過去の放送内容

「がっちりマンデー!!」毎週日曜あさ7時30分から

がっちりマンデー!!

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2014年4月27日放送

特集

入学志願者数No.1 近畿大学登場!近大マグロだけじゃない!儲かり研究が続々!

ゲスト

森永卓郎さん、唐沢寿明さん

番組内容

がっちりマンデー!!今日のテーマは「儲かる大学 第3弾」!
これまで、日本の頂点「東京大学」に、西の雄「京都大学」と、儲かりの視点で深く切り込んできましたが、3つ目にがっちりマンデーが目をつけたのが「近畿大学」!この大学…儲かることに関しては、東大や京大よりスゴい!去年、入学志願者数は、明治大学を抜いて全国ナンバーワンに!6つのキャンパスと、20の研究施設を展開!!一昨年度の収入は、1299億円。今、ノリにノっている私立大学なのです。
今日は、近畿大学、儲かりのヒミツ…活きのいい「ヘイ、はまち!」の30分です!

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■儲かる大学「近畿大学」!クロマグロ養殖のヒミツ!!

儲かる大学 "近畿大学"とはどんな?
とりあえず、東大阪にあるメインキャンパスに行ってみました!すると…あちこちに、とにかくオシャレで、でっかい建物がごろごろありました。

ここ、東大阪だけで敷地は甲子園球場12個分。全国にはあと5カ所のキャンパスがあり、これを合わせると、29個分!近畿大学はデカいのです!それでは、まず、儲かっていそうな赤い絨毯の先にある、大学の「広報部」を直撃!!

スタッフ:儲かっていますか?
世耕さん:儲けている訳ではありませんが、経営は、非常に健全な状態にあります。

そう、近畿大学は、最近グイグイ収入を増やして、去年はなんと1299億円!今、最もノリに乗っている私立大学なのです。その原点は、今から89年前、大学の創設者が唱えたひとつの教育精神にあるのだとか。

世耕さん:「実学教育」という言葉があるんですけど、実際の社会の役立つ研究をやって、なおかつ、利益を出しましょうというものなんです。

そう、「実学」。研究や教育は、実社会で役に立たないと意味が無い。だから儲かる研究、儲かるための教育が大事ということ。これが、近畿大学創設者、世耕弘一さんの理念。
例えば、文芸学部の芸術学科では、大学の周りにある多くの中小企業とコラボして面白い商品を考えようという取組をしています。2年前、こうして生まれたロールティッシュは、学生の考えたデザインに変えることで、売上げが8倍も伸び、年間2億6000万円!これぞ建学精神の実力です!

生徒:教室の中で終わってしまう話が、企業さんと一緒になることで、ちょっと外を知れるキッカケになりますね。

さて、そんな近畿大学で、今、世の中的に最も有名なのが「近大マグロ」!

梅田にあるグランフロント大阪や東京銀座に出店。近大が養殖したマグロ「近大マグロ」が食べられるレストランは、連日30分待ちは当たり前の大行列。でも、なんで近大でマグロなのか。そのヒミツを求めてやってきたのは、和歌山県串本町にある「近畿大学水産研究所」へお邪魔しました。案内された実験場には、なにやら生け簀が並んでいますが、これは?

岡田さん:マダイのこどもです。日本中の養殖マダイは全部近大のDNAを受け継いでいます。

さらに、奥の生け簀には、ヒラメもいました。近畿大学は、魚の養殖の研究では国内トップクラスってことですよね、岡田さん。

岡田さん:我々は年中、いろんな魚を生産しますから。お客さんのニーズに合わせて、ごくわずかでも挑戦します。

ん、お客のニーズ?ちょっと待って、大学ですよね、ここ?

岡田さん:生産した魚を販売して、自分たちで研究費を稼ぐというのがウチのスタイルです。それで何十億と稼ぐんですけどね。

なんと、近畿大学水産研究所は大学の、一研究機関にも関わらず、養殖した魚を売って、研究費を自分たちで稼いでいる。マダイに、ヒラメ、トラフグに、カンパチに、クエ。確かにどれも、おいしそうな儲かり魚ばかり。全18種類を養殖して、その稚魚を一般業者に売っているのだとか。中でも、今一番アツイのは、やっぱりマグロ!それではいよいよ近大一の儲かり魚の元へ「近大丸」を張って、レッツゴー!10分後、海に大きな生け簀が現れました。一つの生簀だけでおよそ100匹!串本の海には、マグロの生簀が13個も。ところで、近大マグロって、何がスゴいのですか?

岡田さん:クロマグロの完全養殖をしているところです。

そう、近大の養殖はただの養殖じゃなくて"完全養殖"!これまで、マグロの"養殖"といえば、海で稚魚を捕まえて持ち帰り、生簀などで大きく育てるというスタイルだった。一方、"完全養殖"ってのは、卵から人工孵化させて成魚に育て、さらにその成魚が卵を生んで次につなげる。つまり「全部、養殖でまかなっちゃおう!」って技術。

これ、ふつうの養殖よりはるかに難しかったのです。そもそも、「マグロの完全養殖」は、水産庁が1970年に始めた「国家プロジェクト」でした。これに参加したのは、近大を含め5つの研究機関。でも、当時はまだ"完全養殖"どころか"養殖"にすら成功していない状況。どの機関も全く成果はあがらず、3年でその計画は打ち切られたのでした。
しかし!近大は、自分たちで研究費を稼げる。だから国からの研究費が打ち切られても独自に研究が続けられたのです。他の研究機関が続々と撤退する中、近大だけが諦めなかった。当時すでに、完全養殖に成功していたハマチやマダイを一般に販売。儲かったお金を使い、単独でクロマグロの研究を続行したのです。そこで、頭を悩ませたのが…

岡田さん:完全養殖を達成するには、確実に受精卵をとらないといけない。これができなかったんです。
そう、「完全養殖」最大の難問は…卵の確保!イケスにマグロを入れても、全然卵を産んでくれない!広い海のどこでどうやって産卵しているのか、その生態が皆目わからなかった。
しかし、マグロ研究を始めて24年がたったある日…

岡田さん:平成6年っていうのが記録的な猛暑で、海水温が高く推移したんですけど、その時に卵を産んでくれたんです。

そう、そこで産卵条件が"海水温"だと判明。水産研究所がある和歌山県串本町は年間の平均水温が20度以下。しかし、クロマグロは、24度以上の暖かい海で産卵していたのです。

そこで、冬場でも20度以上の海水温がある奄美大島に水産研究所の支部を設立。

こうして近畿大学は毎年、クロマグロに安定して卵を産ませられる仕組みを確立したのです。完全養殖の成功により、低コストなおいしいマグロが実現。現在、近大では、年間およそ2000本を出荷。売上げは、1億3000万円以上!魚事業全体で年間、26億円!コレからも、ますます研究に精が出そうですね、岡田さん。

▼スタジオでお話を伺いました。

加藤:なるほど、自分達で儲けていたから研究が進められたんですね。

唐沢さん:ただ儲けるって聞くと、悪いように聞こえるけど、本当はすごくいいことなんですね。

進藤:そんな近畿大学では、現在、養殖業界の最大の課題と言われているウナギにも挑戦中だそうです。
森永さん:今、この近畿大学と東京大学の間では、ウナギの養殖の研究で、デットヒートが繰り広げられているんですよ。

■儲かる大学「近畿大学」!まだまだ儲かり研究が盛り沢山!!

近大は、マグロだけじゃない!儲かる研究が、まだまだたくさん!まずは、東大阪キャンパスにある理工学部の研究室。井田民男教授は、とんでもない儲かり研究の第一人者なのだとか。それは…

井田さん:バイオコークスの研究をしています。

そう、「バイオコークス」という黒い塊。ざっくりいうと、人工の"石炭"!実際に、石炭同様、燃やすと、大きなエネルギーになる。これ、石炭から「コークス」を作るよりコストは半分になるということで、儲かり期待値がハンパない!

井田さん:今の日本は、約3000万トンの石炭を輸入していて、それがトン当たり2万円だとすると、ざっと6000億円掛かっています。これに代わるものという風に目指しています。

おおっ、なんかすんごいことになりそう。作り方を教えてもらいました。なにやら、特殊な筒を取り出していますが、中に入れるのはなんと、粉々に砕いたお茶カス。

ふたをしたら、これまた、特殊な機械で周りを塞ぎ、最後にジャッキの様なものでぐぅ〜っと圧力を掛ける。

え、これだけ?そして、待つ事60分。

井田さん:ちょうど1時間経ったので、取り出して見ましょうか。

果たして、どんな感じになったのか、すると、さっきのお茶が、黒光りする円筒形の塊になって登場!

火の中に入れてみると、ちゃんと燃えました。これいったい、どういうことかというと…
そもそも石炭は、植物が地球上で、地面に埋まりおよそ3000万年かけて変化した「燃える石」。井田先生は、あれこれ実験した結果、「石炭ができる」のに重要なのは、植物が、この3000万年で受けるトータルの「圧力」や「温度」ってことを発見したのです。そこで、いろんな植物をこれと同じ圧力と、温度の中に投入。さらにもうひとつ、石炭づくりに欠かせない一番のポイント!それは…

井田さん:水を含まないと作れないんです。そこを見つけるのに苦労しました。

そう、植物に含まれる水分量が、ある値になると初めて石炭へ変化する反応が起きるのです。それが約10%からプラスマイナス2%ぐらいの幅。こうして、すべての条件を満たしたことで、3000万年がわずか60分。石炭に近い性質のバイオコークスが出来上がります。
材料は、お茶カスだけでなく、籾殻からでも、鉛筆からでも、なんと靴下からでも、ほぼ全ての家庭から出るゴミばかりか、瓦礫からでも作れちゃう!
エコークスということで最近では、東日本大震災の復興を兼ねて、瓦礫でバイオコークスを作っちゃおうって計画まであるそうです。

しかも…

井田さん:6月の始めぐらいにマレーシアで装置を稼働します。

なんと、今年の6月から、マレーシアでの実用化が決定。こりゃ、かなり儲かそう。

続いては、和歌山キャンパスにある生物理工学部。何やら怪しい光を発する研究室が。

スタッフ:先生、今何やっているのですか?
本津さん:歯のばんそうこうと呼ばれる薄いシートを作っています。

それってどんなものなのですか?

本津さん:実はコレなんですよ。これで2マイクロメーター欠損したエナメル質を人工再生できるんです。

そう、本津先生が作ったのは、歯に貼るだけで、エナメル質を人工的に再生出来るっていう夢のシート。

歯の外側を覆うエナメル質は、飲食を繰り返すうち、削れたり溶けたりして、知覚過敏や虫歯などの原因になる。今までは、特殊な樹脂を埋めるって方法で直すのが一般的でしたが、樹脂とエナメル質では、温度の変化で伸び縮みする具合が全然違うので、どうしても時間が経つとはがれたり、ひびが入ったり、していた。

ところが、「歯のばんそうこう」は、同じ"エナメル質"でできているから、そういうことが起きない。しかも、とにかく薄い。2マイクロメートルは、ミリに換算すると0.002ミリ。

本津さん:薄いから、歯の形状に合わせて貼り付いてくれるんです。

そう、接着剤無しで、歯のカタチに合わせてピタッとくっつく。これ、薄ければ薄いほどモノにくっつきやすいという性質を応用。金箔と同じです。貼るだけだから、超簡単。風を吹きかけるだけでOK。たった30秒で終了。ただ今、某歯磨き粉メーカーと実用化に向け開発中。完成したらスゴい事になりそうですね。本津先生。

続いては、奈良キャンパスにある農学部の儲かり研究室へ。

スタッフ:儲かっていますか?
豊田さん:これからですね。

天下人、太閤秀吉と、1文字違いの豊田秀吉教授。
どうやら先生の研究は、窓に関係しているみたいなのですが、さっそく見せて頂きましょう。

豊田さん:秘密の網戸が窓に付けてあります。

ん?失礼ですけど先生、普通の網戸にしか見せませんが、どこが革命?

豊田さん:中に静電気の力を与えたハイテク網戸です。外から飛んでくる害虫を捕捉して中へ入れないようになっています。

そう、ハウス内の通気をよくするためには、網戸は欠かせない。ところが…、例えば、トマトの天敵「タバココナジラミ」。これ、体長0.8ミリで、普通の網戸では簡単にくぐり抜けてしまう。これまで、トマト農家に甚大な被害をもたらしてきました。そこで豊田先生が開発したのが、空気は通すけど、どんな小さな虫も通さない、スゴイ網戸。よく見ると、棒状のものがある。

ここで静電気起こし、虫を立ちどころにキャッチするという。なんと、虫が網戸をかいくぐったその瞬間、確かに捕えている。

さらに、最近誕生した超最新型網戸は、花粉もキャッチできるパワーアップバージョン。でも、ちゃんと空気は通っています。このスーパー網戸、先生が発表するやいなや、網戸に悩んでいたあちこちの企業から連絡が!

豊田さん:カゴメ、JT、鹿島建設、パナソニックなどから話を頂きました。

そう、「花粉が捕れるなら家の窓に使いたい」「精密機器を作っている工場に置きたい」
と、大手メーカーが続々と研究協力の手をあげ、その数ざっと30社。この勢いなら日本中のおウチが「近大の網戸」になる日も近いですね。

▼スタジオでお話を伺いました。

森永さん:この網戸、中国に売ったら大儲けできますね。

加藤:そうですね。

進藤:そして、最初に出てきたバイオコークスをスタジオに用意しました。緑茶、桜、りんご、籾殻、靴下の5種類の素材から作っています。

唐沢さん:臭いですね(笑)

進藤:それはリンゴですね(笑)

森永さん:今、石炭は、工業分野や石炭火力など、いろんな用途があるので、かなり可能性ありますよね。

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