過去の放送内容

「がっちりマンデー!!」毎週日曜あさ7時30分から

がっちりマンデー!!

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2016年5月29日放送

特集

あま〜い日本の宝!儲かる「くだものビジネス」りんごが茶色くならない謎の液体!バナナを黄色くする箱!?

ゲスト

森永卓郎さん、バナナマン(設楽統さん・日村勇紀さん)

番組内容

今日のがっちりマンデーは、「儲かるくだものビジネス」今や世界中が欲しがる日本の高級果物!女子のみんなが愛してやまない日本のおしゃれ果物!今日は進化するくだものビジネスを徹底取材しちゃいます!

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◎バナナの色づけでがっちり!

まず最初にやってきたのは、日本一の青果取扱高を誇る大田市場。
その正門から歩いて1分のところにある老舗の果物仲卸、松孝。

出迎えて下さったのは、3代目の吉村誠晃社長。
ここではどんな儲かり果物を?

吉村社長:輸入果物の問屋をやってまして、主にバナナを扱っています。

ご存知でした? 日本で一番食べられてる果物はバナナ!

バナナ市場は、年間1000億円を超えるビッグマーケットなのです。
ただし、その99.9%は海外からの輸入。
というわけで松孝などバナナの仲卸には、とっても大事なお仕事がある!

この日は、南米エクアドル産のバナナが届きました。
見せてもらうと真っ青!
害虫などが付かないよう青い未成熟な状態での輸入しか法律で認められていないんだとか。

この状態のバナナを黄色く色づけるのが、バナナ仲卸業者のお仕事。

室と呼ばれる特殊な部屋で温めながら数日間置いておく「追熟」という作業をすることで、バナナが黄色く甘くなるのです。

この追熟が、バナナ仲卸の腕の見せ所。
吉村社長曰く、他の業者と松考のバナナではその出来が…

吉村社長:全然違いますね。みんな食べ比べないから、いつも召しあがってるバナナを普通だと思うんですけど、うちのバナナを食べてもらったらわかると思いますよ。

松孝のバナナと他のバナナの追熟、一番の違いは?

吉村社長:うちは7日かけて加工するんですけど、5日で皮を黄色くする業者がほとんど。

吉村社長によると、ほとんどの業者が20度以上に急加温して5日間で急冷蔵するのに対し、松孝は、それよりちょっと低い18.5度まで上げたら、7日間かけてゆっくりと温度を下げていく。
すると芯まで熟した渋みのないバナナに仕上がるんだとか。

さらに美味しく仕上げるヒントが! ポイントは箱と箱の隙間!

吉村社長:通気、換気をしやすくする。

普通はトラックから荷下ろししたままで室に入れちゃうところを、松孝は人手をかけて必ず積みかえる。その時に隙間をつくっていた!

そんな手間隙かけた追熟の賜物が色の違い。松孝バナナの黄色は美しい。
しかも表面を押してみるとブニョブニョしないでハリがある!

こうして美味しく仕上げたバナナを全国およそ300の小売店に出荷。
他のバナナと値段がそんなに変わらないのも人気の理由で、売上げはここ5年1割ずつ上昇!
年間20億円っていうからスゴい!

◎袋入りカットりんごでがっちり!

続いては、皆さんお気づきでした?
最近なぜか存在感を増している果物商品があるのを…。それは袋入りカットりんご!

地下鉄の駅には、カットりんごのみを販売する自販機なんてのも。
ここ数年毎年2割ずつ売上げが伸びてる成長市場なんですって。

試しに買ってみたけど、気になるのは賞味期限。袋の状態で10日間も持つんだ!
でも、ちょっと不思議に思いません?
りんごは切ってそのまま置いておくと、すぐに黒っぽく変色してしまうはず。
なんで袋入りカットりんごは色が変わらないのか?まさか何かやばいことしているとか?

その答えを探るべく、津軽富士のふもと青森県弘前市にある、カットりんご製造メーカーのヒロサキにやってきました。
リンゴの王様「ふじ」を加工しています。
まずは、クルクルっと皮をむいて、ズバっと芯を抜きつつ、カットも同時に完了。
りんごの形を整えたら、なにやら透明な液体の中に!

どう考えてもこの液体に何かヒミツがありそう、山内工場長!

山内工場長:この液体につけると2週間以上変色せず、また日持ちも向上します。

2週間ってマジで? この液、一体なに?

山内工場長:これは主にビタミンCで保存料着色料は使用せず、天然由来のものだけを使用しています。

今メーカー各社がより美味しく、しかも長持ちするよう開発にしのぎを削っているのが、ビタミンCの溶液。
カットりんごを最近よく見かけるようになったのは、そのおかげなのです。
2分ほどつけるだけで変色しないりんごに大変身!

切ったりんごが変色するのは、りんごポリフェノールという物質が空気にふれて酸化するからで、ビタミンC溶液がりんごポリフェノールの分子に作用して薄い膜をつくることで、酸化を遅らせているんだとか。

このカットりんご、嬉しいのは楽して食べる私たちだけじゃなく、りんごを生産している農家の方も。

紹介して頂いたのはりんごの生産者でもある、ヒロサキの工藤信社長。

工藤社長:B級品をA級品並みの単価でやっていこうと進めているんです。

カットりんごに使われるのは味や品質は変わらないけど、表面に傷があったり、球が小さかったりのB級品。

工藤社長:本来ジュースと加工用で比べると、単価でいうと4倍から5倍違う。ジュース用の方が安いんですよ!

これまでB級品はジュース用くらいにしか使い道がなく、20キロで400円程度にしかならなかったのが、カットりんごに加工することで2000円!5倍の値段で売れるようになった!
農家の皆さんもがっちりってわけ。

メーカーのヒロサキもカットりんごの大人気で、昨年の売上げ1億円が今年は6割増し、1億6000万円を見込んでるっていうからスゴイ!

▼スタジオでお聞きしました。

加藤:りんごなんて剥けばいいじゃんと思ったけど、みんなカットしたものを買うっていう時代になってるんだね。

進藤:袋入りのカットりんごはスーパーやコンビニだけじゃなく、すぐに並べられるということでホテルのバイキングでも重宝されているそうです。

◎ドライフルーツでがっちり!

突然ですが皆さん、これ何の粉だかわかります?

舐めてみると・・・

スタッフ:みかんだ!

なんと、みかんの粉!
この粉をつくったのが、岐阜県美濃加茂市にある八尋産業って会社。
出迎えてくださったのは、大矢正昭会長。

大矢会長:減圧平衡発熱乾燥法という技術を開発しました。無添加で無着色でフルーツそのものの味・うまみをどれだけ引き出せるかという技術。

その独自の技術で果物を乾燥させて、さっきの粉も作っちゃうってことらしい。

さっそく見せてもらいましょう!
今回はパインとマンゴーを乾燥させます。
それぞれカットしたら専用のバットに並べる。
そして、この部屋にあるのが…

大矢会長:減圧平衡発熱乾燥法という乾燥機です。

この減圧平衡発熱乾燥機にパインとマンゴーを入れたらスイッチオン!
このまま9時間置いとけば完成するらしいのですが、一体何がこれまでの乾燥法と違うのか?

大矢会長:この中に減圧ファンと循環ファンが入っています。低い温度で乾燥させるシステムです。

これまで野菜や果物を乾燥させる時は、周りから60〜70度の熱風をあて、水分を蒸発させるという方法だった。
これだと熱のせいで栄養素やビタミンがかなり壊れていた。

一方、大矢会長の乾燥法は庫内をほぼ真空状態にする。
気圧が下がると水は低い温度でも蒸発するという性質があるので、30度まで温度を上げれば果物の中の水分が飛ぶという仕掛けらしい。

大矢会長:30〜40度の温度領域であれば水分は抜けますけども、栄養価は濃縮していきます。要するにうまみ成分が多くなるという特徴があります。

パインとマンゴーの乾燥完了。
低温で乾燥させているから果物の色合いがあまり変わらないのもウリなのだとか。

八尋産業は、このドライフルーツをそのまま商品化するのはもちろん、例の粉状にして大手のお菓子メーカーに納品。
ケーキやお菓子にブレンドしたら、果物本来の風味が付けられると大評判なんですって。

そして、今までは捨てるしかなかった規格外の野菜や果物も、この乾燥法で美味しく長く保存できるから、全国の農業生産者から問い合わせが絶えないんだとか。

◎生フルーツゼリーでがっちり!

最後にやってきたのは霊峰富士のお膝元、静岡県富士市。
休日のお昼前、けっこうシャッターが閉じている商店街ですが、ここに1日数百人が押し寄せるスゴい果物屋さんがあるという。
それが、杉山フルーツ!

出迎えて下さったのは、杉山清社長。
この店のヒミツ、教えてください!

杉山社長:買い回り品でなく、ギフトの方に特化しています。

並んでいる商品は確かにギフトなお値段!
1万1000円のメロンに、7800円のマンゴー、5800円のスイカに、1個550円のミカンなんてのも。

商店街の並びの店が次々とシャッターを下ろしていくのを見て、普通の果物を普通に売っていたら、うちもヤバくなる!
と、ギフト専門の果物店にチェンジしたのが10年前なんですって。

そして杉山フルーツに1日数百人が来店するわけがこのショーケースの中に!

杉山社長:生フルーツゼリーです!10年前に開発しまして。

保存料を使っていないから賞味期限たったの3日、しかも500円以上するゼリーがバカ売れ!
多い日にはなんと800個も売れちゃうんですって!

全国からお客さんが殺到する生フルーツゼリー!
その作り方を見せてもらうことに。
まずはお湯に白い粉を…。これは?

杉山社長:企業秘密の私のレシピです。ゼラチンと甘味料です。

ゼラチンが溶けて適温になったら、カットフルーツの入ったグラスに注ぐ。

そしてピンセットでフルーツの位置を決める。
色が重ならないよう並び替えたり、向きを調整したりと細かい!

杉山社長:全てアートの部分でバランスをとっていく。

これを30分間氷水で冷やすと、完全手作りアートな生フルーツゼリーの出来上がり!

でも、作り方もそんなに難しくはなさそうだし、デパートに出店とか全国展開すれば、もっと儲かるような気がしますが?

杉山社長:そういう声は皆さんから頂いて、すでに50社くらい日本の企業からオファーを頂きました。

それを全部断って、ここ富士市1店舗のみの営業にこだわっているらしい。

杉山社長:大量生産の大量販売っていうのは、お客さんが飽きもくるし、市場が崩壊しちゃうのかなって気がして、この店だけで長く続けるのが、お客さんのニーズがあるのかなという気がします。

地道な手作り戦略で、ロングセラー商品を守り続けるから、がっちりなんですね!

▼スタジオでお聞きしました。

森永さん:杉山フルーツの生フルーツゼリーと同じ時期にブームになったのが生キャラメル。生キャラメルは最近沈静化してしまっているが、生フルーツゼリーはずっとブームが続いている。

加藤:あの1店舗でしか売っていないという売り方が大きい?

森永さん:どこでも売れるようになってしまうと、ブームは下火になってしまう。基本は静岡のお店でしか買えないので、逆にお客さんが集まってくる。

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