過去の放送内容
2010年6月27日放送

特集
おらが県こそ輝くNo.1!「岐阜県」
ゲスト
森永卓郎さん(経済アナリスト)、熊田曜子さん
番組内容
今回のがっちりマンデーは、おらが県こそ輝くNO.1第2弾!「岐阜県」。
岐阜県と言われてもなかなか特徴が思いつかないですが…
実は、岐阜県には日本一!いや、世界一!がたくさんあるんです!
そこで、実はスゴイ!岐阜県の魅力を余す所なく、お届け致します!
岐阜県のNo.1が続々登場!
まずは、岐阜県の有力な情報を得るために、岐阜県庁の「モノづくり振興課」を訪ねました。
出迎えてくれたのは、岐阜県モノづくり振興課の中谷哲雄課長。
早速、中谷さんに岐阜県の魅力を伺ってみると…
中谷さん:岐阜県はモノづくりが盛んな県なんです!
という事で、岐阜県の取材…

スゴイNo.1がある!と、中谷さんに教えていただいたのが、県南部に位置する各務原市。
おじゃましたのは、川崎重工業株式会社。一体、こちらでは何を作っているのでしょうか?
川崎重工業株式会社 航空宇宙カンパニーの安部清隆さんにお聞きしました。
安部さん:「777」と言われる旅客機の胴体部分を製造しています。
こちら、川崎重工業が作っているのは旅客機の胴体。
あのボーイング社から発注され、ジェット機の胴体部分を製造しています!

実はここ各務原市は日本有数の飛行機の街!
川崎重工を初め、飛行機のパーツを作る会社が20数社も集まっているんです!
阿部さん:飛行機づくりは分担制になっていまして、当社は胴体部分をつくっています。
実は、開発に必要な膨大な費用、そのリスクを回避するため、パーツごとに色んな会社で分担してつくっているんです。

例えば、三菱重工は胴体の後ろ部分を担当、富士重工は機体の底を担当、川崎重工は胴体の前の部分を担当してるんです。
そして、実際に製造している飛行機の胴体を見せていただいたのですが、その薄さにビックリ!

薄さなんと6mmのアルミニウム!1円玉4枚とほぼ同じ厚さ!
川崎重工では、軽さを追求した胴体を年間60機分もつくっているんです。
また、その他には自衛隊の輸送機などを生産、ヘリコプターの生産は国内シェアNo.1!!
でも、一体なんで各務原市が飛行機の街となったのでしょうか?
川崎重工業株式会社 航空宇宙カンパニーの早野幸雄さんに伺ってみました。
早野さん:古くは明治の頃に、陸軍の大砲の演習所があったんです。その後、飛行機を飛ばすために訓練する飛行場をつくり始めたんです。
昔からこの辺り一帯は「かがみの」という、ただ広いだけの使い道のない土地だったのです。
ところが明治時代、陸軍が何もない広いスペースに目をつけ、大砲を撃つ演習場として使い始め、しばらくすると滑走路がつくられて飛行場として利用されました。
そこに、どんどん飛行機関係の会社が集まってきたってワケ。
大きい飛行機づくりには岐阜の広い土地がピッタリだったんです!

確かに、川崎重工の敷地もハンパじゃない!
なんと70万平方メートル、東京ドーム15個分!
そして次に伺ったのは、そんな川崎重工のお隣にある岩戸工業株式会社。
こちらにも世界に誇るNo.1飛行機パーツがあります!
出迎えてくれたのは、岩戸工業株式会社 井納誠社長。
一体、こちらでは何をつくっているのでしょうか?
井納社長:航空機の貨物を入れる扉を作っております。

こちらでつくっているのは、飛行機の側面にあるコンテナを収めるときに開く「ラージカーゴドア」。
そして、岩戸工業にはスゴイNo.1技術が…
井納社長:基本的にはリベットが主体です。
リベットとは、飛行機づくりには欠かせない留め具の一種。
片側だけ留めるネジと違い、リベットは両側から潰して密着させる。
ネジのように取り外しがきかない変わりに、強度はグ〜ンと強い!
うっかり外れたり緩んだりが絶対に許されない飛行機では、溶接やネジよりもリベットが良いんです。

小さな穴にギリギリ入るリベットを装着させる。この時の誤差はなんと僅か0.02mm!
緩すぎても、きつすぎてもダメなんです。
井納社長:穴に対して緩いとガタガタして、そこから亀裂が入っちゃうんです。
1枚の扉に打つリベットは、「777」で約8000個!
飛行機扉のNo.1!岩戸工業は、リベット打ち国内最高のプロ集団でもあるのです!
そんな岐阜県は飛行機でがっちり!
▼スタジオでお聞きしました。
熊田さん:他にも各務原市は、冬のソナタのロケ地「春川(チュンチョン)市」と姉妹都市なので、各務原キムチが誕生してスゴイ人気なんですよ。
まだまだあった!岐阜県のNo.1
再び、岐阜県庁モノづくり振興課の中谷さんに岐阜県のNo.1企業を聞いてみると…

中谷さん:これをつくってNo.1の企業があります。
"これ"って一体なにを作っている企業なんでしょうか?
そこで伺ったのは、岐阜県のほぼ中央に位置する関市のとある会社。
出迎えてくれたのはカインダストリーズ株式会社 常務取締役 山田克明さん。
スタッフ:こちらは何がナンバー1なんですか?
山田さん:これで、No.1です!

そう、T型カミソリでお馴染みの貝印!
昭和36年の発売以来、今でも年間4500万本出荷の超ロングセラー!
山田さん:スパッと根元から切る感覚がお好きな方や、1本30円という安さが人気のヒミツです。
貝印では、T型カミソリの他にも、包丁・爪切り・家庭用調理器具まで、あらゆる刃物をつくっています。
その数なんと!2500種類!売上高は249億円!!
そして関市には、貝印のような刃物会社が360社もあるんですが、一体なぜ?関市にはそんなにも刃物会社が集まったのでしょうか?
山田さん:この関の町には800年前から刀鍛冶の方がたくさんいらっしゃいまして、日本刀をつくっていました。

実はここ関市は日本一の刃物の街。
その歴史は鎌倉時代に端を発し、関の孫六がつくったと言われる名刀「兼元」をはじめ、数々の名刀が生まれました。
山田さん:関では焼き入れに必要な良い水が採れました。それから焼き入れの際の熱源として、松炭が非常に良かったんです。
関市が刃物の街になったのは、刃物を冷やす長良川の豊かな水、さらに燃料の松炭がよく採れる!そんな刃物づくりに最適な環境が整っていたため、全国から刀匠達が移り住んできたんです!
だから関市では今でも、刃物をつくる会社がシノギを削っているんです!
そして、貝印のこだわりは?
山田さん:カミソリ業界は「刃」が命です!
刃にこだわり、現在カミソリは5枚刃にまで進化!
単にカミソリと言っても、刃先だけで幾つもの特許があるんです!
今後、どんなカミソリが岐阜県関市から誕生するのか大注目です。
そんな岐阜県はカミソリでがっちりです!
そして次に、モノづくり課の中谷さんに教えてもらったのは、岐阜県西部にある大垣市内で"あるビン"をつくってNo.1の企業。
伺ったのは、日本耐酸壜工業株式会社。迎えてくれたのは副社長の堤健さん。
一体、こちらの会社では何のビンをつくってNo.1なのでしょうか?
堤さん:リポビタンDのビンの生産でNo.1です。
リポビタンDは栄養ドリンク剤の中で一番売れていて、ビンの生産本数はなんと年間7億本!その半分以上を製造しているというから驚きです!
リポビタンDをつくっている大正製薬さんも…

榊さん:このリポビタンDのビンを一番たくさんつくってもらって助かってます!
大正製薬の工場は、埼玉と岡山にあって、岐阜の日本耐酸壜はその真ん中、地理的にもビンを運ぶのにピッタリの場所だったのです。
そんな日本一のビンをつくっている工場を案内していただきました!
すると…

ものスゴイ勢いでつくってる!
真っ赤なガラスのかたまりが鋳型に流し込まれ、瞬時にビンの形に!
堤さん:1分間に700本以上作っています!このスピードで生産しているのは世界でもウチだけです!
日本一売れる栄養ドリンク剤のビンをつくらなければならないので、とにかくスピードが命!
なんと1分間に700本!1日約100万本を製造しているのです。
そして、堤さんによるとリポビタンDのビンの裏にはちょっとした秘密が…
堤さん:ビンの裏にNTと入っていますが、これは日本耐酸壜の略です。
このNTのイニシャルは、岐阜県が生んだビンのプロ!日本耐酸壜の印!
みなさんも今度ビンの底をチェックしてみてくださいね。
そんな岐阜県はリポビタンDのビンでがっちり!
続いてやってきたのは、岐阜県のほぼ真ん中にある美濃市。
江戸時代の街並みを今も残す歴史豊かな街。
そんな美濃市に、あるスゴイものをつくってNo.1の老舗企業があるんです!
伺ったのは、田中製紙工業株式会社。出迎えてくれたのは8代目 田中治助会長。
田中会長:代々襲名で、今年で創業以来270年位になります。
一体、そんな田中製紙工業はどんなスゴイものを作ってしまったのでしょうか?
田中会長:新素材のセラミックスシートを作っています。
ということで、実際にその新素材のセラミックスシートを見せていただきました。

スタッフ:これ紙ですよね?
田中会長:シート!紙じゃないのこれ!紙の様で紙じゃない。
紙の様で紙じゃない、田中会長ご自慢のファインセラミックスシート!

スタッフ:でもこれ紙ですよね。
田中会長:紙じゃないって言ってるでしょ!
このセラミックスのシートには、紙とは大きく違う特徴があると言うのです!
すると会長、ファインセラミックスシートに火をつけるように指示を出しました!

そう、このファインセラミックスシートは、紙の軽さと柔らかさを持ちつつも、燃えない夢の素材だったのです。
しかし、製造工程は残念ながら取材不可だったので、その仕組みをもの凄く簡単に説明すると、石のような硬い素材を水に溶かして紙にしてるんだとか。
美濃市と言えば昔ながらの和紙の名産地、紙作りに必要な水やコウゾなどの原料が豊富に採れることもあって、紙すきの技術が発達しました。
このファインセラミックスシートも美濃で270年の紙すき技術を培った田中製紙工業だからこそ可能になったのです。
熱に強いという特徴を活かして様々なところで引っ張りだこ!
例えば、200度近くなるIHヒーターの断熱材に使われたり、熱の影響を受けてはいけない特殊な電池の中に使われていたりするんです。
これは随分と儲かっているんではないでしょうか?

田中会長:ココと同じで"儲け(毛)"が少なくなる!
そんなことを言いながらも、どんなモノにも使えちゃうファインセラミックスシートは、業界シェアなんと90%とダントツ!!
そんな岐阜県は、セラミックスシートでがっちりです!