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「がっちりマンデー!!」毎週日曜あさ7時30分から

がっちりマンデー!!

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2010年6月13日放送

特集

長〜く続いている企業に学ぼう!会社が長〜く儲かる理由

ゲスト

関口宏さん、森永卓郎さん(経済アナリスト)

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世界最古の会社「金剛組」

まず最初の長〜く続いている会社は、大阪市天王寺区にある株式会社金剛組。
出迎えてくれたのは、金剛組 相談役の金剛利隆さん、なんと!39代目!
創業は、なんと今から1400年以上昔、西暦578年の飛鳥時代!世界で最も古い現存する会社なのです。
では一体、この金剛組は何の会社なのでしょうか?

金剛さん:分かりやすく言えば建設会社。神社やお寺を建てております。堂宮大工と言います。

堂宮大工と言うのは、神社仏閣を専門に建てる大工さんのこと。
金剛組の最初のお仕事は、あの聖徳太子が発注主と言われる大阪・四天王寺の建立でした。
この四天王寺、1400年の間に焼失・倒壊したのが計7回。それを、その都度再建してきたのが金剛組なのです。
そんな金剛組は現在、日本各地の神社やお寺を建築中。
そこでお邪魔したのが、埼玉県にある真言宗 慈眼院の建築現場。
この現場を仕切っているのが、28歳の副棟梁 立川徹さん。

スタッフ:立川さんは金剛組の社員なんですか?
立川さん:いえ、北野組の社員としてやっています。

実は、現在金剛組みで働く堂宮大工は約120人、この120人は8つの組に分かれていて、金剛組が受注した仕事を、各組に割振るという仕組みになっているのです。

こちら大阪・堺市にある金剛組 関西加工センター、ここは現場で使う建築材料の仕込みをする場所。
しかし、同じ場所でも作業は組ごとに別々。
伺った日は、加藤組・木内組・桝本組の3組が材料の仕込み中でした。
でも、何で8組に分かれているのでしょうか?
そのワケを加藤組の棟梁、加藤博文さんに伺ってみました。

加藤さん:一組ですと技術もあまり向上していかないですが、関西6つの組、東京入れて8つの組がありますと、そよの組で良い仕事をしているのを見たら、それ以上の事を考えて仕事しますよね。

組織がひとつだと、どうしても馴れ合いになってしまう、あえて別々のチームに分けることで、職人達がプライドをかけて競い合うようになるのです!

お寺の建立で一番重要なのが、桝と言われる屋根を支える部分。
そこで、桝の模型を使って加藤さんに作り方を見せてもらいました。
すると…

木材をパズルの様にはめ込んでます。

加藤さん:釘を使わないで全部、金物なしで組んでいきます。

なんと、釘などの金物を一切使わずに組み上げていくのだとか!でも、釘を使った方が頑丈に作れるのでは…?

加藤さん:釘はいったん緩んだら元に戻る事はないのですが、こういう組モノだと揺さぶってもまた元に戻って入っていくんです。

釘などの金物を一切使わないのは、一度緩んだら元に戻らないから。この桝組みの技術も金剛組みに代々受け継がれてきた技のひとつなのです。

そして、先ほど伺った埼玉の現場では、北野組の立川さんが桝の表面に何やら書き込んでいますが…

「ガッチリ立川徹」って一体何のことでしょうか?

立川さん:これは落書きです!見えない部分なので。

見えない部分とは??

柱と桝の組み合わせ部分に、がっちり封印されちゃいました。

立川さん:未来の人に「この時代に自分がやったよ」というメッセージです。

落書きは、「この仕事は自分がやった」と、数百年後に改修工事をやるであろう何代も後輩の大工たちに伝えるモノでもあるのです。

老舗・天然の「ろう」でがっちりなセラリカNODA

続いての長〜く続いている会社は、神奈川県愛川町にある、セラリカNODA。
随分とハイカラな名前で、ちょっと老舗な感じではありませんが…
そこで、何をやっている会社なのか12代目の野田泰三社長に聞いてみました。

野田社長:生命ロウ、セラリカの会社です。生命ロウというのは動植物から作られている、生物が生み出しているロウのことです。

こちらのセラリカNODAは、植物や昆虫の分泌物から天然の「ろう」を作る会社。
創業は江戸時代 天保3年(1832年)、かれこれ180年近く前。元々は野田製蝋という名前で、ハゼの木の実から「木ロウ」というロウを作っていて、当時の和ろうそくや、お相撲さんの鬢付け油として大活躍!
昭和に入ると、ポマードの原料としても利用されるなど順調に売り上げを伸ばしていきました。
ところが、1960年代とつぜん会社が大ピンチに!!

野田社長:ポマードの時代から、頭にふりかけるような石油化学のプラスチック的なもので髪を固めるという事に変わっていったんです。

ポマードやロウソクが、石油化学系の原料のモノにガラリと変わっちゃったんです!
当然、木ロウの売り上げは激減したのです。
しかし、そんな時に社長に就任した12代目の泰三さんは考えました。
そして、あることを閃いた泰三さんは、大手コピーメーカーに飛び込み、木ロウを売り込んだのです!!

野田社長:新しい情報産業は皆、熱で印字します。印字する時に溶けやすくて固まりやすい生物系のロウの持っている性質があるわけです。それは、印字のスピード化に非常に役立つ訳です。

コピー機のトナーに木ロウなどの天然ロウを加えると、熱で溶けやすく、冷えると固まりやすくなる!ということは、コピーのスピードがアップする!!
当然コピーメーカーも即採用!

この天然ロウ、現在でもプリンター、コピー機のトナーには欠かせない必需品なのです。
そして、なんと!国内のコピー用トナーの5割以上にセラリカNODAの天然ロウが使われています。
さらに2002年、この会社が新開発した大ヒット商品が…

こちらの住宅内装用のワックス「セラリカコーティングピュア」。
元々、天然ロウは100%天然物なので、体に害が無いというのが売り。
だから、コンビニで売っている肉まんの表面のツルツルも、天然ロウ成分なんだとか。

野田社長:これは舐められるワックスです。

ということで、スタッフが実際に舐めてみると?

スタッフ:美味しいものではないです!

でも、赤ちゃんが床に寝転がっても安心、シックハウス症候群も防げる!ということで、大手の住宅メーカーから引っ張りダコなんだとか!
そんな伝統の技術を今に生かして絶好調のセラリカNODAはがっちり!

京都で銅線の会社?津田電線

長〜く続いている会社を探して京都へ。
いかにも「日本の伝統」って会社がありそうですよね。
そして訪れたのは京都府久御山にある津田電線。
出迎えてくれたのは、津田電線7代目の津田幸平社長。

スタッフ:日本で最初の電線メーカーと聞いたんですが?
津田社長:ペリーが黒船に乗って浦賀にやってきた翌年の創業です。

津田電線は江戸時代末期、安政元年(1854年)の創業。
でも何故、電気のなかった江戸時代に、しかも京都に電線屋さんができたのでしょうか?

津田社長:銅線を、水車を動力にして引いていました。

銅線を引くって一体どういうことなんでしょうか?
当時、創業者の津田幸兵衛が作っていたのは銅線、元々は神社やお寺の多い京都で屋根瓦を固定するために作られていたのです。
その作り方は高野川の岸に水車を回して、その力で熱した銅を細く伸ばし、銅線にして巻き取る。

この部分が鉄板を重ねた物で、大きな穴から小さな穴へ引っ張ることで、銅線を細く伸ばしていたのです。
この銅線作りに目を付けたのが、当時の明治政府、電線や通信線の国産化にうってつけの会社として津田電線を抜擢したのです。

現在の主力製品も、もちろん銅線。引っ張るのは水車ではなく当然モーターですが、機械の中にはダイスと呼ばれる水車の時と同じ構造の器具が幾つも入っていて、銅を徐々に細く伸ばしているのです。
ということは170年前に銅を伸ばしていた時と変わらないのでは?
そこで津田電線 製造部長 加藤靖さんに聞いてみると…

加藤さん:ほとんど変わっておりません。水車を使った形と動力源が変わっただけで、同じようにやっております。

8?の銅線があっという間に2.1?に!
この細く伸ばした銅線を何十本も束ねて電線は作られているのです。
こちらの工場、銅線を引っ張る長さが必要なため、全長245mと長〜い形になっています。
また、津田電線は他にも光ファイバーのケーブル製造や、火災のとき煙が出にくい電線など、今も新しい電線を次々と生み出しています。

ご存知!京都「福寿園」

続いてやってきたのは、久御山の津田電線の近くに、これまた長〜く続いている会社「福寿園」!
今から220年前、寛政2年(1790年)創業の超老舗お茶メーカー。創業当時からお茶の問屋として、京都中の茶畑から茶葉を仕入れて、商いをしていました。
そんな京都のお茶業界では、知らない者はない福寿園の名を日本中の若者までに知れ渡らせたのが…

これ!2004年に発売した「伊右衛門」、サントリーとの共同開発で大ヒット!
この名前は福寿園の創業者、福井伊右衛門の名前なのです。
現在の社長は8代目の福井正憲社長。
なんでも最初は「伊右衛門」の発売に相当ためらいがあったそうなんです。
というのも…

福井社長:「伊右衛門」というのは元々の創業者ですから、その人の名前を私が使っていいかどうか…

創業者の名前を付けるからには、福寿園として失敗は許されない!!
しかも、200年を超える伝統的なお茶メーカーが、ペットボトルのお茶を作って本当に大丈夫なのか?
でも、伝統を守りながら冒険するのが福寿園の長寿の秘密なのです。

福井社長:常に革新したり挑戦したりしていますね!

最初の挑戦は、大正時代に始めた郵便小包によるお茶の通販。
これ、今流行のお取り寄せのはしり!
昭和50年代にはデパートではなく、スーパーで売るリーズナブルな別ブランド「宇治の露」を展開!

さらに、平成に入ってからは、ご飯にかけて「食べるお茶」を大々的にPRしました!
そんな福寿園に次なる攻めの一手がある!?ということで、やってきたのがお茶を研究している「福寿園 CHA研究センター」。
ここは自前の茶畑で商品開発から栽培・加工技術を研究しているところ。さらに、こちらには本邦初公開のモノがあるということで見せていただきました!

お茶?
福寿園 CHA事業本部 渡辺裕子さんによると…

渡辺さん:麹菌で発酵させた緑茶なんです。

そもそも緑茶は、茶葉をそのままでお茶にする飲み物。発酵させると烏龍茶や紅茶になるはずなんですが…
実は、味噌の発酵に使う麹菌で緑茶を発酵させると、お茶の機能性成分のカテキンが吸収されやすくなる!
カテキンと言えばメタボリック症候群に効果的ということで、今大注目の成分。

渡辺さん:今から商品にしようと思っているところです。

スタッフ:見せてもらって大丈夫なんですか?
渡辺さん:特許も取りましたし、見ていただいても構いません。

さすが太っ腹!なのにメタボに効く!発売は未定ですが、バカ売れしそうですよね!

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