過去の放送内容

「がっちりマンデー!!」毎週日曜あさ7時30分から

がっちりマンデー!!

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2015年3月15日放送

特集

もう地味とは言わせない!「儲かるバス」 北の大地で倒産のピンチ救った「戸別訪問」って?

ゲスト

森永卓郎さん、おのののかさん

番組内容

今回のがっちりマンデーは、「儲かるバス」。
たくさんの人を運ぶなら鉄道!遠くまで速く運ぶなら飛行機!そんな交通機関と比べ、ちょっと地味な感じがするバス業界。
しかし、実はここ最近、バス業界が結構スゴいことになっているんです。
そこで今回は、儲かるバス業界の秘密に迫ります!

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◎1000円でもがっちりな高速シャトルバス!

まず最初に儲かるバスを探してやってきたのは、東京銀座にあるバスの停留場。
ここから出発する成田空港行きの高速シャトルバスに、今お客さんが殺到しているらしい!
銀座を出たあと、東京駅のバス停からもお客さんを乗せると、平日1時半の便なのに車内は満杯。
何でこんなに人気なのかというと、理由は簡単、料金が片道1000円ポッキリだから。
これまで東京から成田空港までだと、鉄道、バス共に3000円くらいが相場でした。
では、なんでこんな値段で運行できるのでしょうか?
ビィー・トランセ株式会社の取締役管理部長 金子孝さんにお聞きしました。

金子さん:確かに1000円は安い金額だと思うのですが、多くのお客様にご利用いただければ、1000円でも十分営業としては成り立ちます。

そう!この1000円バスの儲かりのヒミツは高い乗車率!
1日計83便で、平均乗車率が約7割と、他の交通機関よりかなり高いらしい。
そしてその乗車率を上げるための戦略が「お手軽さ」。
座席はネット予約もできますが、ほとんどのお客さんはバス停に直接来て、運転手さんに1000円札を渡す。
というわけで、成田空港にはチケット売り場がない!
これで場所代と人件費が節約できるってワケ。
さらに、使用するバスは基本全部同じ型のもの。
こうすることで・・・

金子さん:車種を絞ることによって整備コストを落としている。

格安航空会社LCCも、同じ型の飛行機を導入して整備にかかる費用を節約。
ビィー・トランセは、バス版のLCCってことなんですね。
でもこの会社の1000円ポッキリのための努力はそれだけじゃない!
夕方6時半、成田空港から銀座に戻ってきたバス。
よく見てみると・・・

次の行き先は成田空港じゃなくて千葉の海浜幕張。
バスに乗り込む多くの乗客は、サラリーマンの皆さん、これって?

金子さん:今度は通勤の帰りのお客様をベッドタウンまでお送りするバスに変わります。高速路線バスになりますね

そう!東京〜成田空港間を走っていたシャトルバスが、朝と夕方は通勤客を乗せて高速路線バスに変身!
これ、バスは最終的に幕張の先の車庫に帰るので、「だったらそこまでお客さんを乗せちゃえ!」という作戦なのです。
細かい工夫の積み重ねで生まれた1000円高速バス!
ビィー・トランセTHEアクセス成田の利用者は、現在1日2000人!
そんなビィー・トランセグループは東京〜成田空港間1000円でがっちりです!

▼スタジオでお聞きしました。


進藤:成田まで片道1000円の高速シャトルバス。

森永さん:実は成田空港っていうと、みんな国際線を思い浮かべちゃうんですけど、いまLCCが結構国内線を飛ばしているんですよ。で、飛行機代が何千円ってケースもあるので、そこに3000円も成田まで行くのにお金かけられないって意識はあるから、1000円のバスで行ってLCCで遊びに行くっていうパターンを作り出したんですよね。

◎色んな取り組みでがっちりな路線バス!

次は地方を走る路線バス!
なんだか儲からないイメージしかないような?
でも、その町の路線バスはちょっと違ってた!
北海道の帯広市にある十勝バス、通称「カチバス」。

この会社、これまで40年続いていた売上減少から反転、3年前ついに増収を果たし、今も上り調子なのです!
早速、帯広市内にある本社を訪ねてみました。
出迎えてくださったのは、十勝バス株式会社 事業本部長の長沢敏彦さん。

スタッフ:儲かってるって噂を聞いてきたんですけど。

長沢さん:儲かってないです。若干増収になっているだけです。

十勝バスも長いこと経営は苦しかった。
一時は・・・

長沢さん:会社が倒産するのではないかと、ひっ迫した状態になりまして。

そんな倒産寸前だった十勝バスを、儲かるバス会社に変えた画期的な取り組みがあるらしい。
乗合課の山本康友課長と営業課の関場聖係長に同行させてもらいました。

スタッフ:お出かけするってことですか?

山本さん:そうですね。今日は音更町の方に戸別訪問に行きます。

一体どういうこと?
車で走ること20分。
音更町の住宅地に到着。
そして、迷うことなく一軒のおウチに!

山本さん:こんにちは十勝バスと申します。

なんとバス会社が、飛び込み戸別訪問!
路線周りの住宅地をくまなく回って、「バスを使ってほしい」とお願いする地道な営業活動を行っているのです。

山本さん:週2回乗っていたのをですね、3回4回乗ろうっていう気持ちにはならないですかね?

住民:用事もないのにバスには乗れないですよ!

そりゃそうだ!
しかし、戸別訪問をしてみて、初めてわかったことがありました。
それは、バスに乗らないのは「バスの乗り方を知らないから」ってこと。
みんな自家用車を使うので「バスは前と後ろどっちから乗るのか」とか「お金はいつ払えばいいのか」とか、基本的なことが意外と知られてなかったのです。

山本さん:バスは「不便だ」と一般的に聞かされていたんです。これが「不便」じゃなくて「不安」だという声が耳に入ってきたんです。

その不安を解消するために、時には高齢者や小学生に向けてのバスの乗り方講習会を実施。

そして、手渡ししているこのチラシにもある工夫が。
裏側は普通のバスの時刻表だけど、表はそのバスに乗ればどんな施設に行けるのか、バス停ごとにわかりやすく書いてある。

山本さん:これも不安を解消するために作りました。

さらに、こんな取り組みも!

日帰り路線バスパックツアー?
付いて行ってみることに。
一人旅の23歳、石井くんが申し込んだ日帰り路線バスパックとは?

長沢さん:バスの往復乗車券と温泉施設や見学施設の入場料金をバス代とセットにした商品です。

何がスゴいのかというと、路線バスだから、いつどこから出発してもOKってこと。
帰りもバスのある時間内に帰ればいいという気ままな旅。
例えば、ばんえい競馬が見られる日帰りバスパックは、通常、バス代込みで往復700円のところ、500円でOK!

十勝川温泉へのバスパックは、通常2240円が1200円!

石井くん:無計画でもそのまま乗って、考えながらやれるのが楽しい。

こうした取り組みで、路線バスなのに地元の人だけじゃなく、観光客も乗ってくれるようになったのです。
そんな石井くんのとりあえずの目的地は幸福駅!

石井くん:これで幸福になれるといいすけどね。

何かあったんですね・・・。
一方、幸福なのは十勝バスの方。
計130台のバス、250人の従業員で、毎年ちょっとずつ増収を続けています。
そんな十勝バスは色んな取り組みでがっちり!

◎水陸両用バスでがっちり!

大阪市内を走る、ちょっと変わった形をした派手なバス!みなさんご存知ですか?
実はこのバス、他の乗り物には真似できないスゴいスペックを持っているのです。
それは・・・

水陸両用バス!
2007年、日本で初めて水陸両用バスを使った観光ツアーを始めたのが、大阪の日本水陸観光株式会社。
ダックツアーと名付けられ、現在国内5ヶ所で行われているらしいのですが、須知裕曠社長にお聞きしました。

須知社長:大阪をとにかく元気にしたいという思いからこの車を入れたんです。私のキーワードは日本初なんですよ。この言葉が非常に好きなんです。

水の都、大阪にうってつけの観光手段として、アメリカから元々は軍事用に開発された水陸両用車を輸入したのが始まり!
しかし、このバスが水の中に入るまでには、とんでもないハードルがあったのです。

須知社長:水陸両用車なんてのはお役所も想定していないわけですから道路交通法の問題、それから船舶法の問題がありますよね、2つの法律があるわけですよ。

今まで誰も見たこともないバスだから、そのための法律がない!
船なのか車なのか、どこかで境界を引かないと、道路交通法と船舶法がゴチャ混ぜになり、道を走ることも、水に浮かべることもできない!
そこで、須知社長が考えたのが・・・

須知社長:陸上のドライバーさんがいるじゃないですか、水辺に来ますよね。さあこれから川の中へという時にドライバーさんがチェンジする。

つまり、陸上は二種免許を持ったドライバーが運転。
川岸まで来たら船舶免許を持った船長と交代する。
かなり面倒だけど、これでお役所も納得したってワケ。

そんなこんなで、バスには車のナンバープレートと、船の船舶番号がついています。
では、社長と共にダックツアーに出発!
車内は窓はないけど普通のバスって感じ。

こんな感じで盛り上げながら、大阪市内を走ること20分。
いよいよ着水地点に到着。
そして、水の中に入るとスクリューが降りてきてスイスイ進める。
水に入ったら、大阪城の周辺を30分ほどクルージング。
そんなダックツアーの料金は大人が3700円で子供が2300円。
大阪だけで年間4万5000人が乗っているんだとか。
そんな日本水陸観光はダックツアーでがっちり!

▼スタジオでお聞きしました。


森永さん:普通のバスってだいたい1台3000万円ぐらいするんです。それを仕事で使って年間の売上げが3000万円ぐらいなんですよ、水陸両用バスは買う時は1億円ぐらいするんですが、売上げが年間1億5000万円あるんです。圧倒的に早く回収できちゃうんですよね。

◎VIPルームでがっちりな高速バス!

大阪のロケ終了後、今かなり儲かっているという高速バスで東京まで帰ることに。
なんでも、バスに乗る前が一味違うらしい!
出発時間よりちょっと前に着いたので待合室へ。

結構、お客さんいらっしゃいます。
ここが、平成エンタープライズって会社が運行する高速乗合バスVIPライナーの待合室、名づけてVIPラウンジ。
何がVIPなのかというと・・・

その設備!コーヒー、紅茶はいくら飲んでもタダ!
ケータイ、スマホの充電器に電子レンジ、女性客専用のパウダールームには最新式のドライヤー、ヘアアイロンまで完備!
さらには、足もみマッサージ器まで!
バスに乗る前に、ここで化粧を落としたり、ジャージに着替えたりと、万全の準備が出来るってわけ。
しかし、そのお値段だけはVIPじゃなかった!

バスのグレードにより、東京〜大阪間が4500円からなんてのも!
そして、この日の最高6400円のバスを選んだディレクター。
初めて高速バスで東京まで帰ります!
バスの車内は・・・

かなりゴージャス!
テレビや映画も自分専用で楽しめて、カーテンが付いているから、寝顔を見られる心配もなし。
電動リクライニングも付いていて寝心地もグッド!
しかもこの椅子、後ろに迫ってこないので、どの席も全くストレスを感じることがない!

でも、全部のバスがこんなにゴージャスってわけではなく、4000円台の安いバスはこんな感じ。後ろの人は結構キツイ!と思いきや、VIPライナーはスゴいアイデアでこれを克服!
それが・・・

ある時間になると、シートを一斉にリクライニング!
これならストレスゼロですよね?
スタッフが乗ったバスも、深夜0時に消灯。
大阪から東京まで、ドライバー二人体制で9時間半。
そして朝の7時に東京駅のバス停に到着。
   
スタッフ:意外と寝ました。

そしてVIPライナーには、降りた後にも人気の秘密が!
お客さんは、もちろんここからは自由なんですが、特に女性客の多くが向かうのは、例のVIPラウンジ。
ここもスゴいことになっていました!

パウダールームは、到着客の女性で大混雑!
東京のVIPラウンジには、500円で使えるシャワールームや、遠赤外線のセラミックボールスパなんてのも。
東京に朝早く到着しても、意外と一休みする場所がない。
そんなお客さんのためってことなんですね!?
株式会社平成エンタープライズの桑原隆行部長にお聞きしました。
   
桑原さん:このラウンジがあるからご利用頂くというお客さんが多いです。

女性客から絶大な支持を集めるVIPラウンジ。
ここがあるからリピーターになって、次もVIPライナーに乗ってくれる!
そんな平成エンタープライズはがっちり!

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