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「がっちりマンデー!!」毎週日曜あさ7時30分から

がっちりマンデー!!

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2015年8月9日放送

特集

新潟発の家電メーカー「ツインバード」大手が作らない「せま〜い家電」をどんどん作るヒミツとは?

ゲスト

ツインバード工業株式会社 代表取締役社長 野水重明さん

番組内容

今回のがっちりマンデーは、家電メーカー「ツインバード工業」!
大手のメーカーではないけれど、商品ラインナップは約600種類!
その年間売上げは、なんと!130億円とがっちり!
そこで、今回は"飛ぶ鳥を落とす勢い"の家電メーカー「ツインバード工業」の儲かりのヒミツに迫ります!

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◎ちょっと変わった家電メーカーの儲かりの秘密!

やって来たのは、新潟県燕三条にあるツインバード工業の本社。
まずは家電作りの中枢、開発本部へ潜入!
早速、社員の皆さんにツインバード家電の特徴を聞いてみました。

社員:欲しい方には欲しいという商品を提供できるようにしています。

スタッフ:狙い撃ちしている?

社員:狙い撃ちです!

そう!ツインバード家電最大の特徴は、他社が作らない狭いニーズに応えた商品作り。

例えば梅雨の時期に大活躍「くつ乾燥機SD-4546R」。
切り替えスイッチで革靴にも対応。
他にも、かがむ事なくお風呂掃除ができちゃう充電式バスポリッシャー「ふろピカッシュEX」や、
アイロンを掛ける暇のない奥様に大人気「ハンディーアイロン&スチーマー SA-4084BL」!

さらに、人肌燗から飛切燗まで、お酒の温度が自由自在「酒燗器TW-4418B」!
どれもこれも痒い所に手が届くマニアックな商品ばかり!
その商品ラインナップは、なんと600種類以上!    
こうしたツインバード独自の家電は、一体どうやって生まれているのでしょうか?
そのウラ側を探るべく、東京支社で行われている企画会議に特別におじゃまさせていただきました。
この日は、本社とテレビ電話を繋ぎ、ある新商品を検討中。
会議テーマは、テーブル専用の新しいハンディクリーナーを作れないかというもの。
すると営業企画本部 文園さんと商品企画部 岡田さんが・・・

文園さん:テーブルをキレイにするのは、大抵ティッシュでやるよな。

岡田さん:ティッシュの弱点は結局拾いにくいモノ、パンくずは手に付けてパラパラって出来そうだけど、ティッシュでは集められないとか、すくえないみたいなモノを、スっと吸えるのは絶対勝ち目あるよね。

なんと!新型クリーナーのライバルは箱ティッシュ!
かなり独特のコンセプトが仮決定。
さらにここから具体的な形や機能を詰めていく。

"箱ティッシュ"を入口にアイデアを出しまくる! 
その結果、ティッシュのように自然にテーブルに置けるデザインと、ティッシュみたいに乾いたゴミだけじゃなく、こぼした液体も綺麗にできるウェット対応はどうだ!ということに。
そして1週間後、新潟本社の開発部門を訪ねてみると、そこには驚きの光景が!
商品企画部 副部長の上村哲也さんにお話を伺いました。

上村さん:当社の既存品を組み合わせて形にすぐしました。

わずか1週間で、あの会議のアイデアをカタチにした試作品が完成!
上村さんが考案したのは・・・

テーブルに置いても不自然じゃない、ワインボトルをイメージしたデザイン。
さらに、ゴミはホウキで集めるという新方式!
そして、商品開発部リーダーの本田貴司さんが考えたのは?

本田さん:テーブルを拭き取れるワイパー機能を持ったものを本体と一体型にして・・・

乾いたホコリと液体を同時に取れように、ぞうきんが装着可能に!
企画会議であがったものは、とにかく作ってみるというのが基本方針。
毎度のことなので対応も早い!
しかも、試作品をよく見てみると・・・

テレビのスピーカーって書いてある。 
まさに、今あるものを上手く活かして、なるべくコストを掛けずに試作品を作れるのが、ツインバード開発チームの強みなのです。
でも、なぜこんなことができちゃうのでしょうか?
そのルーツは会社の生い立ちにありました。
今から60年以上前に、職人の街、燕三条で金属のメッキや磨きをする工場のひとつとして生まれたツインバード。
職人の街だけに「こんなん作って!」と言われて「あいよ!」ってすぐ作るのがいわば社風だった。
それがいまだに、脈々と受け継がれているのです。
でも、とりあえず作ってみるだけに失敗も多いのだとか。
開発企画管理部 マネージャーの佐藤充幸さんにお聞きしました。
独り暮らしの女性をターゲットにデザインした新しい電気ケトル。
まん丸ピンクがカワイイはずだったのですが・・・

佐藤さん:ハンドルの形がダメでした。お湯が入った容器の上の方に手が来るということで安全性からダメになりました。

湯気がハンドルを茹で上げるというまさかの失敗!

スタッフ:手が熱いってことですか?

佐藤さん:はい。

さらに・・・

佐藤さん:ここの空気を誘引しながら効率よく風を出すタワーファンでした。特許的な制約がございまして商品化にはなりませんでした。

あの有名メーカーに先を越され、しかも特許まで取られて開発中止。
そして、ツインバードのオリジナル商品の開発で、もうひとつ大切にしているのが、コールセンターに寄せられるお客さんの声。
毎月6千件以上が寄せられ、それが会議にかけられます。

この日のお客さんの声は、ドアに付いている「のぞき窓」にスポッとはめ込むことで、お部屋から外が見られるようになるツインバードのドアスコープカメラという商品について。
これが、公団のドアだとレンズが大きくて上手くはまらないということらしい。
すると・・・

たった4件の声にも商品を改良しそうな勢い!
こういう細かい意見に応えるのもツインバード流!  
以前、番組で取り上げたラジオでテレビの音声が聞ける「聴くテレビ」。
一昔前まではラジカセでチューニングすれば、簡単にテレビの音声が聴けたけど、地デジ化の影響で出来なくなった!というたった1通の手紙から商品化されたもの。
そんな、お客の声にこだわるにはある理由がありました。
商品企画部の岡田さんによると・・・

岡田さん:それだけお客様のニーズがある部分だと思うので、きっとまだ潜在的には他の方々も欲してるんじゃないかと。

ちょっと変わったアイデアでも、とりあえず作ってみる!
お客さんに言われたら、とりあえず作ってみる!
そんな「まず、やってみる」精神が独自の楽しい家電を作っているんですね!

▼スタジオでお聞きしました。


加藤:対応が早いんですね!お客様の意見が一通でもあったら動くんですか?

野水社長:とても大事な意見でしたら一通でもやってみようとなります。

加藤:なるんですね!そこはやっぱり開発でも早くできるし?

野水社長:ある程度試作品を作ってみて、当然それが何台くらい販売できるかマーケティング活動もしながら製品化するかしないか決めていきます。

◎儲かり商品を生産する本社工場へ潜入!

家電メーカー、ツインバードには儲かりを支える、もうひとつのヒミツの柱があるらしい!
ということでやって来たのは新潟の本社工場。
出迎えてくださったのは業務管理本部 本部長の大坪收さん。
早速、案内していただきましょう!
しかし・・・

大坪さん:ここから先はお客様の製品を作ってますので、これ以上は企業秘密です!

まさか!入ってきていきなり撮影拒否!

スタッフ:音声だけだったら大丈夫ですか?

大坪さん:音声だけなら別に問題ありません。

ということで・・・

スタッフ:あ〜これ?あのメーカーですよね?

大坪さん:それはちょっと言えませんけども・・・

スタッフ:空気出るヤツですよね?

大坪さん:そうですね…イヤイヤ〜それは・・・これ以上はちょっと企業秘密になるのでご遠慮願いたいと思います。

ツインバードがこの工場で作っているのは他社の電化製品!
いくつかの大手家電メーカーから生産依頼を受けているという。
売上げの約10%を担う大事な事業の1つなんです。
では一体、なぜでツインバードに発注が?

大坪さん:色んな600アイテムの製品を作ってきました。大手の家電メーカーさんでもそこまで作っている所はないんじゃないですか?
 
家電と一口に言っても多岐に渡るため、大手メーカーといえども全部自社で作るとなると、コストがハンパない!
しかし、ツインバードなら、これまで600種類の様々な家電を手がけてきたノウハウもあればインフラも整っている。
製品ごとに組み替えられる生産ライン、様々な製品に対応できる広いスペース、そして何より、何でも組み立てる工場のプロフェッショナルと全てが揃っている!
だから、ほとんどの家電が作れちゃう。
と、ここで大坪さんから全国の大手家電メーカーさんにアツいメッセージが!

大坪さん:新しい製品につきましては、我が社は何でも御請できますので、是非我が社へ来てください!

さて、そんなのツインバード工場で、今スゴイ最先端技術を研究しているところがあるらしい。
商品開発部の鈴木壮志さんに案内していただきました。
では早速、ツインバードの最先端技術を見せていただきましょう!

鈴木さん:こちらになります。宇宙ステーションに冷蔵庫があるんですけど、その冷蔵庫にこちら冷凍機が入ってます。
そう!ツインバードの最先端技術は宇宙に行ける冷凍機!
一体何がスゴいのでしょうか?

鈴木さん:マイナス100度まですぐ冷えます。

家庭用冷蔵庫の冷凍庫はマイナス20度ぐらい。
しかし、この冷凍機の実力は、なんとマイナス100度まで!
機械を動かしてみると・・・

先端に霜が付き始め、ついにマイナス100度に!
鈴木さんによるとマイナス100度にするためにはポイントがあるという。

鈴木さん:こちらはヘリウムガス、風船に入っているガスを使って冷凍する冷凍機になります。ヘリウムは非常に小さいガスなので部品の精度を上げないと冷えないんです。

ヘリウムガスを使えばよく冷えるけど、精密な部品を作るのがとても難しい。
ここに燕三条にあるツインバードの強みが生かされているのです!

鈴木さん:ハシモトさんではケーシングを作って頂いてます。この近くにあるプレス屋さんになります。

燕三条には精密な部品を作れる職人さんがたくさんいる!
ツインバードが冷凍分野で頼っているのが、ステンレス加工でトップクラスの腕前を誇る株式会社ハシモトの橋本健治専務。
スゴいのは1枚の板からミクロン単位で作り上げていく技術。
全部で7工程。
アルミのパーツのカタチを整えていくのですがその精度がスゴい!
例えば・・・

こちら、ツインバードは厚さ0.5mmで発注!
橋本さんが作ったのは・・・

0.504mm!お見事!
たった4ミクロンの誤差!
独自のアイデアと、それをカタチにする燕三条の職人の技。
これさえあれば、ツインバードはがっちりです!

▼スタジオでお聞きしました。


加藤:職人の技術はスゴいですよね。マイナス100度まで冷えるのもあの技術がないとできないんですよね?

野水社長:そうですね。やっぱり燕三条の地域のプレス屋さんとか精密加工技術の工場の協力があってこそ作れている製品です。

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