過去の放送内容

「がっちりマンデー!!」毎週日曜あさ7時30分から

がっちりマンデー!!

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2010年3月21日放送

特集

儲かる研修

ゲスト

森永卓郎さん(経済アナリスト)・福島和可菜さん

番組内容

今日のがっちりマンデーは「儲かる研修」!
儲かっている会社には、社員を伸ばす独自の研修があるんです。
社員を育てて会社が、がっちり!
今、研修で儲かっている会社のヒミツに迫ります!

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儲かる研修その1「交通安全研修所」

儲かっている会社の「儲かる研修」!
最初にやってきたのは大阪府北区にある「センコー株式会社」。
トラックの貨物輸送が主な業務で、年間売上げ2,127億円!
そんなセンコーには、何と自前の巨大研修施設があるんです!

それが総工費60億円を投じた、滋賀県にある交通安全研修所。
ここで行われている「儲かる研修」とは一体どんなものなのか?

責任者の株式会社クレフィール湖東の社長、下山敏英さんに伺ってみると、

下山さん:ここで危険な運転を体験していただくという研修を行っております。

危険な運転の体験研修?どれくらい危険なのか見せていただくことに。
集まっているのは、センコーのプロドライバーさん達。
用意されたコースには急カーブが。そこを、

指導員:50キロで曲がる!
研修生:手前でブレーキ踏んでいいんですか?
指導員:いやいや、ブレーキ踏まない。50キロを維持してずっと行く。

そんなスピードで曲がれるのか!?実際にやってみると、

研修生:ブレーキ、ちょっと踏んじゃいました。

怖くて途中でスピードを落としたり、曲がりきれずにパイロンを倒したりしちゃう人が続出!
何をやっているかというと、

指導員:普段、自分で思っているよりカーブがきついことがあるんですね。
ヒヤッとしたことないですか?
カーブ、どういう風な走り方が理想だと思います?
研修生:カーブの手前でブレーキですね。減速。
指導員:そうそうそう。

この研修、普段は体験できない危険な運転をすることで、安全運転の方法を学んでもらうことが狙い!
そして、こんな研修も。

路面に大量の水が!そして滑りやすそうなコースの中央には障害物まで!
こんな過酷な状況の中にトラックが突っ込んでくる。さらに!

指導員:じゃあ行きます。

ナ、ナント目隠し!
視界を失ったトラックは障害物に激突、衝突事故に!大丈夫ですか?

研修生:怖いですね。よそ見はしないようにします。

実はこれ、わき見運転の危なさを学ぶ研修。
2秒間、強制的に視界を遮断することでわき見を再現。
時速50キロだと、2秒でおよそ28メートルも進んでいるのです。

実際に体験したドライバーさんたちは、

研修生:怖いですね。えげつないです。

こりゃベテランドライバーさん達もタジタジ!
初心に帰って安全運転したくもなりますよね。
そしてもう一つ、センコーのドライバーが叩き込まれる超重要テクニック。
それが、燃料を節約するエコドライブ研修!ポイントは、

指導員:アクセル離してください。ずっと下り坂ですので、車は勝手に転がっていきます。

下り坂なのにアクセルを無駄に踏んじゃう方が意外と多い!
そこで、必要以上に踏まない研修をやっているんです。
研修前と後では、1.5キロ走って40ccの燃料を節約。
このエコ研修で、年間6,000万円のコスト削減。研修効果、絶大です!

儲かる研修その2「ピンポイント研修」

儲かっている会社の「儲かる研修」!
続いてやってきたのは、愛知県清須市にある「株式会社ベンリーコーポレーション」
ここは、その名の通り便利屋さんのチェーン店。

営業企画部長の深田英揮さんにお話を伺いました。

お店は何店舗くらいあるんですか?
深田さん:いま全国で約200店舗ですね。

この数、便利屋業界ナンバーワン!
便利屋では珍しく、チェーン展開で大成功できたのは、独自研修のおかげ。
便利屋さんと言えば依頼される仕事は、テレビの配線から犬の散歩まで、100種類以上!
こんなに沢山の仕事を、新人さんに覚えさせるのは大変!
そこで、ベンリーさんがやっているのが、短時間で仕事を覚えてもらう「ピンポイント研修」!

お邪魔したのは「錠前交換」の研修。
「錠前」は、部品が多く仕組みも複雑。
通常ならカギ屋さんに頼んで取り換えてもらう専門的な作業。
これを何の知識もない新人スタッフにどうやって覚えさせるのか?

指導員:こういう風に持って、工具を穴にきちんと押してやればノブがスポーンと抜けるはず。ほら簡単に抜けちゃったってことでしょ。

ちっちゃな穴に工具を挿し込んでグッと押すと、ガチャっとドアノブが取れちゃう!
このピンポイントさえ覚えてしまえば、ドアノブなんて一度も外したことがない入ったばかりのスタッフでも簡単に出来ちゃった!

沢山の情報から、大事な部分に重点をおいて教えこむのがピンポイント研修なのです!

この日、2つ目の研修は網戸の張り替え。
網戸用ローラーを使い、サッシに沿ってゴムをはめ込むという作業。

スタッフ:今までやったことは?
研修生:ないです、初めてです。厳しいですね最初は。

なんて言っていた新人さんも、ここからは企業秘密でお見せできませんが

先生のあまりに簡単なやり方を見て、もう興味津々!
今までやったことがない網戸の張り替え作業も、このピンポイントを覚えることで専門業者さん顔負けの作業が可能になるんです。
ベンリーコーポレーションは、この「ピンポイント研修」で便利屋さんを大量育成。
全国200店舗という、業界No.1企業に成長したのです!

儲かる研修その3「調理師試験研修」

儲かっている会社の「儲かる研修」!
「株式会社東京一番フーズ」は、関東に48店舗ある、ふぐ料理専門店「とらふぐ亭」の運営会社。
こちらのお店は激安で大人気!
安さのヒミツは、やっぱり研修にあった!

どんなものなのか、社長の坂本大地さんに伺ってみると、

坂本さん:合格率をアップする研修ですね。ふぐ調理師免許の。

とらふぐ亭がやっているのは、ふぐ調理師免許の合格率アップ研修!
試験の平均合格率は6割という中、こちらでは、

坂本さん:約9割ですね。

そのヒミツは、独自の研修システム。

指導者:一番、毎年出るのがトラフグ・カラスフグ・マフグ。これは絶対出るから!

なんと!とらふぐ亭では、過去の試験問題を徹底分析!
社員に出題傾向と対策を教え込んでいたのです。
その様子は、受験生が集まる、まさに「ふぐ予備校」!

指導者:トラフグとカラスは、トゲがあるから。マフグはトゲがないから。
で、食べられる部分も変わってくるから。ここまで覚えれば、どれが出ても分かる!

ここで使っている問題集はすべて、独自に作成したもの。
とらふぐ亭には、専門の試験対策担当者もいるんです。
試験を受けた社員たちから過去問をリサーチし、出題される確率を計算して、出題率100%の問題は特に徹底して勉強させるのです!
そして重要な実技試験に向けては、ベテラン調理師がマンツーマン指導。
実技は、毒のある所と食べられる所を分けるというもの。
この区別を間違えたら命に関わる!

指導者:待て待て待て、もうちょい下ここで切らないと。
研修生:はい。

細かい所まで何度も何度も実習を繰り返す。
これだけ徹底したカリキュラムを組んでいれば、合格率が9割なのもうなずけるというもの。
ふぐ調理師試験は年に1回しかない!
だから受験生の皆さんにも、こんな悩みが。

研修生:落ちると来年また後輩と一緒に試験を受けないといけないんで、それは自分のプライドが傷つくんで、意地でも受かりたいです。

「研修」でふぐ調理師を増やせば、その分お店も増やせる。
お店が増えれば、ふぐの大量仕入れが可能になって値段を安くできる!
とらふぐ亭が激安価格に出来るのは、こうした「儲かる研修」戦略があったからなんです。

▼スタジオにてお話を伺いました。
森永さん:とらふぐ亭がなぜ安いかというと、ふぐ調理師この道10年の人は給与が高いんですよ。だったら若い人に短期間で免許を取ってもらって安い給与で使うと、コストが安く抑えられるんです。

加藤:そしてベンリーコーポレーションのピンポイント研修ですが。

森永さん:今まで「研修」というと、社長が理念を語るなど精神論のものが多かったんですが、やはり今は即戦力なので、実技を覚えたほうがビジネスになるんです。

儲かる研修その4「引越し研修センター」

儲かっている会社の「儲かる研修」!
続いてやってきたのは、大阪府豊中市にある「アート引越しセンター」。
引越し専門企業No.1、年間売上げは679億円!
一体こちらでは、どんな研修を?

担当の上加世田剛さんに伺うと、

上加世田さん:実は、引越し屋泣かせの研修センターがあるんです!

それが、この一見「普通のお家」。しかしお邪魔すると、壁一面引越し用のシートだらけ。それにしても、

スタッフ:狭いですね。
上加世田さん:狭いです。約68センチで、建築法ギリギリの狭い入り口になっております。

でもって、階段クネクネ曲がってるし。

上加世田さん:家具がホントにギリギリ運べる状態です。

幅およそ57センチのタンスを研修生が2階から運び出してみると、待ち受けるのは難関のクネクネ階段。狭い上に、不安定な足場。こりゃ大変だ。

上加世田さん:はいストップストップストップ!ぶつけない!

壁に家具をぶつけるなんて、引越し屋さんが絶対にやっちゃいけないこと!
この研修は、あえて荷物が運びづらい家で作業をさせるというもの。

上加世田さん:ストップ!掛け声かけなあかんやんか!
ゆっくり回ります、上が当たります、とか。言葉をちゃんと。

これだけ階段が狭いと掛け声だけが頼り。

研修生:曲がります。アカン、当たる。
研修生:はい、ちょっと下げます。
研修生:はい、倒してください。

普通に歩けば10秒ほどの距離を、およそ10分かかって運び出しに成功。
こりゃ大変だ。この狭いお家で運べるようになれば、どんな家でもOKなんだとか。
実は、お客さんが引越し業者を選ぶ理由は、値段はもちろん「丁寧」とか「仕事が速い」とか、クチコミがけっこうモノを言う!
まず腕がよくなきゃお客さんに選んでもらえない。
だから、研修でのスキルアップが、お客さん獲得に直結するってワケなんです。

儲かる研修その5「技能伝承研修」

儲かっている会社の「儲かる研修」!
最後にやってきたのは神奈川県横浜市にある「IHIマリンユナイテッド」。
1隻数十億円もするという大型貨物船の建造・修理をしている会社で、年間売上げ1,600億円!
ここで大活躍しているのが、職人さんたち。
地上20メートルでの「高所作業」や高熱を発する「溶接」など、危険な仕事も難なくこなす!
こうした職人の世界では、「技は見て覚えろ!」というのが決まり文句。
でも、それだと若手が育つのに時間がかかって効率が悪い。
そこでIHIマリンユナイテッドでやっていることを、総務人事グループの藤澤昌隆さんにお聞きすると、

藤澤さん:技能伝承研修を行っています。

ベテランの職人さんが「見て覚えろ!」ではなく、手とり足とり直接指導!
その成果は絶大なのだとか。

東日本造船技能研修センター会長、眞下利一さんによると、

眞下さん:研修を3か月やることによって、現場で身に付く3年分くらいの技量がつくんです。

なんと!通常3年かかるところが、わずか3か月の研修で身に付くんですって!
つまり、若手に3年分払っていた給料が3か月分で済んじゃうってこと。
実際、見せていただきました。

技能伝承研修。この日は溶接の基本技術を学びます!
「溶接」とは、船の外壁で使う鉄板などを高温で溶かした金属で繋ぎ合わせていく、造船には欠かせない作業。
指導するのは永山幸三さん。
造船の鬼と言われた42年の大ベテラン。
ちょっと怖そう〜。
ところが研修が始まると、

永山さん:いいよ〜、ゆっくり〜。両サイド止めてよ。気をつけてよ〜。

とっても優しい!まさに手とり足とりのマンツーマン指導。

永山さん:今度、仕上げだからね、よく磨いてよ。

厳しく職人気質を叩き込むなんてもう古い!
現代っ子に合った環境・指導法で、専門技術をマスターしてもらうのです。

永山さん:溶接箇所のスタートが低いからね、気をつけて。

溶かし込む金属の量が少ないと、鉄板の強度が弱くなっちゃうんだそうです。でも多少失敗しても、

永山さん:いいかな、もう一回。
研修生:はい。

怒鳴らない!
これが鉄則だそうで、決して「バカ野郎!やる気あんのかっ!」なんてことは言いません。
この、専門技術を短期間で学べる「伝承研修」。
若手職人さんに大好評!

研修生:ベテランの人の技術っていうのは、こうすると仕事って早くできるんだな、綺麗にできるんだなって、すごくタメになることばっかりです。

この研修のおかげで、若手の退職者が減っているんだとか。
部下をお持ちの方、怒ってばかりじゃ伸びないようですよ〜。

▼スタジオにてお話を伺いました。
森永さん:今、若い人って割と早く辞めちゃうんですよね。
育つ前に辞めちゃうんで、我慢できる期間に一気に教えちゃったほうが会社にとっても本人にとってもいいんですよね。

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