過去の放送内容

「がっちりマンデー!!」毎週日曜あさ7時30分から

がっちりマンデー!!

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2012年8月12日放送

特集

スゴイ人が選ぶスゴイ人!

ゲスト

森永卓郎さん(経済アナリスト)、藤森慎吾さん(オリエンタルラジオ)

番組内容

今回のがっちりマンデーは、大好評企画 第6弾!「スゴイ人が選ぶスゴイ人!」。
どんなに腕の立つ職人さんでも「この人には敵わない!」って人がきっといる!
それをズーッとたどって行けば、トンデモナイ腕の職人さんに行き着くに違いない。
そこで!今回は、長野県の諏訪地区でスゴイ人を探しちゃいます!

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セイコーエプソンを支えるスゴイ人!

まずスタッフがスゴイ人の情報を求めてやって来たのは、長野県諏訪市役所。
商工課の池上宗男課長に聞いてみることに。

池上課長:諏訪地区は東洋のスイスと呼ばれています。澄んだ空気、乾燥もしていたりで製品が錆びない。あとキレイな水もふんだんにあるのでそう呼ばれています。

そう!「乾いた空気」と「キレイで豊富な水」が精密機械作りにはピッタリ!
では、そんな諏訪地区のスゴイ職人さんを教えていただきましょう!

池上課長:一番皆さんがご存知なセイコーエプソンさん。人の手でないと出来ないような作業を出来る方がたくさんいらっしゃるんです。

と言うわけで、「スゴイ人が選ぶスゴイ人!」長野県諏訪地区編スタートです!
池上課長の情報をもとに、早速セイコーエプソン塩尻事業所へ。
お目当てのスゴイ人は精密部品加工工場という場所にいるらしい。
すると一人目のスゴイ人を発見!
それが・・・

こちら!
吉江徳夫さん!こちらで腕時計を作っているそうなんですが・・・

吉江さん:そうです!腕時計です!

吉江さんのお仕事は、「ケース(外枠)」と呼ばれる部分の仕上げ。

機械で粗く削られたパーツの表面はザラザラ。吉江さんはこれを磨いてピカピカにするスペシャリストなのです!
早速、そのお仕事を拝見させていただくことに。

腕時計のケースを道具で固定したら、回転するヤスリに撫でる様に当てる!
と、あっと言う間に作業は終了。
しかし、その仕上がりは・・・

ご覧の通り!
確かに削った部分がピッカピカ!
この作業、実は見た目よりとっても難しい。
なぜなら平面のヤスリで曲面を削らなければいけないから。
そこで、試しにスタッフが削らせてもらうことに。
すると・・・

スタッフ:あ〜滑る!
吉江さん:ちょっと力が入りすぎてるかもしれないね。

ほんのチョッとした角度や力の違いで、削りすぎて平らになってしまう。
吉江さんの方はカーブした面も美しく磨かれています。
さらに、スゴさの極みはヤスリのかけ方が最小限ってこと。

吉江さん:100分の5mmを目安に全体をなめるんです。

目と手の感覚だけで表面を微妙に削ってツルツルにする!
そんなケースの削る前の重さは27.20g。

削った後は27.14gと、表面を僅か100分の5mm削って0.06g落としただけ!
さらに吉江さんは、どの腕時計のケースも均一に仕上げる事ができちゃう!
これが目分量の感覚だけというからスゴイの一言。
現在製造している高級モデル「グランドセイコー」は、その殆どを吉江さんが磨いているんです。

吉江さん:前に番組を拝見したときに加藤さんの時計も「もしかしたら私が磨いた時計かもしれない」と思いました。

そんな吉江さんに自分よりスゴイと思う職人さんを紹介していただきました。

吉江さん:うちの事業部内にいます!

続いてのスゴイ人は同じ社内にいるそうなんです!
早速、内線で連絡を取っていただきました。

吉江さん:ケース工房の吉江です。スゴイ職人さんを知らないかということで塩原さんを紹介しましたので、これからご案内しますのでよろしくお願いします。

次なる凄腕職人さんの所まで、吉江さんに案内していただく事に。
たどり着いたのはマイクロアーティスト工房。
すると・・・

狭〜い部屋の中から二人目のスゴイ人・塩原研治さんが登場!
階段下のこじんまりした部屋で、一体どんな仕事をしているのでしょうか?

塩原さん:電気的にではなく、機械的に機能を持たせるような、複雑時計なんかが特に多いんですけど。

塩原さんは超複雑時計を組み立ているそうなんです!

例えば、「ノード スプリングドライブ ミニッツリピーター」、お値段は、なんと!3465万円!
使うパーツは600個以上!
そのひとつひとつを手作業で行なっているのです。
なかでも特に難しいところは?

塩原さん:ミニッツリピーターというものなんですが、暗い中でも音源で時刻を知ることが出来る。ボタンを押せばその時間が鳴るんです。

なんと!ボタンを押すと何時何十何分かを、それぞれ異なる音で知らせてくれるんです!

そして、これがミニッツリピーターの心臓部!
米粒より小さい「サイレントガバナー」という部分。
19個の細かい部品から構成され、一番小さな部品は、なんと!長さがたったの0.2mm!

塩原さん:中に羽が二つ入ってるんですよ。羽に軸を立てる作業をやってるところなんですが、風が吹くだけでも部品が飛んでしまうんで、ほとんど息を止めてやらないと出来ない作業ですね。

しかし、そこは塩原さん!一発で羽を軸に入れました。
羽を入れたら軸を潰さないようにコツコツ叩いて押し込みます。

スタッフ:掴むだけでも大変ですよね。
塩原さん:ちょっとやってみますか?

なんと!無謀にもスタッフが組み立てに挑戦!
しかし・・・

スタッフ:あっ!部品飛んじゃいました・・・。すいません・・・。
塩原さん:どっか行っちゃいましたね。

摘む事すら困難な小さい部品をひとつひとつ組み合わせ、「サイレントガバナー」だけで何日もかかるという作業。

ミニッツリピーターが音を鳴らす時には毎秒300回転。
上下の隙間はそれぞれ0.1mm、羽はそこをパーツに触れないように回っているんです。
限られたスペースに詰まった技術の結晶!
年間数本しか作れない超複雑時計なのです!
そんな塩原さんが自分よりもスゴイと思う人とは一体誰なのでしょうか?

塩原さん:オルゴールの機構っていうのが複雑時計とほとんど同じ考え方で成り立っているところがありまして、そういったオルゴールの職人さんのところに行けばスゴイ方がいます!

オルゴール調律職人のスゴイ人!

セイコーエプソンの塩原さんに教えてもらい、次に向かったのは原村という地区にある日本電産サンキョーオルゴール株式会社。
出迎えてくださったのは、三澤幸代さん。

実はこの方が三人目のスゴイ人!
では一体、三澤さんは何がスゴイのでしょうか?

三澤さん:オルゴールの調律です。

そう!三澤さんのお仕事はオルゴールの音を整える調律。

音程は櫛状の弁と呼ばれる部分で決まるんだとか。
裏面、向かって左が低い音、右に行くほど高い音が出る弁が並んでいます。
この弁の1本1本の音を手で微調整していくのです。

三澤さん:半音近いところまで機械で出してくれているので、半音からピッタリに合わせて調律者が削ってやるんです。手で弾く弁の柔らかさ・硬さ、それと耳から聞こえる音の音色で判断しています。

それでは調律スタート!

音を下げる場合は弁の真ん中付近を削り、先端を重くして振動数を減らす。

逆に音を上げたい時は先端を削り、ピンに弾かれる方を軽くして振動数を増やす。
こうして調律する事で音が合い、キレイな曲が流れるんです。
しかし・・・

三澤さん:ただ音程が合ってるだけで、それだと音が硬いオルゴールになってしまって響きがなにもなくて余韻は全然出てないんですよね。

余韻を出すにはオブラート一枚ほど薄くするという繊細なワザが!
先端から付け根まで全体を均等に削り、軽くしていく。
そんな微妙な音の広がりに三澤さんはこだわっているのです。
では、そんな三澤さんが自分よりもスゴイと思う職人さんはいるのでしょうか?

三澤さん:岡谷の方で医療機器を作るスゴイ人がいます。

医療器具作りのスゴイ人!

オルゴール調律職人の三澤さんに紹介されて伺ったのはリバー精工。
出迎えてくださったのは西村幸会長。

そう!この人が四人目のスゴイ人!
では一体、何を作っているのでしょうか?

西村会長:これが生検鉗子と言います。

生検鉗子とは、検査が必要な時、内視鏡を見ながら病気の疑いがある部分の細胞を採取する医療器具のこと。
従来の鉗子は必要な部分に針状のメスを入れてから採取すると言うものでしたが、西村さんは鉗子の合わせ目に刃を付けて患者の体内を極力傷つけない生検鉗子を開発!
必要な部分だけを安全に切り取れると言う世界初の技術なのです。

西村会長:今世界でこれをやっているのは私しかいないですね。

まずは噛みあわせの確認。
一見、噛みあっているようでも合わせ目には僅かな段差がある。

これをキチンと合うように細かいヤスリで慎重に削っていくという作業。

全く合わせ目が見えなくなったら、いよいよ刃を作る!

スタッフ:力加減ってどんなイメージですか?
西村会長:当たった瞬間に離す!これであとは中を磨きます。

先が細いヤスリをトントンと叩くように何回か当てていく。
ここを刃に仕上げられるのは、今現在、西村会長ただ一人!
他の追随を許さない医療機器を作り続け、これまでに取った特許は91種!
西村会長の技術とアイデアが医療の可能性を大きく広げているのです。

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