過去の放送内容

「がっちりマンデー!!」毎週日曜あさ7時30分から

がっちりマンデー!!

過去の放送内容

2009年11月8日放送

特集

地方でがっちり第9弾

ゲスト

中田宏さん(前・横浜市長)、スザンヌさん

番組内容

今日のがっちりマンデーは、大好評企画「地方でがっちり儲ける」シリーズ第9弾!日本を支える儲かり企業があるのは東京だけじゃない!地方にだって儲かるヒントはたくさん転がっているんです。熊本で大量に売れている「謎の絆創膏」の正体や、世界中から注文殺到の「リアルな手」、鳥取の「儲かり冷凍寿司」のヒミツなどなど、これを観れば不景気なんて吹っ飛んじゃいますよ!

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極薄絆創膏でがっちり!

日本の地方でがっちり儲ける!まずは、熊本で大量に売れているという、リバテープ製薬の救急絆創膏「リバテープ」!

お話を伺ったのは、取締役 開発本部長の力武史朗さん。リバテープってそんなに売れているんですか?

スタッフ:熊本では?
力武さん:リバテープです!

これってどういうこと?普通の絆創膏を熊本の方に見せてみると…

女子高生:リバテープ!
スタッフ:リバテープ?東京では(リバテープとは)言わないですよ。
女子高生:え〜?

そう!熊本ではリバテープ=絆創膏って意味になるくらい当たり前のもの。年間生産数10億枚、売上げ40億円の儲かり絆創膏なんです!ではなぜ、リバテープが熊本に浸透しているんでしょうか?理由は、リバテープの歴史にありました。

リバテープのルーツは明治10年、西郷隆盛が熊本で政府軍と戦った西南戦争。そのとき、リバテープ製薬の創業者、星子亀次郎さんが、負傷した将兵にガーゼを当て、紙テープを巻いて治療していたのがリバテープの始まり。

そして1960年に発売したのが、救急絆創膏「リバテープ」。これが何と日本初の国産絆創膏なんです!つまり熊本県は、日本で一番古い絆創膏の生まれた場所。そんな長い歴史もあって、絆創膏=リバテープと呼ばれているんです。そしてリバテープは2007年、世界をアッと驚かせる、最新の儲かり絆創膏を生み出しました。それは、世界一薄い絆創膏「フレックスケア」!

厚さは何と0.01ミリ!普通の絆創膏と比べると、およそ10分の1!このフレックスケア、2007年にドイツで行われた展示会でこっそり発表したにも関わらず、90か国以上の医療関係者から問い合わせが殺到。あっという間に話題の絆創膏となったのです!でも、何で地方の小さなメーカーが、世界最薄の絆創膏を開発できたんでしょう?

実は、元々薄いテープを作る技術はありました。しかし、絆創膏が薄くなると、うまく貼るのがとっても難しいので、製品化には至らなかったのです。そこでリバテープ製薬では、この難問を解決する新しい「貼り方」を開発。それは、裏と表、両方に台紙をつけるという方法!薄いテープに一切触れることなく貼れるから、誰でも簡単にピタッ!このちょっとしたアイデアが、世界で最も薄い絆創膏を生んだのです!これは大ヒット間違いナシ!

力武さん:極薄絆創膏で、がっちり!

儲かり冷凍寿司でがっちり!

日本の地方でがっちり儲ける!続いては、鳥取にある米吾という会社の「吾左衛門鮓(鯖寿司)」!米吾の創業は明治35年。駅弁や仕出し弁当を作っている老舗のお弁当屋さんです。

その米吾でもヒット商品である吾左衛門鮓は、年間70万本を売り上げる超人気寿司なんです!お話を伺ったのは、社長の内田雄一朗さん。吾左衛門鮓がそんなに売れているのは、何かヒミツがあるんですか?

内田さん:これはですね、冷解凍しているんですよ!

米吾さんは、冷凍鯖寿司を生み出した会社。でも何でお寿司を冷凍にしたのか?約10年前まで米吾は、地方にあるごく普通のお弁当屋さんでした。

内田さん:駅弁として売っていたわけですから、そこそこ売れていたんですよね。ただ私の気持ちとして、やはりこれでは夢が持てませんし、将来は無いなと。全国展開はしたくてもできなかった。

そう、この吾左衛門鮓は手作りなので、一度にたくさんの数が作れない。しかも生ものだから作り置きできず、都会のお店からの急な大量注文に応えることができない。少ない数しか売れないため、全国展開は夢のまた夢。そこで内田さんがひねり出したのが、「お寿司を冷凍する」というアイデアだったのです!でも、生魚を冷凍・解凍したら普通は美味しくない!

ならばと内田さんが開発したのが、超急速冷凍ができる冷凍庫!普通の冷凍庫だと魚に含まれる水の分子が集まり大きな氷の結晶ができてしまう。これが細胞膜を破壊し魚肉の旨味が飛び出し鮮度が落ちる。解凍しても美味しくない!ところが米吾の急速冷凍庫は、一瞬にしてマイナス60℃まで冷凍!水分が結晶になる暇が無い。食べ物の細胞膜も壊れないから、美味しさが保たれるのです。しかもこのお寿司には、もうひとつヒミツが!

内田さん:冷凍して解凍した方が美味しいんです!

そこには、ちょっと特殊な解凍方法が!

解凍するとき、食品が融けるか融けないか、ギリギリの温度をおよそ2時間キープ。すると、細胞内のでんぷんやタンパク質が、不安な温度環境から自らを守ろうと分解を始め、糖の甘味やアミノ酸の旨味がどんどん増えてくるんです。冷凍しないお寿司と比べ、アミノ酸はおよそ20%増えているんですって!今や、米吾の吾左衛門鮓の売上げの8割が県外のお客さん。都会から離れた地方だからこそ生まれた、まさに食品の冷凍革命です!

スタジオにてお話を伺いました。
加藤:冷凍して解凍したほうが旨味が出るというのを発見したことによって売上げがアップするというのは、企業努力ですよね?

中田さん:そうですね。そこならではのものをどうやって美味しく届けるかですよね。東京に出てこないでお取り寄せみたいにしたほうが、現地のものが楽しめますよね。

加藤:あと、熊本のリバテープ!(熊本出身の)スザンヌも言ってた?

スザンヌさん:私、上京する時まで絆創膏のことをリバテープと思ってたんです。

世界に誇れる「ペン先」でがっちり!

日本の地方でがっちり儲ける!続いては、静岡県浜松市にあるテイボー株式会社へ!こちらで儲かっているのがなんと…

ペンではなく、ペンの先っぽだけ!油性ペンや水性ペン、蛍光ペンの先っぽだけを作って筆記具メーカーに供給している会社、って何か地味…。ホントに儲かってます?常務取締役の大津裕久さんにお話を伺ってみると、

大津さん:筆記具メーカーさんで当社のペン先をお使いになっていないメーカーさんはございませんので。

実はテイボーのペン先シェア、国内60%、世界では50%とダントツ!年間30億本を生産する世界No.1のペン先メーカーなのです!

テイボーの創業は明治29年。その頃作っていたのはペン先ではなくフェルト生地の高級帽子。「テイコクセイボー」、略して「テイボー」!でも何で、帽子屋さんがペン先を作るようになったのか?それは、「フェルト」という共通点があったから!

大津さん:フェルトの帽子を作る技術を持っていまして、このペン先の用途には非常に良いと。

しかも、本社のある浜松は元々、フェルトを使った繊維産業が盛んな町。そんなテイボーのフェルト加工技術の高さが認められ、全国の筆記具メーカーから注文が集まったのだとか。しかし、テイボーのペン先は何がすごいのか?それは、インクを上手く吸うところ!

ペン先は、インクを吸いすぎると書いていてポタポタ落ちちゃうし、あんまり吸わないとカサカサに。でも、テイボーのペン先はこんなことが全く無い!そこには独自のある技術が!

フェルトがインクを吸い込む原理は、隙間に液体が入り込む毛細管現象。隙間が広ければぐんぐん吸い込み、狭ければあんまり吸い込まない。テイボーでは、繊維を人工的に縮れさせることで、ペン先の吸い込み力を調節。インクの種類ごとにこの微妙な隙間を作っているんです。

さらに、フェルトより細い字が書けるプラスチック製のペン先も開発!何とこの細いプラスチックのペン先にも毛細管現象が働くように隙間が!ペン先を拡大して輪切りにしたものがこちら!

この黒い隙間をインクが上っていくんです。ネバネバ系のインクは隙間が大きな形、サラサラ系のインクは隙間が小さい形と、インクの種類によって形も様々。この、ミクロの隙間の技こそ、静岡県のテイボーが世界に誇るNO.1技術なのです!

大津さん:テイボーはペン先で、がっちり!

ホンモノを超えた「手」でがっちり!

日本の地方でがっちり儲ける!最後は、2007年に世界遺産に認定された石見銀山がある島根県大田市大森町へ。出迎えてくださったのは、中村ブレイス株式会社の社長、中村俊郎さん。

ここ中村ブレイスは義手や義足を作っている会社。中でも指紋や爪、関節のしわや手相までリアルに再現した「メディカルアート」はその質の高さから、日本はもちろん世界各国から注文が殺到しているんです。これ、すべて手作り!なぜそんなリアルなモノが作れるのか?それは、特殊な機材や高価な材料を使っているからでもなく、ただひたすらひとつひとつ丁寧に時間をかけているからなんです。

たとえば、1本の指を作るのに約10日!指に体毛を付ける作業に3日、爪を付ける作業に4日もかかるんです。また、指に自然な色を配合する技術を習得するのには、最低5年の修業が必要と言われています。

今では社員70名以上、かつてない成長を遂げようとしている中村ブレイスですが、元々は今から35年前、ここ大森町で中村さんひとりで始めた会社。でも、何でずっとこの小さな町で?

中村さん:都会では若者が育ったかなという。長期間で育てようという悠長な考えですよね。そういうものが都会のスピードに合ったかどうか。ここだから、悠久の流れでじっくり成長できたと。

とにかく時間がかかり、根気が必要な義手・義足作り。中村さんいわく、そうしたモノ作りをする若者を育てるには、静かでゆっくりした大森町がピッタリなんだそうです。

中村さん:中村ブレイスは、がっちり!

スタジオにてお話を伺いました。
加藤:地方だからこそ、長い時間をかけて企業が成功するっていうのはすごいですねー。

中田さん:日本の付加価値というのはキメの細かさだなと思いましたね。付加価値を付ける産業をやっていくことには、企業は相当な我慢が必要なんですよ。そういうところに産業政策を組んで世界へ育てていくのが大事だと思うんですよね。

進藤:中田さん!次に儲かりそうな地方を、横浜以外で教えてください!

中田さん:それは「富山」です!ホタルイカを県外不出にしたら、富山にホタルイカを食べに来るから価値が高まって儲かるんじゃないかと思いますよ!

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