過去の放送内容

「がっちりマンデー!!」毎週日曜あさ7時30分から

がっちりマンデー!!

過去の放送内容

2012年10月14日放送

特集

いま、工場なしメーカーが なぜか元気!たたみ6畳の会社が○○でシェアNo.1

ゲスト

森永卓郎さん(経済アナリスト)、庄司智春さん

番組内容

がっちりマンデー!今日のテーマは「工場なしメーカー」!
長引く不況の中で、日本のメーカーはどこも苦戦続き。液晶テレビで大赤字、人気のケータイはどれも海外ブランドなど。
そんな中、なぜかとっても元気なのが「工場なしメーカー」。ヒット商品を続々と生み出しています。
工場なしでなぜそんなに元気なのか?そのヒミツに迫ります!

■放送内容をシェアする

日本の「工場なしメーカー」を支える、台湾のスゴイ工場に潜入!

今、工場なしメーカーがアツい!そんなメーカーを求め、まずは新宿へ。
やってきたのは「(株)PTP」という会社。社名からは何を作っているのかサッパリですが、社長の有吉昌康さんに案内された先には・・・

有吉社長:こちらが弊社の商品の「スパイダー」です。
スタッフ:ビデオデッキですか?
有吉社長:ビデオデッキはビデオデッキなんですけど、普通に予約して録るんじゃなくてオンエアされている番組が全部録れるんです。

そう、スパイダーは、1週間分の地上波全8チャンネルの番組とCMを全部録画できるという、いわゆる「全録ハードディスクレコーダー」。でも、こういう全録レコーダーって大手家電メーカーも作っている。なぜこんな小さな会社のものが人気なのか?
実は、このスパイダーには「ある特徴」が!

有吉社長:これはですね、検索ができるんですね。

そう「スパイダー」はとにかく検索機能がハンパない!例えば、番組名検索で「がっちり」と入力すると「がっちりマンデー」が瞬時に出てきてスグに再生できる。こんなのは朝飯前!

続いて出演者名「加藤浩次」で入力すると加藤さんが1週間に出た番組が瞬時にズラリ!しかし、そこには加藤さんが出演していない番組も・・・。実はこれ、番組中のトークで加藤さんの話題が出て盛り上がっていたということ。つまり本人が出ていなくても検索されるのです!

さらに、スパイダーのすごいところは番組の中まで全部検索できること!どういうことかというと、自分が知りたいキーワードを入れるだけでそれに関連した番組が出てくるのです。例えば、大田区で激安のお店を知りたいってときに「大田区 激安」と入力すると一瞬で9月9日放送分のがっちりマンデーが引っかかってきました!さらに、再生を押すといきなりそのシーンから再生されちゃう!

一体何でこんなにすごいことができるのか?それは、検索データを自分たちで作っているからなのです。番組がオンエアされるやいなや、テロップやナレーションをもとに、手作業でデータ化され、シーンごとに細かく文章化された情報がそのまま検索ワードになっちゃう。この緻密な作業がスゴい検索と人気を支えているというわけなのです。

ところでこのスパイダー、肝心の製造はどちらでやっているのですか?

有吉社長:台湾です。台湾には、早くて、効率がよくて、しかも安くてというのが実現できる最先端のテクノロジーがあるんです。

なるほど、そりゃあすごい!ならば台湾の工場はどれほどスゴイのか?せっかくなので、実際に行ってみました。
やってきたのは台北にあるネイフーテクノロジーパークというところ。ここには台湾が誇る、ハイテク工場の会社がズラリ!
例えばフォックスコンという会社は、あの、アップルのiPhoneの製造を一手に引き受けていることで有名です。その売り上げはなんと8兆円!
コンパルという会社はあのDELLコンピュターの発注をうけ、年間1億台のノートブックパソコンを作っています。

まさに世界中の有名メーカーが、モノづくりをお願いする工場が集まっているエリアなのです。そんな一画にあるのが、アキブシステム台湾という会社!
ここ、従業員は20名ほどですが、世界中のITメーカーからの依頼を受け、機械の設計を専門で担当しています。
スパイダーの実際の設計もここがやっています。ちょうどこのとき持ち込まれてきたのが年末に発売予定の新型スパイダーの試作機。なんだか弁当箱みたい。

今日は、冷却性能の最終チェックなのだとか・・・。最終的にOKが出たら、次は製品づくりらしいのですが、それを担当するのがアクショムテックという工場だけの会社。新型スパイダーはもとより、ヨーロッパ、アメリカ、日本など世界のあちこちからハイテク製品の製造を請け負っています。

その依頼に応えるべく、190人もの技術者と720人もの従業員で工場はフル回転。それにしても、なぜ今、世界中から台湾にオファーが殺到しているのか。そのわけをアキブシステム台湾の日本人社長、中山さんに伺いました。

中山さん:まずはコストが安い。あとは開発期間が非常に短い。あと製品品質が世界で一番いいです。

仕事が集まるから技術が上がる。技術が上がるとさらに仕事が集まる。台湾の工場おそるべし!そんな台湾でつくる新型のスパイダーはまもなく完成です。

電動バイクと扇風機!まだまだアツい「工場なしメーカー」!

まだまだアツい「工場なしメーカー」!次に番組スタッフが向かったのは渋谷。ここに、ある商品で国内シェアNo.1、昨年の売り上げがなんと3億円を突破した工場なしメーカーがあるとのこと。
やってきたのは、「Terra Motors 株式会社」。中を見ると、とても窮屈そうな光景が!

最大8人くらいは入るそうで、まさに人口密度もNo.1といったところ。どう見ても、学生サークルの部室って感じのオフィスですがここで一体何を作っているのですか?

岩野さん:うちの会社は電動バイクを作っています。

そう、テラモーターズが作っているのは電動バイク。従来のバイクと違い100%電気の力で走り、一回の充電で約40kmの走行が可能。電動バイクの分野でこの会社が現在国内シェアNo.1!そして売上げが年間3億円というわけなのです!
でも小さい会社がなぜ「電動バイク」市場へ?事情に詳しい専門店の方に聞いてみると・・・

堀江さん:基本的にモーターとコントローラー、その2つの大きな要素があれば電動スクーターは作れてしまうからです。

どういうことかというと、エンジン作りのノウハウがないと参入できなかった普通のバイクに比べ、電動バイクはモーターと出力調整のコントローラーがあればほとんど作れちゃう。だから新規参入しやすいのだとか。
でも肝心のバイク本体はどこで作っているのですか?

岩野さん:中国の工場で製造しています。中国は今、電動バイクの数がすごく増えてガソリンバイクよりも多いくらいになってるんです。だから日本よりも電動バイク製造のノウハウがあるんです。

そう、実は中国は「電動バイク先進国」。中国では、電動バイクの運転には免許がいらないため、ここ10年ほどで需要が爆発的に伸びています。だから電動バイクの部品工場から組立工場までなんでも揃っているのです。

そして、テラモーターズはその中で優れた技術を持つ工場を厳選!例えばこちら、現在もっとも主流の「インホイールモーター」。ホイールの中にモーターを入れることで車体の省スペース化を実現しています。こんな最新の技術が中国の工場なら安く簡単に手に入るのです。

しかしこの電動バイク市場。なぜ、大手バイクメーカーは参入してこないのか?

岩野さん:(大手バイクメーカーは)エンジンという難しい技術をお持ちの会社さんばかりですから、そこを投げ打って電動バイクの市場に全力で来るのは難しいと感じております。

そんな状況を受けて自分たちで設計、デザインした電動バイクの製造のみを中国に依頼するという方法をテラモーターズはいち早く確立!渋谷の極小オフィスでは、営業、海外担当、バイヤー・販売店の担当、広報、と少数精鋭の8人でアイデアを出し、営業、売り込みをこなしまくっています。
そんな企業努力によって誕生したバイクのお値段は9万9800円!電動アシスト付き自転車より安いかも!今年の販売目標はでっかく1万台なのだとか。

続いては「バルミューダ(株)」という会社。これまた全然メーカーっぽくない普通のマンションみたいなところ。出迎えいただいたのは寺尾玄社長38歳。急な階段に狭い廊下と結構こぢんまりとした会社なのですが、何を作っているのですか?

寺尾社長:こちらの扇風機です。

このグリーンファンという扇風機がかなり売れている!実際に販売しているお店の方に伺うと・・・

北風さん:私たちのお店で取り扱いしている扇風機は色々とあるんですけども、他社メーカーに比べ、約3倍売れている実績を残しています。

他社の3倍ってそりゃスゴイ!でもあまり知名度のないメーカーの扇風機がなぜそんなに売れるのか?

寺尾社長:実は羽が二重構造になっていて、自然界の風のようなやわらかい風を送り出せることができるんです。

やわらかい風?二重構造?
簡単に説明すると・・・この2重の羽、外側は強い風を内側は弱い風を生み出すように設計されていて羽が回りだすと外側の強い風が内側の弱い風を包み込むように吹く。

すると風がある一点に集まったところで広範囲に広がります。この「広がる風」が自然に近くてやわらかいってことで大人気なのです。実際に風の流れを見てみると、普通の扇風機は風がまっすぐ進んでいるのに対し、グリーンファンは風が一箇所に集まったあと広範囲に広がっている!

しかし、失礼ながら小さい会社がなぜこんなスゴイ扇風機を生み出せたのか?
そこには社長の劇的半生が!

スタッフ:元々(大学で)風について勉強をされていたんですか?
寺尾社長:いや、実はまったくそういう世界とは無縁のところからものづくりをはじめまして、この会社をやる前は音楽をやっていました。

音楽に青春を捧げていた寺尾社長ですが10年活動したところであっさりバンドを解散。「モノ作りをやりたい」と方向性を180度転換します。そして、素人ながら東小金井の町工場でモノ作りの基礎を習得し、2003年にバルミューダを設立。当初はインテリア雑貨を製造販売していました
ところが、リーマンショックのあおりをもろに受け、会社は倒産の危機に!窮地に追い込まれた社長が目を付けたのが扇風機だったのです!
これならエアコンなど他の電化製品に比べ開発費だってかからない。寺尾社長は独学で一から流体力学を勉強。そんな時あるテレビ番組を見てひらめいた!

寺尾社長:30人31脚という小学生が長い二人三脚をやる番組があるんですけども、進んだときに遅い子を中心に列が崩れていく。そこで思いついたのが遅い子と速い子を1枚の羽に作ってあげるということです。

この発想をもとに2重の羽で弱い風と強い風を生み出して心地よい風を送るグリーンファンが誕生したのです!
しかしここで問題が!バルミューダには扇風機を大量生産する設備がありませんでした。そこでアイデアを中国に持ち込み製造。ようやくグリーンファンの販売にこぎ着けたのです!

そして2010年に発売されたグリーンファンは今や店頭に並ぶや否や即完売という大ヒット商品になったのでした。社長の劇的な半生によって生み出されたグリーンファン。
まだまだその風は吹き荒れそう!

▼スタジオでお話を伺いました。
進藤:今後儲かりそうな「工場なしメーカー」は何でしょうか?

森永さん:それはお菓子メーカーです。具体的に言うと、「株式会社やおきん」っていう、うまい棒を作っているメーカーなんですけど、他のお菓子工場に全部生産委託してるんです。うまい棒っていろんな種類がありますよね。地方版とか、プロ野球チーム版とか、新幹線版とか、そういうアイデアで勝負してるんです。

加藤:お菓子メーカーも少ない人数でできる時代が来るってことですね。

■放送内容をシェアする

このページの先頭へ戻る

Copyright© 1995-2024, Tokyo Broadcasting System Television, Inc. All Rights Reserved.