過去の放送内容

「がっちりマンデー!!」毎週日曜あさ7時30分から

がっちりマンデー!!

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2014年11月2日放送

特集

ただ座るだけじゃない!儲かる「椅子」ビジネス! たくさんある劇場の椅子はひとつひとつ違う!ってホント?

ゲスト

森永卓郎さん、北斗晶さん

番組内容

今回のがっちりマンデーは、「儲かる椅子」。
普段、何気なく座っているロビーの椅子や、公園のベンチ、乗り物のシートなどなど、
様々な椅子がありますが、実は使われる場所や目的に合わせて大きな進化を遂げていたのです!
そこで、今回は「椅子」業界の裏側に潜入!儲かりのヒミツに迫ります!

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◎劇場と学校の椅子でがっちり!

まず最初にやってきたのは、千代田区有楽町にある東京国際フォーラム。
ここで待ち合わせしたのは、愛知株式会社 東京営業部の福島亮二さん。
国際フォーラムってことは・・・

そう!愛知株式会社は椅子の中でも、特に劇場やホール、学校など、たくさん並ぶ椅子をつくる専門メーカー。
年間30万脚を作る、業界のパイオニアなのです!
東京国際フォーラムも、愛知が手がけた椅子が並ぶ劇場。
では一体、劇場の椅子で一番大事なことってなんなのでしょうか?

福島さん:舞台が見えなければいけませんので、まず舞台が確実に見えるという配置を意識して作っています。

劇場の椅子は、どの席からでもちゃんと舞台が見えないと意味がない!

そこで、実はこの椅子、一見同じように見えますが、ほんのちょっとずつ違うものが並んでいるのです。
その配置にもひと工夫。

福島さん:東京国際フォーラムの椅子は、千鳥配列といいまして、前の人と頭がかぶらないような位置関係で配置しております。

椅子の千鳥配列!それがこの状態、列ごとに席をずらして、前の人の頭がかぶらないようになっているのです。
これなら、前がスッキリ見れてストレスがない!でも千鳥配列にすると、席の端っこ、通路側がどうしてもデコボコになってしまうはずですが・・・

千鳥配置なのに、通路側がきれいな一直線になってる!これってどういうこと?

福島さん:これはあの若干ですけども、席の幅を若干かえております。

実はこの件、超秘密事項なんですが、数ミリ単位で座面の広さの異なる椅子を混在させて、通路側がピタッと一直線になるように調整しているのです。
これも、日本の椅子メーカーの美意識の表れなんですね。
そしてさらに、2階席、3階席の椅子も、それぞれの椅子が、ほんのちょっとずつ違ってて・・・

福島さん:やはり上から舞台を見下ろす形になりますので、少し背もたれを起こして、より見やすくしております。

1階席は15度、2階席は12度、3階席は9度と背もたれの角度を3度ずつ前に起こしている。
すべては舞台を見やすくするため!
さらに・・・

よく見ると、背もたれの高さが2階席、3階席と段々高くなっているような?

福島さん:階段を高くしてありますので、背もたれが同じ高さですと、後ろを歩いた時に人が、頭を蹴飛ばしてしまう可能性がありますので背をのばしてあります。

2階席、3階席は階段で段差がきついから、席の後ろを歩く人の足が前の人の頭にぶつからないよう背もたれが伸びているのです。
この様に、色々と工夫されてる劇場の椅子ですが・・・
劇場の椅子と言えば、昔から解決しないある問題が!
それは、肘掛け問題!隣の人と取り合いになることありません?

スタッフ:どっちの肘掛けを使えばいいんですか?

福島さん:正直申し上げますと早いもの勝ちです!どちらがというのはありません。

でもご安心、愛知さんには肘掛問題を解決する最新の椅子がありました。
愛知株式会社 インテリアコーディネーターの秋山優さんにお話を伺いました。

秋山さん:こちら、思いやりの椅子と呼ばれている椅子になっています。

肘掛けにくぼみがあって、みんなが両サイドの肘掛けを使えるってこと!
そしてもう一つ、この会社の得意分野の椅子が学校の椅子。

講堂なんかで見かけるこんな椅子のこと。
これは昔からあるタイプで、人が出たり入ったりするときは、一度立ち上がって道をあけないとダメだったのですが、あるアイデアでスッキリ解決、がっちり儲かる椅子ができたらしい!

それがこちらの椅子「SCF-5105」。
先に座っていても、ちょっと前かがみになれば後ろを通れる。
今、飛ぶように売れているのが、この学校用の斜め椅子シリーズ!
そんな愛知株式会社は劇場と学校の椅子でがっちり!

◎オフィスの椅子でがっちり!

次にやってきたのは、東京品川区にあるコクヨ株式会社。
コクヨといえば文房具のイメージがありますが・・・

実はオフィス家具の方が儲かってる!
文房具の売り上げ730億円に対して、机や棚などが1120億円!
中でも力を入れているのがオフィスで使われる椅子。
コクヨファニチャー チェアバリューチームの奥一夫さんにお聞きしました。
なんでも、オフィスの椅子には大きく分けて2つの種類があるそうで・・・

奥さん:まず1つ目は事務用回転椅子です。

事務用回転椅子とは、キャスターが付いてくるくる回る椅子のこと!
会社のデスクで仕事をする人が長時間座る椅子。
だから、腰や背中が痛くならないよう、体にフィットするのが一番大事なのです。
そこで・・・

奥さん:個人の体型差に合わせて、高さだったり、座面の奥行きだったり、反力の強さをしっかりと調整できることが重要になってきます。

売れ筋の事務用回転椅子「Wizard2」は、リクライニングに柔軟性があり、高さの調整はもちろん、座面の位置も変えることが可能。
気になるお値段は、一脚5万5400円。
そんな事務用回転椅子は、座り心地にこだわって、日々進化を遂げてきました。

代表的な椅子を時代ごとに並べてみると、1970年代はキャスターが4つ。
80年代になると、キャスターが一個増え安定感が増し、座面もややくぼんで、フィット感もアップ。90年代はデザイン性の高い丸いフォルムに。座面と背もたれが完全にくっつきました。
2000年代、やはり必要だったと肘掛が復活。座面もやや大きくなった。
2010年代には、背もたれの長さが一気に15cmほど伸びた。
そして今年、コクヨが世に送り出したのが・・・

この事務用回転椅子「INSPINE」。
何と言ってもスゴいのが・・・

奥さん:骨盤が後ろに寝てしまうのを後ろからグッと押してやるランバーサポートの機能が付いております。

背もたれの外側にワイヤーが仕込まれていて、締めると腰の部分だけが前に出る。

奥さん:しっかりと骨盤を押して、集中して仕事したい時は回してテンションを張ってもらうと、リラックスしたい時は緩めて頂くという使い方。

お値段はなんと!13万3000円!
さて、オフィスの椅子、もうひとつのカテゴリーが?

奥さん:会議用の椅子になります。

会議用の椅子!お値段は、一脚1万から3万円台。
会議用椅子にはデスクの椅子とは違う大事なポイントが!

奥さん:使う時、使わない時のセッティングと収納が非常に簡単にできる。

そう!会議室の机は会議の内容により、いろんな置かれ方をする。
だから、会議用椅子は軽くて持ち運びしやすいのがベスト。
スタッキングして、大量の椅子を運ぶこともできる!
これにはある工夫が・・・

奥さん:真正面から見て、内側に前脚が少し寄ってるのがわかると思うんですけど、そのことによって、後脚からすっと前に入れることができるんです。

ご存知でしたか?スタッキングできる会議用椅子は、後脚の方が、前脚より、ほんの少しだけ広くなっている。
だから簡単に積み重ねることができるってわけ。
そして連結させて、動かなくすることもできる。
奥さんによると、ここ10年で強度はアップしつつも、1kg程軽くなったのが、会議用椅子なんだとか。
進化し続けるオフィスの事務用回転椅子と会議用椅子。
そんなコクヨはオフィスの椅子でがっちり!

◎特急列車の椅子でがっちり!

儲かる椅子を探してやってきたのは、三重県志摩市にある近鉄賢島駅。
近畿日本鉄道 鉄道事業本部の山井晃一郎さんにお話を伺いました。

山井さん:こちらがお客様にゆっくりくつろいでいただける特急列車の椅子でございます。

そう!列車の椅子!
特に、お客さんが長時間乗車する特急の椅子には、鉄道会社のアツイこだわりがあるのです!
近鉄さんもスゴい椅子の特急を作ったらしい!
それが・・・

山井さん:観光特急しまかぜでございます。

昨年、運行を開始した近鉄最新鋭の特急しまかぜ!
早速、見せてもらうことに。
すると・・・

ありました!見るからにゴージャス!
山井さん曰く、私鉄の中では最高クラスの椅子というのが「しまかぜ」の自慢なんだとか。
シートは本革張りで高級感満載!
リクライニングは電動で38度の傾斜を実現。足元のレッグレストも電動で上下。

席と席との間も、普通の特急は98cmなのに対して、「しまかぜ」は125cmと広々!
だから前が倒れてきても、全然気にならない。
席のテーブルも、アームレストから取り出す折りたたみ式と、前の座席の背中にあり、どっちを使ってもOK。
さらに、この椅子の一番スゴいところが・・・

山井さん:リラクゼーション機能というのがございまして、簡易的なマッサージをできるようになっております。

なんと!背もたれにエアークッションが仕込んであって、乗りながらズッとマッサージしてくれる!窓もひと席に一枚な感じで広めに取ってあるし、先頭車両の眺望もばっちり!
こんな、最高級の椅子を特急列車に導入して、近畿日本鉄道は「しまかぜの椅子」でがっちり!

▼スタジオでお聞きしました。

進藤:しまかぜの椅子!本当にラグジュアリーな電車でしたね。
加藤:あれ予約取れないんでしょう?

森永さん:私、近鉄って結構乗っているんですけど、もう1ヶ月先までほとんど予約で一杯です!

北斗さん:スゴいシートだって聞くと、乗ってみたいって思いますもん!

◎理美容椅子でがっちり!

最後にやってきたのは、大阪市にあるタカラベルモントという会社。
この会社、ある業界でシェアNo.1の椅子を作っているらしい。
タカラベルモント 理美容 商品企画部の中山博子さんにお聞きしました。

中山さん:理容室・美容室の椅子、理美容椅子を作っております。

そう!タカラベルモントは、散髪屋さんや美容院で使われる、理美容椅子の全国シェア6割以上を誇るNo.1メーカーなのです。
でも、美容院の椅子の座り心地なんて、あんまり気にしてこなかったですよね?

中山さん:お客様の快適性というのはもちろんなんですが、美容師さん、理容師さんの使いやすさというのが非常に大切になっています。

理美容椅子で一番大事なのは、髪を切ったり洗ったりするお店の人にとって、いかに使い勝手がいいかってこと。
しかも、その使い勝手がどんどん進化しているらしい。
一番わかりやすいのが、シャンプー用の椅子とのことなので、まずは1960年代を・・・

中山さん:洗髪台の高さに合わせて椅子が昇降します。背もたれが倒れていきます。

この状態で横から手を入れて洗うという時代が長く続いたのですが・・・ある問題が!

中山さん:腰をひねった形で洗いますので、どうしても腰痛という問題が出てきてしまうんです。

かつて美容師のアシスタントさんの多くは、シャンプーによる腰痛という職業病と戦っていたのです。しかも・・・

スタッフ:お客さんが男の人だと、ちょっとやりずらいですよね?

中山さん:ちょっと距離が近い感じはありますよね。

それが解決されたのが2000年代。

洗髪台と一体型の椅子「AXIS」27万7700円!

中山さん:美容師さんは後ろに立って、お客様をシャンプーしていきます。美容師さんの腰の負担というのが非常に少なくなっています。

現在は、電動で椅子がベッドになって美容師さんも座ってシャンプーできる最新型「YUME」が登場!お値段は81万円!

中山さん:体の動きに合わせて、スツールが追随して360度回転するスツールになっています。

そして今、この会社の新商品の椅子が、ある業界の皆さんに絶大な支持を受けているんだとか。

タカラベルモント 理美容マーケティング部の松本朋香さんにお聞きしました。

松本さん:こちらはまつ毛エクステンションのための専用のチェアになります。

まつ毛エクステとは、人工まつ毛を一本ずつ接着剤でくっつけていくという施術。
両目で100本くらいのまつ毛を増やすらしいのですが、なぜその技術者から人気なのでしょうか?

松本さん:非常に細かくて繊細な技術をしていくということで、手元の安定が非常に重要になってきます。そこでアームサポートという機能をつけました。

このアームサポート、肘を置く台が大評判に!
実際に、この椅子を使用しているまつ毛エクステ専門店のスタッフによると、肘置きがあるので、体勢的に楽になり、肩こりがなくなった上、作業のスピードも大幅にアップしたらしい。
お客さんの快適さだけでなく、お店の人が使いやすい椅子を目指す!
そんなタカラベルモントは、理美容椅子でがっちり!

▼スタジオでお聞きしました。

北斗さん:私は逆だと思っていました。いかにお客さんが座りやすい椅子をって考えて作っているのかと思っていました。でもやる人側の負担を減らすために開発しているんですね。

加藤:だって多くても美容室行くの月に1回じゃないですか?美容師さん毎日8時間、10時間やってるわけですから。

森永さん:しかも、今もの凄い人手不足なので、いい椅子を備えた美容室には従業員が集まってくるんです。だから腰痛になるような店には就職してくれなくなっちゃうんですよね。

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