過去の放送内容

「がっちりマンデー!!」毎週日曜あさ7時30分から

がっちりマンデー!!

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2009年5月10日放送

特集

ゴールドウイン!

ゲスト

(株)ゴールドウイン 代表取締役社長

番組内容

今回のがっちりマンデーは、スポーツウエアメーカーのゴールドウイン!
「スピード」「エレッセ」「チャンピオン」「ザ・ノースフェイス」「ヘリーハンセン」「スコット」これ、ぜ〜んぶゴールドウインが持っているブランド!
実は、あなたも知らないうちに着ちゃってる!?
知られざるスポーツ業界の巨人!「GOLDWIN」儲かりのヒミツに迫ります!

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ゴールドウイン儲かりの秘密とは!?

ゴールドウインが現在契約している海外ブランドは、競技用水着ブランドのスピード、
テニスウエアのエレッセ、アスレチックのチャンピオン、アウトドアのノースフェイス、
スキー、マウンテンバイクのスコットなど、その数なんと16ブランド!

もちろんこれ、日本のスポーツウエア業界No.1!
でも、ただ契約すればいいってもんじゃない!
スポーツブランドは契約してからが勝負なのです。

そこで、ゴールドウイン社長の弟で、広報担当責任者の西田勉さんに、スポーツウエアの売り上げを伸ばすために、絶対に欠かせない事を聞いてみました。

西田さん:競技販促ですね!

▼GOLDWIN勝利のヒミツ1 「競技販促」
そこで、競技販促に向かう、アスレチック事業部、坪井さんに同行しました。
やってきたのは三軒茶屋にあるキックボクシングジム。
この日のビジネスのお相手が…
K-1王者の魔裟斗選手!

ところで坪井さん、今日は何をしに来たのでしょうか?

坪井さん:次の試合のトランクスとガウンを届けに来ました。

競技販促とは、スポーツ選手にウエアをタダで提供するかわりに、選手に意見を出してもらって実際の商品開発に役立てる、ということなのです。

魔裟斗選手には5年前から「チャンピオン」を提供。

そんな魔裟斗選手のウエアに対するこだわりはというと?

魔裟斗選手:何が大事って、見ためが一番大事です!

さすが!チャンピオン魔裟斗!
でも、こうして実際に商品が売られているんです。

そしてもうひとつ、ゴールドウインが魔裟斗選手に商品を提供するにはわけがありました。

西田さん:モノ作りにも繋がるし、お客様に対して、この選手が着てるんですよと、
イメージを伝えることも重要なファクター(要素)です!

強くて人気のある選手にウエアを着てもらえれば、スゴイ宣伝効果があるってこと!
例えば、会社は違いますが、あの石川遼選手がヨネックスを使用することで、
売り上げが4倍になったんだとか!

で、こちらも、魔裟斗選手はチャンピオンのスポーツウエアでがっちり!
ゴールドウインもがっちりです!!

▼GOLDWIN勝利のヒミツ2 「ライセンス生産」
現在、ゴールドウインが提携している海外ブランドは計16、
でも、これらのブランドをただ輸入して販売しているわけではありません。

ゴールドウインがスゴイのは、提携したブランドのほとんどを、自分の会社でぜーんぶ作っちゃうところ。
それが、ライセンス生産!?

西田さん:本国の同じものを輸入して販売するのではなくて、日本なりに少し手を加える。
日本バージョンに焼きなおして日本で販売する。
そして、その対価としてロイヤリティーを本国にお支払いするというのがライセンス生産です!

ライセンス生産とは、提携先のブランドメーカーにロゴやデザインの使用許可を得て、
自社で製造販売、売り上げの一部をロイヤリティーとしてメーカーに支払うというもの。

つまり、ウエアを作る高い技術力がないと出来ないビジネス。
しかも…

西田さん:日本人の特性ではありますが、同じものでは満足しない、それを超えられるような努力をするわけですね。結果、本国からむしろ日本で作ったものを輸入したいということで、逆に輸出しているというケースもあります。

なんと、本国製よりも製品の質がいい、何てこともあるんだとか!

そんな、ゴールドウインの創業は1951年。
富山県小矢部市で、靴下やセーターなどの編み物を作る小さな会社でした。
その後、1956年にスポーツウエア業界に進出!

この富山の小さな会社を一躍有名にしたのが、1964年の東京オリンピック。

この大会で日本が獲得した16個の金メダルのうち、体操やレスリングなど、
なんと12個をゴールドウインのウエアを着ていた選手が勝ち取ったのです!

この方が創業者の西田東作さん。現在は会長職を務める御年83歳。

ところで、会長、どの金メダルが一番うれしかったですか?

西田会長:やっぱり(女子)バレー!バレー!

実は、東洋の魔女たちは、ゴールドウインのウエアを着て世界一になったのです!

現在、たった一枚だけ残っているのが、このユニフォーム。
確かにゴールドウインて書いてある!

その後、1970年、ゴールドウインはもうひとつ、日本のスポーツウエア業界初のチャレンジに成功しました。
それは…

フランスのスキーメーカー「フザルプ」との提携!
これが業界初の海外ブランドとの提携だったのです。
でもこれ、本当に大変だったんですって。

フザルプ経営陣の言葉、「日本人はすぐ猿真似をするから絶対に提携はしない」というフザルプを粘りに粘って説得したそうです。

70年代後半、スキーブームに乗ってフザルプは大ヒット!
これをきっかけに、ゴールドウインは海外ブランドとの提携をどんどん増やしていったのです。

でも、海外ブランドがこんなに多いと、いろいろ大変なこともあるのでは…?

西田さん:約束が違うじゃないかと、当初言っていたこととは違う要求が来たりですとか、パートナーではありますが、お互いに主張しあうので、当然ケンカになることもあります。

その打ち合わせの現場に潜入しました。
そこはエレッセの期間限定ショップのオープニングレセプション。

このパーティの数時間前、ゴールドウインの担当者の前に現れたのが、エレッセ担当のフィリップ・タッカーさん。

果たして、ここでどんな会話が交わされるのでしょうか…?

ゴールドウイン:私たちは今年いくつかの新作を準備しています。
エレッセ:2009年?
ゴールドウイン:そうです。
エレッセ:それはちょっと時間がなさすぎます。
ゴールドウイン:これはエレッセ50周年の企画なんです。ゴールドウインは世界に商品を売りたいんです。

ゴールドウインが、自分たちで作ったエレッセの新作を、世界中で売るのに協力を求めている様子。

エレッセ:私には出来るとは思えません。でも来年なら可能です。
ゴールドウイン:わかりました、来年のほうがお互いベストですね。

なんとか交渉成立!!
16もの世界のブランドを展開できるのも、こうした交渉の積み重ねがあってのことなんですね。

ゴールドウインテクニカルセンター、通称「GTC」

ゴールドウイン、ほぼ全てのブランドの商品開発をしているのが、創業の地、富山県小矢部市にドーンとそびえるゴールドウインテクニカルセンター、通称「GTC」。

そこで、がっちりマンデー経済予報士見習い、水野真裕美アナが「GTC」に潜入!
案内してくれるのは、西田社長のもうひとりの弟、吉輝さん。

まず最初はウエアの設計、デザインを行うフロア。
ここでは、主要なブランドの型紙を製作中。

エレッセ、チャンピオン、スピードなどブランドごとにブースで分かれていて、
それぞれチーム作業で、新商品の設計図が生み出されています。

続いて案内されたのは、巨大縫製フロア!確かに広い!
ここは、先ほどのフロアで設計したウエアの試作品などを作る場所。
でも、あんまり人がいないような…?

水野:意外と空いている所がありますけど
西田義輝さん:ここにいる人たちは多能工なので、一人で色んなミシンを使って一枚のウエアを作ることが出来ます!

試作品などを作る場合、分業にしないで一人で一着を仕上げる方が早く作れる。
何種類ものミシンを使いこなす、多能工なマダムたちの存在が、ゴールドウインの強みなのです。
このフロアで生み出されたのが、北京オリンピック水泳を席巻したスピード社レーザーレーサーのニュータイプ「レーザーレーサーハイブリッド」!

水野がはいてみると…

水野:キツイですよ!

これ、ホントに大変だって話題になりましたよね。
そこで、事業推進部の鏡達朗さんが代行!
すると、鏡さんが取り出したのは…

コンビニ袋。
これを足にはめて…簡単にはけちゃった!
なんでも、ほとんどのスイマーがこうしてレーザーレーサーをはいているそうなんです。
そして、最後は背中の部分を水野が閉めて完成!

お値段はレーザーレーサーより3万円ほど安い、40.950円で発売。

続いては、GTCにとんでもなくスゴイ人が働いているという情報を入手。
その方は…

技術主席 沼田喜四司さん
一見、普通のおじさんですが、この方ホントにスゴイんです!

スポーツ業界ではたったの3人!
ミズノでイチローのバットを手がけた方と、アシックスで高橋尚子のシューズを作った方と並び、沼田さんは厚生労働省が認定した「現代の名工」。

そんな沼田さんの何がスゴイのかというと、自社ブランドはもちろん、ライセンス生産する海外ブランドの全ての設計、デザインを担当。
特に、ウエアの機能性を大幅にアップさせたのです。

水野:沼田さんのどこがスゴイですか?
社員さんA:沼田主席は頭の中で立体的に形を作り出すってことが、他のパタンナーと比べてスゴイところだと思います。
社員さんB:神様みたいな存在です。

例えば、沼田さんが手がける前のラガーシャツは左のモノ、以前は簡単につかめちゃったラガーシャツが、今ではつかみづらいのが当たり前になった、というわけ。

当たり前の話ですが、スポーツウエアは見た目だけではなく、機能性が重要なのです。

そんな現代の名工、沼田さんが今一番力をいれているのが…

宇宙パンツ!
若田宇宙飛行士がはいていた!かもしれない下着を作ったのが沼田さんなのです。
でも、どう見ても普通のパンツにしか見えないのですが…

沼田さん:宇宙船の中では無重力なので水が使えません。そこで臭いを吸収したり、色んな雑菌が繁殖するのを防止して、抗菌機能があります。

そこで、実験!
普通の綿と、宇宙パンツの綿に着色した臭いの成分アンモニアをかけてみると…

宇宙パンツはあっという間に色が消えた!!
臭いの成分を分解する新素材を使っているというわけ。

さらに、人は宇宙に行くとこんな姿勢になっちゃう、そこでお尻側の生地に余裕を持たせたのも沼田さんのアイデア。

水野:この宇宙パンツお幾らくらいですか?
沼田さん:1着50万円くらいです。

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