過去の放送内容

「がっちりマンデー!!」毎週日曜あさ7時30分から

がっちりマンデー!!

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2013年9月22日放送

特集

視察が殺到する会社!

ゲスト

森永卓郎さん・眞鍋かをりさん

番組内容

がっちりマンデー!今回は新企画!「視察が殺到する会社!」。
視察とは、企業やお役所などが、いま注目の気になる会社を見学に行くこと。
「みんなが視察に行く会社」には、すごい技術があったり、経営の仕方が変わっていたりと、がっちり儲かる理由があるハズ!
そこで!今回は、あちこちから視察の人がやって来る会社の儲かりの秘密に迫ります!

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総理大臣も視察に来る茶畑!

まず最初にやって来たのは、大分県の市街地から車で40分の山の中。
速見郡日出町にあるカヤノ農産。
失礼ながら、こんな山奥に視察が来るのでしょうか?
農事組合法人 カヤノ農産の河野杉雄さんにお聞きしました。

河野さん:多い時は月4〜5件ですかね。

なんと!今年だけでも、40組の視察がやって来たらしい。
5月には、あの安倍総理も!
では一体、何を見に来たのでしょうか?

この大きな茶畑、広さは東京ドーム5個分!
日本一の規模っていうから凄い!
でも、ただ大きいから視察に来てるってわけじゃない。

河野さん:私の会社の母体が建設業をやっているんで、建設業のノウハウを入れて作っている畑でもあるわけなんです。

そう!この茶畑、元々お茶とは何の関係もない建設会社が経営してる。
様々な技を駆使して、儲かる茶畑にしちゃったってことなんです。
この取り組みが話題となり、同業の建設業者や行政の視察が殺到してるんです。

以前はここ、いわゆる耕作放棄地で完全に見捨てられた土地でした。
それを2006年から地元の昭和建設工業が開墾。
栽培技術はあのお茶の伊藤園から指導を受け、茶畑作りを始めたのですが、何でそんなにうまく行ったのでしょうか?
そこには建設業者にしかできない匠の技がありました。
茶畑作りで一番難しいのは?

河野さん:お茶の苗木を植えて、その植えたお茶の木よりも雑草の方が上に伸びちゃうと、お茶の木も育たないし、土の中の肥料も雑草が吸い取ってお茶の木に行かないんです。

そう!茶畑の最大の敵は雑草。
これをこまめに抜いていく作業が大変だった。
そこで、「雑草が生えないようにすればいいじゃん!」というわけで、最初にやったのが、重機を使って地表の土と下にある土を完全に入れ替えるという荒業。

河野さん:これは「天地返し」と言いまして、土の上の方にはですね草の種とか木の根っことかありますからそれを反対側、地面の底に入れて草が生えにくくする作業をしています。

巨大重機を持つ建設会社だからこそできた1.5mの天地返し!   
さらには、苗と苗の間の畝に木片チップを敷き詰めた。

河野さん:土の上に木材チップをのせているから、雑草の芽が出ないということです。

この木片チップは、本業の建設業で出た廃材を再利用したもの。
これも重機を使って、20cmの深さまで埋めていったってわけ。
こうした、雑草をなるべく生やさないという茶畑作りで、栽培コストは従来より大幅にダウン。

儲かる茶畑が広がっていったのです。
耕作放棄地が活用出来て、行政は助かる!
お茶の安定生産は、伊藤園も嬉しい!
そして何より、建設業者も儲かる!
ってことで、いろんな業界が大注目。
5月に訪れ、視察にたぶん大満足の安倍総理は、ぐいっとお茶まで飲んでいったんだとか。
そんな安部総理をもてなした株式会社昭和建設工業の遠藤建作会長にお話を伺いました。

遠藤会長:30〜40分くらいでしたけどね。気さくでいろんなことを話したんだけど、具体的にどんな話だったかというとあまりよく覚えてないです。

将来は今の2倍、60haの茶畑を目指しているという遠藤会長。
そんなカヤノ農産は茶畑の経営でがっちり!

天皇陛下が視察に訪れたサンドブラストとは?

東京都内にも、視察が殺到する会社がありました。
江戸川区にある不二製作所。

サンドブラスト?
早速中へ!
出迎えてくださったのは、不二製作所 開発部の内海裕介主任。
サンドブラストって何ですか?

内海さん:サンドブラストというのはですね、風の流れに乗せて粉を吹き付ける技術です。面を粗したりとかですね。あとバリを取ったりとか汚れをクリーニングしたり、代表的なのはそれぐらいです。

サンドブラストとは、細かい粉を金属などに吹き付けて、表面を削ったり磨いたりする技術。
その国内No.1のメーカーが不二製作所なのです!
世界最高水準のサンドブラスト加工を見に『もう勘弁して!』っていうくらい視察が殺到しているんだとか!
なんと!おととしの秋には、天皇陛下まで視察にいらっしゃったっていうからスゴイ!
では、そのサンドブラストの最新の技を、我々も視察させて頂きましょう。
まずは「磨く」。

この汚れたコインや鍵をサンドブラストすると・・・

みるみる汚れが落ちて、元の輝きを取り戻す!
あっという間にピッカピカ!この技術のスゴいのが・・・

内海さん:今回は柔らかい球を使うことによって、強く削らずに表面だけをやさしく削ることで磨き上げています。

シリウスと呼ばれる独自に開発した柔らかい研磨材を使うことで、表面を傷つけず、汚れだけを削り取るという新技術。

内海さん:普通の磨きだと、どんどん平になってしまうんですけど、シリウス磨きの場合には、凹凸は凹凸のまま全部を磨くことができます。

研磨材入りの洗剤で普通に磨いたものと、シリウスサンドブラストを比べてみると、シリウスの方がキレイに凹凸が残っているのがわかりますよね。
他にも使用する研磨材は、クルミや桃の種を砕いた粉など300種類以上。
これを様々な用途に合わせて使い分けるのも不二製作所の腕の見せ所なのです!

お次は「粗す」。
軽さが特徴のチタンの板に、研磨材を吹き付けることで、表面を粗して金属の光沢を抑える!
では一体、どんな使い道があるのでしょうか?

内海さん:屋根瓦として使われております。チタン製の板を使っておりまして、昔の土瓦の風合いを再現するために粗しています。

3年前に改修された浅草「浅草寺」の瓦は、なんと!全て不二製作所のサンドブラストで加工されたチタン製。
このサンドブラストチタン瓦に変えたことで、重量は以前の5分の1以下に!
でも強度はかなりアップしています。
もちろん鬼瓦もチタン製。
このように、世界の最先端を行くサンドブラスト技術。
視察が絶えないのにも納得ですが、天皇陛下の視察は、どんな感じだったのでしょうか?
不二製作所の間瀬恵二社長に伺いました。

間瀬社長:工場の中を見てる時も社員に色々と声をかけて頂いたり・・・
スタッフ:誰か声をかけられた社員さんいるんですか?
間瀬社長:内海が声をかけていただきました。
内海さん:シナリオにはなかったんですが、いきなり声をかけて頂きまして、非常にお優しい方で話しやすかったのをよく覚えています。

一生の思い出ですね!
そんな不二製作所は、サンドブラストでがっちりです!

地下にある夢工場とは?

続いて、視察が殺到する会社を探してやって来たのは、長野県塩尻市にある株式会社サイベックコーポレーション。

精密機械の部品や金型を作るメーカーらしいのですが、多い時にはひと月に200人ほどの視察者がやって来るんだとか。
では一体、みなさん何を見に来るのでしょうか?
サイベックコーポレーションの平林巧造社長にお話を伺いました。

平林社長:昨年、新しい工場を作りまして、その夢工場を見に来られる方が多いです。

夢工場?
どこかで聞いたことのあるようなフレーズですが、この日も視察が入っているということで同行させていただきました。
視察に訪れていたのは、新潟県燕市の商工会議所の皆さん。

スタッフ:社長さんですか?
商工会議所の方:割とそれなりの方々だと思います。

そんな、それなりの社長さんたちが、どうしても視察したい工場とは?

平林社長:これから10mまで下がります。

30秒ほどエレベーターで降りると、そこには・・・

純白の工場が!

平林社長:駐車場の下が地下工場になります!

この駐車場の地下に、昨年9月完成したのがサイベックの夢工場なのです。
夢工場の面積は2400平方メートルでテニスコートが9面分。
ここで、超精密部品の金型を作っているらしいのですが、社長曰く、地下の工場だと、より精密な金型が作れるらしい。
一体どういうことなのでしょうか?

平林社長:地下というのは地熱を上手く有効利用することができるので、非常に省エネで安定した温度コントロールが容易です。

精密な金型を作るのに必要な条件は、温度・湿度が常に一定であること。
この工場内はどの部屋も、24時間365日ずっと室温23℃、湿度は45%をキープ。
これを地上でやろうとすれば、かなりエアコン代もかかりますが、地下11mでは、年間を通して気温が16〜17℃と安定しているので、電気代が大幅に節約できるってわけ。
そしてもうひとつ、地下ならではの重要なポイントが!

平林社長:外部からの振動をシャットダウンできるという要因もありますので、安定した状態で高精度に加工が出来ますので、そういった意味で地下を選んでいます。

人が感じないほどの小さな揺れでも、金型づくりには大敵!
地下11mの頑丈な空間なら、ちょっとくらいの地震では、揺れをほとんど感じることはないらしい。

地下工場に移って振動がなくなったおかげで、地上で作ったものと比べると、面粗度(めんそうど)という表面のでこぼこを表す数値が大きく改善したんだとか。
視察の方に感想を聞いてみると・・・

視察の方:やっぱりなんか集中できるかもしれないですね仕事に。半分は閉じ込められてるかもしれませんが、思いっきり集中して仕事ができるかな。

この地下夢工場の建設費は28億円!
サイベックの年間売り上げが20億円!ってことは・・・

スタッフ:元とれるんですか?
平林社長:元をとるような仕事をしっかり見つけて、それでモノを作っていく!リスクはあるにせよやっていかないと僕らのモノづくりはなくなっちゃうので。

実際、視察が増えるとともに、サイベックの技術なら安心して仕事をまかせられる!
という口コミが広がって売り上げも右肩上がりなんだとか。
そんなサイベックコーポレーションは地下の夢工場でがっちりです!

誰も織ったことのない細い糸を視察!?

続いて、視察が殺到する会社を求めてやって来たのは、静岡県掛川市にある有限会社福田織物。
出迎えてくださったのは、福田靖社長!

スタッフ:そんなに視察の人が来るんですか?
福田社長:そうですね、月10回ほど来られます。

国内外のデザイナーやアパレルメーカーのバイヤーさんなどが、ひっきりなしに視察にやってくるらしいのですが、一体何を見に来るのでしょうか?

福田社長:糸が細いんです。とにかく誰も織ったことのないような細い糸を織っています。

そう!みんなが見に来るのが、このどこよりも細い糸で織った生地。
綿なのにシルクよりも柔らかいのが特徴!
そして・・・

福田社長:糸が細いからこのように透けてくるんです。

例えば、普段私たちが着ているシャツは・・・

福田社長:40番から50番くらいの糸の太さになりますね。

40番、50番というのは糸の太さの単位で、この数字が大きくなればなるほど細くなっていくんだとか。

これが30番と120番の糸。
ちょうど3分の1くらい細いのが120番。
一般に細い糸で織るといえば、80番くらいの糸らしいのですが福田織物では・・・

福田社長:140番。
スタッフ:これを織れるのは福田織物だけなんですか?
福田社長:140番は、他社で織ってるのは聞いたことがないですね。

普通のと比べてみると、極細の織物は薄くてしなやか、その軽さもウリで、他の素材と比べてみても、1平方メートル当たり25グラムとダントツの軽さなのです。
すると、取材中に高島屋 MD本部 中澤久美子バイヤーが視察に!
やはり極細糸の生地を見に、掛川までやって来たってことらしい。
この日は、実際に140番の糸を織っている工場も視察。

福田社長:これが140番ですね。
中澤さん:本当にツヤツヤですね。

福田社長:見た目には分からないですけど、織りは相当難しくなりますね。パリとかミラノに生地を売りに行きますけど、このように細いのはパリでもミラノでも見たことがありません。

これが極細の糸を織るのに欠かせない、織る前の糸に糊を付けているところ。
糊付けすることで、織る時に切れない強度を持たせるための工程で、糊の付け加減がかなり難しかったんだとか。
でも、実際に織ってる機械は結構古そう・・・
これで大丈夫なんですか?

福田社長:細いものを織るのは、新しい機械では織れないんです。新しい機械は高速過ぎて細い糸がついていかないんです。うちは逆に回転を下げて糸が耐えられるようなスピードで織っているんです。

極細の糸は低速マシンじゃないと織れない!
今主流の高速タイプだと、すぐに切れちゃうから、わざわざ古いマシンを全国から探してきて、改良しながら使っているんだとか。
視察に来た高島屋の中澤さんは・・・

中澤さん:こうやって細い糸が織られているのがよく分かりました!

そんな中澤さん一押しの商品が・・・

福田織物オリジナルの「光透けるストール」。
気になるお値段は、18900円!と、ちょっとお高め!
このストールが、今ファッション業界で、ちょっとした話題になっているんだとか。
そんな福田織物は、世界中の誰にも織れない織物でがっちりです!

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