過去の放送内容

「がっちりマンデー!!」毎週日曜あさ7時30分から

がっちりマンデー!!

過去の放送内容

2012年7月15日放送

特集

儲かる漁業

ゲスト

森永卓郎さん(経済アナリスト)、さくらまやさん

番組内容

今回のがっちりマンデーは、「儲かる漁業」。
でも、魚の消費量は年々低下し、漁師の数も減ってる。
さらに、今年はうなぎの稚魚も獲れないなど、とにかく儲からなさそうな話ばっかり。
しかし!そんな中、お魚にかける情熱と工夫でがっちり儲かってる人たちがいる!
そこで、今回は「儲かる漁業」のヒミツに迫ります!

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世界初の漁業でがっちり!

まず最初にやって来たのは、和歌山県串本町にある近畿大学水産研究所。
ここにモノ凄く儲かる魚がいるらしい。
出迎えてくれたのは、近畿大学水産研究所 大学院教授の農学博士・澤田好史さん。
一体、ここで何を行なっているのでしょうか?

澤田教授:マグロの養殖をしているので、それをご覧いただこうと思います。

そう!近畿大学水産研究所は、マグロの中でも最高級とされるクロマグロの養殖でがっちりなのです!
この日は、その養殖クロマグロの出荷があるとのこと。
そこで、船に乗り沖合いにある海上生け簀へと同行させていただきました。

こちらが3歳のクロマグロの生け簀。
すると職員さんがエサとなるサバを投入しマグロをアッサリと捕獲!
これには理由があるそうなのですが…

澤田教授:針がかりをした瞬間に電流を流して気絶させているんです。

釣り上げる時に、暴れて肉が痛むのを防ぐのだとか。
ちなみに、約30キロのクロマグロのお値段は1本12万円!
実はマグロの養殖自体は全国色んなところでやっているんです。
しかし、近畿大学のマグロ養殖には、世界で初めてのがっちり儲かるスゴ技があるんだとか。

澤田教授:近畿大学の場合は、クロマグロの完全養殖をやっています。卵から育てて親にして、また卵をとって出荷サイズまで育てるというやり方です。

普通、マグロの養殖は海から子どものマグロを獲って来て、生け簀で大人になるまで育ててから出荷する。
それを近畿大学は、大人になるまで育てたマグロに卵を産ませて人工孵化、そしてまた大人まで育てて出荷という完全養殖サイクルを、2002年に世界で初めて成功させたのです。
それまで、狭い生け簀の中では人工孵化はもちろん、産卵させるのも絶対無理と言われていたんです。

澤田教授:いろんな工夫をしました!飼育の方法・卵の管理の方法・エサ・環境といろいろ変えて、ひとつでブレイクスルー(突破)できるという技術ではなかったですね。

この完全養殖は、天然の子どもマグロを獲る必要がないから手間が省けるのはもちろん、マグロ資源の保護になる夢の技術なのです!
そして、今一番の問題が…

澤田教授:先ほど見ていただいたエサは人でも食べられるものです。ですからできるだけ生の魚を使うのを減らしたい。

そこで開発したのが、サバやアジの魚粉にビタミンなどを混ぜ込んだ栄養たっぷりの配合飼料。
養殖コストの削減も大事な研究テーマなんですね。

現在、4000尾のクロマグロを完全養殖中!
でも、何といっても一番大事なのが、そのお味!
そこで、青森県出身で大間のマグロを食べて育った番組スタッフが試食。
そのお味は…

スタッフ:めちゃくちゃうまいっす!大間並みです!

そんな近畿大学は、完全養殖のクロマグロでがっちりです!

大分県佐賀関でがっちりな魚と言えば?!

続いてやって来たのは、大分県漁業協同組合佐賀関支店。
佐賀関の儲かる魚と言えば…

そう!関あじ・関さば!
佐賀関の海域だけに生息するアジやサバで、東京の料亭でお造りを頼むと、軽く1万円は超えるという超高級魚。
てことは、かなり儲かってるに違いない!
今回、そんな関あじ漁に連れて行ってくれるのは、佐賀関の漁師・姫野英昭さん。
早速、日の出と共に出港です!

スタッフ:どれくらい釣れそうですか今日は?
姫野さん:難しいです!先に言いますけど難しいです!

そう!関あじが高いのは、なかなか獲れない希少な魚だから!
毎日200隻以上の漁船が漁に出ているにもかかわらず、漁協のホームページを見てみると…

前日の水揚量は91尾。
関さばにいたっては、この時期全く獲れてないんです。
そして、30分ほどで漁場に到着。
すると…

スタッフ:うわ〜やっぱ揺れるな〜

関あじは、瀬戸内海と太平洋の潮の流れがぶつかる所でしか獲れない魚。
そのため関あじ漁は、とにかく船が揺れるんです。
それでは、いよいよ関あじ漁の開始!
姫野さんが使用する仕掛けはエビに似せた疑似餌。

スタッフ:一本釣りってやつですよね?
姫野さん:佐賀関は基本的に一本釣り!

そう!この海域の底は凹凸が激しく、巻き網は網が引っ掛かって使えないんだとか。

関あじの一本釣りで一番大事なのは、潮の流れに合わせて船の向きを微妙に変えながら釣り糸を流すこと!
これを皆一人で行ないます。
でも、全然釣れる気配がない…
するとスタッフは、あまりの揺れに限界間近!
その時!

小あじを3匹ゲット!

スタッフ:大漁じゃないですか!
姫野さん:こんなんじゃ話にならん!

どうやら小さすぎてあまり良い値がつかないらしい。
この後、2時間ほど漁を続けてみたものの、ほとんど釣果なし。
漁の後、港に戻ると関あじをすぐに出荷!
と思いきや…

漁協の職員さんが、獲れた数と大きさをチェックして生け簀に放った!
実はここに、関あじが高級ブランドになる大事な仕掛けがあったのです。

姫野さん:釣ったばかりの魚はあんまり美味しくないんです。魚が興奮状態になってますから、一回それを置いて、一日か二日置いてから出荷するんです。

釣られたばかりの魚は、興奮状態で身に乳酸がたまっていて、イマイチ美味しくないんだとか。
最低24時間は生け簀で魚を落ち着かせる「活かし込み」という工程を行なってから出荷するんです。すると、全身に脂が乗った極上の関あじになるってワケ。
この日は、出荷価格約1000円のモノを100本出荷。
佐賀関支店の関あじの売上は、なんと!年間2億2000万円!
そんな大分県漁協佐賀関支店は、関あじ・関さばでがっちりです!

山の中で儲かる魚?!

続いての儲かる漁業を探してやって来たのは、栃木県那珂川町。
栃木には海はありませんが…伺ったのは環境生物化学研究所の野口勝明社長。
ここでは一体、何をしているのでしょうか?

野口社長:トラフグを養殖しています。

栃木の山の中でトラフグ?半信半疑のまま案内してもらったのは?

野口社長:ここは5年前に廃校になった小学校なんですけど、ここでトラフグを飼育しているんです。

なんでも教室を5つ借りてトラフグを養殖してるんだとか。
すると…

フグの王様、トラフグを発見!
しかし、こんな山の中に海水を運ぶのは大変なのでは?

野口社長:海の水じゃないんですよ。これは地元の温泉水を使った養殖なんです。

那珂川町は江戸時代から続く温泉の町。
では一体、なぜ温泉水で海水魚の養殖ができるのでしょうか?

野口社長:海水に成分がよく似てるんです。

環境生物化学研究所は、地下水の水質や土壌調査を専門としていて、那珂川町の温泉の水質を調べてみたところナトリウムやマグネシウムなど、海水に近い成分が含まれていたってワケ。
それにしても、何でわざわざ温泉水でトラフグを養殖するのでしょうか?
それには儲かる理由が2つありました!

温泉トラフグが儲かる理由1:「海の養殖よりも早く育つ」
野口社長:海の塩分濃度というのは3.5%あります。ここで飼育しているのは塩分濃度が0.9%です。その塩分濃度が低いことによって成長が早くなるんです。

海の魚は身体に入ってくる余分な塩分を常にエラから排出していて、その時にかなりのエネルギーを使っているんです。
そこで、最初から塩分の低い水で育てると、そのエネルギーを使わないで済む分、成長が早くなるんだとか。
海での養殖が出荷サイズになるのに1年半掛かるのが、温泉トラフグは1年でOK!
エサ代も半年分節約できる上、年に一度の出荷が可能になったってワケ。

温泉トラフグが儲かる理由2:「フグなのに毒がない」
野口社長:毒化することのメカニズムは食物連鎖なんですよ。海だと毒のものを食べる。それが温泉を使ってやる場合は、毒のある生物がいないわけです。

フグの肝に毒があるのは、海中のプランクトンを食べているから。
海とは無関係の温泉水にはプランクトンがいない!
だから、肝に毒のたまらない安全なフグが育つんです。
4年前に始めたこの温泉トラフグ事業、今では町にあるプールを買い取って規模を拡大中!
さらには、那珂川町も温泉トラフグで町興し!
キャラクターグッズまで作り大PR中なのです。
そんな那珂川町は、温泉トラフグでがっちりです!

がっちり儲かる黒いダイヤとは?

続いてやって来たのは、長崎県時津町の大村湾漁業協同組合。
なんでも大村湾で、がっちり儲かる海産物が獲れるらしい。
早速、地元の漁師・原口俊次郎さんの船に乗せてもらって出発!
10分ほどで漁場に到着。

すると、なにやら器具を使い海を覗き込みはじめました。
一体、何を探しているのでしょうか?

原口さん:黒なまこを探しているんです。

普段、皆が酢の物などにして食べているのが、赤なまこや青なまこ。
黒なまこは…

原口さん:加工して干しなまこにしたら、黒いダイヤと言われるように、非常に高級な食材になるんですよ。

そう!黒なまこは主に中華料理に使われる高級食材で、ほとんどが中国に輸出されているんだとか。
これは何としてでも探さなければ!
そこで、ダイバーさんに協力してもらい海底を探す事10分。
遂に!

黒なまこを発見!
では、これがどうやって黒いダイヤになるのかというと、まずは手作業で内臓を取り除き、1時間ほど煮込んで塩分を抜く。
その後、20日間かけて天日で乾燥させると、100gで6000円にもなる黒いダイヤ、干しなまこの完成!
しかし、ここの大村湾漁業協同組合では、黒いダイヤからさらなる儲かり商品を生み出すことに成功したんだとか!
大村湾漁業協同組合の松田孝成組合長にお話を伺いました。

松田さん:当然、規格外が出てきますよね。傷物とかサイズが小さいやつとか、これを石鹸に再利用したらどうかと。

実はなまこには肌の保湿に効くコラーゲンやサポニンが多く含まれていて、乾燥の工程で割れたり穴が開いたりした食材としては使えない廃棄品を、石鹸の原料に再利用したってワケ。
そんな大村湾の黒なまこを使って石鹸を作っているのが、埼玉県の化粧品メーカー、株式会社サティス製薬。
黒なまこから抽出したエキスを、石鹸の素となる成分に混ぜたら、型に流し込んで固める。
それを一個ずつカットしたら…

黒なまこの石鹸の出来上がり!
その気になるお値段は、なんと!1個2500円!
発売は3年前の2009年で、昨年は年間10万個を売上げたんだとか。
でも、黒なまこから石鹸なんてよく思いつきましたね?

松田さん:なまこを加工してるでしょ、加工は女性の手がほとんどなんです。ずーっと一日中加工する、すると加工が終わった後にいつも手がスベスベするんです。

そう!なまこを加工している女性の手が、冬でも荒れることなくツルツルだったのに目を付けたんです。
そんな大村湾漁業協同組合は、黒なまこの石鹸でがっちりです!

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