過去の放送内容

「がっちりマンデー!!」毎週日曜あさ7時30分から

がっちりマンデー!!

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2012年5月20日放送

特集

大好評企画 第5弾 スゴイ人が選ぶスゴイ人!

ゲスト

森永卓郎さん(経済アナリスト)、原幹恵さん

番組内容

今回のがっちりマンデーは、大好評企画の第5弾!「スゴイ人が選ぶスゴイ人!」。
どんなに腕の立つ職人さんでも「この人には敵わない」って人がきっといる!
それをズッと辿って行けば、とんでもない凄腕の職人さんに行き着くのでは?
そこで!今回は、新潟県燕三条のスゴイ人をご紹介いたします。

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大工さんに欠かせない道具を作るスゴイ人!

スゴイ人の情報を求め、まず最初にやって来たのは、燕三条地場産業振興センター。
営業推進部の高橋弘部長に聞いてみることに。

高橋さん:池田さんってどうかな?

と、言う訳でスゴイ人が選ぶスゴイ人・新潟県燕三条編スタート!
まず高橋さんの情報を頼りにやって来たのは、三条市荒町にある年季の入った1軒の建物。
早速、中へ入ってみることに!
するといきなり一人目のスゴイ人が登場!
それが・・・

こちら!
池田慶郎さん!早速、お話を伺ってみることに。

スタッフ:何を作っているんですか?
池田さん:ノミだよ。大工が使うノミ。

そう!池田さんは、ノミ一筋50年以上の鍛冶職人なのです!
それでは、その職人技を見せていただきましょう。
まずは、ノミの金属部分に刃をつける作業。
熱々に熱したら勢い良く叩く!

続いて根元を作る作業。
スプリングハンバーで叩いてノミの形にしていきます!
実はこの作業、ミリ単位のデリケートな作業なのです。

池田さん:真ん中に持ってくるのが大事だから。

ノミは根元の軸がちょっとでも左右どちらかにズレると、刃が真っすぐ木に入らない。
だから軸がピッタリ刃の真ん中、左右対称になるように調整しているのです。
こうして完成したノミが・・・

こちら!
では本当に左右対称に出来ているのでしょうか?
そこで実際に測ってみたところ、左右共に14.9mmジャスト!
お見事です!
では、そんな池田さんに自分よりスゴイと思う人を聞いてみましょう。

池田さん:私の先輩ですね!

重要文化財を"支える"スゴイ人!

池田さんの先輩に会いにやって来たのは、三条市の住宅街、西四日町にある一軒のお宅。
お世辞にもスゴイ人がいるようには見えませんが・・・。
取りあえず伺ってみることに。
出迎えてくださったのは小由製作所の小林由夫さん。

実は、この方がスゴイ人!
小林さんは鍛冶一筋56年の大ベテラン!

スタッフ:何を作ってるんですか?
小林さん:和釘です!

和釘とは、日本に古くからある手作りの釘のこと。
どこで使われているのかというと・・・

小林さん:重要文化財とか神社仏閣を復元・修復する場合、昔のままにしないとダメだから昔の釘を使うんです!

小林さんは古い建物の修復・復元に欠かせない和釘を作るスペシャリスト!
伊勢神宮や日光東照宮にも達人の和釘が使われているのです。
それでは、その職人技を見せていただきましょう!
和釘づくりで一番大事なのは、同じ長さに揃える事!
基本は4寸4分(13.32cm)という長さ。
まずは高温に熱せられた鉄の角棒を、勢い良く叩いて曲げていく。

頭を直角に曲げたら、今度は仕上げの先端部分。
どんどん叩いて先端を尖らせていきます。
でも、釘の長さが変わってしまいそうですが・・・

小林さん:はい、終わり!

なんと!ここで1本目が完成!
そして5分後、2本目が完成。さらに6分後に3本目が完成。
と、次々作っていく達人。
でも、ちゃんと長さは13.32cmになっているのでしょうか?
測ってみることに!
すると・・・

なんと!文字通り寸分違わず13.32cm!
どちらも10分の1ミリ単位でピッタリ!

小林さん:1ミリの誤差が分からないと鍛冶屋の仕事はできない!

そんな小林さんに、自分よりスゴイと思う人を聞いてみました。

小林さん:私より年上だけどスゴイ職人がいますよ!私のいとこだから小さい頃から知ってます。

1日500個作っちゃうスゴイ人!

続いて小林さんに紹介されたスゴイ人を求めてやって来たのは、三条市高安寺にあるモダンな建物。
早速、中に入ってみることに。
すると、いきなりスゴイ人が出迎えてくださいました。
それが・・・

こちら!諏訪田製作所の小林英夫さん。

スタッフ:おいくつですか?
小林さん:80歳です!

なんと!御歳80!
では一体、何を作っているのでしょうか?

小林さん:ツメ切りを作ってます。

そう!小林さんはツメ切りづくりのスゴイ人!
ここ諏訪田製作所で、よくあるタイプのツメ切りではなくて、ニッパー型のツメ切りを作っているんです。
ツメ切りで一番大事なのは、勿論よく切れること!
達人の小林さんによると、最高の切れ味を出すには、ある極意があるそうなんです。

小林さん:右と左の刃と刃をピタッと合わせる仕事。それでうちのがよく切れるんです。

では一体、どうやって合わせるのでしょうか?
早速、その職人技を見せていただくことに。
まず、ニッパー型に成形されたツメ切りの両刃を閉じてみる。
すると・・・

ちょっと隙間がある。
すると達人、隙間を確認しヤスリで1擦り。
再度隙間を確認したら、もう一度ヤスリで1擦り。
これを繰り返すこと4回。

小林さん:こんなもんですね。

えっ!もう完成!?
すると・・・

ピタッと合ってる!
しかも達人の作業をもう一度よく見てみると?

ヤスリに隠れて刃先が全然見えない!

小林さん:見えないから指先の勘だけでやっているんです。指先の感覚だけです。

そんな小林さんのスゴさを、この作業を始めて2年の佐藤高央さんに聞いてみました。

佐藤さん:(私は)1時間やって10丁とかその程度しか出来ないです。
スタッフ:達人はどれくらい作っちゃうんですか?
佐藤さん:1日400〜500丁はやってましたね。

もはや神業の域!
そんな達人・小林さん、自分よりもスゴイと思う人はいるのでしょうか?

小林さん:燕市に磨きのスゴイ腕のいい人がいるんですよ。

"磨き"のスゴイ人!

ツメ切り職人・小林さんに教えてもらい、やって来たのは、燕市大曲にある山崎研磨工場。
そして、磨きのスゴ腕職人さんというのが・・・

こちら!山崎正明さん!
金属を研磨してピカピカにする磨きのスペシャリスト。
達人の技を求めて、全国各地から磨きの依頼があるんだとか。

山崎さん:日産GT-Rのマフラーとか、タミヤの模型のタンクローリーの一部分とか磨かしていただいたりしています。

とにかく頼まれれば何でも磨く、研磨大好きの山崎さんがスゴイのは「鏡面研磨」!
そこで用意したのはステンレス製のグラス。
一体、どれぐらいキレイに磨けるのでしょうか?
すると・・・

なんと!表面が瞬く間にピカピカになっていく!
そして、完成したモノをお店で売っている鏡面研磨を謳ったステンレスのコップと比べてみると・・・

全然違う!
ポイントは微妙な力加減、機械に強く当てると傷がつき、弱すぎると弾き飛ばされてしまう。さらにピタッと平行に当てないと、表面にムラができてデコボコになる。
ところで、どれぐらい滑らかなのでしょうか?

山崎さん:4ナノメートルです。

4ナノメートルって100万分の4mmしかデコボコしていない!
では、そんな山崎さんに、自分よりもスゴイと思う人を紹介していただきましょう。

山崎さん:金属を丸くしてしまう人がいるんだよ。

鎚起銅器のスゴイ人!

山崎さんに教えていただいてやって来たのは、燕市杉柳にある島倉堂。
出迎えてくださったのは、島倉板美さん。

この方が山崎さんが選んだスゴイ人!

スタッフ:何の作業をしているんですか?
島倉さん:鎚起銅器といいます。

鎚起銅器とは、一枚の銅版を金槌で叩いて、やかんや急須などを作る伝統の技術!
島倉さんは、鎚起銅器一筋60年の達人なのです!
では早速、その職人技を拝見させていただきましょう。
作るのは鎚起銅器の定番「やかん」。
まずは銅版を楕円状に切り、高温で熱してやわらかくする。

続いて、土の上で銅版を木槌で叩きます。
やわらかい土の上で叩く事で、やかんの底を作っているんです。

そして今度は、銅版をひっくり返してさらに叩いていく。

島倉さん:シワが重ならないように、重なるとおシャカになりますからね。

シワがくっ付くと折れ目が切れてしまい全てが水の泡になってしまう。
だからシワを叩く時には絶対にミスが許されないのです。
その後も迷うことなくどんどん叩いていく島倉さん。
するとヨレヨレだったシワが・・・

こんなにキレイに!
でも大事なのはここから。
すると今度は1ヵ所だけを叩き始めました。

スタッフ:今何をやっていたんですか?
島倉さん:ここがやがて注ぎ口になる。

なんと!やかんの注ぎ口も同じ銅版で作っちゃう!

島倉さん:この繰り返し、またあそこに持ってって火にかけてなまして、また土の上にいってトントンやります。

叩いて、ならして、また叩く!
同じ工程を2週間ひたすら繰り返して、少しずつ少しずつ一枚の銅版からやかんの形に仕上げていくのです!
こうして完成したのが・・・

こちら!
お値段、なんと!35万円!
1枚の板を美しい工芸品に変えてしまうスゴイ人、島倉板美さん。
本当に名前通りですね。

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