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「がっちりマンデー!!」毎週日曜あさ7時30分から

がっちりマンデー!!

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2013年10月6日放送

特集

スゴイ人が選ぶスゴイ人第7弾「静岡県浜松編」 船の大事なあの部分の職人 楽器の100分の1ミリを削る職人!?

ゲスト

森永卓郎さん、武田修宏さん

番組内容

がっちりマンデー!今回のテーマは、大好評企画 第7弾「スゴイ人が選ぶスゴイ人 静岡県浜松編」。
どんなに腕の立つ職人さんでも「この人には敵わない」って人がキットいる!
それをズッと辿っていけば超スゴイ職人さんに行き着くのでは?
ということで、今回は静岡県浜松市のスゴイ人たちを続々ご紹介いたします!

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ハーモニカ作りのスゴイ人!

浜松のスゴイ人を求め、まず向かったのは浜松商工会議所会館。
出迎えてくださったのは、浜松地域イノベーション推進機構 理事 事務局長の三井啓義さん。
早速、浜松が誇るスゴイ職人を尋ねました。

三井さん:ヤマハ、カワイ、ローランド、世界の3大楽器メーカーがこの地域には揃っておりまして、その中でも特に昭和楽器製造の酢山社長、楽器を一つ一つ丁寧に仕上げてらっしゃる!

そう!浜松といえば世界有数のメーカーが揃う楽器の街!
三井さんの情報を頼りに、浜松最初のスゴイ人、昭和楽器製造株式会社 代表取締役の酢山義則さんを尋ねました。

スタッフ:コチラで何を作っているんですか?
酢山さん:ハーモニカです!

酢山さんは、会社の経営をしながらハーモニカ作りの第一人者として作り続ける職人さん!
ところで、ハーモニカって、どうやって音が出るのか知っていますか?

ポイントとなるのは中にあるリードと呼ばれる部品。
これが小刻みに振動することで音が出ているんです。
なので、この調整がハーモニカ作りの肝!!!
では酢山さんに、その貴重な技を見せていただきましょう!
まずはリード板を取り出し・・・

酢山さん:「ド」の音ですね。だけど全く正確な「ド」の音ではないと思います。ちょっと高い「ド」ですね。

同じ「ド」の音でも少しだけ高いとのこと、試しにチューナーを使い調べてみると・・・

確かに、真ん中にある基準の0より少し右側の20に針がふれている!
これは「ド」の音がやや高いことを示しています。
「ド」と「レ」の間が200なので、20というのは、ホントに微妙な違い! 
このようにリードは、工場から送られてくると、音の高低が微妙にズレているんです。
そこで酢山さんは・・・

酢山さん:ここを削ります。
  
基準より高ければ振動を減らすために根元を削り、低ければ振動を増やすために先端を削る。
酢山さんは、1つ1つ手作業で調律する名人。
それでは、調律前と後、比べてみましょう!

ご覧の通り!酢山さんスゴすぎ!!
そんな昭和楽器製造では、年間3万個以上のハーモニカを生産しています
では酢山さん、自分よりスゴイと思う職人さんを紹介してください!

バネ作りのスゴイ人!

続いてスタッフが向かったのは、浜松市南区の小沢渡町。
ここに酢山さんオススメのスゴイ職人さんがいるらしい。
伺ったのは沢根スプリング株式会社。
沢根スプリングは様々なバネを作っている会社。
バイク作りの浜松で、部品のメーカーとして発展!
現在、取り扱っているバネは約5000種類!
そんなバネづくりを支えるスゴイ職人さんが・・・

こちら!沢根頼好さん。
ここ沢根スプリングでは機械導入が進み、次々にバネを作っているのに、何で今でも手作業でバネを作っているのでしょうか?
沢根スプリング 代表取締役の沢根孝佳さんにお聞きしました。
     
沢根さん:1本とか数本のバネを早く作ろうとするには、機械では時間がかかるので職人さんが手で加工するんです。
     
そう!こういった部品会社には試作品やサンプルなど、一品物の発注がよく舞い込んでくる。
そんなとき、即座にお客さんのオーダーに応えることのできる職人の腕が必要不可欠ってわけ!
早速、その腕前を見せてもらうべく、こんなお願いを・・・

スタッフ:直径が8mmで長さが7cm、4巻きで作ってください。
沢根さん:バネにはならない。形状的に!
スタッフ:ならないですか。
沢根さん:ならないです、不可能ですね。

数字を聞いただけで構造的にバネにならないと瞬時に判断!
これって凄くない!?

スタッフ:じゃあ12巻きにしてください。

今回お願いしたバネの寸法はこんな感じ。
本当に目分量でこれと同じバネを作ることができるのでしょうか?

まずは針金を機械に通し、指で抑えながらクルクル、クルクル、クルクルと手作業で芯に巻きつけていく。  
その時間わずか12秒!ってこれだけ!?
最後に余分なところを切って完成!
果たして???

まずは巻き数を数えるとピッタリ12巻き!
さらに・・・

その間隔もすべて同じ幅!
続いて長さの計測・・・

スタッフ:おぉ〜7cmピッタリじゃないですか!?
沢根さん:そうですね。

簡単に言っていますが、何も見ないで作っているんです!
最後に直径を計測すると・・・

お見事!これも8mmピッタリ!
寸法通りのバネを作るって、思ってる以上にスゴイんです!
というのも・・・

沢根さん:スプリングバックがありましてね。

スプリングバック?

沢根さん:材料は戻る習性がありますから。

例えば1cmのバネを作ろうと、1cmの芯に素材を巻きつけてしまうと、バネを外す時に元に戻る力が働くため、芯より大きくなってしまう「スプリングバック」という現象が!     
そこで沢根さんは素材やバネの条件ごとに、どれだけ戻るかを瞬時に計算し、0.1mmごとにそのオーダーに最も適した芯を選んでいたのです。

スタッフ:ソフトクリームを巻くような感じなんで、正直誰でもできるかなって思っちゃったんですけど、ちょっとやってみていいですか?
沢根さん:はい、どうぞ。

ということでスタッフが挑戦。
すると・・・

沢根さん:しっかり押さえて、常に同じ角度で巻いてかないと、こういう風に不揃いになっちゃうんです。
     
そんな、沢根さんに自分よりスゴイ職人さんを紹介していただきました。

スクリュー研磨のスゴイ人!

次に向かったのは、浜松市東区豊西町にある明和工業という会社。
出迎えてくださったのは、株式会社明和工業 代表取締役社長の野嶋秀通さん。
一体、何を作っているのでしょうか?

野嶋社長:オートバイの部品と船のエンジンの部品を作っている会社です。

ここ明和工業はヤマハで作っているバイクや船の部品を作る会社。
この会社にはスクリュー作りのスゴイ職人がいるらしい!
それが・・・

こちら!
スクリュー職人・渥美好康さん35歳。
社長いわく、この会社のスクリュー研磨という行程は、この人が一手に引き受けているとのこと。
スクリューで最も大事なのは、3つの羽の重さがピッタリ、均等になること。
少しでもズレてると船の振動やエンジンの故障に繋がりかねない。
そこで、この重さをピッタリにするのが、渥美さんのお仕事。
でも、ここで問題が・・・

スクリューは3つくっついているので1つ1つ計れない。
その見分ける技術が渥美さんのスゴイところ!
早速、スクリュー研磨の技、見せてもらいましょう!

渥美さん:まず乗せましたら、一番重い羽翼を探します。

なんと!渥美さん、このスクリューを置いて転がるスピードを見るだけで3つの羽の重さの違いが分かるという!

スタッフ:1番重いのと2番目に重いのと1番軽いの、1番軽いのが0だとしたら1番重かったのは何gですか?
     
渥美さん:10gですね、2番目が2gですね。

渥美さんいわく、この羽を基準にすると、左側が+2g、右側が+10gになっているらしい。
ということで、2gと10gだけ削ります! 
こりゃ難しそうですが・・・

機械に押し当て一気に羽を削っていく!
押し当てる角度や力加減で削れる量は大幅に変わるため、そのさじ加減は超デリケート!
続いて目の細かい機械で仕上げの工程へ。
あっという間に削り作業は終了!
さっきは羽の重さがバラバラで不安定だったスクリュー。
果たして同じ重さになったのでしょうか?

スタッフ:めっちゃスゴイじゃないですか!

スクリューは釣り合いビタっと止まったまま!
     
スタッフ:適当に削ってたように見えたんですけど?
渥美さん:ペーパーの音とか削る場所とか経験があってこそです。

1削りで約0.2g!
スクリューの湾曲した形に合わせて、慎重かつ大胆に3つの羽が同じ重さになるよう削っていく。

渥美さん:粉じんもここに常に置いてあるんですけど、2g削ったらこれくらいの粉じんが出るよとか常に頭に叩き込んでます。

絶えず、重さの感覚を叩き込む!
そんな努力の末の匠の技だったんですね。
では努力の結晶、見せていただきましょう!
取り出したのは2gの袋!
すると・・・

渥美さん:3!いや〜2と思ったんだけどね…どっちかと思っただよ!
     
渥美好康35歳!これからも修行の道は続く!
そんな渥美さんが自分よりスゴイと思う職人さん紹介していただきました。

映画看板のスゴイ人!

凄腕の職人さんを求め浜松市西区入野町へ。
到着したのは株式会社ミキ画房。

この方が渥美さんご推薦のスゴイ人!上村計介さん。

スタッフ:上村さんは何を作っているんですか?
上村さん:看板です。

このような看板を作るのが普段のお仕事のようですが、上村さんはある特殊な技能があるそうなんです。

上村さん:元々は映画看板屋だったんです。

映画看板とは、宣伝用の大きなポスターなど珍しかった時代に、映画館の入口に置かれていた手書きの看板のこと。
上村さんは、その第一人者。
作品の数々には・・・

今話題のドラマの看板も!
しかし、ちょっと気になることが・・・

スタッフ:これ近くで見るとあんまり・・・
上村さん:近くで見るもんじゃないね、映画看板は!

そう!映画看板は遠くから見た時に、一番迫力が出るよう、わざと荒いタッチで描かれていたりする。
というのも、宣伝する方法が少なかった当時、その荒々しい画で通る人に印象付け、映画館の中へ誘うという役割を担っていたんです。
それでは、早速その技を見せていただきましょう!
と思ったら?

上村さん:映画の看板はね、それこそね、35年前に僕が最後に描いたのが邦画の「二百三高地」っていう!

35年って・・・、少々ブランクが気になりますが、こんなお願いを!

スタッフ:ウチのスターの映画看板を作っていただきたいんですけど。
上村さん:女性の方が簡単だね。女性の方がシワがないもんねシワがね。

まずは写真に正方形のマス目を書き入れ参考にしながら、同じように正方形が引かれた藁半紙に、鉛筆で下書きをしていく!

上村さん:影になるところ覚えておくと楽だよね。ここら辺が影になる。ここら辺ボカさないといけないんで。

影を入れながら下書きを進めていくのがポイントとのこと、一方加藤さんも影を加えながら下書きが完成!
そして、ここからは着色作業!

スタッフ:結構大胆にやるんですね。
上村さん:そうそうそう。
スタッフ:映画看板ならではのポイントってあるんですか?
上村さん:日本人の顔は捉えどころが無くてメリハリが無いから描きにくい。映画看板は俳優の顔がメインなんで顔を強調する。
スタッフ:1番描きやすいのは?
上村さん:それは外国人の女性の横顔だね。陰影があると上手く見える。やっぱり陰影のつけ方だね。

映画看板はあくまで俳優の顔を立たせるもの。
ちょっとノッペリした日本人の顔に大げさに陰影をつけることで、お客さんにインパクトを与えてきたのだという。
35年ぶりに描く映画看板!その出来映えは!?

こちら!

スタッフ:近くで見ると結構荒いですよね。でもこれを遠くで見ると、加藤さんと進藤さんだな。

うん、遠くから見ると存在感バッチリ!
制作時間およそ4時間、がっちりマンデー映画化の際は、この看板使わせていただきます!

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