過去の放送内容

「がっちりマンデー!!」毎週日曜あさ7時30分から

がっちりマンデー!!

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2011年1月30日放送

特集

日本初の洋菓子メーカー!森永製菓!

ゲスト

森永製菓(株)矢田雅之社長

番組内容

今回のがっちりマンデーは「森永製菓株式会社」
日本で一番長い歴史を持つ洋菓子の会社で、その創業は明治32年!
そんな森永の強さのヒミツはなんといっても、超ロングセラーなお菓子がいっぱいあるってこと。
どうしてこんなに長く売れ続けるのか?それにはもちろんわけがあるんです!
ということで、今回は森永製菓の儲かりのヒミツに迫ります!

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森永製菓のお菓子にロングセラーが多い理由

森永製菓の創業は、今から112年前の明治32年。
森永太一郎さんが設立した「森永西洋菓子製造所」がその始まり。
太一郎さんは、アメリカを旅していた際、現地の甘くておいしいお菓子に感動し、約10年間をかけて作り方を猛勉強しました。
そして日本に帰国後、こんな荷車を引いて、自分で作ったマシュマロやキャラメルなどを売り始めました。

日本人が作った初の洋菓子販売でしたが、これが大失敗!
アメリカと違い、高温多湿な日本の夏に、キャラメルも飴も全部溶けてくっついてしまい、売り物にならなかったのです。
そこで太一郎社長は考えた。「だったら、キャラメルも飴も一個ずつ分けて包装すればいいんじゃないか」と。
全ての商品を一つずつパラフィン紙で包み販売を再開。

すると、これが大成功!森永のお菓子は爆発的に売れていったのです。
今、いろんなお菓子が一個ずつ丁寧に包装されているのも、元は太一郎社長のアイデアだったんです!

そんな森永製菓には、超ロングセラー商品がいっぱい!
日本初のキャラメル、森永ミルクキャラメルは、発売から98年。

カカオ豆から作った日本初の板チョコは、発売93年目。

お馴染みのマリービスケットは、発売88年目。

他にもエンゼルパイに、チョコボール、チョコフレーク、小枝など、軒並み40年を超える超ロングセラーお菓子の宝庫なのです!

でも、どうして、こんなに長い間売れ続けているのか。
そのヒミツを探るためにやってきたのが、栃木県の森永製菓小山工場。
まずは、チョコボールの製造工程を見せてもらうことに。
こちらがチョコボールの中に入っている原料のピーナッツ。

大きさを選別してから、小麦粉と水あめでまわりをコーティングします。

このあと、高温で20分ほどローストしたら、こんな感じ。

まだこの時点では、まん丸にはなっていません。
そしてここからが、チョコボールづくり最大の山場とのこと。
何やら、つぼ状のマシンがぐるぐる回っていますが…
小山工場の山﨑修一工場長に説明して頂きましょう。

山﨑さん:これはローストしたピーナッツにチョコレートをかける機械です。

そう、実はこれ、チョコボールをチョコで包むためのマシン!
銅製のつぼの中で、チョコを少しずつかけながら、ぐるぐる回転させること80分。
チョコボールを丸い形にしていきます
実はこの製法、一度に大量のチョコボールを作るために編み出されたもの。
最後につやだしのシロップをかけたら、懐かしのチョコボールの完成!
ちなみに、いちご風味のチョコボールも同じ要領で作っています。

ここで、山﨑工場長に森永製菓の超ロングセラーのヒミツを伺ってみました。

山﨑さん:少しずつ味を変えているところです。

ということで、そのヒミツを探るべく、横浜市の森永製菓研究所に潜入。
2人の研究員さんが工場で使用している機械のミニチュア版を使って、チョコボールの味の改良テストをしていました。

さっそく、チョコボール担当の研究員・西村研さんに話を伺いました。

西村さん:今度の春に味のリニューアルをしようと思っていまして、現行品質と新しくしようとしている品質を作っているところです。

というのも、昔からずっと同じ味だと思っていたチョコボールですが、実は発売から44年間、ほぼ毎年ちょっとずつ味を変えているのだそう。
では、今回はどこが変わったのでしょうか?
チョコボール担当の研究員・寺山紘子さんに聞いてみました。

寺山さん:ピーナッツのロースト方法を甘さやコクが出るように変更したので、それに合わせてチョコレートも甘みとコクが出るようなものに変更しています。

昔からの味をただ守り続けるのではなく、その時代時代のお客さんの好みに合わせて、ほんのちょっとずつ変えていく。
これこそが、森永のお菓子が超ロングセラーとして売れ続けるヒミツのひとつなのです。

代わり続けているのは、チョコボールだけではありません。
こちらで研究員の加藤佳恵さんが試作しているのは、森永ハイチュウ。

このハイチュウもほぼ毎年リニューアルしているんだそう。
さっそくお話を伺ってみました。

加藤さん:今のお客様は、よりソフトな食感を求めている方が多いので、よりソフトに…

なんでも2011年のハイチュウは、昨年までのものより、ちょっとだけ柔らかくなる予定なんだそう。
味も食感もほんのちょっとずつ変え続けるのが、長続く売れ続ける秘訣だったんです!

おもちゃのカンヅメの秘密

もうひとつ、森永のお菓子が長〜く売れ続ける理由、それは宣伝がとってもうまいこと!
その一番の成功例が、チョコボールの宣伝のために作られた秘密兵器「おもちゃのカンヅメ!」

チョコボールのくちばしを開けたところに、金のエンゼルがあれば1枚、銀のエンゼルなら5枚集めれば必ずもらえるもの!
実は、これ、なんと40年以上も続いているギネス級のキャンペーンなのです!
おもちゃのカンヅメ欲しさに、どんどんチョコボールを買っちゃうという、とっても分かりやすく、効果的な作戦!
こちらが今もらえる、おもちゃのカンヅメ、名付けて「宇宙缶」。

実はこのおもちゃのカンヅメ、これまでに30回以上もモデルチェンジしているんです!
というわけで、その歴代のカンヅメが眠っているという本社ビル内の史料室へ潜入。
迎えてくれたのは、森永の歴史の番人・野秋誠治さん。
40年以上に渡る歴代のおもちゃのカンヅメ。実は、このおもちゃのカンヅメにはひとつだけ、森永製菓が定めたキビシイ掟があるのだそう。

野秋さんに聞いてみましょう。

野秋さん:おもちゃのカンヅメの中に何が入っているのかは、僕も見ちゃいけないんです。
スタッフ:社員の方で知っている人はいるんですか?
野秋さん:いないと思います。おもちゃのカンヅメの中身は、トップシークレットなんです。多分、社長も知らないと思います。

念のため、工場の方に聞いてみても、誰一人中身を知っている人はいませんでした。
エンゼルマークを集めた人しか中身をみることが出来ない!
ちょっと子どもっぽいようにも思えますが、こうして、「おもちゃのカンヅメ」のミステリアスな感じが守られていたのです。
だからこそ、欲しくなる!これもまた、森永製菓のロングセラー戦略の一つなのです。

他にも、大成功した森永のお菓子キャンペーンがあります。
それは、皆さんもきっと乗っかったことがあるはずの…「セントバレンタインデー」。

菓子マーケティング部の櫻木孝典さんに話を伺いました。

櫻木さん:1960年くらいに、日本での認知率がまだ1桁台だったバレンタインを、一気に大衆的に広めるプロモーションを森永製菓が初めて行ったんです。

そう、ヨーロッパでは元々、恋人や親しい人同士で贈り物をする日だったバレンタインデーを、森永製菓が、「この日は女子から男子に愛の告白と共にチョコを渡す日」と言い切ったのです!
今やバレンタインデーは、森永以外のチョコも売れまくる、日本独自、年に一度の国民行事にまで成長。
ところが今、このせっかく日本中に浸透したバレンタインのチョコの習慣を、ひっくり返すようなキャンペーンを森永製菓が始めたのです!
それは、男性から女性へチョコを渡す「逆チョコ」というプロモーション。
そのための戦略商品が、ダースチョコレートのパッケージを逆に印刷した逆ダースチョコレート!

確かに、普通に考えると男性より女性の方がチョコ大好きな人は多いはず。
だから、女性に渡すとなると、なるほど、売り上げも増えそうです!

▼スタジオでは矢田社長にお話を伺いました。
加藤:宇宙缶の中身は、本当に社長もわからないんですか?
矢田社長:何にもわからないですよ。中身を知っているのは、おもちゃのカンヅメ担当だけですよ。

森永製菓のロングセラーはお菓子だけではない!

超ロングセラーお菓子王国、森永製菓。
長〜く売れ続けているのはお菓子だけではありません!
お菓子以外にもロングセラーがあり、しかも、日本で初めての商品がたくさん!
たとえば、日本初のココア飲料である「森永ミルクココア」。
こちらも発売から90年を超える超ロングセラー。

そして、今年で発売から54年を迎える「森永ホットケーキミックス」。

こちら、何が初めてなのかというと、発売当初のパッケージに書かれていたインスタントのマーク。

このインスタントという言葉を世に広めたのは、森永製菓だったのです。
そう、森永製菓はお菓子以外にも、新しいジャンルに挑戦するのが大好き!
そんな新しいジャンルで今、森永製菓の売り上げの約3割を占めている儲かり商品が、ウイダーインゼリー!

こちら、森永製菓の商品だって、知っていましたか?
アメリカの健康食品会社ウイダー社と提携して、1994年に発売しましたが、なんでも最初は現在のようなゼリーではなく、缶の容器に入った飲み物として発売したんだとか。

ウイダーインゼリーの総責任者である松﨑勲ウイダー事業本部本部長に話を伺ってみましょう。

松﨑さん:飲み物だった頃は全然売れませんでした。

そんな時、CM契約をしていた橋本聖子さんが一言。
「歯ごたえがあるものだと、もっと力がでるような気がする!」

松﨑さん:橋本聖子さんもそうなんですが、色んなアスリートの方から、『朝ごはんにバナナを食べて、牛乳を飲んでいる。それを1つで叶えるような商品があればすごく便利』っていうことを言われていました。

そこで生まれたのがゼリータイプ。朝ご飯にぴったりなウイダーインゼリーだったのです。
ところで、ウイダーインゼリーの中身はどうなっているのでしょうか?
つぶつぶのゼリーが入っている?いいえ違います。
先ほどの研究所で、中を見せてもらうと、なんと中には、固まったゼリーが入っているんです。

では、どうしてつぶつぶの食感になるのでしょうか?
ウイダーインゼリー担当の研究員・山口貴裕さんに聞いてみましょう。

山口さん:ストローの構造にヒミツがあります。ストローの上部には小さめの穴、先には大きな穴を開けてあるので、砕かれて出てくるぜりーの大きさが一種類ではなく、何種類かでてくるんです。それで、複雑な食感を味わう事ができるんです。

そんな工夫が詰まった大ヒット商品、ウイダーインゼリー。
今のままでも十分と思いきや、何やら新戦略があるんだそう。

山口さん:缶のゼリーに取り組んでいる最中です。

しかし、缶のウイダーは失敗したのでは…?

松﨑さん:今、缶にゼリーを入れることが、逆に新鮮じゃないかなと思ったんです。缶に入ったゼリーを振って飲む…

果たして、ウイダー缶の勝算は?

▼スタジオでは矢田社長にお話を伺いました。
加藤:缶で失敗したんだから、もう缶はいいでしょう!
矢田社長:缶なら自動販売機でも売ることが出来るんです。
加藤:なるほど。これからも新しいものどんどん開発してくださいね。
矢田社長:新しいものを生み出すのは難しいですが、一番最初に商品を出せば、確実に先行者のメリットがありますからね。

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