過去の放送内容
2015年9月20日放送

特集
「禁止」ビジネス!◯◯を禁止して儲ける!?大阪名物串かつの有名すぎるあの禁止のウラ側も!?
ゲスト
森永卓郎さん、指原莉乃さん
番組内容
今回のがっちりマンデーは「儲かる禁止ビジネス」!
駐車禁止やタバコ禁止、立ち入り禁止に恋愛禁止などなど、現代社会には禁止がたくさん!
でも、本当に「禁止」で儲かるの?と思いきや!
世の中には禁止で売上げをグイグイ伸ばしている会社があるんです!
そこで、今回は「禁止」ビジネスの儲かりの秘密に迫ります!
◎パソコン禁止でがっちり?!
最初の禁止を求めてやってきたのは、宮城県角田市にあるアイリスオーヤマ。
中に入ると、電化製品や収納用品、園芸用品にペット用品まで色んな分野のグッズがズラリ。
ホームセンターに並ぶありとあらゆる物が揃っています。
では一体、何を禁止して儲かっているのでしょうか?
広報室サブリーダーの稲村香織さんにお聞きしました。
稲村さん:自分のデスクでパソコンを使う事を禁止しています!
スタッフ:みなさん後ろでパソコンいじってるじゃないですか?
稲村さん:パソコンを使う時はこちらのデスクに移動しまして、パソコンの作業が終わったらまた自分のデスクに戻るんです。

そう!アイリスオーヤマでは自分のデスクでのパソコンが禁止!
オフィスの中央には、みんなで共有のパソコン使用可能なデスクが配置してある。
だから、仕事をしていてパソコンが必要になったら席を移動。
そしてパソコン作業が終わったらまた戻るのですが、何でわざわざこんな事をするのでしょうか?
購買部部長の会田祐一さんにお聞きしました。
会田さん:ダラダラとパソコンを長時間して仕事している気分になっている方もいると思うんですけど、パソコンを使う時は限られた時間で集中してやると。
たしかに、パソコンに向かってなんとなく仕事している様に見えるけど、よくよく見てみるとネットサーフィンなんてこと!
なのでアイリスオーヤマでは、2007年から個人専用のパソコンを撤廃!
パソコンは部内で共有。

しかも制限時間まであって1回45分まで。
1度使ったら15分以上間を開けるというルールも!
実際、社員の方はどう思っているのでしょうか?
家電事業部 資材担当のサブリーダー 藤原幸信さんにお聞きしました。
藤原さん:最初はえーって思いましたけど、ただ実際やってみたら結構アリかなと。時間区切られてやるんで、パソコンに集中して取り組めて、メリハリがつくんです。

確かにみなさん、制限時間以内にパソコン作業を終わらせるため、かなり集中してる!
顔つきも超真剣!
そして、パソコンがあまり使えないということで一番減ったのが、メールでのやりとりなんだとか。
藤原さん:社内はメールなんかしないで直接部署まで行った方が早いですね。

メールの代わりに頻繁に行われるようになったのが「立ちミーティング」。
何かあったら声をかけて、立ちテーブルに移動、その場でサクッと打合せ。
オフィスのいたるところに立ちテーブルが置かれ人が集まって話しています。
ポイントはこの「立って」というところ。
家電事業部 統括事業部長の石垣達也さんにお聞きしました。
石坂常務:座って改まってとなると、いちいち会議室をとってスケジュール調整が必要になるんですけども、今集まれる人員で、決められる事をタイムリーに決めていこうって事で立ちミーティングをよくやっています。
デスクでのパソコンは禁止、打合せは立ってすぐ、と仕事のスタイルを大きく変えたアイリスオーヤマ。

パソコン禁止を始めた2007年には、38%だった新商品比率が、今や56%と劇的にアップ!
さらに売上げも755億円から昨年は1100億円にアップ!
◎電話禁止でがっちり?!
続いての禁止を求めてやってきたのは、東京都台東区にあるChatWork株式会社。
出迎えてくださったのは専務取締役CTOの山本正喜さん。
こちらは何をしてる会社なんでしょうか?
山本さん:私達はチャットワークというビジネス向けのチャットサービスをやっている会社で、簡単にいうとLINEのような物のビジネス版です。

チャットワークは会社用の連絡やりとりツールを提供する会社。
つまり、パソコンやスマートフォンでLINEのように複数でメッセージのやり取りができる。
そして、会社用にいろいろと便利な機能もあり、例えば過去のメッセージをキーワードで検索出来たり、見てほしい過去のメッセージにリンクを貼って送るなんてことも。
もちろん、チャットワークのメッセージサービスは社内でも使われていて・・・

がっちりマンデー!!取材対応?
「取材の方到着!3名」「オフィス見学しながらランダムにインタビューしていく感じですね〜」なんてやり取りも!
さらに!
山本さん:あとはビデオ通話の機能もあります。
チャットワークのシステムは、メールなんかよりもずっと便利ってことで、ここ最近国内外に急速に浸透中。
いまや、契約している企業の数は7万7000社!
では一体、何を禁止しているのでしょうか?
山本さん:オフィスを見て何かがないことに気付きませんか?実は電話がありません、電話禁止です!電話をとってしまうと、自分の作業を止めて出なければいけないですよね?その作業の集中を切らさないために電話をなくしてるんです。

電話があるとイチイチ仕事が止まってしまうので禁止!
お客さんとのやり取りも、社内のやり取りも連絡は全部自社のチャットで行う。
でも、パソコンがないお客さんもいらっしゃるのでは?
山本さん:パソコンがなければ、弊社のサービスも使えないので、お客様にならないですね。
そして、チャットワークにはもうひとつ効率アップのために禁止にしているものが。
それは・・・

山本さん:紙禁止です。紙使わないです。
そう!チャットワークでは紙も禁止!
確かに地球に優しいですけど他にもメリットが?
山本さん:紙は検索できないですよね。共有できないですよね。なので出来るだけデータにして、検索できるようにして、あと場所もとらないです。
スタッフ:他の人に見せるのは、コピーすればいいじゃないですか?
山本さん:コピーしても大阪やシリコンバレーだったら渡せないですよね。
というわけで、社内の資料は全てデータ。
領収書もスキャンしてデータにすればかさばらない!
電話禁止、紙禁止!
とことん効率にこだわってるから、77000社のお客さんがいても、社員55人でやっていけるんですね。
今やチャットワークの年間売上げは6億円!
▼スタジオでお聞きしました。
森永さん:これが時代の流れなんだと思うんですよね。紙の禁止もペーパーレス化というのがどんどん進んでいて、今後は税務上も電子データでOKという方向に世の中が動いていますからね。
加藤:全てパソコンでやり取りするっていうのは、やっぱりデータとして残るから透明化が図れるということですか?
森永さん:例えば紙で残しておくと、「あれどこにあるっけな?」って探している手間ってもの凄く大きいですけど、コンピューターの中にあれば瞬時に見つけ出せるので。
進藤:徹底したデジタルがコチラだとしたら、正反対のアイリスオーヤマさんはパソコン禁止です。
森永さん:だから世の中ここが面白いところですよね。真逆の戦略をとっているところが両方急成長しているわけですからね。
◎ラーメン禁止でがっちり?!
続いての儲かる禁止があるというのは、銀座にオフィスをかまえるFiNCという会社。
出迎えてくださったのは、アライアンス部長の廣澤忍さん。
早速ですが、何を禁止しているのでしょうか?

廣澤さん:まずですね、ラーメンが禁止です。ラーメン以外にもジャンクフードとか、あとタバコも禁止してますね。
さらに、法人営業部の浜吉勇馬さんにお話を伺うと・・・
浜吉さん:イエローカードです。バレると!
スタッフ:2枚貯まるとどうなるんですか?
浜吉さん:僕が一度あったのはラーメンを食べてトイレ掃除です。
禁止を守れないと罰まである!
実はこちらの会社の業務内容に関係があるのです。
廣澤さん:スマートフォンでお客様をダイエットさせたりとか、健康にさせるサービスを展開してます。太ってしまうような物だったりとか、不健康を促してしまうような物は基本的に禁止!
そう! FiNCは、最先端の技術でお客さんのダイエットをサポートする会社。
痩せさせる会社の社員が太っていたら説得力がない!
と、いうわけでラーメン禁止なんです。
社内を見渡してみると、確かにみなさん、スッキリとした感じが。
中には、どちらかというとちょいポチャのような方も?
マーケティング本部 プロデューサーの須田大輔さんにお話を伺いました。
スタッフ:ちょっとポッチャリじゃないですか?
須田さん:すいません、実は入社して1ヵ月経ってないぐらいなんです。
まだ入社したての須田さん。
ちょっとポッチャリしていますが、こういう社員さんの場合、ラーメン禁止だけではなく、FiNCのダイエットプログラムにも参加しないといけないのですが、その方法がかなりの最先端!
まず最初に・・・
須田さん:肥満遺伝子検査!

唾液からDNAを採取して検査。
すると、自分のカラダは脂肪を燃やしにくいとか、比較的筋肉がつきにくいなど、太り方のクセがまずわかる。
さらに、マシンルームで検査をすると・・・

カラダのどこが歪んでいるのかがすぐわかる。
最新科学でカラダのタイプを徹底的に調べ、その人に一番あったダイエット法を教えてくれるのです。
カラダの歪みが大きい人は、筋肉が固まっている場所を重点的にストレッチする。
脂肪が減りにくい人の場合は、燃焼させる温かい物を積極的に摂る、といった具合。
そうすればキツイ運動をしなくても、ツライ食事制限をしなくても結構痩せられるんです。
須田さん:実はダイエットを始めてから5kg落ちていて。
スタッフ:1ヶ月で?
須田さん:そうですね1ヵ月で!
このように、実際に社員がダイエットをすることで、サービスの改善にも活かしているんです。
3年前に始めたFiNCのダイエットサポートサービスのお値段は198000円からと、決して安くはないですが、そのユーザー数はすでに1500人を突破!
◎2度漬け禁止でがっちり!?
続いてやってきたのは、大阪にある「串かるだるま」というお店。
だるまといえば、昭和4年創業、大阪の串カツ屋の元祖とも言われる超有名店。
出迎えてくださったのは、4代目社長の上山勝也さん。
早速、何を禁止したのかお聞きしました。
上山社長:ソース2度漬けは禁止やで!
そう!だるまはカラッと揚げた串カツを、熱々のままバッドに入ったソースに、たっぷり付けて食べるのが魅力!

1度ソースに漬けた串カツを一口食べて、またソースにという2度目は絶対禁止なんです。
でもこれって、なんでなんですか?
上山社長:食べて噛んで、それをまた入れたら衛生的に悪いでしょ。
でも、だったらソースに漬けるんじゃなくて、上からかければいいのでは?
上山社長:漬けずに皿に置いてソースを上からかけたら皿の上にソースがあまるやんか、それは処分せなあかんからもったいないやんか!
ソースを串カツにたっぷりかけようとすると、皿にドバドバこぼれてムダが多くなってしまう。
だから1度だけどっぷりソースに漬ける方が経済的ってワケ。
それにしても串カツだるまでは、二度漬け禁止をしつこいくらいにアピールしています。

実はこの「禁止」こそ「串カツだるま」、いや大阪の串かつが全国区の儲かりフードになる大きなキッカケになったんだとか。
通天閣店 店長の石塚風馬さんにお聞きしました。
石塚さん:一番大きいのは宣伝効果ですね!「2度漬け禁止」って知らんお客さんからしたら、どんななんだろというのが一番大きくて、興味本位で最初は行ってみようということで初来店されるお客がいっぱいいますね。
だるまでは昭和4年の創業当時から、ソースの二度漬け禁止は暗黙のルールでした。
しかし、2001年に4代目となった上山社長が、そのルールを徹底的にアピール!
上山社長:10年前には全国でこれだけ2度漬け禁止って、みんな知ってたかっていったら知らんかったはずや、「2度漬け禁止」の発信は私ですからね!
すると、「禁止ってどういうことだろう?」「2度漬けすると怒られるのかな?」などなど、禁止心をくすぐられたお客がどっと押し寄せた!
創業からずっと1店舗だったお店は2度漬け禁止のアピール以降、一気に売上も増え、店舗数も増加!

今では国内14店舗、海外に3店舗と、まさに禁止で大繁盛!
上山社長:外国の人が来たらね、一応外国人の留学生のアルバイトの子がいますが、Single dip in the souse please. No second dip in after bite!って英語で説明します。
スタッフ:英語しゃべれるんですか?
上山社長:今、英会話教室に行っとんねん!
さらに、だるまのソースには、2度漬け以外にも禁止が!
上山社長:うちはオリジナルソース。そのレシピは門外不出なので教えてません。これは禁止です!
スタッフ:誰が知っているんですか?
上山社長:私と工場長と役員1人、この3人です。
串カツだるまのソースレシピは絶対に公開禁止!
しかし、そのオリジナルソースを作っている工場を特別に見学させていただけることに!
上山社長:ホンマはあかんけど、今日は特別にみせるわ!

大きな釜で温めているようですが、どんな材料を使っているのかヒントだけでも・・・
上山社長:そりゃ言えへん。炊いてること自体も言うのイヤやもん!
スタッフ:もしかしたら後ろにあるケチャップは材料ですか?

上山社長:違う!あれは俺がオムライス作っとんねん!
そんな串かつだるまの年間売上は40億円!
▼スタジオでお聞きしました。
加藤:串カツといえば2度漬け禁止って聞いたことあるじゃない?だからやっぱりその宣伝効果は大きかったんでしょうね?
森永さん:串カツの2度漬け禁止は大阪では常識だったんです。それを他の県の人とか、串カツ行ってない人にアピールする!「禁止」っていう魅惑の言葉でひきつけたというところが凄かったんだと思いますね。
加藤:封じることによってお客さんを呼べるって面白いですね。