過去の放送内容

「がっちりマンデー!!」毎週日曜あさ7時30分から

がっちりマンデー!!

過去の放送内容

2010年6月6日放送

特集

儲かる音

ゲスト

森永卓郎さん(経済アナリスト)、眞鍋かをりさん

番組内容

がっちりマンデー、今日のテーマは「音」!
いまや日本中の女子トイレに普及したTOTOの「音姫」や、映画館にも負けない音を実現させたYMAHAのホームシアターなど、私たちの周りには「音」でヒットした商品が結構あります!
そこで今日は、「音」で"がっちり"な会社が続々登場!
儲かる「音」ビジネスに迫っちゃいます!

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いま儲かる音「カメラのシャッター」

儲かる音ビジネス、まずは…「カメラの音」!

ソニーが開発したデジタル一眼レフカメラ「α(アルファ)シリーズ」 は、カメラのシャッター音にこだわり大ヒット!
では、なぜシャッター音にこだわるのでしょうか?ソニーの小西さんに伺いました。

小西さん:使われる方が触って、まず感じる最初の印象って音が大きく占めていると思っております。シャッターを押す瞬間がカメラで「撮りたい」と思っている瞬間ですよね!

確かに、お店でもカメラを手に取ると「カシャッ」とやってしまいますよね?
シャッター音はカメラ選びの大事な要素の1つなんです!
こだわるお客さんが多い一眼カメラの世界では、シャッター音の良し悪しが売り上げを左右するんだとか。

しかし、一言に「シャッター音」と言っても、大きく分けるとその種類は2種類あります。
1つはもともと音が出ない仕組みの「コンパクトデジカメ」に、後からつけた人工的な電子音。もう1つは、同じデジタルでも一眼の場合は、シャッターを押した時に機械が動いているリアルな音。
ソニーがこだわったのは、このデジタル一眼のシャッター音をいかに気持ちの良いものにするかということなんです!

小西さん:カメラは音を売り物にしているわけではありません。でも、その時にイメージが崩されるような音がするというのは設計者としても嫌ですね。

そこで今回の開発は、数多くのオーディオ機器を手がけてきた音の分析専門チームがサポート!
まず社員数十名をモニターにして、色んなカメラのシャッター音を聞いてもらい、どんな音が気持ち良いと感じるのかを調査!
その結果を受け、今度は設計中のカメラから出るシャッター音をコンピューターで解析する。

そして、その解析結果をもとに、シャッター音のためだけにカメラ構造の見直しをするのです!

音のためだけに部品の素材を変更したり、当たると音が出る部品の接触部分に緩衝材を入れたりと、改良に改良を重ねます。

でも、カメラのメカニズムは複雑にしてかなり緻密!
シャッタースピードは最高速で数千分の1秒!
それを正確に動かす部品がギッシリ!!
撮影機能に影響を及ぼすことは許されないので、改良はとにかく大事な作業なのです。

いま儲かる音「目覚まし着メロ」

続いては…「携帯の着メロ」!
あまり特徴のない音なのに、なぜか月間2万ダウンロードと大ヒットしている着メロがあるんです!いったいなぜなのでしょう?
その着メロを作ったケータイサイト制作会社?インデックスの筒井さんに伺いました。

筒井さん:これが究極の目覚まし音です。

そう究極の目覚まし音!つまり、その着メロは目覚まし専用に開発された着メロなんです!皆さんの中にも、携帯の着メロを目覚ましとして使っている方、いらっしゃいますよね?

筒井さん:目覚ましとして使うには、気付いて起きやすいとは思うんですが、ビックリさせて起こすということになってしまいますので。

そう、アラーム音だとビックリして起きるため、目覚めが悪い!!しかし、この着メロはいきなりビックリさせることはありません。

筒井さん:寝てる状態から日常の心拍数のリズムに段々近づいていくようになる。段々音が大きくなっていくんです。

最初は小さな音から始まり、徐々に大きくなっていくことで、体を音の大きさに慣らしていくのです!こうすることで、最終的に大きな音になっても気持ち良く起きられるというわけ。
さらにこの目覚まし着メロにはもう1つヒミツが!

筒井さん:「1/fの揺らぎ」という人体を最もリラックスさせる効果を与える音を使って爽やかに目覚めてもらおうという着信音です。

「1/fの揺らぎ」とは、自然界に存在する様々な音の変化の仕方のことで、これはあるルールにのっとっています。例えば、川のせせらぎの音もその1つ。
で、1/fの揺らぎを持つ音を聞くと、なぜか人間は安らかな気持ちになる!そこで、この1/fの揺らぎを、気持ち良く目覚めてもらうため、この着信メロディに入れ込んだというわけなんです。

しかし、本当に気持ち良く起きられるのでしょうか?番組スタッフで検証してみました!
スタッフルームで寝ていた番組スタッフの着メロが鳴り始め、徐々に音が大きくなると…

起きましたっ!!果たして目覚めは?

スタッフ:何となく、目覚めが良い気がします!

目覚まし着メロは他にも、朝の定番「ニワトリの鳴き声バージョン」が!
最初カワイイ鳴き声が、最高潮に達すると何羽ものニワトリが一斉に鳴き始める!これは起きざるをえません。
この究極目覚ましシリーズは、いま大注目の「音」なんです!!

儲かる音ビジネス「音を消してがっちり」

儲かる音ビジネス続いては…「音を消してがっちり」!
音を消して大ヒットしたのは、BOSEのノイズキャンセリングヘッドフォン!ヒットの理由は、雑音をシャットアウトできるから!
実力の程を、交通量の多い交差点で検証してみました!

ヘッドフォンには「ON」と「OFF」スイッチが付いており、このスイッチを「ON」にすると、周りの雑音が消えてしまいます!

音が消えたヒミツ…それは、ヘッドフォンの外側に付いているこのマイク!このマイクで外部から入ってくる雑音を拾っているのです。
なぜ、そんなことをするのかというと…

音には波のような形で伝わるという性質があります。そこで、その音と反対の波の形を持った音を一緒に出すと、お互いを打ち消しあう。この反対の波を持つ音を「逆位相」といいます。
このヘッドフォンの場合、外から入ってきた雑音をマイクがキャッチ。マイクに入った音を反対の波にして、ヘッドフォンから音楽と一緒に出す。これで雑音が消えちゃう!!
だから、耳にはプレーヤーから出ているクリアーな音だけが入ってくるんです。

そんな音の特性を使ってもっと大きな音を消しちゃった会社があるんです!
そこで、伺ったのは戸田建設の工事現場。技術統括部の半田さんによると、ここでは…

半田さん:掘削重機の音を小さくするものを開発いたしました!

確かに、建設現場は音が大きい!しかし、いくらなんでも工事現場の音を小さくすることなんてできるのでしょうか?
そこで活躍するのが…

重機についているコレ!戸田建設が開発した騒音除去装置「TANC(タンク)」!
装置が威力を発揮するのは、部屋の中。
甲高い音は窓ガラスで防ぐことができるのですが、重低音は窓ガラスを突き抜けてしまう。これを消しちゃうんです!

そこで室内に場所を移し、実験開始!手元のスイッチを入れると重機に取り付けられた「TANC」が作動し…本当に音が消えちゃいました!

半田さん:掘削重機の音を、スピーカーの音で消している。音を音で消しているんです!

そう「TANC」で使われているのも音の「逆位相」!

マフラーから出る排気音をマイクで集め、その音を「逆位相」に。両脇のスピーカーから
排気音にぶつけることで音を消しているのです!

このシステムの開発は、建設会社が抱えるある問題がきっかけでした。

半田さん:隣が事務所などですと、会議をするときに「うるさくて会議ができない」というクレームが来ますので、その間工事をストップしなければならない。そうすると工期が延びてしまったりするんです。

そう、学校が近くにあれば授業中は工事がストップ、隣のビルで会議があれば、これまた工事ストップ…。これでは、工事が滞るばかりです。
でも!「TANC」のおかげで時間の制約がなくなり、重機もフル稼働!!工期も短縮し、売り上げもアップするというわけなんです!
これは、日本中の工事現場で活躍しそうですね〜

▼スタジオでは森永さんにお話を伺いました。
森永さん:BOSEのヘッドフォンあったじゃないですか。アレ、もともとは戦闘機に乗るパイロットを騒音から守るために作られたものなんですよ。

音が見える!?「音メガネ」

音を使ったスゴイ機械を開発し、いま大注目の会社が!
そこで向かったのは、愛知県名古屋市にある中部電力。電力会社と音って関係のないような気もしますが、一体どんな機械をつくったのでしょう?担当の杉本さんに伺いました。

杉本さん:音を見る装置です!それが、こちらにあります音メガネです。

音を見ることができる装置「音メガネ」は、音の出ている場所や、音の大きさを目で見ることができるんです!

携帯電話が鳴っている状況で、それを音メガネで見てみると、オレンジの輪っかが!実は、このオレンジの輪のひとつひとつが「音」なんです!!
この装置がスゴイのは、様々な音が出ている場所から、特定の音だけを判別できるところ!
例えば、音メガネがあれば、こんなことが可能になります。

電力会社の施設内、色んな音がしています。ここに敢えてこの中に鈴の音を紛れ込ませてみても、耳で聞いただけでは全く分かりません。そこで鈴の音だけを判別できるようにプログラムした音メガネで探してみると、鈴の音の反応が!

では、なぜ音が見える装置を中部電力が開発したのでしょうか?

杉本さん:中部電力はいろいろな機械を持っております。例えば発電所や変電所といった色んな音を出す機械に何か異常があったとき、どこから音が出ているか、その音が出ている所を対策したいわけです。

そう、電力会社にとって「音」は大切なシグナル!
「シュー」っと何かが漏れる音や、ネジが緩んでいる音など、異常がある所からはいつもと違う音が。大きな音のなかからこれらの音を発見できれば、巨大な施設の中でもピンポイントで異常個所を発見できる!
そのために開発されたのが「音メガネ」というわけなんです。

「音」で電気を作る!

続いて向かったのは神奈川県藤沢市。ここには、音を使った意外な技術で大注目の株式会社「音力発電」という会社が!そこで早速、社長の速水さんにお話を伺ってみました!
すると、速水社長は不思議な装置を取り出し…

社長が「あー!あー!」と声を出すと、それに合わせてランプが光っている!

速水社長:電池とかは入っていなくて、人の声、音声によって発電する「音声発電機」というものです。

そう、速水さんが発明したのは、音の力で電気を作る「音声発電機」!
ちょっと変な発明に見えますが、世界のエネルギー問題を解決させるかもしれないスゴイ技術として大注目されているんです!
では、なぜ音で電気ができるのでしょうか?

速水社長:音というのは、空気中を伝わる振動なんです。振動なので揺れている間はずっと力が加わっています。その間、圧電効果で発電をするんです。

ヒミツは、装置の中に入っている「圧電素子」という素材。この「圧電素子」は、何らかの力が加わると電気を発電するのです!
しかし、音の振動はエネルギーとしてはかなり小さい…。そこで、速水さんは小さな振動でも大きな電力を発生する効率の良い「圧電素子」を開発したのです!
これで、音の力だけで発電できるようになった!
さらに研究が進み、音力発電が実用化されると、いつも残量ばかり気になる携帯電話のバッテリーも、通話しているだけで充電ができるようになっちゃう!

近い将来、地球を救うかもしれない新エネルギー音から、「目」ならぬ「耳」が離せなくなりそうです!

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