過去の放送内容

「がっちりマンデー!!」毎週日曜あさ7時30分から

がっちりマンデー!!

過去の放送内容

2009年6月28日放送

特集

儲かる宇宙ビジネス

ゲスト

上原美優さん、森永卓郎さん(経済アナリスト)

番組内容

今日のがっちりマンデーは、儲かる「宇宙ビジネス」&「知られざる宇宙の最前線」を徹底解明しちゃいます!

■放送内容をシェアする

日本の宇宙ビジネス心臓部「JAXA」

まず最初にがっちりスタッフが訪れたのは茨城県つくば市にある「宇宙航空研究開発機構」、略して『JAXA(ジャクサ)』。
文部科学省が管轄する日本最大の宇宙研究施設です!
その年間事業費はなんと2000億円!
と聞くとお堅いところのようにも思えますが…

スタッフ:今日、いろんなお金の話から聞かせて貰いたいんですけど…
上垣内さん:大丈夫ですよ、がっちりマンデーさんのために!

迎えてくれた上垣内さんの印象は全くお堅くありません!

そこで早速、上垣内さんに建物の中を案内してもらうと、まず目に付いたのが映画のポスター。
……かと思いきや、実はこれ、NASAが作っているスペースシャトルの打ち上げを宣伝するためのポスター!
さすがNASA、とてもカッコイイ!

続いて上垣内さんが「普段はなかなか入れないところなんですが、今日はお見せします!」ということで案内してくれたのが…

こちら!何重もの鍵を開け辿り着いたのが「JAXA」の心臓部とも言える「きぼう運用管制室」!普段は撮影禁止にも関わらず、今回は特別に撮影が許可されました!こちらでは一体どんなことをしているのでしょうか?

上垣内さん:国際宇宙ステーションと直接交信したりしています。

この国際宇宙ステーションとは日本を含む15カ国が協力して建設している宇宙の研究所。
地上からはるか400kmのところに浮かび、その大きさはサッカー場とほぼ同じ!
しかも、何となく地球の上で止まっている様にも見えますが、実は地球を90分で1周してしまうほどの速さで周っているのです!

そんな宇宙ステーションに繋がっているのが、日本の実験棟「きぼう」。

若田宇宙飛行士が実験棟「きぼう」から交信をしていましたが、この実験棟からの交信は「NASA」ではなく、「JAXA」の管制室と繋がっていたんだそうです!
そう、この管制室は若田さんが使う実験装置を地上から遠隔操作する重要な場所だったんです!

さらに管制室でのお仕事以外の「JAXA」の重要なプロジェクトといえば…「宇宙飛行士の育成」!
一体どんな訓練がおこなわれているのでしょうか?

こちら、筒型の変わった建物のようですが…

上垣内さん:ここはですね、"閉鎖環境"を模擬して訓練する設備がある場所です。

その内部がコチラ!ここでは「閉鎖環境適応訓練」という訓練が行われるんだそうです。
「閉鎖環境適応訓練」とは、閉ざされた宇宙空間での生活を疑似体験するというもの。部屋から1歩も外に出ることが許されず、1週間数人の訓練生と共同生活!
中で行われる訓練はというと…例えば、延々と折り紙の鶴を折り続けたり、いくつものロボット・機械を組み立てたりと、これが結構キツイ!
さらに、上垣内さんによると…

上垣内さん:色んなプレッシャーをかけたんですね。彼らがやった作業を「これだとダメだからもう一度やり直せ」とか「明後日までにやると言っていた内容を、もう1日速くやってくれ」とか。

この「閉鎖環境適応訓練」これまで向井千秋さんや野口聡一さんなど、歴代の宇宙飛行士の方々も経験してきた地味だけど精神面が鍛えられる過酷な訓練なんです!
そんな宇宙飛行士を育てるためにかかる費用は…なんと、1人およそ2億円!

では、なぜ「JAXA」はこれほどの大金をかけて宇宙飛行士を育てているのでしょうか?
それは……将来、日本人だけで宇宙に向かうため!
今はまだ、アメリカやロシアの力を借りないと宇宙には行けない日本。そんななか、日本独自の宇宙開発を進めるためにも優秀な宇宙飛行士の育成が必要不可欠なんです!

そんな「JAXA」のプロジェクトに欠かせないのが宇宙飛行士を運ぶロケット!では、一体どんなロケットを作っているのか!?

上垣内さん:ないですね。ロケットは(JAXAではなく)三菱重工。名古屋の工場で作っていますね。

実は、今までロケットの開発や打ち上げができたのは「JAXA」だけでした。ところが、2007年に「民間企業がロケット製造や打ち上げをしも良い」というルール変更が!

さらに、2008年には「宇宙基本法」が施行。
これまで、ほとんど国の研究目的でしか打ち上げを認められなかった"人工衛星"を民間企業が色んな目的で打ち上げても良いということに!
つまり、日本でロケットビジネスがグ〜ンとやりやすくなったのです!

日本のロケットビジネスを引っ張る三菱重工!

そんな宇宙ビジネスのトップを走るのが「三菱重工」!
ということで、経済予報士見習いの水野がやってきたのが愛知県にある「三菱重工飛島工場」。

迎えてくれのは"ロケット一筋30年"という宇宙機器部長の浅田さん。
第1回の宇宙飛行士の募集に応募したという経歴も持つ浅田さんに、早速今製造中のロケットを見せて頂くことに!

浅田さん:いきなり見た瞬間を撮って欲しいですね。
スタッフ:感動します?
浅田さん:絶対に!

と、浅田さんが相当自信を持っているロケット製造現場がこちら!

ロケットをこれだけ間近に見られるのは、他にはない貴重な場所!

さらに、こちらに並んでいる筒のようなモノを全部組み合わせれば、純国産のH2Aロケットになるんだとか!

しかし、ロケットと言う割には意外と簡素なような気も…

浅田さん:構造は単にアルミです。厚さもこれだけ、2mmしかありません。

そう、なんとロケットの外壁は、たったの2mm!しかし、この薄い壁とシンプルな構造には大事な意味があるんです!

浅田さん:ロケットはほとんど燃料なんです。燃料タンクなんです。

そうなんです、実は巨大なロケットの中身は90%が燃料!「液体水素」と「液体酸素」なんです。ロケットを宇宙に飛ばすためには大量の燃料が必要!だから、燃料を少しでも多く積んでいくために外壁を薄くして軽くしているのです。

そんなロケット、そもそもいくらで売っているんでしょうか?

浅田さん:我々はロケットを作ることが仕事じゃなくて、運送業なんですね。
"人工衛星の宅配便"なんです。

そう、三菱重工さんが担っているのは「ロケットを作って売る」仕事ではなく、「ロケットを使って運ぶ」お仕事。

荷物を運ぶスペースはココ!

浅田さん:荷物で一番有名なのは"気象衛星"ですね。

荷物が「気象衛星」なら、お客さんは「気象庁」。荷物が「通信衛星」なら、お客さんは「電話会社」ということ。
しかし、荷物と言っても人工衛星のお値段は300億円!しかも遠い宇宙まで運ぶロケットとなると運送料も高そう!ではそのお値段は一体おいくらなんでしょう?

浅田さん:それは企業秘密なんです!競争相手がいますから…。

ちなみに、人工衛星の運送料の世界相場は、1回だけでおよそ80億円!一口に運送業と言っても儲かるケタが違うんです!
だから、世界中のロケット会社は打ち上げる"お客さん"の熾烈な奪い合いを繰り広げているのです。

まだまだ、三菱重工のロケットビジネスは始まったばかり!世界のトップを目指してこれからも頑張ってくださいね!

▼スタジオでもお話を伺いました

森永さん:(宇宙基本法が施行されて)世界は今ロケット競争なんですよ。この赤くなっている所、これはビジネスとしてやっているんですよ。

加藤:世界のロケット市場で今1位はどこなんですか?

森永さん:1位はフランスの「アリアン5」。2位はウクライナ/ロシア、アメリカの「シーロンチ(ゼニット-3SL)。そして3位がロシアの「プロトン」です。

加藤:日本はその下ということですか?

森永さん:でも、宇宙基本法ができて、ビジネスになったわけですよ。だからここからです!

宇宙旅行の最前線!

旅行会社の「クラブツーリズム」。この旅行会社は"ある人気ツアー"の予約を始めているといいます!そこで事業開発部部長の浅川さんに伺ってみると…

浅川さん:宇宙旅行をご案内しています。

そう、こちらの旅行会社「クラブツーリズム」が予約を始めているのが、低コストで行ける宇宙旅行!今まで宇宙旅行といえば、ロシアの宇宙船しかなく、約3ヶ月の訓練が必要でした。そのお値段もおよそ30億円と信じられない額だったんです!

ところが、今回「クラブツーリズム」と提携しているのが、ヴァージンレコードで有名なリチャード・ブランソン会長の「ヴァージンギャラクティック社」というれっきとした民間の宇宙旅行会社!もちろん、民間企業による宇宙旅行なんて"世界初"!
とは言っても運航はまだまだ先の話なんですよね?

浅川さん:今一番早ければ2010年の終わりくらいに!
スタッフ:来年ですか?
浅川さん:商業用の宇宙旅行が本当に始まってしまうんです!

夢の宇宙旅行、実はもう来年スタート予定なんです!この宇宙旅行、一体どんなものかというと…

旅行者を宇宙に運ぶのはロケットではなく、こちらの宇宙飛行機「スペースシップ2」!
アメリカ・ニューメキシコ州にある専用飛行場の滑走路から離陸するんだそうです。

そして上空15kmまで上昇すると、旅行者が乗っている中央の小型機が切り離され、高度100kmの宇宙空間へ一気に上昇!
この分離型の飛行機が手軽に宇宙旅行が出来るヒミツだったんです!

今までのロケットでは、大気圏を上昇する時の燃料が問題でした。どうしても大量の燃料が必要となり、そのせいで機体が重くなってしまって効率が悪かったんです。
ところが!「スペースシップ2」は大気圏ギリギリのところまで親機で上昇し、途中から小型機に切り替えて大気圏を突破するため、燃料も少なくて済むんです。

しかし、宇宙遊泳を楽しむことが出来るのはたったの4分間。
帰りは大気圏に再突入して、最初の飛行場へと戻ってくるのです。

そんな気なる宇宙旅行のお値段は…

浅川さん:2000万円!

やっぱりちょっとお高めです…。しかし、世界中ではすでに300人の予約待ち!そのなかで日本人は10人も予約しているんだとか!
一体どんな方が予約しているのでしょうか?

浅川さん:平均年齢はちょうど60歳でした。会社の社長さんが半分近くです。

来年の運航が成功すれば予約者も増え、多少お安くなるかも!
「クラブツーリズム」は宇宙旅行で"がっちり"なんです!

無人飛行機でがっちり!?

次に向かったのは、愛知県にあるベンチャー企業「PDエアロスペース」。この「PDエアロスペース」で開発されているものとは一体?

社長・緒川さん:本格的に宇宙機を作っていこうと思ってまして。

社長の緒川さんが開発しているのは、全く新しい低コストな宇宙飛行機!しかし失礼ですが、どう見てもそんな会社には見えません…

ところが、緒川さんは宇宙飛行機のスペシャリスト!大学では航空宇宙工学を学び、大手メーカーでは航空機の開発を担当。そして、低コストで高性能な宇宙飛行機を開発すれば必ずビジネスになると現在の会社を設立したんです!
そんな緒川さんにはある儲かり計画があるんだとか!

緒川さん:僕がやろうとしているのは"無人で開発すること"なんですよ

そう、人が乗って宇宙に行くものではなく、無人の宇宙飛行機の開発。そこに儲かりのタネがあるんだそうです!そのタネとは…衛星を打ち上げた時の"ある弱点"をカバーできる。というもの。

緒川さん:衛星って打ち上げたら絶対に直せないんですよ。ちょっと壊れたからといって持ってくることは出来ないので。
だから"初期実験"がものすごい大事になってくるんですね。

緒川さんが目をつけたのが人工衛星の"初期実験"!1機300億円もするのに「宇宙に打ち上げたら故障してしまった…」なんてことが実は結構よくある話なんだそうです…。
そこに目をつけて、人工衛星の部品を1度宇宙に持って行き、テストするというビジネスを考えたんです!

浅川さん:1回宇宙に弾道で持って行って、宇宙の暴露(過酷な)環境にさらし、プログラムを作動した時にパソコンが動いて、OKだったら「このシステムは正常」というようなテストが出来る。こういう市場が眠ってるんです。

宇宙空間に降り注ぐ強烈な太陽エネルギーや、急激な温度変化など、地上では宇宙環境のテストがとても難しいんだとか。しかし、緒川さんが開発する宇宙飛行機なら、ちょっとだけ宇宙空間を通り、テストすることが出来るんです。

しかし、そんな宇宙飛行機の開発はまさに命がけ!本当にできそうなんですか?

浅川さん:やります!うちのポリシーは「出来るか出来ないか」ではなくて、「やるかやらないか」なんで!

無人宇宙飛行機の運航目標は3年後の2012年!そして、宇宙旅行が出来る飛行機は2014年と、現在開発は急ピッチで進められているんです!
「PDエアロスペース」は宇宙機で"がっちり"!

■放送内容をシェアする

このページの先頭へ戻る

Copyright© 1995-2024, Tokyo Broadcasting System Television, Inc. All Rights Reserved.