過去の放送内容

「がっちりマンデー!!」毎週日曜あさ7時30分から

がっちりマンデー!!

過去の放送内容

2008年8月31日放送

特集

クリーニング業界

ゲスト

森永卓郎さん(経済アナリスト)、大沢あかねさん

番組内容

今日のがっちりマンデー、テーマは"儲かるクリーニング業界"!
全国どこにでもあるコンビニの数はおよそ5万店、なんとクリーニング店はその3倍のおよそ14万店もあるって知っていましたか?
クリーニング業界は新しい技術とサービスで現在激しい競争が行われているアツい業界なのです!
今回は知っているようで意外と知らないクリーニング業界の儲かりのヒミツに迫ります!

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知られざるクリーニング業界

儲かるクリーニング業界!
まずは、どこの街でもよく見かけるピンクの看板でおなじみのホワイト急便。

創業は1961年、熊本県熊本市の小さなクリーニング店でした。
ところが、今では業界ダントツの店舗数1万1000店を誇るクリーニング界のキング!

そんなホワイト急便のキャッチフレーズは…

矢野勉さん(ホワイト急便広報部):朝出して夕方バッチリでがっちりです!

「朝出して夕方バッチリ」の7時間仕上げのクリーニングで大人気!ホワイト急便は超早いクリーニングのパイオニア。
でも、どうやって7時間で仕上げることができたのでしょうか?

矢野さん:30年前ですが、その当時1日1回多くても2回の集配が常識だったのですが、ホワイト急便は4回集配しようと考えました。

当時、洗濯物をクリーニング工場へ運ぶ配送車は1日1便が一般的でした。

ところが、ホワイト急便は1日4便、お店と工場を行き来していたから早いのです!

さらに、7時間仕上げを可能にしたのが…

矢野さん:乾燥と仕上げが一緒に出来ないかということで開発されたのが、この「仕上げ回収乾燥機」です。

普通は乾燥に20分、アイロン仕上げに20分かかっていたところを、こちらの仕上げ回収乾燥機は揺らして乾かしながら小さな蒸気の粒子を当てることで、スーツのシワも伸ばせてしまう画期的な乾燥機なのです!

普通の乾燥機で乾かしたスーツと比べると、アイロンがけの必要がなく、およそ10分時間を短縮できるのです!

そして、従業員の皆さんが首から提げている棒のようなモノ。
実はこれ、スピードクリーニングには無くてはならない道具なのですが…

素早くボタンを掛けるための道具、その名もボタンエイド!

ボタンエイドを使えば簡単そうに見える作業ですが、実は結構大変!
さまざまな洗濯物が集まるクリーニング工場の中で、大きさや形が違うボタン掛けはかなり手間のかかる作業なのです。
それを解消したのが、この魔法のスティック"ボタンエイド"!

そんなクリーニングのスピードを追及してきたホワイト急便の急成長のヒミツ…

それはロイヤルティー(加盟店が本部に支払うお金)!
飲食店のロイヤルティーは5〜10%ですが、ホワイト急便はなんと0.3%(取次店を除く)!
だから1万1000店舗を誇る業界No.1企業へと成長できたのです。

そんなクリーニング業界の中で、さらにめちゃめちゃ早いクリーニング屋さんがあると聞きつけてやって来たのは、群馬県高崎市にあるコングクリーニング。

横山博一さん((株)コング営業本部):お待たせ致しました!

慌てて迎えてくれたのは、営業本部の横山さん!
ところで、めちゃめちゃ早いクリーニングとは一体何でしょうか?

横山さん:ちょっと遠くから見てもらえばわかると思います。

もう一度外から店を見てみると…

横山さん:うちはドライブスルー型のクリーニング店なんです!

こちらはお客さんが車から一歩も降りることなく品物の受け渡しができる、ドライブスルー型のクリーニング店。

横山さん:「早い」「お待たせしない」そこら辺はずいぶん追求してやっています

群馬県は一世帯あたりの車の保有率が国内第3位!
車移動が欠かせない群馬の県民性を生かしたサービスなのです。

そしてコングクリーニングの人気のヒミツは…

横山さん:それはもう「3時間仕上げ」です!

3時間で仕上がれば、車に乗ったまま洗濯物を出してから買い物をして、帰りに受け取ることができるので、とても便利!
でも、一体どうやって3時間仕上げを可能にしているのでしょうか?

工場の中で見たそのクリーニング技術とは…

走っている!狭い工場の中を猛ダッシュ!ぶつかっても走る!

横山さん:うちはとにかく走ってます!
3時間で仕上げるにはみんな走る!

クリーニングが早い理由、それは「走っているから!」

さらにクリーニング工場と一緒のお店だから、あとは作業をいかに早くするかお店の人次第!
早く動けば、早く仕上げられる!

Q:車だと便利ですか?

お客さん:乗ったままスピーディーで、スーパーの帰りでも寄れるし本当に便利だと思います。

絶対にお客さんを待たせないスピードが勝負!
それがコングクリーニングのモットー!

ドライブスルーでがっちり!

知られざるクリーニング業界 その2

続いて向かったのは、東京都目黒区にあるクリーニング24。

こちらは一見普通のお店のようですが、実はすごいシステムを導入して大人気のクリーニング店なのだとか!

藤井とみ江さん(クリーニング24中目黒店店長):いらっしゃいませ!

Q:こちらのお店でスゴいシステムがあると聞いたのですが?

藤井さん:スゴいです!
後で見てもらいますけど、機械がグルッグルッ回ります!
スゴいことになります!
是非ご覧になって下さい。

機械がグルッグルッってどういうことでしょうか!?

なんと服が動き始めました!
お店の中をグルッグルッ回っています!
しかも、ものすごいスピードで、まさにクリーニングのメリーゴーランド!
でも、これは一体何なのでしょうか?

藤井さん:こちらが「おわたしくん」という機械です。
自動で受け付けることもできるし、自動で持って帰ることもできます。

おわたしくんとは、24時間無人でも受け取れるシステム。

深夜、お店の人がいなくても、会員カードを通せば、機械が自動でお客さんの服を探し出し、正確に取り出して、お渡ししてくれるというスグレモノ!
だから、人がいなくても、24時間営業ができるのです!

お客さんの感想は…

お客さん:いろんな所のクリーニング屋さんに行っていたんですが、みんな窓口時間が決まっているので、ここが出来てからは利用している人多いと思いますよ!

朝でも深夜でも、好きな時間に預けて好きな時間に受け取れるとあって、忙しいサラリーマンやOLに大ウケ!
さらにこんな便利なことも…

藤井さん:普通なら「何番?何番?」と伝票を見て探しに行かなければいけないんですが、おわたしくんですと、バーコードで全部動くようになっておりまして、その品物が出てきます。

機械が正確に品物を運んでくれるから、よくありがちな取り間違えもありません!
賢いおわたしくん!

ぐるんぐるん回ってがっちり!

▼スタジオにてお話を伺いました。
加藤:クリーニング屋さんでは何が一番利益率が良いですか?

森永さん:大きい声では言えないんですけど、一番儲かるのはセーターなんです!
ワイシャツとかスーツはアイロンを掛けなきゃいけない。
ところが、セーターはふんわり洗っちゃえばそれでセーターだけは高い値段取れるんです。

進藤:うまいこと出来ているといえば、24時間のおわたしくん!

加藤:あれは本当にいいですね。
夜しか行けない人もいっぱいいますからね。

森永さん:結局、クリーニング店のコストの半分は人件費だと言われているんです。
人件費を削るためにどうすればいいかというのを皆さん一所懸命考えていて、そのひとつが自動化・機械化ですよね。

加藤:でも、設備投資に相当お金かかりませんか?

森永さん:コストの半分が人件費ですから、これが少しでも削れれば莫大な利益が出るんです。

目からウロコ!最新クリーニング技術!

スタッフが向かったのは、伊勢丹新宿店!

高級ブランド店が多い伊勢丹の中に、今セレブに大人気のクリーニング店があるのだとか!

なんとも高級感ある店構え!
こちらは伊勢丹メンズ館の8階、一体どんなクリーニング店なのでしょうか?
取り扱っている品物を聞いてみると…

廣瀬智子さん(新宿伊勢丹ウォータークリーニング):30〜50万以上のものをお出し頂いています。

50万円以上の洗濯物!?

こちらはセレブ御用達のクリーニング店。
およそ8割は名高い高級ブランドばかり!
しかもそのクリーニング料金がビックリ!
シャツが1575円、スーツが6300円と、一般的なお店の約3倍の値段!

Q:高いですね!

廣瀬さん:そうですね。ただ、行程を見て頂きましたら、簡単にただクリーニングという枠の中で洗濯をするというイメージとちょっと違うんですね。

また、そのクリーニング方法が驚きです!
向かったのは、千葉県君津市にあるナチュラルクリーンの工場。

所狭しと並んでいる有名ブランドのスーツやジャケットがいっぱいあります!

迎えてくれたのはナチュラルクリーン(株)の山田幸雄社長!

高級ブランドを一体どうやって洗っているんですか?

山田社長:ウチはなんでも水で洗っちゃうんですよ!

でも、水洗いは縮んでしまうのでは?
では、本当に大丈夫なのかをナチュラルクリーン(株)の田中幸子さんに見せて頂きましょう。

田中さん:シャネル入ります!今度は40万円のルイヴィトン入れます!

さらに衣類だけに留まらず、こちらは100万円相当のエルメスのバッグ!さらに靴も水洗い!

スーツや革製品を水洗いすると縮んだりするのが常識なのでは?さっき実験もしたのですが…

Q:なんで縮まないんですか?

山田社長:水と泡ですね。非常に細かい泡です。

高級ブランド品が水洗いできるヒミツは、山田社長が開発した水と泡。普通の水道水で洗うと、水の粒子が繊維の表面を傷つけてしまいます。これが衣類を縮ませる原因です。
ところが、山田社長は質の良い井戸水を使って、ろ過を繰り返すことで繊維にやさしい水を作ることに成功!

さらに、ゆりかごのように優しく洗う洗濯機を開発!
そして、ミクロの泡を発生させ、油汚れを分解していたのです。

水道水と山田社長の水、洗って比べてみると、その差は歴然!

この画期的なクリーニング方法を使えば、有名ブランドを水洗いしてもこの通り!

ところが、業界の主流はやっぱりドライクリーニング。
水洗いを始めた当時、高い料金設定にお客さんが激減してしまいました。

山田社長:水洗いが慣れなかったので納期に1ヶ月半くらいかかって、1日やっても何点も仕上がらなかったわけです。
お客さまから怒られましたね。

さらに水洗いの技術は難しく、洗濯機の開発費もかさみ、お店は倒産の危機に陥っていました。
しかし、そんな山田社長にチャンスが訪れました!
アメリカで行なわれた「世界クリーンショー」で水洗いの技術を猛アピールしました!

すると、イタリアの有名ブランドから声が掛かり、顧客サービスとして採用されたのです。

山田社長:今から大体5年前からですね。
少しずつブランドメーカーの支持がありまして、そっちの方の売上げがスゴく伸びています。

今まで高級ブランド品やオーダーメード品が洗えずに困っていたセレブ達。
料金は高くても、ナチュラルクリーンに持ち込めば何でも洗ってくれると大人気になりました!
そんな画期的な水洗いのクリーニング、今では世界の有名ブランドや大手百貨店からも依頼が殺到!
山田社長の「水洗い」は世界標準のクリーニングに変わりそうな予感!

水洗いでがっちり!

▼スタジオにてお話を伺いました。
加藤:クリーニングは今後、二極化していきますか?

森永さん:一般庶民はなかなかこの値段では出せないと思いますけど、技術がどんどん進んでいってコストが下がっていけば、みんな水洗いのような洗い方になるかもしれませんよね。

進藤さん:コレを洗えば儲かるクリーニングを教えて下さい!

森永さん:畳です!畳って洗ったことないでしょ?
結局みんなどうしているかというと、張り替えるまで我慢です。
でも本当は洗った方がいいですよね。
今すでに洗える畳、畳そのものを洗える素材に変えるという技術はあって商品になっているんですけど、普通の畳を洗えるというのはまだ無いと思うんですよね。

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