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「がっちりマンデー!!」毎週日曜あさ7時30分から

がっちりマンデー!!

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2015年12月6日放送

特集

その業界でだけ当たり前!「儲かる業界数字」ホテル業界が注目するのは…客室稼働率より◯◯稼働率!?

ゲスト

森永卓郎さん、武井壮さん

番組内容

今日のがっちりマンデーは儲かる「業界数字」!例えばテレビ業界の人間なら、「視聴率」って数字が死活問題!鉄道の業界なら、お客さんの「乗車率」がいつも気になる!
一般の人はほとんど知らないけど、その業界の人間にとっては、儲かりに直結する、超重要な数字。それが業界数字!今日は…そんな、知る人ぞ知る業界数字とヒミツを余すところなくお届けします!

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■お菓子業界の大事な数字「拠点率」!

まずは、お菓子業界の人が気になる業界数字!菓子食品新聞で30年の桑村編集長、教えてください!

桑村編集長:配荷率でしょうかね。メーカーさんによっては、拠点率とおっしゃるところもあるかもしれません。
スタッフ:拠点率?
桑村編集長:商品がどれぐらいお菓子売り場に置かれているかということですね。

拠点率とは、お菓子が置いてあるお店の何店舗に置いてもらえているかという割合のこと。お菓子メーカーにとっては、自社のお菓子を、いかにたくさんの売り場に並べられるかどうかが、売上を大きく左右するのです。

もしあるお菓子が100店舗のうち、60店舗で売っていれば、拠点率は60%!編集長によると、この「拠点率」が妙に高いお菓子があるということで、東京都は港区の「クラシエフーズ」って会社へ。マーケティング担当の中島さん、こちらに、拠点率が高い商品があるって聞いて来たのですけど?

中島さん:はい、その拠点率が高いねるねるねるねになります。

1986年発売のねるねるねるね。粉に水を加えてよく練っていくと、色が変わりながら膨んできて、最後にはふわっふわのホイップみたいになるっていう、作るのが楽しいお菓子そんな、ねるねるねるねの気になる拠点率って、どれくらいなのですか?

中島さん:90%です。

なんと、スーパーでの拠点率90%!これはかなり衝撃の数字!でも、ねるねるねるねはどうやってそんなに高い拠点率をゲットしたのか、そこには、意外な作戦が!

中島さん:他社さんにも人気商品はたくさんありますので、そことはまた別の売り場、手作りお菓子売り場というのを流通様に作って頂いております。

そもそもお菓子は、お店の棚で、スナックや、キャンディーなど、大きく11のジャンルに分かれている。それぞれのジャンルに大手のロングセラーがならび、業界16位のクラシエフーズさんはなかなか入り込む余地がない。そこで考えた!"だったら、新しいジャンルを作ればいいんだ"と。スーパーをめぐり「手作りお菓子」というジャンルを提案!その手作りお菓子の代表が「ねるねるねるね」だ!と、売り込んだ結果、一気に日本中のスーパーに広まっていったのです。さらに、クラシエには、ねるねるねるねの拠点率を活かした儲かり作戦が。

中島さん:このねるねるねるねが手作りお菓子の入り口になりますので、気に入ってくれたお子さんは、どんどんお菓子を買ってくれるようになります。

どういうことかというと、クラシエの「手作りお菓子シリーズ」を陳列したワゴンでは、それぞれのお菓子を対象となる年齢の目線に合わせた棚の高さに陳列してある。

年齢ごとに、違う種類の手作りお菓子を勧めることで、お客さんをがっちり掴んで離さないって戦略!ねるねるねるねの拠点率で風穴をあけたクラシエフーズ。手作りお菓子旋風、全国席巻中。

▼スタジオでお話を伺いました。

加藤:お菓子業界では拠点率が大事なんですね。
武井さん:確かに、あのコンビニにはあのアイス売ってないんだよなって理由で行く店変えたりしますから、拠点率って大事ですよね。
森永さん:このお菓子はぜひ置いておかなくちゃっていうところまで差別化しなければいけないので大変ですね。
加藤:ねるねるねるねは、あれ、うちの子ども達も全員食べてましたよ。

■ホテル業界の大事な数字「定員稼働率」!

続いては、ホテル業界の人が気になる業界数字!トラベルニュースの富本編集長、教えてください!

富本編集長:定員稼働率ですね。

よく耳にする「稼働率」っていうのは、ほとんどが「客室」稼働率のことで、定員5名の部屋が3つあるとき、1人ずつ泊まっても満室なので、3人いれば100%。

しかし、これが「定員」稼働率となると、3部屋合計15人だから、3/15で、20%にしかならない。

富本編集長:明かりはついているけど、そんなに儲かっていないって状態になります。
スタッフ:じゃあ、定員稼働率の方が、客室稼働率より儲けには直結した数字になる?
富本編集長:そうですね、儲けには直結していますね。

1つの部屋にたくさん泊まってもらったほうが売上に大きく影響する。だから定員稼働率は隠れたキーポイントなのです。そして、これがとっても高いと編集長が目を付けているホテルそれが徳島県は鳴門市にある「ルネッサンスリゾートナルト」。総支配人の高橋さん、定員稼働率、高いのですか?

高橋さん:今年は非常に好調に推移しております。

…と余裕の表情。実はここのホテルには、定員稼働率を上げるためのとっておきの作戦があるらしい!

高橋さん:おじいちゃん、おばあちゃん、お父様、お母様、お孫さんですね。この3世代をターゲットにして、取り込みを強化しております。

そう、ルネッサンスリゾートナルトは3世代のお客さん狙い!確かにおじいちゃんからお孫さんまで、3世代の大人数でホテルに来てもらえれば、ひとつの部屋にたくさん泊まるって可能性が高くなる!でも高橋さん、どうやって3世代のお客さんを呼び込むのですか?

高橋さん:それぞれが楽しんで頂けるプランを企画しております。

そう、ルネッサンスリゾートナルトではホテルに泊まったお客さんに、宿泊オプションのプランとして、あるイベントを提供しているそう。そのイベントが開催される場所へ行ってみると、人がたくさん!

高橋さん:これが当ホテルの1番人気の鳴門芋金時芋掘り体験でございます!

名産鳴門金時芋を、家族みんなで掘って楽しむってプランなのですが、これが、3世代のお客さんに大人気!これなら小さなお子さんが、おじいちゃん、おばあちゃんと一緒に盛り上がる!

スタッフ:どうですか?
お客さん:楽しいですね!孫が喜ぶと思って選びました。

他にも、鯛飯教室プランに、職業体験プラン、阿波踊りプランまで、季節に合わせて10種類以上のプランを用意することで、3世代のお客さん達が、たくさんやって来ているのです!

こうした、さまざまな3世代狙いの作戦の結果、2010年には47%だった、ルネッサンスリゾートナルトの定員稼働率は、今年は52%と5%アップ!たった5%とあなどるなかれ!

高橋さん:5%の定員稼働率が上がるだけで、約8000万円ほどの売上げが上がるという風に考えております。

なんと、効果は年間8000万円!ルネッサ〜ンス!

▼スタジオでお話を伺いました。

加藤:定員稼働率は初めて知りましたね。
森永さん:これを気にするのは日本ぐらいですね。欧米は1部屋いくら、日本では1人いくらという風に考えるんです。
加藤:それはどうしてですか?
森永さん:旅館のように1人1人へのサービスを大事にするという文化からだと思います。

■インターネット業界の大事な数字「コンバージョンレート」!

続いては、インターネット業界の人が気になる業界数字!通販新聞の鹿野編集長、それは?

鹿野さん:コンバージョンレートです。実際にウェブサイトを訪問された方が、商品を買われる割合のことを指します。

インターネット業界で、儲けの要とも言える数字が、このコンバージョンレート。インターネット上のお店にアクセスした人が、実際に買ったり申し込みをしたりする割合のことで、アクセスした10人のうち5人がお客さんになればコンバージョンレート50%!

鹿野さん:コンバージョンレートを高めるには、わりと細かい作業が必要でして、それを専門に行う会社も最近は出て来ております。

ならば、その専門の会社ってところにいってみよう!こちら「カイゼンプラットホーム」ってありますが出迎えてくれたのは須藤社長。さっそくですが、コンバージョンレートってそんなに重要なのですか?

須藤社長:会社にもよりますけど、例えば、1%上がるだけで月に数億、数十億の売上げが変わる会社さんもあります。

たった1%上がるだけで月の売上げが億単位で変わっちゃう!まさに、生命線といっても過言じゃないコンバージョンレート。中古車販売メーカー「ガリバー」から、実際にあった依頼を例に見せてもらいましょう。岡田さん、よろしくお願いします。

岡田さん:ガリバーさんで、車を売りたい人が申し込みをするためのページです。

ガリバーにとっては、査定申し込みのボタンをクリックして申し込んでもらえるか否かが、商品の仕入れにも直結するターニングポイント。

そんなに悪くなさそうですけど、この画面での査定申し込みボタンのコンバージョンレートは?

岡田さん:3.7%でした。

100人がウェブサイトにやって来て、その内の3人ちょっとが査定を申し込むくらい。でもここから、ぐいぐい数字を上げていきます!まずは…

岡田さん:元のページと新しいデザインを実戦形式で試すんです。
スタッフ:え?新しいのをぶっつけ本番で使っちゃうってことですか?
岡田さん:はい、公開しちゃいます!

気前良い〜!いままでのページAと、新しいデザインのページBの2種類を用意。アクセスした人には、このうちのどちらかが、2分の1の確率で表示される仕組みをつくる。

そしてAとB、どちらのページで、ボタンをより多くクリックしてくれるかをカウントしていくのです!新しいデザインのページには『高額査定』と『入力はたったの45秒で完了します』というフレーズを。すると、「査定ボタン」がクリックされるコンバージョンレートは?

岡田さん:もともと3.7%だったのが、5.4%と、大体1.5倍上がりました。

なんと、コンバージョンレートが5.4%にアップ!もちろんこのデザインは本採用になり、アクセスしたすべてのお客さんに見えるように。でもまだまだ終わらない!今度は「45秒で完了します」って文字の大きさと色を変え『カンタン』は目立つカタカナで、最終目的の「査定に申し込む」ってボタンは「無料で愛車の価格を調べる」に。

新しい優秀なデザインのアイデアをどんどん採用していった結果、なんとコンバージョンレートは当初の3.7%から、17.9%へと大幅アップ!成層圏へと突き抜けた!17.9%って、かなり効果があったのでは?

菱沼さん:今回、約5倍のコンバージョンレートになったので、それがそのまま売上げに直結して2億円です。

がっちりですね〜!!

▼スタジオでお話を伺いました。

加藤:レイアウトで5倍変わるってすごいですね。
武井さん:デザインによってお客さんの行動って変わるんですね。
森永さん:こういうところは専属のデザイナーを抱えているわけではなく、いろんなデザイナーさんにアイデアを出してもらって、一番優秀な人にお願いしてるんです。
加藤:いや〜、俺たちはこういうデザインに誘導されてるんだね〜。生かされてるんだね〜(笑)。

■アパレル業界の大事な数字「売上高物流費比率」!

続いては、アパレル業界の人が気になる業界数字!小売業界に詳しい北條さん、教えてください!

北條さん:たぶん代表的なのが、売上高物流費比率だと思いますね。ある企業の年間売上高に対して、物流費にどれくらい使ったかという割合です。

なんだか漢字がいっぱい並んでいますが、要するに、あるモノが売れるまでに運賃がいくらかかったかという割合のこと。例えば1000円のTシャツ1枚を作ってから売るまでに、運賃が100円かかったとすると売上高物流費比率は10%。

商品がかさばるアパレル業界では、この運ぶお金を抑えることが値段を安くするために避けては通れない!つまり、売上高物流費比率が儲かりに直結するのです。

北条さん:映像で見て、こりゃ物流コスト安いなと思った例として、しまむらさんを挙げたいと思います。

ならばさっそく、ファッションセンターしまむらへ。物流部の松本さん、しまむらの売上高物流費比率は?

松本さん:小売業の売上高物流費比率は4.8%と言われています。しまむらの場合は1.5%です。

なんと、平均の3分の1以下!この3%ちょっとの差が、しまむらの売上げを元に計算すると、年間およそ165億円ものコストダウンに繋がっている!でも、なんでそんなに、運ぶコスト、物流費を安く出来たのか、そのヒミツが今年5月に完成したばかりの東松山商品センターにあった。主に海外で作られたしまむらの洋服をここに集め、各店舗に配送するために仕分けする施設。

この物流センター、最大の特徴が…

白崎さん:人件費を抑えるために自動化を進めております。これだけ商品が流れていても、人はおりません。

そう、とにかく人が少ない!荷降ろしと荷積み以外は、ほぼ無人。通常の物流センターだと1番人手がかかる荷物の仕分け作業を、ほとんど自動でやっちゃっているのです。配送のトラックは1回の荷積みで数店舗を回って荷物を届けなきゃいけない。だからこれまでドライバーは、後に回る店舗の荷物は奥に、しかもスペースにムダがないよう、ぴったり積むように苦心惨憺。

しかしここでは、どの荷物をどういう順番で積み込めばいいかを自動で判断してくれちゃう!

放送の声:ご連絡します。1店舗目18系統出庫終了します。ドライバーさんは2店舗目の準備をお願いします。

ドライバーは、放送通りに流れてきた荷物を積み込むだけ!そうすれば、ちょうど荷台がいっぱいになるように計算されている!

ほいほい積み込むだけで、荷台にムダなスペースもできない。そりゃ物流コストが下がるわ。さらに、ローラーの回る向きが少し斜めで、荷物の重さだけで移動していく。ラインを動かすモーターもいらず。

この、徹底的な物流コスト削減こそが、小売業の平均4.8%に大きく水をあける、売上高物流費比率1.5%を実現したのです!

▼スタジオでお話を伺いました。

森永さん:普通の会社は運送会社に頼んじゃうんですけど、それだとここまで細かい工夫はできない。同じ会社が一貫してやるからこそコストが下げられるんですよね。
加藤:これは大手じゃないとできないですね。
森永さん:だから商店街とかの小さいお店は大変ですよね。
加藤:もう人柄で勝負するしかないですね(笑)。
進藤:では森永さん、次に注目の業界数字、教えてください。
森永さん:それは、タクシー業界の「実車率」です。タクシーは走れば走るほど売り上げが上がるんですけど、走れる距離は決まっているんです。その走る中でお客さんを載せている割合を高めることが重要なんです。
加藤:それはどうすればいいんですか?
森永さん:鉄道が事故で込んでいるときに、車を駅の方に行くように連絡が行くようになっています。

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