2016年7月31日放送

特集

意外と知らない…儲かる「問屋」ビジネス!お菓子問屋の鬼試食!いちご問屋は味より◯◯優先!

ゲスト

森永卓郎さん、水道橋博士さん

番組内容

今日のがっちりマンデーは、「儲かる問屋ビジネス」!
呉服問屋に金物問屋、現金問屋など、「問屋」って聞いたことありますよね?でも、どんな事をしているのか?どうやって儲けているのか?イマイチよく分からない…。そこで本日は、あちこちのビジネスに欠かせない影の主役!今がっちりな「問屋」さんの知られざる儲かり戦略を大公開!

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◎お菓子問屋でがっちり!

まずやってきたのは、大阪は摂津市にある吉寿屋という小さな会社。

出迎えてくださったのは、なんとも低姿勢な創業者の神吉武司さん、75歳!

ディレクター:何の問屋でがっちりなんですか?

神吉さん:お菓子の問屋でがっちりです!

お菓子は大手から小さな会社まで、あまりにたくさんのメーカーがあるので、お店もそれぞれから仕入れるのは大変!
だから、吉寿屋のようなお菓子問屋がまとめて仕入れ、スーパーやドラッグストア等に卸すってわけなんです。

1964年にスタートした吉寿屋は、およそ2000店舗に毎日配送!

ディレクター:大体何種類ぐらい置いてあるんですか?

神吉さん:全部合わせて1800種類ぐらい。大体金額で2億円ぐらい。

国内でもトップクラスに入るお菓子問屋の吉寿屋には、他とはまったく違う独自の儲かり戦略があるのです!
それは…

神吉さん:返品を一切受けていません。

ディレクター:お菓子業界では珍しい?

神吉さん:全国でうち1軒だけですね。

お菓子業界には、食品では珍しく「仕入れたお店が返品できる」という昔ながらのルールが!
賞味期限前に送り返されると、メーカーは代金をお返ししないといけない!
そこで吉寿屋は、この慣例をやめて返品NGに!

メーカーにとってはありがたいけど、今度はお店の方が辛いような…。

兵庫県で8店舗を展開するスーパーオオジの北原店長に聞いてみると…

北原店長:吉寿屋は他の問屋に比べると返品なしで値段が安い。1個あたりの単価でいうと10〜20円安いこともある。

返品できない代わりに仕入れ値が安い!
これならお店も売り切ることさえできれば嬉しいってわけ!となると…

お菓子問屋の吉寿屋にとっては、ちゃんと売れる商品を仕入れられるかどうかが、とっても大事になってくる!

そこでやってきたのは商談室!
今回、特別に中の様子を見せて頂けることに!

社員:森永様どうぞ!

と呼ばれたのは、あの森永製菓!

森永製菓:失礼します!宜しくお願いします!

商談室で待っていたのは。お菓子を食べ続けて52年!
創業者・武司さんの弟で会長の秀次さん!

商談のテーマは、今後発売予定のお菓子!
では森永製菓との商談スタート!

森永製菓:ご判断をお願いしたいんですけども…。

と、会長いきなり食べた!!
そう!吉寿屋では、必ず『食べてから決める』!

なので、何度も何度もじっくりテイスティング!
美味しければ2000店舗に並び、美味しくなければゼロ!!
まさに運命の分かれ道!結果は…?

秀次会長:何食うてるかわからんなコレ。ちょっと美味ないなコレ。

森永製菓さん、商談成立ならず!

ディレクター:いつもこんな商談ですか?

森永製菓:会長ははっきりお答え頂けるので、こちらも分かりやすくて、その旨本社に伝えまして商品開発にも役立たさせている。

続いての商談は…

社員:グリコ様どうぞ!

これまたお菓子のビッグカンパニーグリコ!

グリコ:失礼します!

営業担当の平原さん、緊張しているのか?

グリコは定番のチーザと新商品の2つ。
とすぐさま、「チーズ味のお菓子」をパクリ!
そして…

秀次会長:美味しいねんけど塩辛過ぎて。ビールのつまみには良いけど、普通の人が食べるには辛すぎる。

と、ピリ辛なアドバイス!
そして新商品のお菓子の袋を開けてほおばる!

落ち着かない様子の平原さん…

対して、ゆっくり味わう会長!
果たして、商談の行方は…?

秀次会長:美味しい!
グリコ:ありがとうございます!
秀次会長:吉寿屋でやりますわ!

グリコさん2000店舗ゲット!おめでとうございます!

ディレクター:商談っていつもこんな感じなんですか?
秀次会長:全ての買う商品は食べます!毎週40〜50品ぐらいある。

てことは年間2000種類以上、試食する秀次会長!
そこで!

ディレクター:人生生きてきた中で一番美味しかったお菓子は何ですか?
秀次会長:ブルボンのルマンドやね!今でもロングセラー!

ブルボンのルマンドが秀次会長のベストお菓子なんですって!

そんな吉寿屋の年間売上げは121億円!
吉寿屋はお菓子の問屋でがっちり!


▼スタジオでお聞きしました。

進藤:お菓子を見極めるポイントがあって、もう一度食べたいと思わせる「連食性」、あとは健康志向は絶対にダメ!油と砂糖がお菓子には大事!と言い切っている。

加藤:あのやり方は面白いですね!

森永さん:返品を受けないというのは画期的なビジネスモデルで、お菓子は3兆円市場で、その内1%ぐらいは廃棄されているから、それはもったいないというのが吉寿屋の理念。

◎いちご専門問屋でがっちり!

続いては北海道旭川にあるホーブというちょっと変わった名前の会社。

会長の高橋さん、北海道で何の問屋をしているんですか?

高橋会長:いちごの問屋です!

ディレクター:いちごの問屋でがっちり?お店に卸していたりする?

高橋会長:業務用のいちごを専門に扱っています!

ホーブは全国の市場から業務用のいちごを仕入れて、ケーキ屋さんやパンメーカーに卸しているいちご専門問屋!

業務用だから年間通して安定した数を確保しないといけない!
なので、ホーブのようなイチゴ問屋が欠かせないってわけなのです!

ディレクター:年間売上げはどれくらいですか?

高橋会長:52億円です!

昨今のスイーツブームに乗っかって、かなりがっちりのホーブ!

ところで、業務用のいちごって普通のものと何がどう違うのか?

やってきたのはホーブの物流センター。
毎朝、農家さんが収穫しパック詰めした業務用のいちごが集まってくる。

と、蓋を開けて、いちごを触ってジロジロ…。

ディレクター:これは何を見ているんですか?
社員:例えば、先の白い果実がケーキの上に乗ってしまうと、先が白いので見栄えが良くない。

高橋会長:見た目が大事なんですよ、業務用は!

業務用は兎にも角にも見た目重視!
高橋会長曰く、円錐形で程よい大きさ、そして満遍なく色が付いているのが儲かりストロベリー!

先白と呼ばれる先端が白いいちごはダメ!
ちょっとだけ先がくぼんでいてもNG!

さらに業務用は「堅さ」も重要な儲かりポイントの一つなのです!

高橋会長:形・色・大きさ!食味とかは関係なし!

ディレクター:味は二の次?

高橋会長:こんなこと言ったら怒られるかもしれませんけど、本来はそうなんです。

業務用いちごを卸してがっちりなホーブは、いちご業界では誰も成し得なかったことに成功したのだという!

高橋会長:暑い時にも出来るいちご。夏に穫れるいちご。

いちご問屋「ホーブ」の最大の儲かりの種!
国産としては初の夏いちごの大量栽培に成功したのです!

元々、日本国内では6月から10月の間は暑すぎてほとんど作れなかった!
それでも、いちごケーキを作らなきゃってことで、スイーツメーカー各社はアメリカから輸入していたのですが、けっこう堅くてあまり業務用向きじゃなかった。

ところが21年前の1995年ホーブが夏いちご「ペチカ」の開発に成功!
形・色・大きさ、そして堅さも程よく、冬いちごと比べても遜色のないレベル!ってことで、メーカーから注文が殺到!

高橋会長:ホーブはそれまで売上げが1〜2億円の会社だった。それが一気に10〜20億円になった!

なんと売上げが10倍もアップ!

でも、なんで問屋のホーブがそんなスゴイいちごを作れたのか?

高橋会長:元々この会社の30年前は、育種をやったり培養をやったりしていた。

そもそもホーブは、1987年の創業以来ずっと、いちごの品種開発をしている会社なのです!

で、4月の終わり頃になると、ペチカの苗を契約農家に売って栽培してもらい、収穫したいちごを仕入れて、全国のメーカーに卸している!

こうして国産の夏いちご市場を開拓したことで問屋業にも進出!
創業からわずか10年で、業界最大手にまで上り詰めちゃったってわけなんです!

◎業務用食品問屋でがっちり!

続いては、神奈川県相模原市にある西原商会へ。

出迎えてくださったのは、バリバリの体育会系の黒原社長!
で、一体何の問屋さんなのか?

黒原社長:ホテル・レストラン・居酒屋さん・お弁当屋さん、外食に携わる食材全般を卸しています。

西原商会は全国のメーカーから食材や備品を仕入れ、飲食店に卸す総合食品問屋!

お昼の繁華街をウロウロしているトラック、見かけたことありません?

1972年鹿児島の小さな会社から始まった西原商会。
今や全国59カ所に営業拠点を置き、78000軒に食材を卸すまでに成長!

そのヒミツを探るべくやってきたのが事務所に隣接する食材の倉庫! 

マヨネーズやケチャップといった調味料から、お惣菜などの食材!
さらには、木船のお皿に、ぎんなん専用の串!中には注文票まで!
極め付きは…

黒原社長:ちらがウサギです。ウサギのお肉です!こちらがキジの肉になります。

ディレクター:お客さんから要望がある?

黒原社長:もちろん要望があるので在庫しています。他にも、カエルの足やワニの肉などがあります。

どんなお店にも対応できるよう、およそ10万点もの食材・備品を取り扱っているんです!
全国のお店に販路を広げてグイグイ成長!
ここ30年間一度も売上げを落とすことなく、昨年は年間売上げ680億円以上!

そんな西原商会の一番のお得意さんはチェーンではない、個人経営の飲食店。
なんで西原商会から仕入れるのか?その最大の理由は…

黒原社長:私どもの強みは配送になるかと思います。

急成長の秘密は、配送にあり!?

そこで、入社3年目の配送ドライバー平山さんに同行させてもらうことに!
トラックを走らせること5分。やってきたのはJR橋本駅前にある居酒屋さん。

平山さん:今日みりん1本お届けに参りました。

居酒屋店主:今日少なくて悪いね。

ディレクター:今日それだけですか?

居酒屋店主:今日これだけです!西原さんはいつもマヨネーズ1本でも持ってきてくれるんで、僕らみたいな小さいお店はすごく助かってるんです。

1つからでも配送してくれる!小さな飲食店にとってはかなり嬉しい!

さらに、こんなことも!
こちらのお店でも1品ずつ納品!で、終わりかと思いきや!

平山さん:今日案内したい商品がありまして、お時間大丈夫ですか?
シェフ:OK!持ってきて!

商品を案内!?

平山さん:豆乳と湯葉を持ってきたんですけど、九州産の大豆を使ってまして、大豆の皮を剥くことによって、エグみがなくなって、まろやかな豆乳になっています。

配送ドライバーが食材の売り込みって、これは…?

平山さん:営業と配達を一緒にしています!
シェフ:だから驚異脅威的なんです!配達してくれる人が色んな知識を持ってるから「こういうのがある」って、僕らに教えてくれるので、僕らも「今度こういうのあったらお願いね」って言える。

ドライバーが営業知識を持っているので、担当しているお店の売れ筋や足りないものがいち早くわかる上、新しく仕入れた食材の提案もできるってわけ!

そんな西原商会は、社員1800人中1200人が営業兼ドライバー!
人海戦術で地道にコツコツ取引先を増やしていった結果のこの成長。
これはまだまだ、業務用食品問屋でがっちり!


▼スタジオでお聞きしました。

加藤:よくよく考えるとチェーン店のお店より、個人の居酒屋さんとかの方が、全国見ると多い!

森永さん:全国規模に拡大したので、実は今、プライベートブランドを作るというところまで来ている。メーカーから、問屋から、小売から、実際の配送まで全部一体化したという脅威のビジネスモデル。

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