過去の放送内容
2009年3月29日放送

特集
儲かる菌
ゲスト
森永卓郎さん(経済アナリスト)、西川史子さん
番組内容
今回のがっちりマンデーは儲かる菌!!
菌というとバイキン・細菌・雑菌など、どーしても悪い菌を思い浮かべてしまいますが、実は今、菌が一大ブームを巻き起こしているんです!!
そこで、今回は儲かる菌をみつけてがっちりな会社を大公開!
儲かる菌のヒミツに迫ります!
儲かる菌でがっちりな会社
菌の大きさは1〜4μm、およそ0.08mmの髪の毛と比較しても…

こんなに小さい!
地球上には100万種類以上の菌がいると言われ、まだまだ発見されていない菌がたくさん!
誰も知らない儲かり菌を見つければ、それだけでビッグビジネスになる可能性が!
例えば、ボスリヌス菌、食中毒を引き起こす強い毒素を持っていますが…
実は、皆さんご存知のシワ取り治療で大活躍!
その毒素がシワを作る毒素を弱め、シワを作らせないんだとか。

枯草菌、草が枯れてしまいそうな名前ですが、この枯草菌の仲間で作ったのが…

洗濯用洗剤「アタック」。
洗剤の中にある青い粒々の中に、枯草菌の仲間で作った酵素が入っているんです!
その酵素が繊維の奥に入り込んだ汚れまで取り出してくれる!
乳酸菌、ヨーグルトや飲み物でお馴染みの菌ですが、全く別の使い方をすると、
プラスティックができるんです!
乳酸菌はとうもろこしからプラスティックの原料を作っちゃうんです!
この経済効果は計り知れない!
こうしてビッグマネーを生み出す儲かる菌が、日本でも見つかっていたんです!
儲かる菌「白神こだま酵母菌」
儲かる菌、まず最初は「白神こだま酵母菌」

こちらが、日本のとある場所で見つかった白神こだま酵母菌。
その場所とは、1993年世界自然遺産に登録された秋田県白神山地。
その土に着目したのが、酵母菌研究の第一人者、小玉健吉博士。
彼が2年間掘り続けた結果、発見されたのが白神こだま酵母菌なのです!
この酵母菌がある業界の常識を大きく覆してしまったのです!!
それは…

パン業界!?どうしてでしょう??
そこで、白神こだま酵母パン屋ロワンモンターニュ 遠山広社長にお話を伺いました。
遠山社長:今まで出来なかった国産小麦のパン作りが可能になったんです!これはまさにパン作りの革命です!
パン作りの革命!?
これまで日本のパン業界は、ほとんどが輸入品の小麦粉を使っていました。
なぜなら国産の小麦粉を使っても、うまくパンが膨らまなかったから…。
そんな国産小麦粉でもふっくらパンが作れるようになったのは、
白神こだま酵母菌のおかげなんです!
そこで実験!
通常、パンを膨らませるのに使うイースト菌と、白神こだま酵母菌、同じように国産小麦粉に混ぜてパンを焼き上げてみると…

どーです!パンの膨らみが全然違う!
では、なぜ白神こだま酵母菌だと、国産小麦粉でもパンが膨らむのかというと、
イースト菌だと、急激に発酵するため発酵ガスが漏れて膨らまない。
一方、白神こだま酵母菌はゆっくりと発酵するので、ガスが漏れずふっくらってわけ!
さらにこんな特徴も!
高橋さん:マイナス80度まで凍らせても死なない!
自信満々に語るのは、白神こだま酵母菌研究員の高橋慶太郎さん。
ここ数年、冷凍パン生地の登場で、手軽に焼けるようになった焼きたてパン。
白神こだま酵母菌は、その冷凍にも強いというのです!
そこで、マイナス80度で凍らせた、イースト菌と白神こだま酵母菌を、
お湯の中に入れて解凍すると…

ご覧の通り!全く変化のないイースト菌に対し、白神こだま酵母菌は活発に発酵している!
冷凍パン生地でも大活躍間違いなし!
白神こだま酵母菌が発見されたおかげで、国産小麦を使った天然酵母パンの店が全国で急増中!
その数なんと400店舗以上!
まさにパン業界の革命菌!
儲かる菌「納豆菌」
儲かる菌、続いては「納豆菌」

こちらが納豆菌。学名「バチルス・サブチリス・ナットー」
大きさは、2.33μm。
稲わらに多く住んでいる納豆菌。
だから稲わらで大豆を包んで納豆を作っているんです。
しかし、納豆菌を使って納豆菌とは全然関係ないヒット商品を開発した会社があるんです!
そこで、がっちりマンデー経済予報士見習い 水野真裕美が伺ったのは、
納豆菌でがっちりな会社、日本ポリグル。
出迎えてくれたのは、工学博士でもある小田会長。
そんな小田会長が用意したのは、ビーカーに入っている濁った水。

水野:会長、これ何ですか?
小田会長:これは、大阪の普通にある池の水です。
こんなもので一体何をしようというのでしょうか?
すると小田会長、なにやら小ビンを取り出し…

小田会長:これは納豆菌から作り出しているネバネバ成分で作った、水をキレイにする薬剤です。
納豆菌で水をキレイに!?
そんなことホントに出来るの??
そこで小田会長、その薬剤を水に入れ、かき混ぜ始めた…すると!

大阪の池の水がキレイになっちゃった!
この水質浄化剤には納豆菌が作り出すネバネバ成分が入っており、
その成分には、水中に浮遊している汚れの微粒子を、お互い引っ付かせて、
汚れを一塊にして沈殿させてしまう働きがあるんです!
小田会長:簡単な「ろ過」でキレイな水が出来るんです。私は、これを飲むんです。
水野:会長それ池の水ですよ!
小田会長:こんな美味しい水ないよ。あなたも飲んでみたら?
水野:え!?

せっかくなので水野、水のむ。
水野:うまーい!
小田会長:これ10gで100リットルの水がキレイにできます。
なんとたった10gで2Lペットボトル50本分の水がキレイに出来ちゃう!
現在20カ国以上の開発途上国で、納豆菌から作った浄化剤で飲料水が作られています!
さらにこんな事も…

先ほどの浄化剤に鉄粉を混ぜたこちらの黒い粉。
これを同じように大阪の池の水に入れる。
そこで、汚れがくっついた所で、磁石を入れると…

なんと汚れが磁石にくっついた!
小田会長:これをやると金とが白金とかあるんだけど、そういったモノの回収も出来るようになったんです!
と、小田会長は簡単に言ってますが、実はこれとってもスゴイ技術!
納豆菌で作った浄化剤で、海底にごくわずかしかない金や白金の回収を可能にしたんです!
小田会長:この技術を発表した時、世界の水の専門家をみんな驚かして「まさか!?」と言われましたよ!
そんな日本ポリグルは納豆菌でがっちり!
儲かる菌「麹菌」!
儲かる菌、続いては「麹菌」!

こちらが麹菌。
大きさは2μm。
土の中を主な住処としています。
大豆に麹菌を付けることでできるのが、味噌や醤油。
お米に麹菌を付けると日本酒ができる。
といった具合に麹菌は、日本人の食生活とは切っても切れない菌。
そんな麹菌でがっちりな会社が、愛知県豊橋市にある株式会社ビオック。
なんともシャレた名前ですが、実はなんと600年以上も前から麹菌を生産販売しているほど、超〜老舗中の老舗!
当時の屋号も「こうじ屋三左衛門」と、こうじの文字が!

こちらの方、一見普通の社員さんに見えますが、次期当主29代目、村井祐一郎様!
こちらが販売しているのは、お米や大豆などに麹菌を生やして作る「種麹」というもの。
実は、このビオックの「種麹」を使っている会社には、超有名な企業が勢ぞろい!
村井さん:お味噌ですとマルコメさん、ハナマルキさん、タケヤさんに使っていただいております。
なんと、お味噌の大手メーカーがずらり!さらに!
村井さん:お酒のトップ3メーカー、月桂冠さん、白鶴さん、宝酒造さんに使っていただいております。
酒造メーカートップ3もお得意さん!
焼酎やみりんメーカーなどを合わせると、全国2000社以上に販売!
国内トップシェアの会社なのです!
そんなビオック人気のヒミツは麹菌のオーダーメイド!
各メーカーの要望に合わせた「種麹」を製造販売しているんです。
例えば、1本の大ヒットしたお酒があるとすると、その味わいを出せるのは、たったひとつの種麹だけ!
この種麹は他では作れないので、がっちり儲かるってわけ!
ちなみにその「種麹」、どんなものかというと…
普通のお米の玄米が200gで40円なのに対し、

村井さん:こちらがお米に麹菌を生やした種麹と呼ばれる物でして、200gで4400円になります!
お米に麹菌を生やしただけで値段が110倍に!
そしてビオックには厳重に管理されている場所が!
それは…

村井さん:こちらが菌庫になります!
菌庫ってなんだか、お金の匂いが…
では、初公開!いざ菌庫のなかへ!

そこには、これでもか!というくらいの試験管の山が!
ここには常時2000種類以上の麹菌が保存されているのです。
がっちり儲かっちゃう麹菌が眠っているんでしょうね〜
スタッフ:まさに金庫ですね。
村井さん:はい、お金の方で金庫に化けてくれればと!
さすが29代目!
ビオックは麹菌でがっちりです!
儲かる菌「深海で菌探し」
そして今、儲かる菌を求めて土の中だけではなく、こんな所にまで探索が!!
その場所とは…

深海!
というわけで、深海で菌探しを行っている海洋研究開発機構へ。
海洋研究開発機構の出口茂博士によると、
出口さん:深海は一言で言うと宝の山です!もうわんさか菌がいるんです!
では一体、わんさか菌がいる深海からどうやって採取しているのか?

そこで、深さ6500mまで潜れる有人探査船「しんかい6500」に番組が乗り込みました!
潜水開始からおよそ2時間半かけて、深さ6500mまで潜ります。
そして、目的地、深海6500mに到着!

早速、菌の採取開始!
慎重に泥をすくい上げ、ゆっくりと、落とさないように保管庫に戻し、任務完了!
そして、生き物の気配すらない、ここは…

なんと水深10896m!
こんな場所でも「ジオバチルス・カウストフィラス菌」という菌を発見!
これまでに7500種類以上の菌を深海から採取!
その中には、バイオエタノールを紙から作っちゃう菌や…と、これ以上は言えませんが、あんなモノや、こんなモノまで作っちゃう儲かる菌が続々見つかっているんです!
出口さん:儲かる菌はまだまだ眠っているはずです!