過去の放送内容

「がっちりマンデー!!」毎週日曜あさ7時30分から

がっちりマンデー!!

過去の放送内容

2014年6月8日放送

特集

おらが県こそ輝くNo.1! フグだけじゃない! アレも作ってる山口県!

ゲスト

森永卓郎さん、西村知美さん

番組内容

今日のがっちりマンデーは大好評シリーズ第12弾!おらが県こそ輝くナンバーワン!
一見、地味でパッとしなさそうな県にも、実は儲かっているいろんな日本一があるのを紹介するこの企画。今回伺う県は「山口県」!山口県と言えば、やっぱフグでしょ、フグ…フグ以外に何があるのと思っているアナタ、実は儲かっているものがいっぱいありました!今、日本だけじゃなく、海外でも大人気のアレを作るマシンは山口県がナンバーワン!あなたも知らないうちにお世話になっているアレも山口県がナンバーワン!
おらが県こそ輝くナンバーワン!「山口県」。イメージがひっくり返るかもしれんちゃ!

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■セメントで日本一!「宇部興産株式会社」!!

山口県にいったいどんな日本一があるのか。スタッフは山口県庁を突撃。けっこうエラい方がいろいろ教えてくれるとか。
なんと、山口県のトップ、村岡嗣政知事がお出迎え。

若い!そしてなぜか日焼けがハンパない!そんな、健康的な知事にもけっこう悩みがあるようで…

村岡知事:今、山口県は人口が減っているんです。特に隣が広島と福岡、都市圏がありますから。
スタッフ:なるほど。有名所が。
村岡知事:そっちに行くんじゃなくて、そっちから呼ぶみたいな。もうちょっとPRしていかないといけないと思っています。

では、思い切ってPRしちゃってください。村岡知事、山口県が日本で一番のモノって?

村岡知事:灰色で固まるアレが日本一なんです!

灰色で固まるってことは、ひょっとして…スタッフは県の南部、宇部市にある「宇部興産株式会社」に向かいました。ここで作っている日本一のモノって何ですか。植杉工場長。

植杉さん:山口県はセメントの出荷額が日本一です!

そう、コンクリートを作るときの材料となる「セメント」!

山口県はそのセメントの出荷額が、2位以下に大きく差をつけてダントツの日本一!442億円!でも、なんで山口がそんなにセメントを作っているのでしょう?

植杉さん:セメントの材料が山口にはいっぱいあるんです。

そう、山口県にはセメントの材料になるものがとにかくたくさんあるらしい。案内して頂いたのは、宇部市の北にある美祢市。わ!でっかいバンカー!

で、ここで掘っているものって?

植杉さん:石灰石になります。

セメントの80%は石灰石。山口県には、それがたくさん埋まっているのです。そういえば秋芳洞も石灰石。「宇部興産」で採掘している石灰石の量は、年間780万トン。この採掘場でとれた石灰石を、30km離れた宇部市の海沿いの工場に運ぶのですが、何しろ大量なので、その「運ぶ」という作業がこれまたタイヘン。桁外れ!

植杉さん:これは、石灰石を運ぶ専用のトレーラーで運びます。
スタッフ:電車みたいですね。

2両編成の「専用」巨大トレーラー。その積載量は80トン!10トントラック8台分を一度で運べちゃう!

巨大トレーラー、いざ出発。宇部市までゴー!とここで、あることに気づきました。なんと、この道路を走っているのはこのトレーラーだけ。実は、この道路、石灰石を運ぶためだけに宇部興産が作った「専用」の道路なのです!全長なんと31.94km!
プライベートの道路なので、道交法なんて関係ない!だから、こちらの巨大トレーラー、法律上、公道は走れないサイズなのですがこの道路ならオッケー!
専用道路は、一般道をくぐり、高速道路を下に見て、キーンとやってきた新幹線にバイナラー!極めつきは、なんと「専用」の橋もあります。信号や踏切が一切ないので、もちろんノンストップ。1日、のべ350台の巨大トレーラーがこの道路を往復するのだとか。スゴイ!
こうして石灰石がたどり着くのが、対岸にある宇部工場。その広さ4300平方キロメートル、東京ドーム91個分とこれまたマンモスグレート!

それを直径4.8m、長さ89mの巨大なパイプに流し込み、グルグル回転させながら1450℃まで加熱。最後にローラーの中で粉々にすると、セメントのできあがり!

日本のビルも、橋も、ダムも、みんな山口県のセメントが支えているのです!

▼スタジオでお話を伺いました。

加藤:シェアがすごいですね。
森永さん:今、セメントはまた、復興需要や東京オリンピック絡みの需要がありますし、一山掘るだけで40年持ちます。山口はやっていることは地味ですが、すごく期待が持てるんですよ。

■「カニカマ」で日本一!「ヤナギヤ」!!

続いてお邪魔したのは、先ほどと同じく、宇部市にある「株式会社ヤナギヤ」。3代目の柳屋芳雄社長。こちらで作っている日本一のものってなんですか?

柳屋社長:実はこのカニカマボコの機械を作っています。
スタッフ:機械?

そう、ヤナギヤはカニそっくりのカニカマボコを作る「機械」の生産量が日本一!国内シェアは、なんと90%以上!

巨大な亀が描かれた斬新なビルにあったのは「萬年屋」というお店。
出迎えてくださったのは営業第三課の新山修司さん。
一体、何を売っているのでしょうか?

新山さん:こちらは作業服ですとか安全用品をメインとして販売しております。建設業のお客様とか運送業のお客様、塗装関係ですとか幅広くやらせて頂いてます。

でも社長、なんで、山口でカニかまを作る機械を?

柳屋社長:うちのおじいちゃんがカマボコ屋だったんです。

そう、山口県は昔からカマボコ作りが盛んなところ。柳屋社長のおじいさんも代々続いたカマボコ屋さんだったのですが。

柳屋社長:手で作るのが面倒臭かったみたいで、機械を考えたようです。それから機械屋になっていったんです。

なるほど、そのおじいちゃんが作ったかまぼこ製造機は大ヒット!以来、かまぼこ製造機メーカーとして不動の地位を築いたヤナギヤでしたが、3代目の現社長が、40年前に目をつけたのが「かにかま」。
かまぼこ製造機の技術を生かして誕生した、渾身のかにかま製造機。本物そっくりに作るポイントは繊維感にあるそうなのですが。初期型のカニカマと最新型の一番の違いは、ちぎった時にわかる「繊維感」。初期型は、筋がまっすぐなのに対し、最新型は繊維が細く緻密に絡まっています。

こりゃもう本物のカニと同じレベル!この感じを再現するためには、独自の作り方があるらしい。まずは厚さ1ミリという極薄の魚のすり身シートをつくります。そして…

柳屋社長:筋目を入れます。ここで切れているんです。これがカニカマの繊維状になったポイントですね。

薄い魚のすり身シートを、わずか0.6ミリの幅に切れ目をいれていくことで極細の繊維を作ります。そして、次が最大のポイント!2枚並んだシートを、斜めに巻き取りながら1本にしていく!

柳屋社長:1枚だと繊維方向が一緒ですから、2枚だとずれていますから本物っぽくなるんでしょうね。

1枚のシートを巻くと、繊維は規則的になりますが、2枚のシートを巻くと、繊維が微妙にずれて複雑に絡み合う!結果、リアルなカニ繊維にとても近い形になるんです。本物と比べても、どっちがどっちか分からない!さて、カニカマづくりに欠かせないヤナギヤのマシン、実はヨーロッパでもシーフードサラダなどの材料として、カニカマは10年以上前から大人気!世界シェア70%って驚き!
他にもヤナギヤはカニカマ製造機で培った技術を生かし、豆腐を固めて、切って、と驚きのスピードで作り上げてしまうマシンや、タマゴを焼いて、クルンクルンと巻いて、自動的にだし巻き卵を作っちゃうマシンなど、次から次へと食品加工マシンを開発中!

カマボコ屋さんから始まったヤナギヤ、今や年間売上げ33億円!山口県はカニかま製造機でがっちりですね。

▼スタジオでお話を伺いました。

進藤:今日はスタジオに昔ながらのカニカマと新しいカニカマを用意しました。
加藤:見た目が全然違うね。食感もいいね。ヘタな蟹より上手いわ(笑)

■「タコツボ」で日本一!「サンポリ」!!

村岡知事、まだ山口県が日本一のものってあります?

村岡知事:海にいる、あのグッニャグニャしたものを獲るための道具が日本一なんです!

なんだか持ってまわった言い方ですが、やって来たのは防府市にある「株式会社サンポリ」という会社。こちらで、グニャグニャ用のモノを日本一作っているってうかがったんですが、それって何ですか? 鹿嶋社長!

鹿嶋社長:このタコツボなんです。

タコツボといえば、漁師さんが海に沈め、中に入ったタコを獲る漁の道具。サンポリは、タコツボの生産量が、年間10万個!全国シェアは7割というわけで、山口県はタコツボ生産量、ダントツの国内ナンバーワンなのです。でも、なぜ山口でタコツボなのですか?

鹿嶋社長:山口県はタコ漁が盛んなんです。

そう、意外にも、山口県では昔からタコ漁がとっても盛ん。しかし、漁に使うタコツボには、ある問題が…

鹿嶋社長:漁師さんが、運悪く落として割ってしまうことが多かったんです。

そう、今から50年ほど前まで、タコツボはほとんどが陶器製だった。だからガチャンと割れる事が多かった。これを見た、当時、プラスチック製の植木鉢などを作っていたサンポリの先代社長が、プラスチックでタコツボを作ったところ、大ヒットしたというわけ!今や国内では7割の漁師さんがプラスチック製のタコツボを使っているそうです。サンポリのタコツボに、がっちり掛かっています。

ちょっと待って。7割ってことはプラスチック製のタコツボはほぼすべてがサンポリ製ってわけだ。そして、サンポリのタコツボ、ヒットの理由は頑丈さだけじゃない。その「カタチ」にもこだわりが。これまでの丸い陶器のタコツボだと、海底でコロコロ転がっちゃっていた。すると、いったん入ったタコがなんか居心地悪いなと逃げてしまうことも。
そこでサンポリは、いろんな形を作れるプラスチックの特性を生かして、底が平らなカマボコ型のタコツボを作ったのです。

これだと転がりにくいのでタコもツボの中にいてくれるってワケ。実際、陶器のタコツボに比べてプラスチック製のだとどうなのか。漁師さんに聞いてみましょう。

漁師さん:割れないので、岩の中にも入れられます。3割アップでよく獲れますよ。

なるほど。けど社長には悩みが…

鹿嶋社長:壊れないから最近売れなくなってしまったんです。

日本の漁場を制覇し、次は世界でしょう、鹿島社長!山口県はタコツボでがっちりですね!

▼スタジオでお話を伺いました。

西村さん:なるほどと思いましたね。タコからすると陶器製でもプラスチックでも関係ないですもんね。
加藤:でも、丈夫過ぎて今、ちょっと厳しいみたいですね。
森永さん:大丈夫です。マーケットはまだまだあって、ヨーロッパでも最近、タコが人気になってきていますから。

■「水酸化ナトリウム」で日本一!「東ソー」!!

さらなる日本一をもとめてやって来たのは、県の南部、周南市にある「東ソー株式会社」。
あの、こちらで山口県がナンバーワンのモノを作っているって聞いたのですが。山本部長?

山本部長:この石けんの材料となる、水酸化ナトリウムが日本一なんです。

そう、山口県は、石けんの材料「水酸化ナトリウム」の生産量が日本一!とは言ってはみたものの、理科の授業で聞いた事あるような気はするけど、水酸化ナトリウムって?

山本部長:石けんだけじゃないですね。見えないところでたくさん使われています。

ざっくり言うと、水酸化ナトリウムは、アルカリ性の物質で、いろんなモノをバンバン溶かせる特徴があります。実はベーキングパウダーや重曹など、私たちのまわりのあちこちで使われている、とっても大事なものなのです!そんな引く手数多の水酸化ナトリウムを作れる量が、山口県はダントツ日本一の年間162万トン!でも、なんで、山口県で水酸化ナトリウムを?

山本部長:水酸化ナトリウムを作るには大量の原料が必要なんですけど、大量だと船で運ばなければならないので、港と桟橋、広い敷地がある山口はうってつけなんです。

そう、大量の水酸化ナトリウムを作るには、でっかい船が入れる、深くて波の静かな海岸と、原料をどんと置いておける広い敷地が必要。山口には、そのふたつが揃っていた!
「東ソー」は瀬戸内海ぞいに、どんと300万平方メートル、東京ドーム64個分の敷地があり、そこに、巨大な港ももっている。

で、その原料というのを、今ちょうど積み降ろし中。ベルトコンベアーで運ばれ、その先には高々と白い山が!

これは全部、塩!水酸化ナトリウムの原料は塩なのです!一山なんと20万トン!この塩がパイプだらけの工場で水酸化ナトリウムになるそうなのです。

山本部長:塩水を電気分解すると、水酸化ナトリウムと塩素と水素ができます。

まあ、水酸化ナトリウムの作り方は、簡単に言うと、「塩水」にビビッ!と電気を通す。すると、塩がナトリウムと塩素に分かれ、ナトリウムと水の一部がくっついたら、できあがり!この時、一緒に塩素と水素ができるってわけ。それで、これをどうするんですか?

山本部長:水素はウレタン原料として他の会社に売っています。塩素は塩化ビニール樹脂の原料になります。

そう、塩素があればビニールホースなどの塩ビが作れる!水素があると、スポンジなどウレタンも作れる!捨てるものがない!山口県は水酸化ナトリウムでがっちりなのですね。

▼スタジオでお話を伺いました。

加藤:なるほど、水酸化ナトリウムね。
西村さん:無駄がなくていいですね。知らなかったです。
森永さん:直接何かに使うわけではないですけど、普段使うものの基礎的な部分なので需要はあるんです。
進藤:森永さん、この次に山口で期待できるのは?
森永さん:山口県の銘菓「豆子郎」です。これが地味なんですけど、おいしいんですよ。
西村さん:私も3日前に食べたばっかりです!

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