過去の放送内容

「がっちりマンデー!!」毎週日曜あさ7時30分から

がっちりマンデー!!

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2008年8月17日放送

特集

儲かる場所 日本の港 名古屋港

ゲスト

森永卓郎さん(経済アナリスト)、スザンヌさん

番組内容

今日のがっちりマンデーは…儲かる場所シリーズ第2弾!
一回目の儲かる場所、羽田空港の次に登場するのは…日本の港!

でも、「港」って社会科の授業でしか聞いた事ないって言うあなた!
もう一度おさらいしてみましょう。

まずは、日本の漁港の年間水揚高ベスト3が…

第3位 造船業でも世界的に有名な長崎港、373億円!
第2位 まぐろ、かつおの水揚げが全国No.1!静岡県の焼津港、425億円!
第1位 世界40カ国から様々な魚が冷凍輸入される博多港、695億円!

そしてもう一つ、主にコンテナ船が出入りする商港の輸出入額ベスト3!
こちらの金額は桁違い!

第3位 横浜港、12兆7770億円!
第2位 東京港、13兆2470億円!
そして第1位が、16兆7490億円とダントツNo.1の名古屋港!

名古屋港は、貨物の取扱量でも唯一の2億トン越え!
まさに日本一の儲かり港なのです!

というわけで、本日の儲かる場所・日本の港は、名古屋港を中心にご紹介します!
今日はあなたの知らない、港ならではのお仕事をドドーンとお見せしますよ!

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日本の港の実力 その1

名古屋港が日本一の儲かり港なわけ、勘のいい方ならもうおわかりですよね。

名古屋港管理組合広報 佐々木論実彦さん:車の輸出が日本一でして、名古屋港で輸出する貨物の約半分を占めています。
そこが名古屋港の特徴と言えます。

そう、自動車の輸出がスゴイ!
名古屋と言えば、世界のトヨタの本拠地。
そのトヨタ車を含めて年間190万台の車が、ここ名古屋港から輸出されているのです。
お隣の三河港と合わせると、日本の自動車輸出全体の3分の1以上がこの地域からになるのだとか。

さらに…

佐々木さん:車だけではなくて他にも、航空宇宙や鉄鋼などの企業も進出しています。

そう、大きなモノは港で作らなきゃ!というわけで、まずは三菱重工業。
最新式ジェット機ボーイング787の主翼を作っているのは、名古屋港に隣接した工場。
ここから中部国際空港まで、巨大コンテナで海上輸送されるのです。
さらには、国産のH2Aロケットの製造もこちら。

大きいモノを遠くに運ぶには船が一番。
だったら港の近くで作った方が効率がいい、というわけ!

そして、名古屋港にはNo.1製鉄メーカー、新日鉄の製鉄所もありました。
岸壁に山積みされている赤茶けた石。これが、輸出されたばかりの鉄鉱石!

この製鉄所のすぐ奥で、鉄は作られているのです。

名古屋港のすぐ近くにある住友軽金属では、オーストラリアから輸出されたアルミニウムの原料、アルミインゴットを発見。

一本25キロの塊を年間1100万本(28万トン)輸入しています。
1200度という高温で溶かされたアルミ原料は、表面の不純物を削りながら板状に加工され、0.25ミリまで薄くしてからコイル状に巻き取られていきます。
これが完成したアルミ板のコイル。

国内でアルミ缶やデジカメのボディに使われる他、主に中国や東南アジアに輸出されるのだとか。
1トン34万円で輸入したアルミ原料を1トン70万円の製品にして輸出する。
これが日本のお家芸、加工貿易。

住友軽金属工業(株)名古屋製鉄所 上野順一郎所長:アルミインゴットは、100%海外からの輸入です。
したがって、港の側にある方が時間的な距離、あるいは運搬化のエネルギーの削減という点でも非常に価値があると思っています。

この加工貿易による儲かりを支えているのが、「港」だったのです!

日本の港の実力 その2

港の主役、それが岸壁に設置されたガントリークレーンと呼ばれるコンテナ専用クレーン。

経済予報士見習いの岡村がやって来たのは、飛島コンテナ埠頭。
こちらに設置されているガントリークレーンは3基。
リーチの長さは岸壁から伸びる事59メートル、世界最大級のコンテナ船に対応できる巨大クレーンなのです。
作ったのは三菱重工で、一基十数億円也!

地上60メートルの所にあるのが、ガントリークレーンの運転席。
おっと!吊り下げたコンテナと一緒に動いています!

岡村:運転席って乗せてもらう事できますか?

飛島コンテナ埠頭(株)総務グループ 橋本正太郎さん:じゃあ、今日は特別に!
かなり上が揺れますけれど、大丈夫でしょうか?

怖いもの知らずの岡村!
いざ、ガントリークレーンの運転席へGo!
まずはちっちゃなエレベーターに乗って…

岡村:うわぁー、高いなー!

エレベーターから降りてからは歩き。
絶対に安全だとわかっていても、下を見ると足がすくんじゃう!
そして、ここがガントリークレーンの運転席。

岡村:アニメの大きいロボットの操縦席みたいな感じです。
運転席の足元がガラス張りになっているんですね。

そう、オペレーターの足元はガラス張り。
下がちゃんと見えないと、作業できませんものね。

トレーラーが運んできたコンテナを、クレーンの4箇所のアームががっちりとロック。
ゆっくりと、でも軽々と持ち上げる!

どんどんと持ち上げられたコンテナは、そのまま船の方に移動していきます。
熟練の技術で一時間に積み込むコンテナは35本。
つまり、1本を積むのに2分もかかっていないのです!

新興海運(株)古閑文夫さん:(足が)張った状態だから、下に降りると安心するね…

そしてこちらが、岸壁の後ろに広がる飛島埠頭のコンテナターミナル。

ガントリークレーンで船から下ろしたコンテナをトレーラーで運んで、別のクレーンが積み上げる、コンテナの一時保管場所。
11基ものクレーンがいっせいに稼動していますが…

岡村:たくさんクレーンがあるんですが、こちらのクレーンはどこに運転席があるんですか?

飛島コンテナ埠頭(株)総務グループ 福原篤次長:実は、管理棟の4階の遠隔操作室で遠隔操縦しております。

なんとこちらのクレーン、遠隔操作で動かしているのだとか!
確かに、遠隔操作室って書いてある!

11基のクレーンを遠隔操作で操っているのは、たったの3人。
でも、確かに手元の操作でコンテナが吊り上げられている。

これはまるで…

岡村:UFOキャッチャーみたいですよね!

さらにすごいのは…

岡村:画面が暗くなっちゃいましたけど、どうしたんですか?

A:私たちがやる仕事が終わって、次は機械が自動で置く所に運んでいます。

コンテナをロックしてトレーラーから吊り上げたら、後はすべてコンピューターにおまかせ!
どこにコンテナを置くのかも、コンピューターが自分で判断するのです。

福原次長:従来は…11人がRTG(門型クレーン)に乗り込んで作業する事になるんですけれども、この仕組みを使うと少人数で11台のRTGの作業ができます。

この遠隔操作システムで、これまでの数倍、一人で一時間に50個ものコンテナを移動させる事が出来るようになったのだとか。
…と、こんなクレーンまで出現して、日本の港は大きな進化を遂げていたのです!

今から20年位前までは、荷降ろしや積み込みに2〜3日かかるのは当然でした。
それが今では丸一日もかからずに終了。
昔の話を船員歴32年、巨大タンカーの船長まで勤めた八木嘉幸さんに聞いてみると…

八木さん:昔はコンテナ1箱積むのに1時間かかったんですけど、今は3分で積んでしまいますからね。

だから、荷役作業中に船乗りの皆さんが港に降りる事がほとんどなくなったのだとか。

八木さん:私は昭和37年に船乗りになりまして、当時はまだ(港の周辺に)いっぱい店がありましたね。
外国人バーがだいぶあったようです。

名古屋港の近く、かつて通りに無数にあった船員バーも、今は面影すら残っていません。
ちょっとさみしい…!

▼スタジオにてお話を伺いました。
森永さん:これだけ近代的なんですけど、国際競争の面で見ると、例えば香港とかシンガポール、韓国の釜山とかに、日本の港はちょっと遅れをとっているんです。

加藤:それはどういうところでですか?

森永さん:例えば、韓国は釜山に集中的に政府の資源を投入して、完璧な港をつくっているんです。
一時期ちょっとやられちゃったんですけど、日本もずいぶん集中的な資源投下が行われるようになって、最近はだいぶ戻してきていますね。

加藤:どういう風にしたらみんなが集まるようになるんですか?

森永さん:一つはコストを低くする事なんです。
もう一つは、効率を高めて便利にする事なんですね。
そして、私はもう一つ楽しくする事なんだと思いますよね。
船員さんたちが来て、「ここ来たら楽しいなぁ」って思う所に集まってくるんだと思いますけどね。

加藤:スザンヌは何かある?

スザンヌさん:港は海があって癒されるじゃないですか。
窓が大きいレストランとかがあったらいいと思います。

加藤:でも、船員さんってずっと海を見ているんだけど。
ずっ〜と海を見ていてやっと陸に着いた人だよ!
窓が大きい所でずっと海を見ていても、人は来るかなぁ?

スザンヌさん:それは計算ミスでした(笑)

港ならではの儲かりビジネス!

港には必ずあって、絶対に欠かせない儲かりビジネス、何だかわかりますか?
それは「倉庫業」。
名古屋港だけでも70社の倉庫会社があるのです。

伊勢湾海運さんには、名古屋港ならではの倉庫が…。
それがこちら。
これから海外に輸出される工作機械でいっぱいの倉庫!

車や飛行機の部品を作るための工作機械の輸出量日本一なのが、名古屋港なのです。

伊勢湾海運(株)海運事業部 水谷雅和部長:今、名古屋港は工作機械が非常に調子いいですから、景気いいですね!

ん〜、今時景気いいなんて言葉、なかなか聞けるもんじゃありませんよ!!
で、この工作機械の輸送でなんと言っても大事なのが、梱包作業。
錆びなどを防止する銀色のシートで機会を被ったら、

さらに枠をはめ、頑丈に固定します。

一台数千万円もする巨大な工作機械の梱包費用は…

水谷部長:ちょっと答えにくいですけど、結構高いですね。

ここだけの話、ウン十万円!!ん〜儲かりそう!

他にも、ここにしかない仕事がたくさんあるのが「港」。
そのいくつかをご紹介!

▼港のお仕事 タグボート
皆さん、巨大なコンテナ船がどうやって岸壁に接岸するか、わかります?
エンジンを弱めながら自力ですい〜っと…というわけにはいかない!
必ず、この船の力を借りなければならないのです。
それがタグボート。

まずは接岸する時。船の後ろ側を直接押す!
このようにしてタグボートが手助けしないと、巨大船は接岸する事が出来ないのです。

タグボートについているのは、飛行機の古タイヤ。
大型船並みの大馬力が必要なため、エンジンは2基搭載しています。

また、巨大船が岸から離れる時も、タグボートなしでは無理。
出航と同時に船尾を引っ張る!
こうして岸壁に船がぶつからないようにしながら、くるりと方向転換させるのです。

スタッフ:カッコイイですね!

三洋海事(株)曽根功次船長:ハハッそうですね。
港の中の作業でも、こういうボートはなかなかいませんからね。

現在名古屋港では、20隻ほどのタグボートが活躍しています。

▼港のお仕事 水補給船
港に停泊中の一隻の船。その船内のタンクにすんごい勢いで入れられているのは…お水?

スタッフ:これ、特別な水なんですか?

(株)ナゴヤシップサービス 辻義樹さん:いや、普通の水道水です。

水道水が満タンになったら出航!
で、何をするのかというと、外国から来た船に水を補給する、という商売。
一回で200トン以上の水をポンプで送り込む!
で、このお水、いくらで売っているのかというと…

辻さん:1トン、作業料込みで970円くらいですね。

ん…1トン約1000円。
ところで、元の値段はおいくらなんでしょ?

辻さん:原水料は397円です。

1トン400円の水道水を1000円で販売!!
こりゃ、儲かりそうですね〜!

辻さん:いやぁ〜、船の維持費などを考えると割が合わないですね。

ホントですかぁ〜!?
でも、これも港になくてはならない仕事なのです。

▼港のお仕事 水先案内人
不慣れな場所の道案内をしてくれる人の事を水先案内人と言いますが、その元となる仕事が港にあったのです。

年間、のべ13万隻の外国船がやってくる日本の港。
でも、港はとーっても広い上、複雑に入り組んでいる!
そこで、港の事情に疎い外国船に一人でひらりと乗り込んで、目的の埠頭まで船を導く!
それが水先案内人。パイロットとも呼ばれ尊敬される、超ベテランの船乗りの方々。
医者や弁護士と同じ、国家資格がないとなれません。

この方がパイロット歴15年の…あら!?昔の港の事を教えてくれた八木さんじゃないですか!

未だ現役!失礼ですが、おいくつなんですか?

八木さん:60代最後の年になります。

69歳!?熟練の技術が必要なため、パイロットの平均年齢は65歳(伊勢三河湾水先区水先人会)。
70歳を過ぎてなお現役の方もたくさんいらっしゃるのだとか。

八木さん:自分が寄港する港の事情を、船長が隅々まで知るというのはほぼ不可能に近いですから。

現在、日本の港では650人のパイロット、水先案内人が活躍しているそうです。
ん〜、かっこいい!!

▼スタジオにてお話を伺いました。
森永さん:あのパイロットの試験項目を見たら、海の底の地理から気象から海洋法から救難から…ものすっごい難しいんです!

加藤:そんなに難しいものですか?
港の地理さえ頭に入れていれば、なんとなくできそうなものなんですけどね。

森永さん:いやいや!

加藤:運転するのは船長でしょ?
「そこ右右!」って言っていれば…できるんじゃないんですか?

森永さん:でも、それで大型船がちょっとでも間違えると座礁しちゃうんですよ。
その時の損害はものすごく大きいので、海の事をみんなわかっていないとなれないんです。

加藤:スザンヌ、タグボートもびっくりしたでしょ?

スザンヌさん:びっくりしました。
でも、あれ一生懸命押しててかわいい感じがしますよね。
親近感が持てました!

森永さん:接岸と離岸のセットが1回で、どうやら20万くらいなんです!

進藤:次にくる儲かる場所はどこでしょうか?教えて下さい。

森永さん:それはですね、大阪の日本橋なんです。
色んなアキバ系のお店を次々に出して、今1階に空き店舗が1軒もなく、どんどん上にお店を展開しているという状況なんです!
「萌えしゃんどん」っていうメイド喫茶があるんですけど、メイドさんのキャラクターをお客さんが選べるっていうサービスを始めたんです。

加藤:例えば?

森永さん:例えば、「妹」って言ってお店に行くと、「お兄ちゃん、お帰りなさい!」って言って妹が入ってくるんです。
二つ目が「ツンデレ」。
最初はツンツンしてて冷たいんですけど、突然デレデレになってくれるというね。
これは今まで秋葉原で…

加藤:森永さん!もう気持ち悪いんでやめてもらっていいですか(笑)?

森永さん:最後が!最後がどこもやっていなかった発明をしたんです!

加藤:教えて下さい。最後バシッと決めて下さい!

森永さん:それが、「嫁コース」っていうのを発明したんです。
いきなり、「あんたさぁー、帰り遅いじゃん!何してたの!?ホントに仕事なの!?」とかって怒られちゃうんです!
若い女性にやられるとね、ミョーに嬉しいんですよ(笑)

加藤:単純に森永さんが通ってる場所って事ですね…(笑)

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