過去の放送内容

「がっちりマンデー!!」毎週日曜あさ7時30分から

がっちりマンデー!!

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2011年3月6日放送

特集

丸紅

ゲスト

丸紅(株) 代表取締役社長 朝田照男さん

番組内容

今回のがっちりマンデーは、総合商社「丸紅」!
世界150カ国以上で事業展開し、その売上高はなんと8兆円!
でも、総合商社って具体的に何をやっているのかよく分からない…
そこで!今回は、総合商社「丸紅」の儲かりのヒミツを大公開しちゃいます!

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総合商社「丸紅」儲かりのヒミツ!「運んで儲ける」

年間売上げ、約8兆円の丸紅には、なんと!営業12部門・85部署もあるんです!
そこで今回は、中でも商社の儲かりを支える3つの大きな柱に注目します!
まず1つ目は…

「運んで儲ける!」
元々商社は、安く売ってくれる国で買ったモノを、高く買ってくれる国で売る「貿易」が基本。
だから、いかに上手く「運ぶ」かが儲けの分かれ道なのです!
そこで、東京・竹橋にある本社11階「穀物部」に伺いました。
こちらでは、毎朝8時から重要な会議が始まるらしいのですが…

なんと!電話を使い海外の取引先と英語でミーティングを行っています!
お相手は、アメリカ・ポートランドのコロンビアグレーンセンターのケビン副社長!
日本が午前8時の時、ポートランドは前日の午後3時。
穀物部の大事なお仕事は、トウモロコシや小麦などの穀物を世界から輸入すること!
日々、刻々と変わる値段に目を光らせながら、いつどれくらい売り買いするのかを、海外の状況を聞きながら判断します!

こうして海外とやり取りした小麦やトウモロコシを、実際に日本に運び込みます。
そこで!今回は特別に、「運ぶ」現場を密着させていただくことに!
伺ったのは鹿児島港。その日は、アメリカから30日かけて大型船ペコット号が到着!
穀物部・部長代理の姫野健二さんにお話を伺いました。

姫野さん:長さが約230mありまして、トウモロコシを約60000トン積む事ができます。停泊期間が延びると1日に何百万円というお金が損をしてしまいます。

ちょっとのタイムロスでも、コストが大きく変わってくるので、作業は急ピッチで進められる!

運ばれてきたトウモロコシは、掃除機のオバケの様な機械で、1時間に900トン以上という物凄い早さで荷卸します。
1日8時間、グングン吸っても60000トン全部降ろすのには8日間もかかる!
最後は、底に残ったトウモロコシを、ブルドーザーでキレイにすくい取ったら荷卸終了。

こんな大きなトウモロコシ船が、鹿児島港をはじめ日本のあちこちの港にほぼ月1回のペースでやってくるんです。
丸紅が1年間に日本に運び込むトウモロコシの量は、なんと!300万トン!
この量は、商社の中でトップ!
小麦や大豆などを含めた穀物全体でも、輸入する20%が丸紅。これも国内商社トップ!
皆さんがいつも食べているパンも、丸紅が持ってきた小麦でできている可能性が高いってことなんです。

総合商社「丸紅」儲かりのヒミツ!「作って儲ける」

丸紅の儲かりの柱、2つ目は…

「作って儲ける」
何を作っているのかというと「電気」や「水」。扱っているのは、海外電力プロジェクト部門。
そこで、海外電力プロジェクト第二部の宮田裕久さんにお話を伺いました。

宮田さん:発展途上国もありまして、1日のうち5時間停電といった所もある訳です。そういった所に我々が出て行って発電所を建設・運営します。

そう!丸紅は、世界中の色んな国に発電所を作ってる!
現地で起こした電気を、それぞれの国に売って儲けているのです。
そこで!アジアでも最大級の発電所を作ったフィリピンで取材してきました!
出迎えてくれたのは、海外電力プロジェクト第二部の津崎優さん。
フィリピン政府に頼まれて、丸紅が発電所を作ったのは2003年。
一体、どれくらいの発電量になるのでしょうか?

津崎さん:丸紅はフィリピンで4つの発電所に出資しておりまして、フィリピン全土の約30%の電気の供給に関わっております。

なんと!丸紅は、フィリピンで使う電力の約3割を作っているんです!
そして、丸紅の電力合併会社社長、川口隆吉さんにもお話をお聞きすることができました。

川口社長:水力発電です。コンクリートのダムではなく、土を積み上げて造ったダムなんです。行って頂ければ圧倒されますよ、大きさに!!

スタッフ:海外で仕事をする上で大事なことは何ですか?
川口社長:重要なことは家庭です!奥さんと子どもを大切に出来ない人は、絶対に仕事は上手く出来ない!

それでは、いよいよ丸紅が造った水力発電のダムへイザ出発!
マニラから高速道路を通り、走りに走って約5時間、ようやく目的地のサンロケへ到着。
すると、入口には…

なんと!マシンガンを持つ人の姿!超厳戒態勢です。

津崎さん:意味合い的にも非常に重要な施設ですし、万が一にもテロの標的にならないようにということです。

そしてこちらの施設には、丸紅以外の会社の人も働いているそうなんです。

津崎さん:関西電力さんに技術的なことはお願いし、商務的な事は丸紅側で引き受けています。

そう!海外での発電所作りには、色んな会社の協力が必要!
大手建設会社・電力会社を、商社「丸紅」がまとめてひとつの発電所を作っているのです。
そして、ダムはというと…

コンクリートじゃない!1千億円も継ぎ込んだこの水力発電所は、2003年に完成!
その大きさは、高さ200m、横幅はなんと2kmもあり、せき止めて作られたダム湖には、東京ドーム700杯分の水が蓄えられています!
また、ダムの決壊を防ぐ放流ゲートは、放水の際1秒間に5000トンもの水が吐き出される!
そんな大規模なダムの下に発電所はあるのですが、実際に中に入ってみると…

まるで地下要塞!
奥には3台の発電機があり、豊富な水を勢いよく流し込んで、巨大な発電機を高速回転させて電気を起こすのです!
ここで、作られた電気は送電線を通って首都マニラにも送られています。
丸紅では、サンロケをはじめフィリピンに4つの発電所を作り、30%の電力を供給しているのです。

▼スタジオでお聞きしました。
朝田社長:商社には、幅広く何でも知っていて、マネージメントが出来るという人は、まずはいらないんです。自分の与えられた仕事を「俺はナンバー1なんだ!」というくらいプロフェッショナルにならいと、商社のビジネスは成功しないんです。

加藤:実際、穀物を運んできたのに、余ってしまうなんてケースもあるんですか?

朝田社長:あります。ですからウチの穀物部隊は、出来る限り価格リスクは取らない!いわゆるマーケットリスクは取らない、そのぶん船だとかそういった所でメリットを取るようにしてます。

総合商社「丸紅」儲かりのヒミツ!「掘って儲ける」

商社「丸紅」の儲かりの柱、3つ目は…

「掘って儲ける!」
そう!今、丸紅のみならず各商社において稼ぎ頭は、世界中に眠っている資源を掘り出して売るビジネス!
一体、何を掘っているのでしょうか?
石炭部長の小林伸一さんにお話を伺いました。

小林さん:以前はですね、石炭の値段が安い時代が長くて、なかなかパッとしない時代が多かったですけど、2004年くらいから非常に儲かるような構造になってきました。

嘗て、燃料としての需要が、石油に取って代わられた石炭ですが、鉄鉱石を溶かして鉄を作る時にどうしても石炭が必要!ということで、いま中国を中心にスゴく売れているんです!

値段も上がって、かなり儲かっているんだとか。
この仕事のポイントは、まず何と言っても「いい鉱山を持つ」ということ!

小林さん:オーストラリアは、非常に大きな炭鉱が並んでまして、石炭銀座と言われてます。そこの特に私は(銀座)四丁目って言ってるんですけど、そこが非常に稼ぎ頭になってます。

丸紅は、世界的にも豊富な埋蔵量を誇る、オーストラリアの石炭銀座でも一等地の「ジェリンバー鉱山」を掘る権利を2007年に取得!
という事で、いざオーストラリアへ出発!
まず降り立ったのはブリスベン。
石炭銀座に程近いこの都市の人口は、ここ2年で20万人増えて現在190万人。
現在、資源の豊富なオーストラリアは、好景気に沸いているのです。
そんな、オーストラリア・ブリスベンにある、丸紅の石炭専門の子会社「丸紅コール」へ伺い、岩間耕司社長にお話を伺いました。

岩間社長:取り扱いの金額は大体300億円くらいになります。

かつては、貿易するだけでしたが、今では炭鉱自体を経営するなど事業を拡大!
その後スタッフは、岩間社長と共に700キロ離れた石炭銀座へ出発!
飛行機で1時間半、エメラルド空港に到着。そこから更に車で1時間、丸紅の鉱山があるブラックウォーターに到着!別名、「クィーンズランド州の石炭都市」。
そして、いよいよジェリンバー鉱山へ!まずは、こちらで働く1人の男性にお話を伺ってみました。

スタッフ:ジャパニーズ ベリー フェイマス TVショー「がっちりマンデー!!」ドゥー ユー ノウ?
炭鉱夫:イエス! 

こちらで働く皆さんは、とにかく陽気!
それもそのはず、石炭ブームに沸くオーストラリアでは、石炭を掘る職人が引く手あまた!
なんと!この炭鉱で働く人たちの平均年収は、約1000万円!

そんなオーストラリアでは、石炭の掘り方が日本と全然違うんです。日本の様に穴を掘っていく「炭鉱堀り」という方法ではなく、ダイナミックに上からガッツリ掘っていく「露天掘り」という方式を採用!
そのやり方は…

火薬で地面を爆破して土砂を吹き飛ばす!
ちなみに一発にかかる費用はなんと!1000万円以上!規模の大きなものになると億単位!
こうして崩した土砂をパワーショベルでトラックへ乗せ移動、土砂が片付けられると石炭が現れます。

岩間社長:この事業で難しいのは、大量にある土砂をいかに効率的に運ぶかって事!

そして、この黒いのが全部石炭なんです。
普通、石炭は粉々に砕いた後、洗って不純物を取り除く作業があるのですが、ここで取れる石炭は純度が高く、ほぼそのまま使える!まさに黒い宝石。
こうして掘った石炭は、鉱山の専用駅から貨物列車で港へと運ばれて行くのですが…

なんと!1両だけで約200万円分の石炭を運んでいるこの列車、全部で100両はあるというので、その額は2億円!
こうして石炭は、日本や中国をはじめ、世界へ輸出されていくのです!

岩間社長:鉱山業っていうのは英語で言うと「アースムービング」と言って"地球を動かす"って言うんですけど、非常にロマンのある仕事だと思いますね。

▼スタジオでお聞きしました。
朝田社長:我々「丸紅」は、そもそもの起源は近江商人なんです。昔からの近江商人の商人道の基本が「三方良し」と言いまして、「売り手良し」「買い手良し」「世間良し」なんです。売りと買いを通じて、社会・経済の発展に貢献していこうという「三方良し」。これを実現するためには、もっと強い「丸紅」を実現しなければならないんです。

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