過去の放送内容
2015年11月15日放送

特集
場所が悪くてもがっちり!「儲かる3等地店」海から遠すぎる水族館!駅から遠すぎるラーメン屋!なぜ大混雑!?
ゲスト
森永卓郎さん、ハライチさん
番組内容
今回のがっちりマンデーは「儲かる3等地店」!
以前番組で、ちょっと場所が悪いけど大繁盛している2.5等地にある店の儲かりのヒミツを紹介しましたが、改めて調べてみるとまだまだあったのです!
そこで、今回は0.5ランクを下げて、儲かる3等地のお店のヒミツをお届けします!
◎3等地なのにがっちりなラーメン屋!
まず最初にやって来たのは、滋賀県野洲市。
ここに3等地だけど、大繁盛のラーメン屋さんがあるらしい。
野洲の駅前から車で10分ほど走ると、ロードサイドの店がどんどん減ってきて、寂しくなってきたとなぁと思っていたら、その店は突然現れた!

ラーメン来来亭、野洲本店。
失礼ながらロードサイドによくある、ちょっとくたびれた感じのお店。
周りを見ても、コンビニとパチンコ店があるだけのまさに3等地。
ホントにこんな場所にお客さんが来るのでしょうか?
早速、お店を覗いてみると・・・

まだ昼前というのに満席!
いつの間にか、行列まで出来ています!
株式会社来来亭の豆田敏典社長にお話をお聞きしました。
豆田社長:ラーメンって日本の国民食みたいなとこがあって、本当に自分が好きな店だったらわざわざ遠くても行くじゃないですか。

お客を呼び寄せる人気のラーメンがコチラ!
一杯670円。
お客さん:遠くてもおいしいんで来ます!
社長曰く、このラーメンの美味さのヒミツは、お店の場所が3等地なことと深い関係があるんだとか。
スタッフ:家賃は1等地とどのくらい違いますか?
豆田社長:半値以下くらいじゃないですか?
場所が悪くて家賃が抑えられる分、ラーメン作りにお金をかけられるってこと!
例えば、スープは長時間煮込むとえぐみが出るから作って2時間しか使わない。
もし残ってしまったら即捨てる!
さらに、普通盛りでもチャーシューはたっぷり!
しかも、赤身にするか脂身にするかを選べるんです。
この「場所は悪く、ラーメンは美味く」作戦で18年前に始めた来来亭を人気ラーメン店にした豆田社長。
スタッフ:わざと悪立地を選んでるんですか?
豆田社長:どうしても良い所にいくと家賃が高いんで。
そう!店を増やす時もあえて3等地をチョイス!
日野店は、近江鉄道日野駅から歩くと20分以上かかるところにある。
栗東店に至っては、開店した16年前、周りは全部田んぼだったんだとか。
しかし、出したお店は例外なく大成功!
今や来来亭は、滋賀や愛知を中心に226店舗を展開する巨大ラーメンチェーンになったのです。
そしてもうひとつ、3等地の店にリピーターを呼び込む、社長のちょっとした秘策が・・・
スタッフ:ちょっと麺少なめじゃないですか?
豆田社長:また食べたくなるくらいの量で、わざとあまり多くしてないです。
普通のラーメンはだいたい麺の量140gのところ、来来亭のラーメンはちょっとだけ減らして120g。
これでまた直ぐに食べに来たくなるってことらしい。
◎3等地なのにがっちりな水族館!
次にやってきたのは、北海道北見市留辺蘂町温根湯温泉。
この聞いたこともない場所に、儲かる水族館があるらしい。
でもその水族館、札幌から車で5時間、旭川からだと2時間、帯広からでも3時間、さらには最寄の留辺蘂駅から歩いても2時間はかかる、かなりの3等地にあるらしい。
普通、水族館といえば海の近くにあるはずなのに、その水族館は山の彼方にあるらしい。
そして、2時間後にようやく到着。

ここが北見市留辺蘂町にある北の大地の水族館。
しかし、本当にこんな遠い場所までお客さんはやって来るのでしょうか?
と思ったら、来てました!
北の大地の水族館の山内創副館長にお話を伺いました。
スタッフ:結構館内暗いですね?
山内さん:大人の人に来てもらいたいということで展示側は暗くしています。
そう!北の大地の水族館には、普通の水族館とは真逆の戦略が!
そのコンセプトは、ズバリ「大人向け」。

例えばこの水槽のレイアウト、全部大人目線で置いてある。
山内さん:お金を出すのは大人の方だということで、大人の人にこそ楽しんでもらえる水族館づくりを目指しています。
なんとも気持ちのいい割り切り方!
でもおかげで狙い通り大人の皆さんで大賑わい。
こんな作戦をとった背景には、かつての大ピンチがありました。
4年前、過疎化の影響で水族館もつぶれる寸前。
「このままじゃヤバイ!」と、リニューアルを検討したものの、予算は一般的な水族館を作るのにかかる20億円の5分の1以下。
だったら、お客のターゲットは大人に絞る!
お金はかけない!
そして、北海道の地の利を生かした展示にこだわることにしたのです!
そんなリニューアルの目玉が・・・

山内さん:あちらの水槽がメインといっても過言ではない、滝つぼの水槽になります。
スタッフ:メインのわりにちょっと小っちゃいですよね?
山内さん:とても貧乏なので、とにかくコンパクトに面積を小さく作ろうということで。
本当はトンネル型の水槽を作りたかったのだそうですが、お金がないので4分の1サイズの水槽に。
そのかわり、上から水をドバっと落としてアーチ部分にあてる。
すると、滝つぼの下の様子が再現されるってワケ。
泳いでいるのは、北海道産の淡水魚のみですが、この水槽が珍しくて可愛いと話題に。
さらに、こっちの展示は・・・

山内さん:こちら四季の水槽になります。
スタッフ:外じゃないですか!
山内さん:そうなんです!これもですね、貧乏のひとつです。外にプールを作ってアクリルをはめただけの水槽です。
名づけて、四季の水槽。
外に作った池にアクリルをはめただけなのでお金がかからない。
普通、水槽はきっちり温度管理をするため、室内に置くもの。
しかし、北の大地の水族館はあえてのオープンエア。
これが、マイナス20度の冬になると、凍った水面の下を泳ぐ魚たちが丸見え!
まさにここでしか見られない展示なのです。
そして、北の大地の水族館最大の売りが・・・
飼育員:当館が行っているイトウの餌やり、他の水族館さんとはどういった点が違うのかといいますと、ズバリ言いますと生きた餌をそのまま使用しています。
北海道を代表する日本最大の淡水魚イトウの餌は生きたニジマス。
大人のための「いただきますライブ」が大人気なのです。
そんなコチラの水族館は、なんと入場者の8割が大人なんだとか。
3等地でお金もないのを、大人向けのアイデアと工夫で儲かり水族館に!
▼スタジオでお聞きしました。
森永さん:実はこれ、水族館プロデューサーの中村元さんていう人がリニューアルを手がけたんですが、中村さんが何と言っているかというと、水族館の一番いけないところは、飼育員が学術的に珍しいとか、世界にこれしかないとか超貴重なものをお客さんに見せようとしちゃうんだけど、お客さんにとってはそんなことよくわかんないわけですよ。だからお客さんが見て楽しめれば、別に普通の魚でもいいじゃないかっていうのが中村さんの考え方なんです。
◎3等地なのにがっちりなレストラン!
続いてやって来たのは、鳥取県鳥取市。
市の中心部から車で走ること20分、鳥取砂丘の観光地を通り過ぎ、さらに10分。
辺はどんどん寂しくなり、ついに岩戸海岸の終点。
しかし、その先に突然ポツンと大繁盛レストランが現れるらしい。
すると・・・

アイワナドゥ岩戸。
見た目はただの古びた民家。
階段を上がって中へ。
すると意外にもウッディな空間が広がっていてオシャレ。
しかし、最寄りのJR福部駅から歩くと軽く1時間以上。
車でしかアクセスできない3等立地なのは間違いない!
オーナー店長の河合慎一郎さんにお話を伺いました。
河合さん:ええ、ものすごく不便なところにあります。

しかし、昼時になるとお客さんがどんどんやって来て、あっという間に席が埋まって満席に!
お座敷席はぎゅうぎゅう詰め。
これには河合店長が考えた3等地戦略が!
それは、「女性のグループ客狙い」!
彼女たちがお店に来たくなる理由を増やすべく何をしたのかというと・・・
女性客が来たくなる理由を増やす(1):「ジャンルはアジア料理」
なぜかしら女性はアジア料理が大好き!
でも、市街地から離れたこの地域には、なかなかそんなお店はない。
ならばそれを3等地だけど景色だけは抜群の場所で食べてもらおうと考えたのです!
すると、女性グループがこぞってランチに集まった!
女性客が来たくなる理由を増やす(2):「グラスや食器は可愛く」
こちらのお店が使う食器は、どれも女性好みの可愛いデザイン。
お客さん:小物が可愛かったり、装飾が可愛かったり。
スタッフ:するとまた来たくなる?
お客さん:そうですね!
「これ可愛い〜」「そっちも素敵〜」と、女子トークが盛り上がる!結果、女性客のリピート率アップ!
こうして女子グループの「来たくなる理由」を増やした河合店長がもう1つ考えたのが・・・
河合さん:お客様が来店しない理由を減らし続けるということに力をいれております。
どういうことかというと、アジア料理にこだわらない!
さっきは、アジア料理でつかむって言ってましたが、オムライスや海鮮丼などのメニューも用意。
河合さん:グループの中にお一人でもタイ料理、アジア料理が苦手な方がいらっしゃるとうちはお店選びの選択肢から外れてしまうということが以前はあったんです。
アジア料理がダメな人がひとりでもいたら違うお店に行ってしまう。
だから、オムライスや海鮮丼を用意。
そしてもう1つ。
河合さん:定休日をなくしまして、お客様はとりあえず行けば開いているという形で定休日なくしてから目に見えてお客様のご来店数増えてきました。
女性は気まぐれ、わざわざ遠くまで来て休みだったら、もう来てくれなくなるかもしれない。
そんな可能性を減らしたのです。
そんなこんなで、鳥取砂丘からもかなり離れた3等立地にも関わらず、女性客の割合は8割以上、月商は350万円!
◎3等地なのにがっちりなパン屋さん!
最後は神奈川県相模原市の山の中にあるという。
最寄りのJR橋本駅から歩くと、なんと3時間。
車でも30分、ひたすら山道を登る。
すると目的地に到着!
とんでもない3等地ですが、突然現れたのが・・・

大きな建物!
なんと!行列まで出来ている!
ここが、相模原の人なら知らない人はいないパン屋さん「オギノパン」。
中に入ってみると・・・

大混雑!
3等地にありながら、なんでこんなに人気なのか?
そのヒミツは、安くて新鮮で美味いから!
名物、丹沢あんぱんは一個140円、多い日は一日に4000個も売れるんだとか。
もちろん自家製の調理パンも大人気!
こちらも平均価格200円とリーズナブル。
そして、外では・・・

皆さんここで食べてる。しかも、同じものを食べてるような・・・
お客さん:サクサクで温かくて美味しい!

そう、あげぱん!一個110円。
多い日には一日4000個も売れるらしい。
株式会社オギノパンの荻野隆司常務に伺いました。
荻野さん:あげぱんは結局ですね、天ぷらと一緒なんですね、揚げたては美味しくて、だんだん時系列で味は油が酸化しますから、落ちていきます。
そう!わざわざここに来て食べないと意味がない、揚げたてあげぱん戦略で、3等地に行列を作ってるってワケ。
出来立ての美味しさを味わえるのが、オギノパン最大のヒミツ。
その出来立てを支えているのが、お店の裏手にあるパン工場。
毎日、スゴイ数のコッペパンを作っています。
荻野さん:昔から50年も前からこの近隣の学校給食をやってる業者です。
元々は、地元の給食用のコッペパンをメインに作る会社だったのが、パン給食の減少というピンチに!
そこで、一般向けにも色んなパンを売り出したのです。
何と言っても、3等地だからこそ、大きな工場が建てることができた!
そして、いくらでもパンが作れちゃう。
だから、あげぱんがどれだけ売れても全然大丈夫ってこと。
現在、オギノパンの年間売り上げ9億円のうち、この店の売り上げは2億5000万円、3割近くを稼ぎ出しています。
▼スタジオでお聞きしました。
スタジオにオギノパンの荻野乗務にお越しいただきました!
森永さん:これがなぜ儲かるかって話しなんですよ。恐らくですが、原価率2割くらいしかないんです。
加藤:そんなわけないですよね?
荻野さん:原価が安くても揚げたてのものを常にお出しする技術っていうのは、かなり難しいんです。