過去の放送内容

「がっちりマンデー!!」毎週日曜あさ7時30分から

がっちりマンデー!!

過去の放送内容

2011年9月18日放送

特集

儲かる入れ物

ゲスト

森永卓郎さん(経済アナリスト)、北斗晶さん

番組内容

今回のがっちりマンデーは、「儲かる入れ物」!
缶やペットボトル、袋や箱など入れ物には色々ありますが、
なんと!その市場規模は5兆円以上!
そこで!今回は、儲かる入れ物ビジネスの数々をご紹介いたします。

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儲かる入れ物1 「マジックカット」

まず最初にスタッフがやって来たのは、旭化成パックスの埼玉県上尾工場。
出迎えてくれたのは、取締役事業本部長の上山健治さん。
早速、儲かる入れ物についてお聞きしました。

上山さん:カップ麺の中にある袋ですね。かやく、スープの袋を私どもの工場で作っております。どこからも切れるって書いてあると思うんですが、このどこからでも切れる加工を、この工場で作っております。

普通の袋には切れ目が入っていて、そこから開ける事ができますが、どこに切れ目があるのか見つからないとイライラしますよね?
そこで旭化成パックスが開発したのが、切れ目がなくても、どこからでも切れちゃう袋。
これ、マジックカットって言うんです。
カラシやワサビ、お惣菜などの食品類の袋には勿論、医療器具の袋など、なんと!マジックカットを使用した商品は2000種類以上!
発売開始から25年の売上げ総額は、なんと!100億円以上!
では一体、何故どこからでも切れるのでしょうか?

上山さん:フィルムに細かい傷を入れております。

そう!どこからでも切れるヒミツは"傷"。
袋の端の部分を良く見てみると、小さな傷がたくさんミシン目のように付いている。
マジックカットの袋を開けようとすると、小さな傷から裂け目ができ、次の傷に繋がる。それが切れ目となって袋が切れるってワケなんです!
しかし、この傷の作り方が難しいそうなんです。

上山さん:傷をいっぱい付ければ流通段階で色んな力が加わって破れたり、あるいは消費者の方が店頭で手にされて触った瞬間に破れたり、そういう現象が起きます。

傷と傷の間は、全て必ず0.5mm、傷の大きさも0.5mmピッタリ!
大き過ぎても小さ過ぎてもダメなんです。
そこで、マジックカットを作る特注マシンを拝見!

傷を付けているのが、高速で回転している金色のローラー部分。
表面には、袋に0.5mmの傷を付けるための刃が立ち上がっています。

上山さん:これは機械で作ったりせず、手彫りで一生懸命この刃を作って頂いております。この加工が出来る人はひとりしかいません。

なんと!全ての刃を正確に、0.5mmの大きさで等間隔に作れる職人さんは、1人しかいない!
では、そのオンリーワン職人とはどんな人なのでしょうか?

上山さん:それは秘密です!世界にひとりしかいませんから、その人をスカウトされると他でも同じような刃が作られてしまいますので、どんなにお金を頂いても教えられません!

マジックカット最大の企業秘密は、袋の端の傷を作る機械の刃の部分を作る職人さんだったんですね。
そんな旭化成パックスは、マジックカットでがっちり!

儲かる入れ物2 「ヒネルキャップ」

続いて伺ったのは東罐興業。
出迎えてくださったのは、代表取締役社長の筒井栄二さん。
この東罐興業を含む東洋製罐グループは、缶にビン、シャンプーの容器など、とにかくありとあらゆる入れ物を作っている、日本の入れ物業界No.1企業!

筒井社長:全商品合わせたら、10万くらいあるかもしれないですね。

そんな数ある入れ物の中で、筒井社長イチオシの入れ物が…

こちら!

筒井社長:ドレッシングの容器でございます。通常は左にキャップを回しますけど、このキャップの場合は右に回します。すると「カチッ」と音がしますので、そしたら左に普通の通り回します。そうしますと穴が開いています。

もともと付いていた中栓が、キャップを一端右に回すことで取れる!
これまでドレッシングやソースなどの入れ物にはプルリングの中栓が付いていて、開けるのが結構面倒でした。
急に開いて中身が飛び出したりなんてことも…。
その問題を解消したのが東罐興業の自信作!その名も「ヒネルキャップ」。
でもコレ、中栓が開くのはいいけれど、中栓自体はどこに行っちゃってるのでしょうか?
そこで、開発を担当した樹脂容器生産本部専任課長の磯貝孝光さんにお話をお聞きしました。

磯貝さん:キャップの断面はこうなってまして、実は中側にフック状のものが付いてまして、そちらにキャップがくっつくという構造になっています。
キャップを右に回すと中栓が下に押し込まれ、ビンとくっついていた部分が外れる。
そして今度はキャップを左に回して開けると、キャップの裏に付いているフックに中栓が引っかかって取れる!
実際に試してみると…

ご覧の通り!見事、中栓がひっかかってる!
他にもこの「ヒネルキャップ」には、食品容器ならではのこだわりが!
それは、中栓を開けるときに鳴る「カチッ」っていう音!

磯貝さん:通常フタを閉め込んで開けても、音がしないと中栓が開いたかどうかわからないんです。場合によっては「最初から開いてたんじゃないの?」って疑われる方もいると思います。

3年もの月日を掛けて開発された「ヒネルキャップ」は、なんと!昨年、世界の入れ物業界のアカデミー賞とも言える「ワールドスター賞」を受賞!
発売からわずか1年半で、約5億円を売上げる東罐興業の看板商品に!
そんな東罐興業は、「ヒネルキャップ」でがっちり!

儲かる入れ物3 「Aドラム」

続いてやって来たのは、和歌山県和歌山市にある太陽シールパック。
出迎えてくれたのは、代表取締役社長の糟谷雅隆さん。
早速、儲かる入れ物を見せていただくことに。

糟谷社長:私どもの製品はAドラムです。紙製のドラム缶です。

フタの部分は鉄ですが、それ以外はなんと全部紙でできている!
さすがに液体は無理ですが、アミノ酸など医薬品の粉などを運ぶのに人気の入れ物。
でも、ドラム缶て普通は鉄ですよね?紙だと破れるんじゃないでしょうか?

糟谷社長:中身が入っていれば大丈夫です。

そこで!実際にAドラムの中に砂を入れ、どのくらい強いのかハンマーで叩いて試してみることに!
すると…

スタッフ:壊れてますよね?
糟谷社長:壊れてないです。中身が出てないんで全然セーフです。容器って中身を保護するものですから、中身が出なければ問題ありません。

Aドラムは、縦にかかる重圧にはもっと強く、なんと!1トンの重さにも耐えられるんだとか!
紙でできているのに、一体なぜ強いのでしょうか?
そのヒミツを探るべく、Aドラムの胴体を作っている工場へ潜入!

糟谷社長:これは紙巻です。グルグル巻いて強度を上げてるんです。

グルグルと巻くだけ?!結構単純だったんですね。
紙でできているAドラムには、紙だからこそのメリットも!

糟谷社長:やはり軽いってことですね。

そう!鉄のドラム缶よりも軽いってこと。
その重さは約3.7kg、ちなみに鉄のドラム缶は約9.3kgなので、約6割も軽い!
軽いドラム缶の一番のメリットは、たくさん運べること。
同じ大きさのAドラムと鉄のドラム缶、それぞれに50kgの荷物を入れて4tトラックで運ぶ場合、鉄のドラム缶だと67本しか積めませんが、Aドラムだと74本も積める!
10回運べば1回分輸送費が浮くんです!
そして、もうひとつのメリットがバラしやすいこと。
実は一度使った鉄のドラム缶は、再利用しない事がほとんど。
なので、使った後は場所をとって大変、業者に引き取ってもらう必要がある。

ところがAドラムは、簡単に解体できるので置き場所に困らず、リサイクルもできてエコ。
このAドラム、昨年の売上げは、なんと!1億8千万円!
そんな太陽シールパックは、Aドラムでがっちり!

儲かる入れ物4 「PID」

続いてやって来たのは、新潟県燕三条にある悠心。
出迎えてくれたのは、代表取締役社長の二瀬克規さん。
悠心が作っているのは、お弁当に入っているお醤油などの小袋。
実は、二瀬社長自らが開発し、全国的に大ヒットしている入れ物があるらしいのですが…

ニ瀬社長:この容器です。ヤマサさんから発売された「鮮度の一滴」という醤油に使われている容器です。

ヤマサ醤油から2年前に発売された「鮮度の一滴」という醤油。
中身のお醤油もさることながら、入れ物がスゴイってことで大ヒット!
そのスゴイ入れ物を作ったのが悠心なのです。

ニ瀬社長:これはPIDという名前です。これはですね一度開封しても何回注ぎ出しても中に空気が入らないため、酸化が進まない、お醤油の新鮮さが最後の一滴まで保てる容器です。

PIDのポイントは、注ぎ口の部分。
ビンやペットボトルに入っているお醤油は、一度口を開けるとそこから空気が入ってくる。お醤油は空気に触れると酸化して黒くなり、味も香りも悪くなるんです。

ところがPIDは、なぜか空気をシャットアウト!
お醤油が空気に触れないので、酸化せずいつまでも新鮮で美味しい!
そもそもこの入れ物を開発したのは、二瀬社長が大の醤油好きだから。

二瀬社長:黒くなった醤油は、がっかりするんですね。本当にがっかりするんです。

このPIDの使い方はいたって簡単!
外袋の出っ張った所を引きちぎり、中袋の注ぎ口をもう一回切る。
後は傾けて注ぐだけ!

二瀬社長:醤油を注いだ後、容器を立てると空気が入らずにお醤油が止まるんです。これで密封状態なんです。

そこで、実際に密封になっているのか見てみると…

本当に空気が入ってない!
では一体、なぜ空気が入らないのでしょうか?

二瀬社長:一番先っぽのところが広がってお醤油が出るんですけど、立てると先端が閉まります。これは毛細管現象っていうのがあるんですが、この現象を利用しているのがPIDなんです。

毛細管現象とは一体どのようなことなのでしょうか?
すると二瀬社長が取り出したのは、2枚のガラス板、これを少しだけ隙間を開けて重ね合わせる。
その端っこを醤油につけると…

2枚のガラスの隙間に醤油が入ってドンドン上っていく!
さらに、この2枚のガラスはピタッとくっついて離れない!
これが、毛細管現象なんです。
液体には狭い隙間に広がっていき、接着剤のようにくっつけちゃう性質があるんです。
ニ瀬社長は、この毛細管現象がPIDの注ぎ口に起こるようにしたのです。

独自に開発した伸び縮みしやすいフィルムを注ぎ口に使用、醤油を注いだ時だけ広がり、注ぎ終わると縮んで狭い隙間になる!
毛細管現象によって醤油が注ぎ口をくっつけて空気を中に入れないのです!
では一体、このPIDでどれぐらい儲かっているのでしょうか?

ニ瀬社長:昨年の売り上げで4億3千万円くらいです!

悠心は、PIDでがっちり!

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