過去の放送内容

「がっちりマンデー!!」毎週日曜あさ7時30分から

がっちりマンデー!!

過去の放送内容

2011年2月20日放送

特集

カラオケ

ゲスト

森永卓郎さん(経済アナリスト)、柳原可奈子さん

番組内容

がっちりマンデー、今回のテーマは「カラオケ」。その国内市場は、なんと!約7000億円!
いまや日本生まれのカラオケは、海外にも進出!まさに日本が世界に誇るアミューズメント!
そこで今回は、儲かりビジネス「カラオケ」の知られざるヒミツを大公開いたします!

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カラオケ業界の歴史と知られざる裏側を大公開!

国内の市場規模約7000億円!日本が世界に誇る儲かりマシーン「カラオケ」!
まず始めにカラオケの歴史を探るべく、全国カラオケ事業者協会・事務理事の片岡史朗さんにお話を伺いました。

スタッフ:一番最初はいつ頃なんですか?
片岡さん:ビジネスで一番最初は70年代初頭ですね。メディアとしては8トラ「8トラック」という形で出ました。

1971年、手づくりで造られた「8トラック」という仕組みのカラオケ。これをスナックや居酒屋に設置したところサラリーマンに大ウケ!
1本4曲入りの伴奏テープをかけ、100円入れると1曲歌えるシンプルな仕組みでした。
しかし、お店のスタッフはテープの交換で大忙し!
そこで1982年に登場したのが…

そう!レーザーディスクタイプのカラオケ!28曲入りで1枚2万円と少々お高めですが、「映像+歌詞スーパー付き」と格段に進化!
さらに、その後のカラオケ業界を大きく変えた"ある機能"を搭載したのです。
それが…

オートチェンジャー!

片岡さん:プレイヤーがあって、オートチェンジャーの中にレーザーディスクが入っているわけです。それをマシンがピックアップして曲をかけるという形です。リモコンで自動で選曲ができるというのは今のスタイルですよね。

面倒だった交換作業が一切なくなり、店員さんも一気に楽になりました。
そして、オートチェンジャーが登場したことで生まれたビジネスが、カラオケボックス!
お客さんが自分で操作できるので仲間内だけで歌える。
そんなカラオケボックスの誕生で、カラオケは飲み屋でのサラリーマンの遊びだけでなく、お年寄りから若者まで、誰でもいつでも楽しめる娯楽として大ブレイクしたのです!
そして、1992年に誕生し、現在業界の主流となっているのが…

音楽と映像がネット経由で送られてくる通信カラオケ。
これにより、レーザーディスクなどのソフトや、オートチェンジャーもいらなくなったのです。
カラオケ機の値段も半分以下になり、急激に広まりました!

では、そんな進化し続けるカラオケ業界の内側はどうなっているのでしょうか?
そこで、東京都世田谷区にあるマンションの一室に伺いました。
早速、中に入ってみると…

黙々と作業をしている一人の男性!
実はこの方、ミュージックブレインズのサウンドディレクター 井上慎太郎さん。
では一体、何をしているのでしょうか?

井上さん:耳コピをしています。オリジナルの曲を聴いて1パート1パート打ち込んでいくんです。耳で聴いてコピーをするという作業です。

井上さんがやっているのは「耳コピ」と言われる作業。
カラオケメーカーが伴奏用の曲を作るとき、レコード会社からもらえるのはCDと歌詞カードだけ、楽譜はもらえません。
だから、井上さんのように、オリジナル曲から1音1音聴き取って、楽譜データを作っていく作業が欠かせないのです。
では、どうやって聴き取っているのでしょうか?

井上さん:ドラムのコピーをしたい場合は、「ドラムを聴くぞ!」という耳でオリジナルを聴いてドラム音を拾い、次は「ベースを聴くぞ!」という耳で聴いてベース音を拾っていく感じです。

ひたすらオリジナルの曲を聴きながらドラムの音を探したり、ギターの1コードを聴き取ってそこに入力したりと、気の遠くなるような作業。中でも特に聴き取りづらいのがシンセサイザーの音なんだそうです。

そして、完成した楽譜データがこちら!耳だけで32パート(楽器)全てを楽譜にしている!
ちなみに1曲のデータを作るのに4〜5日は費やされるそうです。
そんな、ミュージックブレインズでは、月に約150曲を耳コピ制作!
業界には耳コピ制作の会社が20社ほどあり、発注元の第一興商では、毎月約1000曲のデータを配信しています。

こうして完成したカラオケの楽曲には、大事な作業が待っているそうなんです。
そこで、カラオケメーカー最大手の第一興商に伺いました。
お話をお聞きしたのは、第一興商テロップ制作課・リーダーの馬場美政さん。

スタッフ:何の作業をしているんですか?
馬場さん:歌詞の色変えをしています。

そう!カラオケになくてはならない「歌詞の色変え」!
なんと馬場さんは、歌詞の色変え歴15年の大ベテラン!手がけた曲は3万曲以上!
では、一体どうやって作業を行っているのでしょうか?

馬場さん:色変えはマウスで行います。マウスを縦に引くと色変えが横に動くんです。

カラオケの曲に合わせてマウスを上から下にスライドさせると、歌詞の色が手の動きに合わせて付いていく!
ほんの僅かな動きで、色変え速度が変わってくるなんとも繊細な作業。
そんな色変え作業には、馬場さんの絶妙なテクニックが隠されているそうなのです。

馬場さん:歌い出しって難しいじゃないですか?なのでちょっと先導してあげるんです。そうすると「あっ!」って気づくんですよね。お客さんが色変えを見て「声を出さなきゃ!」ってなるんです。

歌詞の色変えは、お客さんが歌いやすいように、リードしてあげないといけない!
だから、曲の出だしと、間奏後の歌い出しだけは、メロディよりも色変えを0.1〜0.3秒先行させるのが大事なポイント!
さらに、歌詞の伸ばす部分は、歌に合わせて色を変える速度を微妙に落としているんだとか。

馬場さん:皆さん機械でやっているって思われてるんですけど、微妙な間隔も手でしか出せないので全てが手作業です。

第一興商では、ハングル語や中国語などの歌詞も、その国の方が色変えしているのです!
そしてもうひとつ、カラオケに欠かせないモノを作っている第一興商映像制作課・チーフの福本崇さんにもお話をお聞きしました。
お仕事はもちろんカラオケ映像の制作なのですが、テレビや音楽映像の制作とは作り方が全く違うそうなんです。

福本さん:テーマごとに映像を撮りだめております。海であったり、春であったり、テーマを設けまして、そのテーマごとに映像を作り、それをカラオケの中に搭載しているというような感じなんです。

例えば「Sweet Season」という曲の場合、まずは歌詞をブロックに分け、当てはまるテーマを決める。「刹那に照りつける太陽を感じた」の部分なら「夏の太陽」というテーマを選択。すると…

その映像を膨大な映像ライブラリの中から機械が探し出し、画面に映し出す。
このように、歌詞にブロックごとのテーマを貼り付けることで、ひとつの曲が完成するのです。
そうすると大事なのは、テーマとなる映像の撮影!その際、一番やってはいけないことが…

福本さん:時代性を感じさせない事です!例えば携帯電話とかは時代が変わると機種も変わってくると思うので、そういったものは極力使わないようにします。どうしても演出上見せなきゃいけない時は、携帯電話をフューチャーさせないような映像の撮り方をしています。

いつの時代の、どんな曲に映像が使われるか分からないので、時代が特定されるものは極力避けているんです!

▼スタジオでお聞きしました。
進藤:いまカラオケメーカーって何社くらいあるんですか?

森永さん:いま大手メーカーが2社あってですね、第一興商とエキシングの2つなんです。昔はたくさんあったんですが、ひと月に1000曲増えると小さな会社ではとてもやってられないんですよ。だからある程度の規模がないと新曲に対応出来なくなっちゃったんですよね。

日本一の店舗数を誇るカラオケチェーン店とは?!

全国に約10000店舗あるカラオケボックス業界には、現在様々なチェーン店があります。
例えば、全国に68店舗ある「カラオケ歌広場」は、とにかく都内の繁華街に集中出店戦略!
全国49店舗の「カラオケの鉄人」は、歌うとたまるポイント制を導入!など、各社独自の戦略で競い合う激戦状態!
そこへ、カラオケチェーンの勢力地図を大きく塗り替える会社が群馬県に現れました!

全国のカラオケボックス店舗数ランキングを見てみると、第3位・278店舗!第一興商が運営する「ビッグエコー」。
第2位・303店舗!レストランカラオケ「シダックス」。
そして311店舗で堂々の第一位は、創業から僅か13年の「カラオケ本舗まねきねこ」!なんと年間売上げは165億円!

そこで、「カラオケ本舗まねきねこ」の儲かりのヒミツを探るべく、運営会社の株式会社コシダカへ伺いました。
出迎えてくれたのは、コシダカ首都圏事業本部の田邉政夫さん。早速、お話を伺うと…

田邉さん:うちは郊外型の店舗で勝負しているんです!

そう!「カラオケ本舗まねきねこ」は、繁華街や駅前ではなく、なぜか郊外の道路沿いばかり。実は、お客さんのターゲットを飲み会の二次会などではなく、住宅街の主婦層を中心にしたところ大当たり!
さらに…

田邉さん:ほとんどのお店が居抜きで行っているんです。

なんと!全国に311店舗ある内の250店以上が、閉店した他のカラオケ店を再利用して営業しているんです!

だから、お店の外観はバラバラ。そのため、出店の初期費用がほとんどかからないのです!
出店費用を極力抑えたことで、「カラオケ本舗まねきねこ」は、普通じゃ考えられないサービスを開始!
それは…

田邉さん:飲食の持ち込みをOKにしたんです。

本来、フードやドリンクの注文で稼ぐのが基本のカラオケ業界で、なんと!「まねきねこ」では、飲食の持込みをOKにしたんです!
お店をのぞいてみると…

持ち込まれた手作り料理でテーブルが一杯!
でも、本当に経営の方は大丈夫なのでしょうか?

田邉さん:大丈夫です!オーダーは減るんですが、店員の作業が減るので、人件費を削減することができるんです。

そう!カラオケ店の大きなコスト「人件費」の大幅カットに成功したのです!
例えば、千葉県の船橋駿河台店では、店員はなんとたったの1人!
そのため、お会計に時間が掛かることもありますが、驚きの安さだからお客さんも気にしない!
こうして店舗数No.1になった「カラオケ本舗まねきねこ」!この快進撃はまだまだ続きそうです!

カラオケルームで見かける"あれ"に大革命!

続いてやって来たのは、大阪にある株式会社ソウケン。
この会社、カラオケボックスの狭い分野に参入しようとしているそうなのですが、一体何をやっている会社なのでしょうか?そこで、ソウケンの浅尾孝司社長にお話を伺いました。

浅尾社長:ブラックライトアート壁紙です。

暗いところで、特殊なインクに紫外線を当てて光らせるのが、ブラックライトアート!
独特の幻想的な空間が作れるとあって、カラオケボックスでも大人気!
では、これまでのものと何が違うのでしょうか?

浅尾社長:実はインクジェットという機械で印刷しているんです。これは世界初なんです!今までは、ブラックライトアートと呼ばれるものは、アーティストの方が直接壁に手で描くという手法が使われていたんです。

これまで、ブラックライトアートは手描きで、ラインの縁取りを光らせる様な描き方が多かったんです。

しかし、インクジェット方式なら細かな描写も鮮やかで明るい!
ソウケンでは、2年をかけてブラックライト用にプリントできるインクとシステムの開発に成功!
すると、こんな事が可能になるんです…

なんと!写真もブラックライト用にプリントすることが出来るんです!
イラストだって簡単に印刷が可能!
壁紙に短時間で鮮明にプリントできるとあって、ソウケンは社員7名で、なんと!年間売上げ6000万円!

▼スタジオでお聞きしました。
森永さん:「まねきねこ」みたいなビジネスがなんで出来たかというと、カラオケの使用料っていうのは定額制になっているんですよ。一部屋1ヶ月いくらというのをお店はカラオケの会社に払うんです。だから、安くてもとにかくお客さんを入れてずっと動かした方が得なんです。

進藤:これからカラオケ業界はどのように展開していきますか?

森永さん:カラオケのためだけの部屋ではなく、ビジネスや普段のみんなの集まりとか、色んなことに利用の幅が広がっていくと思います。

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